OP『ウィーアー!』
スカイランドの城がある島が騒いでいる頃、エースは平原で青い髪の男の子と特訓していた。
この子の名はレッド・ハレワタール。
数年前に生まれたエースとソラの弟であり、姉のソラと同様、ヒーローに憧れており、そんなレッドをエースは鍛えてあげていた。
エースとの特訓でレッドはかなりの強さを手に入れた。
「オリャ!」
「うわっ!」
「またおれの勝ちだな」
「いてててて…やっぱりエースお姉ちゃんは強な〜…」
「確かにな。だが、お前も前よりも強くなってるぞ」
そう言うとエースはレッドに手を差し伸べる。
「ほら、大丈夫か?」
「うん」
エースは差し伸べられた手を掴んだレッドを引っ張り、立たせる。
特訓を終えた二人は近くの草原で寝っ転がり、休憩を取った。
「お姉ちゃん、本当に良かったの?」
「何がだ?」
「ソラお姉ちゃんと一緒に行かなくて」
この日はソラの恩人が隊長として務めている護衛隊に入隊するためにスカイランドの王宮へと旅立ったのだ。
「おれは別にヒーローにたいって、訳じゃねェからな」
「ふ〜ん……前から気なってたんだけど、お姉ちゃんはどうしてそんなに強くなりたいの?」
「…ま、色々あったんだ。色々と」
エースはレッドからの質問を前世の家族や仲間たちのことを思い出しながら答えた。
すると、エースの近くに歪んだ穴が開いた。
「何これ?」
「さぁな。だが、行ってみなきゃ分からねェ。レッド、すまねェが先に家に帰っといてくれ」
「え?でもエースお姉ちゃんは…」
「大丈夫だ。必ず戻ってくる」
レッドに戻ってくると約束すると、歪んだ穴の中に入ると同時に歪んだ穴が閉じ、それを見たレッドはただ呆然としていた。
歪んだ穴の中に入ったエースは謎の空間の中を彷徨っていた。
「入ったのは良いが……どうやって此処を出りゃ良いんだ?」
そう、エースは出る方法も考えずに歪んだ穴の中に入ってしまったのだ。
「ったく……出口は何処だ?」
エースは空間の中を彷徨いながら出口を探していた。
すると、
「ん?何だありゃ?」
エースの目の前に燃え上がる炎に包まれたペンがあった。
それを見たエースは興味本位で掴もうとした次の瞬間、エースの背後に光る歪んだ穴が現れ、そのままエースを飲み込んでしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
エースが穴に飲み込まれた直後、先程あった炎に包まれたペンは何処かへと消えていった。
一方、ソラはというと、
「わあぁぁぁぁぁぁ!!?」
赤ん坊を抱えながら空から落っこちていた。
ソラが抱えている赤ん坊はスカイランドの姫、プリンセス・エルであった。
何故こうなったのか、少し時をさ遡らなければならない。
鳥に送ってもらったソラは、急いでエルを連れ去ったカバトンという男を追いかけ、一度はエルを救出するが、不意を突かれてしまい、またしもエルはカバトンに捕まってしまう。
カバトンは空間に穴を開け、そこから逃げ出していき、カバトンを追いかけるため、ソラも穴の中へと入る。
穴の中にある空間内でカバトンは空間内に浮いている岩に顔をぶつけ、気絶してしまい、何処かへと落ちた。
その際にカバトンはエルを離し、ソラは無事にエルを救出することができた。
エルを抱えたソラは気が付いたら空中におり、そのまま空から落ちてしまった。
そして、現在の状況にいたる。
「そこ!どいてくださぁぁぁぁぁい!!」
「えぇぇぇ〜!?」
空から人が落ちてくる光景を目の当たりにした少女は思わず声を上げて驚いた。
お互いがぶつかる!そう思った次の瞬間、エルは秘められた力でソラと自分を浮かし、無事に着地させることに成功した。
「ふぅ〜…はっ!ご、ごめんなさい!ビックリしましたよね!?実は私も相当ビックリしてて!偶然、誘拐現場に偶然出くわして、この子を追いかけて不思議な穴にえいやと、飛び込んだら、空の上にポコって、それでピューって、はっ!?」
マシンガントークをしていたソラは、街中にある物を見て驚く。
「え!?え!?何ですかこの変な街!?アレ、なんですか!?アレは!?もしかしてここって、魔法の世界~!?」
「ターーーイム!」
少女はソラのマシンガントークを止め、二人は一度深呼吸をすると、
「「これ、夢だぁ…」」
二人は同じ結論にいたった。
「夢でしたか」
「うんうん!夢夢!」
落ち着いた二人は自己紹介を始める。
「初めまして、夢の中の人。私、ソラ・ハレワタールです」
「私はましろ、虹ヶ丘ましろだよ」
二人は自己紹介を終えると、ソラが質問する。
「鉄の箱が道を走っているなんて、夢の世界は凄いですね!この夢の街、名前はなんて言うんですか?」
「ソラシド市だよ」
「ソラシド市……ん?あっ!」
ソラはましろが持っている物に気付いて声を上げる。
ましろが持っていたのはソラのヒーロー手帳だった。
謎の空間内でソラがカバトンからエルを救出をする際に落としてしまい、それをましろが拾ったのだ。
「え?あ〜…これ?もしかして」
「私のです!拾ってくれてありがとう!とても大事な手帳なんです!」
ソラはましろから大事な手帳を受け取ると、ましろが質問する。
「なんて書いてあるの?」
「これですか?これはスカイランドの文字で、『私の——」
ソラがましろにスカイランドの字を教えようとした瞬間、大きな音が聞こえた。
「夢の中、ホントなんでもありだよ!」
「許さないのねん、ソラ…!まずはお前をボッコボコにして、それからプリンセスをいただくのねん!」
「えるっ…!」
聞こえた方向を見ると、そこには豚のような顔をした大柄な男がおり、その男を見たエルは明らかに怯えていた。
この男こそが、プリンセス・エルを誘拐しようとしたカバトンという男であった。
「怖くないですよ。私が守ります」
「……守れるかな?」
カバトンは近くにある工事現場に置かれてあるショベルカーを見つけると、地面に手を付ける。
「カモン!アンダーグ・エナジー!」
カバトンは手から紫色のエナジーを放ち、ショベルカーを包み込むと、
「ランボーグ!」
ショベルカーが怪物へと変貌したのだ。
それを見たましろは驚くが、街にいた一般人も同様だった。
ランボーグが暴れ出し、身の危険を感じた一般人たちは逃げ出す。
「普通に痛いよ!これ、夢じゃないの!?」
ましろは自分の両頬を抓り、この痛みで夢じゃなく現実だと理解する。
「ましろさん」
「は、はい!」
「この子を頼みます!」
そう言うとソラはましろにエルを託す。
「ソ、ソラちゃん、だっけ?一緒に逃げ…」
ましろは一緒に逃げようとソラに言うが当のソラ本人はランボーグに向かっていこうとする。
「行っちゃダメ!」
ランボーグに向かおうとするソラの手をましろが掴むが、ましろはある事に気づく。
(震えてる…)
そう、ソラの手が震えていたのだ。
「スゥー…ハァー…」
ソラは一度深呼吸をすると、
「…相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く。それがヒーロー!」
そう言ってソラはランボーグに向かって走っていった。
「ソラちゃん!」
「早く逃げてください!」
ソラにそう言われ、ましろはエルを連れて逃げていった。
カバトンとランボーグの元までやって来たソラは動きを止める。
「ギャハハハ!お前にこのランボーグを倒す事は出来ないのねん!さっさと降参した方が身の為なのねん!」
「…やってみなければわかりませんよ?」
ソラは構えを取り、
「あなた達は、私が止めます!!」
カバトンとランボーグを迎え撃つ。
その頃、エースは、
「なぁ、ここは一体なんて言う街なんだ?」
「あー、この街は…」
ソラシド市でこの街が何処なのか教えてもらっていた。
ここに来る数分前、エースもソラと同様、空から落っこちたが、高い身体能力とメラメラの実の能力のおかげで無事に着地することができた。
そのあと、エースはこの街は何なのかと街の住人から教えてもらっていた。
そして現在の状況に至る。
ソラシド市に降り立ったエースは街の住人から、ここはソラシド市という街だと教えてもらった。
すると、
ドゴォォォォン!!
遠くから大きな音が鳴り響き、街の人たちは何事かと驚いていた。
その音を聞いたエースは急いで大きな音が鳴った方向へと向かった。
今日はここまでです。
次回は本格的に戦闘に入ります。