ウォーハンマー×ブルアカ   作:eriza7170

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プロローグ2 キヴォトス

 001

 

「改めて自己紹介を、先生」

 

 

 エレベーターに乗る、スペースマリーンが乗れるほど巨大なそれは耐荷重ギリギリに二人が乗れることを可能としていた、これはスペースマリーンが重すぎるだけであることを認識していなければ、七神リンという女性に何を言われるかわかったもんではないだろう。

 

 外の景色を見る、長く、戦場となっていた自身の防衛する惑星、それではみないような、数多の都市とビル、街と学校、そして中央にあるというサンクトゥムタワーに私たちはいる、らしい。

 

 まるで城下町がより広がったハイヴシティのような街並みに圧倒される、それをかなりの高度から眺めているにもかかわらずだ。

 

 

「私の名前は七神リン、学園都市キヴォトスの連邦生徒会の幹部です」

 

『私は』

 

「先生の自己紹介は他のメンバーが集まってからにしましょう、到着まで短い時間ですが質問はありますか?」

 

『いや、大丈夫だ、不思議と頭の中に情報は入っている』

 

 

 数銭の学校が集まり、巨大な学園都市を形成している場所、キヴォトス、そう頭の中で認識されている情報がある。

 全く未知の情報なのに不思議とそれを正しいと認識している、不思議と、という言い方は間違いはないだろう

 

 

「不思議と?」

 

『気にしないでくれ』

 

「そして貴方は先生、のはずです」

 

『曖昧な言い方だ』

 

「先生がこちらに来る、ということしか連邦生徒会長から聞かされてないのと、どう来たのかが全くの不明なのでそうとしか言えないのです」

 

 

 ですが、と前置きを言う

 

 

「先生にやっていただけないと困ることがたくさんあります、えぇ、たくさんです」

 

『重要な仕事のようだ、腕が鳴る、とでも言っておくといいのだろうか?』

 

「怠けるのも困りますが、あまり根を詰めすぎるのも困ります」

 

『ふむ、ここでは惑星よりかは平和……』

 

 

 突如景色の遠くが爆発しているのが見える、先生は驚いたが七神リンは驚いた様子を見せない、むしろ溜息を吐いているのは驚愕というより面倒くさいという顔だ。

 エレベーターが下がっていく。

 

 

「先生は外の世界から来たのですから驚くのも無理はありませんね、ここは外の世界では死傷となりうる銃火器で武装し、それを喧嘩目的で使う場所です、ここで生きる生き物すべては銃火器程度では死にはしません」

 

『なんだそれは……ここは渾沌の次元か何かなのか……?』

 

「混沌としている状況ではありますね」

 

『異端審問官に見つかったら面倒臭い場所だ……』

 

 

 よくよく見れば七神リン幹部も耳がとんがっているし頭には光り輝く輪がある、アエルダリ的な顔的特徴ではないから気づかなかったが、ここは思ったより異星人的場所なのだろうか?

 だが先生として託されたからにはそういう偏見……偏見? はダメだろう、特にここは何かが違う場所なのだから。

 

 空を見る、円形の輪が何重にも広がっている、ブラッドエンジェル戦団の伝説に伝わるヘイローにも似ている、と思う。

 

 ここはブラッドエンジェルの聖地的な場所なのだろうか? だがそれにしては物騒すぎるだろう、あの戦団も少々物騒なところはあるが、そういう物騒さではない。

 なによりあの戦団のメンバーはほとんどが金髪に碧眼とかつでのプライマークであるサングィヌス様にそっくりな面影の者が多い。

 それに頭にヘイローガ浮かぶのはあくまで伝説に他ならない、そんな伝説に一人目で遭遇するなんて奇跡がおこるはずがない、と思う。

 

 チーン、とエレベーターが到着を知らせる、レセプションルーム、と電光掲示板に表示されているのを見る。

 

 

「あ! 代行! 見つけたわよ! 連保伊生徒会長を出し、て……!?」

 

 

 エレベーターのドアが開き、彼女が見たのはまず代行と呼ばれた七神リンの姿、そして巨大な重装甲な何か。

 

 

「……隣のメカの方は誰?」

 

『メカじゃない、俺はスペースマリーンだ』

 

 

 まさかメカニカスの兵器に間違われると思わなかった、確かに最近できたプライマリス手術やら、それに追従して行われたパワーアーマーの更新、つまるところ外見は同じ技術体系ではあるが。

 

 

「すぺーすまりーん? それが何なのかはわかりませんが……とにかく! 代行! 連邦生徒会長を呼んできて!」

 

「んん、主席行政官、お待ちしておりました」

 

「連邦生徒会長に会いに来ました、風紀委員長が、今の状況に納得のいく説名を要求されています」

 

 

 黒い翼と持つ黒髪の女性、カーキ色の落ち着いた髪色の少女、そしてメカと間違えてきた黒青の髪色を持つ少女の三人がいた。

 全員がユニークな服装をしている、自分の記憶にはない奇抜な服装だ、長生きの父親なら知っているだろうか?

 

 

「あぁ……面倒臭い人たちにつかまってしまいましたね」

 

 

 七神リン幹部の顔が実に面倒臭いというか、呆れを通り越した疲れの表情をしている。

 

 

「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった、生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余しているみなさん」

 

「そんな暇そ……大事な方々がここを訪ねてきた理由はわかっています」

 

「今学園都市に起きている混乱の責任を問うために、でしょう?」

 

 

 実に目がつめたい、こんな時に面倒ごとを持ってきやがって、という顔をしている、その顔がこちらに向かないか先生と呼ばれたスペースマリーンは若干心配になっている。

 

 

「そこまでわかっているならなんとかしなさいよ! 連邦生徒会なんでしょ!」

 

「数千もの学園自治区が混乱陥っているのよ! この前なんか、うちの風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

 

 

 髪の毛を二つ結んでいる少女が言う、発電施設がシャットダウンしたのは大ごとだなと思う、人災であればなおのことだ、混乱というからにはそういうことなのだろう。

 

 

「連邦矯正局で停学中の生徒の一部が脱走したとの連絡もありました」

 

「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちの襲う頻度が最近急激に高くなりました、治安の維持が難しくなっております」

 

「戦車やヘリコプターなどの出どころの分からない武器の不法流通も2000%増加しました、これでは正常な学園活動に支障が生じてしまうます」

 

『なんだそれは……ディーンチ神の気まぐれな謀略か何かか……?』

 

 

 思わず声が出てしまう、戦団長という地位であるために自治惑星の政治にも関わったことがある身としてはそれだけの不法流通があるにも関わらず治安が完全崩壊していないのに違和感すら感じる。

 もはや渾沌か反乱異星人に掌握されてもおかしくないと思うのだが、それだけ広大であったり各自の治安組織が優秀ということだろうか?

 

 

「こんな状況で連邦生徒会長はなんで姿を数週間もあらわさないの? いますぐ会わせて!」

 

「……連邦生徒会長はいま席にいません、正直に言いますと行方不明になりました」

 

「……え!?」

 

「……!」

 

「やはり、あの噂は……」

 

『……』

 

 

 行方不明、ただごとではないに自身にも関係があることだ、いま、おそらく自治惑星では自分は行方不明扱いだ、いつの間にかこのキヴォトスにやってきたということしかわかっていないが、おそらくそうだろう。

 あそこには義父上がまだご存命であれば問題はないはずだ、副官たちも優秀だ、自分がいなくても代わりの戦団長候補なんて何人もいる、こういうときのために後輩育成は問題なくやっていた。

 だが、こちらは違うのだろう、後任がいればこんなトラブルにはなっていないはずだ。

 

 いや、まさか後任が私なのか?

 

 

「結論から言うと、サンクトゥムタワーは現在最終管理者が不在なため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です」

 

「認証を迂回できる方法を探していましたが、先ほどまでそのような手段は見つかりませんでした」

 

「それでは、今はその方法が見つかったということですか、首席行政官?」

 

「はい」

 

「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです」

 

「!?」

 

「!」

 

「この方が?」

 

『やはりか……』

 

 

 だが時系列があわない、リン行政官は数週間前からと言っていた、自分が来るまでのタイムラグ、それが不明だ、まさか私がここに招待されたのは緊急事態ゆえか? 普段程度の侵略ならば呼ぶこと必要のないスペースマリーンのようなトラブルがこのキヴォトスという場所で起こっていると?

 

 

「ちょっと待って、この先生と呼ばれたロボットの方はどなた? どうしてここにいるの?」

 

「キヴォトスの方にしては……何か威圧感のようなものを感じますね」

 

『私をメカニカスの機械なんぞと一緒にしてもらっては困るな』

 

 私はヘルメットを外した、その少女たちの反応は一緒だった

 

 総じて反応は、重厚なロボットだと思った頭の装甲板から煌びやかな金髪と碧眼が現れたことに対する驚きだろう。

 

「「人!?」」

 

「人、だったのですね……それにしては私たちとは違いますが、外の世界から来た方ですか? 七神リン首席行政官」

 

『その質問には俺が答える、自己紹介をしよう、おそらくは連邦生徒会長から指名され派遣されたスペースマリーン、ゴールデンアスタルテス戦団長、アレックス・オリバー・ゴールデンだ』

 

「わ、私はミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の早瀬ユウカです」

 

「トリニティ総合学園から来ました、守月スズミです」

 

「同じくトリテニィ総合学園から来ました、正義実現委員会、副委員長の羽川ハスミです、よろしくお願いします」

 

「ゲヘナ学園風紀委員会、火宮チナツです、聴きなれない単語は外の世界のグループか何かですか?」

 

『こちらでいう学園のリーダーだと思ってくれ、作られてそんなに年月は経ってないが、一応二代目の戦団長だ、よろしく頼む』

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

 

 

 互いの会釈が入る、挨拶は大事だと、戦争が繰り返される世界においても、日夜爆発と銃撃が繰り返される世界においても同じくらいに大切な行為だ

 

 

「おほん、こちらの先生は連邦捜査部、シャーレの顧問となってくれる方です」

 

「シャーレというのは?」

 

「端的言えば一種の超法規的機関です、連邦組織のために、キヴォトスに存在する生徒を制限なく加入させることが可能であり、各学園の自治区で、制限なく戦闘を行うことも可能です」

 

『なるほど』

 

「なるほどって、先生はそれに了承してやってきたんじゃないんですか?」

 

『前の仕事場からいきなりここに連れてこられたんだ、前の職場の後任通達もまだなのにな』

 

「それ大丈夫なんですか!?」

 

『連邦生徒会長とやらには会ったことがない上に、だな』

 

 

 あまりの連邦生徒会長の横暴さにユウカという少女が青い顔して絶句している、スペースマリーンにおいては突然の拉致なんて割と日常茶判事なのであまり気にしていないが、この世界は爆発は起きるが戦場という雰囲気ではなさそうだ。

 

 

「なぜこれだけの超がつくほどの法的機関を連邦生徒会長が作ったのかは不明ですが……」

 

『そういえばシャーレの部室はどこにあるんだ? この建物の中にあるのか?』

 

「ここから30km離れた外郭地区にあります、今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で地下に【あるもの】を持ち込んでいます、そこに先生をお連れせよ、という伝言が残されています」

 

『そこには何で行く予定なんだ?』

 

「予定ではヘリ……なのですが、先生の身長のことは連邦生徒会長から聞いてませんでしたので、トラックか何かがあるはずです、少々お待ちください、モモカ? シャーレの部室に向かうためのトラックか荷台があいている乗り物が必要なのだけど」

 

「あー、シャーレ? 外郭の? あそこ大騒ぎだけど?」

 

 

 

「は?」

 




先生の見た目は頭部が赤、肩と胸当てが黄金色、あとは青色。
そして黄金のオオカミの毛皮をまとっている感じです
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