ウォーハンマー×ブルアカ   作:eriza7170

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元ウォーハンマーの日常
元ウォーハンマーのゆるやかな日常1


 001

 

 給食部、それはゲヘナにおける戦場。

 数多の不良生徒と一般生徒、風紀委員やパンデモニウムの連中に至るまでのすべての給食を用意することが我らが使命。

 それはコーン神だったり、スラーネッシュ神だったり、はたまたティーンチ神、はたまたはたまナーグル神……はやめておこう。

 食べ物が腐るのは今の体では病気になる、昔は嬉々としてそれをバラまいていたが、今は健康第一だ。

 もちろん発酵と腐るの違いくらい分かっている、納豆というヤバい匂いのする豆を食ったときはナーグル神の恩恵を感じたが

 

 

「おにぎり給食完成しましたー!」

 

「次ステーキ給食だ!」

 

「コーン神よ! 今日は牛肉の脂を捧げます!」

 

 

 給食部、それは戦場。

 ゲヘナというケイオスの権化みたいな名前にたがわず、ここはケイオスである。

 ブラックレギオンの一部、アイアンウォリアーの一部、ワールドイーターやらデスガードやらエンペラーズチルドレンの一部と一般生徒が山のように飯時にやってくる。

 

 私? 私はケイオスマリーンのお手伝いと共に野菜を山のように千切りしています。

 

 

 ケイオスマリーン? っていうのはよくわからないけど、彼女らはそう呼ばれることを好みます。

 個別の名前もヘルメット団とか、スケバンとかみたいなのかなと思ったら、それよりも前、数百年前から同じ名前を使っているからもう変えるのも面倒臭いらしいです。

 数百年前ってどういうことなんだろう。

 まぁ私もそんな感じの特別な前世、みたいな妄想してたしそんな感じなのかな? と聞いたらひどい勢いで怒られました。

 痕にも前にもジュリ以外の全員からパンちゃんを無理やり三体くらい口の中に押し込められたのはあの時の経験だけだと思う。

 

 

「美食研究会がやってきやがったぞ!」

 

「ブッころ!!!」

 

「あー! 待ってコンちゃん! 今離れちゃうのはダメ!」

 

「きゃー! 野菜炒めが暴れます!」

 

「デスガード印の食用できる毒ガス鎮圧剤じゃー!」

 

「ありがとうございますデスちゃんさん!」

 

 

 ゲヘナの給食部は戦場、だけどなんだかんだで楽しいです。

 

 

 

 002

 

 

「はい! 皆さんおつかれさまでした! 今日もありがとうね!」

 

「「「おつかれさんっしたー」」」

 

「私はお料理の特訓のために残りますね、後片付けは私がしておきます」

 

「あ、じゃあ私も残ろうかな、このあとパンちゃんが暴れた時用の毒ガスつくっとかなきゃだし」

 

「俺は帰るわ、飼育小屋のニワトリの世話は誰だっけ?」

 

「ハ! 今日は私だな、アイアンウォリアー直伝の訓練術を見せてやろう」

 

 

 私の名前はワールドイーターの……まぁそれは重要じゃない、ここ、給食部ではコンちゃんと呼ばれている。

 何故かって? やたらめったらコーン神の肉の脂とか残った血の筋とかをゴミ箱に捨てるときに捧げるとか言ってたからだ。

 私ごときがコーン神を短くしたあだ名なんていいのだろうか? なんて最初は思ったら、呼ばれ慣れてしまったらこれ以外では落ち着かなくなってしまったのだ。

 

 このあだ名をくれた我らが給食部の長であるフウカ部長には感謝している。

 

 まぁ同じワールドイーターの者たちからは不評だがそんなもんは給食部の絆からしてみればどうでもいい。

 まず俺と友達になってから言え、友達じゃない元同じ戦団だけってだけで絆なんてありゃしないのだ。

 昔なんて殺すことしか興味なかったし。

 

 今? 今は何かを作ったりすることが楽しい。

 

 そんなことを考えながら歩いていたら、何故か私はニワトリ小屋にいた。

 特に理由がない時はここが一番落ち着くのだ。

 

 

「よぉ、なんで当番じゃないお前がいるんだ?」

 

「ここが落ち着くんだよ」

 

 

 昔の俺はこんな性格じゃなかった、もっと血と栄誉を求めていただろう、まぁ今思えば単なる殺戮の一つだった。

 元のいた世界じゃありふれたことだった、あの戦いはなんだったか、なんか狼に食い殺された覚えはあるんだが、詳しいことはなんも覚えてない。

 次の記憶はここに少女の体で存在していた。

 

 まぁそのあとも覚えてない、いまだに体にくすぶっていた勢いのまま周りに当たり散らした。

 だが、言ってしまえば少女の体だ、キヴォトスと言えど、元ケイオスマリーンと言えど、少女の体で当たり散らしたところで周りに被害なんて軽微だった。

 

 そして私はゲヘナの風紀委員の数の暴力でとらえられた。

 

 そうして私のなかに一つの感情が生まれた。

 

【はらがへった】

 

 あまりの空腹の音がうるさかったのか警備の者がくれたおにぎりは涙が出るほどおいしかった。

 そうして私はこれを作ったものの力になりたいと思い、給食部に入った、そしたら同じ感情を持っていた者が十数人いたのにはビックリした。

 どんだけ久しぶりの空腹がつらかったんだ私たち、と笑ったもんだ。

 

 

「しかし、この状況は奇妙なもんだよな」

 

「何がだ、ワールドイーター」

 

「お前と俺がここにいて、呆れかえるほどの殺し合いになってないって状況だ」

 

「……あぁ、そうだな」

 

 

 アイアンウォリアーの少女はニワトリにエサを与えながらこちらに視線を向ける、そこには確かな友情があった。

 

 

「ツァンゴ! ツァンゴ!」

「ツァンゴ!」

「ツァツァ!」

 

 

 ニワトリ、というには青すぎるし角が生えているニワトリのような生き物が鳴いている。

 エサの時間はこいつらにとって至福のひと時なのだろう、私だってごはんがあるのはうれしいもんだ。

 

 

「というかこれ思ったんだがニワトリなのか?」

 

「正直いってみたことないから知らない」

 

「農業惑星襲った時も記憶ないし俺も知らんが、これツァンゴールじゃ」

 

「ワードベアラーの連中が言ってたんだが、ケイオスディーモンを呼び出したらこれと似たような何かが呼び出されたらしい、こいつはサウザンドサンの元ソーサラーに貰った」

 

「ふーん、まぁいいか」

 

 

 平和なひと時に一味の渾沌を、それが元ケイオスマリーンの日常である

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