ゲーム大好きな私の沢山の”魔法”でヒーローになりたい   作:もっちもち♪

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合否発表

「う〜〜ん……」

 

「……お母さん。いい加減落ち着かない?」

 

「だ、だってぇ!アイちゃんの学力じゃ受かるかどうか心配でぇ!」

 

「うぐ……で、でも実技試験!実技試験は頑張ったから!」

 

「それは確かに聞いたけど!!でも、でも〜〜!」

 

雄英高校の入試試験後、あれから約1週間が経過した。

正直合否が出るまでの1週間はまともに過ごせた気がしなかった。

イベント走るどころじゃなかったし、ログボ回収しかできなかったのが現状だ。

もし合格できなかったら、もし失敗したら、なんて不安がぐるぐる頭の中を巡らせているせいで気付いたら1日が終わった、なんてことを繰り返している気がする……

不安を加速させんと言わんばかりにお母さんは私の部屋をあっちこっちあっちこっち回りまくってて落ち着きがなさすぎる。

 

筆記試験が上手くいってなかったのをあっさり見破られてしまったとはいえ、実技試験はマジで頑張った方だと思っているので、最悪実技試験は突破している……と、思いたい……。

 

それより一番気掛かりなのはあの男の子だ。

入試でのぶっ飛ばしが凄かったから、あれはかなり加算されるだろうとは思っていたが、それでもやっぱり不安は残るものだ。

 

暫くスマホをいじっているとインターホンが鳴った。

 

「あ!もしかして…!」

 

「私行ってくる!」

 

急いで部屋を出て玄関先まで走り、封筒を受け取る。

右下には『雄英高等学校』の文字が書かれてあった。

そのままお母さんを呼び、リビングまで移動した。

 

「……いい?どんな結果でも恨みっこ無しよ!」

 

「うん!」

 

決意を抱きいざ封筒を取り出すと、丸い機械のようなものがポロっと落ちてきた。

とりあえず他の紙とか封筒は端に寄せて、機械を真ん中に置いた。

ボタンを押せばいいのだろうか。

 

震える手に、母の手が重なる。

 

「せーの、で、いきましょ!」

 

「……はい。」

 

「「せーーのっ!!」」

 

ポチッ

 

ボタンを押すと、空中にスクリーンが投影される。

映っているのは__黄色のスーツを身に纏ったオールマイト!?

 

『わーたーしーがー…投影されたー!』

 

「えーーーーーー!?」

 

まさかまさかの人物の登場に私は目を丸くした。

いくらゲーム好きで世間に疎いといえどオールマイトの存在は流石に知っている。

なにせ日本が誇るNo.1ヒーローのの称号を持つのだから伊達ではない。

色んな人に合格通知を届けているのか、どうやら驚くことは想定内だったようで愉快に笑いながらオールマイトは私の驚きにまるで答えるように愉快に返事をした。

 

『HAHAHAHA!驚かせてしまったかな?

何故私がここに居るかって?

実は来年度から私は雄英の教師として教鞭を振るうことになったからだ!

あ、まだ秘密だからね?

さて、話はここまでにして、結果発表に移るぞっ!

 

まず筆記試験だが……ギリギリ合格ラインって所だ。長文が出来ていなかったら不合格だったよ!もうちょっとだけ知識部分、頑張って!!』

 

「あぶな……」

 

「ほらやっぱり!!アイちゃんなら絶対落ちるかギリギリだと思ってたもの!!」

 

長文はあまり自信がなかったのだが思考判断はうまく行っていたようで安堵した。

顔を風船のように膨らませて私を見つめる母の視線を私は何気なく逸らしつつ、本命である実技試験の報告を待った。

 

『次に皆が鎬を削った実技試験。これは本当に凄いぞ!

君が獲得したヴィランポイントは47ポイントだ!文句なしの合格!』

 

「っしゃーーー!!!実技試験合格!!!」

 

大方予想通りというか、全力を出しきれたのでまあそうでしょうねというか。

母も実技試験には自信満々だった私の様子を見て「アイちゃんさっすが〜!」と私の背中を軽く叩いて祝福している様子だったが、オールマイトは人差し指を左右に振って「まだ早い」と言いたげだった。

 

『チッチッチ。喜ぶのはまだ早いぞ想空少女!

我々が見ていたのはヴィランポイントにあらず!

力より大事なヒーローの大前提、人を救わんとする意志。

雄英高校が審査していたもう一つの項目__救助活動(レスキュー)ポイントが残ってるからね!!映像で見させてもらったよ、瓦礫に埋もれた少女を救出した上に安全な場所に避難させた上、落下していく少年を助け出した君の勇気!これは本当に素晴らしかった!!

最後に速度を制御しきれずビルにぶつかりかけてしまった部分は差し引かれてしまったが…

救助活動(レスキュー)ポイント、32点!!合計点数は79点!!よって想空少女は実技試験を首席合格だ!!

 

___おいで、想空少女。ここが君の、ヒーローアカデミアだ!』

 

「…………え…………」

 

しゅせき……首席、そう。オールマイトはそう言った。

聞き間違いではなかったようで、私は狐に摘まれたような顔を、母は豆鉄砲を食らった鳩のような表情をしながらお互いに見つめあった。

正直これが夢でも驚かないどころか実技試験首席合格って……マジ????

震えた声で母が言葉を反芻しながら問いかける。

 

「しゅ………しゅせき………?あんたが……?ええ???」

 

「お、お母さん……首席合格って言ったよね、いま……オールマイトが!!!!」

 

「きゃーーーーー!!!やったわーーーーーー!!!今夜はドン勝よ!!!カツ丼パーティーよーーーー!!!!」

 

私達は抱き合って合格を喜び合い、あまりの嬉しさに感動で涙を流した。

憧れの雄英高校に受かれたのが何よりも嬉しくて、兎に角嬉しい以外の感想が思いつかなくなるほど興奮していた。

 

今夜はカツ丼だと言った母の宣言通り、晩御飯は3人で一緒にカツ丼を食べることになった。

合格してくれたのが本当に嬉しかったようで、いつもの倍のおかずを作ってくれた。

正直食べきれなかったのだが、お母さんの嬉しい感情が料理にしっかり表れている。

お父さんも合格を聞いてハグをして喜びを分かち合ってくれて、私は幸せを噛み締める。

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ私のヒーローアカデミアが、幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

時刻は遡り、薄暗い部屋の中モニターが数々映し出されている。

その流れている映像には受験生達の実技試験の映像が多数映し出されており、その中でも一際巨大なモニターには実技成績のランキングが表示されていた。

 

「実技、総合成績出ました!」

 

「レスキューポイントはそこそこだけど、その分ヴィランポイントが高得点だわ。」

 

「2位の”彼”も中々だったが、彼女の場合は広範囲の攻撃や迅速な対応、そして個性のバフ効果で強力に素早く迎撃し続けたのもポイントが高かったな。あとはレスキューポイントが結果を決めたんだろうね。」

 

「しかし、それでも凄いですよ。救助活動(レスキュー)0で2位とは、後半他が鈍っていく中派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた—タフネスの賜物だな。」

 

「対照的にヴィランポイント0で8位…」

 

「巨大ロボットに立ち向かう生徒は居たけれど、ぶっ飛ばしちゃうのは久しく見てないね!」

 

「しかし妙な奴だな……自身の攻撃の反動で莫大な負傷とは……まるで発現したての幼児だ」

 

1位である少女の成績や2位の少年の成績を軽く確認し、そこから稀有な現象であるからか、ヴィランポイント0でtop10に上り詰めた少年の成績も確認しながらそれぞれの映像を確認すると、改めて評価に移ることになったようで、モニターの映像は加速しながら魔法を使って仮想(ヴィラン)を撃退していく想空亜衣子の姿が映る。

 

「1位の想空亜衣子……彼女の様子を見るに、個性を上手く使いこなしているし、状況判断の上で相性の良い攻撃を的確に使用してる。どういうものかまではわからないけど、色んな属性を使っている時点で相当珍しい個性だな!」

 

「浮遊、炎、水、電気…映像だけでももの凄い種類だわ。映像で確認する限り、恐らくバフ効果も重ねがけしてる…それに、魔法陣を出して攻撃だなんてまるで”魔法”じゃない。」

 

飛び上がった状態で両手の先に魔法陣を展開し、そのまま魔法を放ち仮想(ヴィラン)を破壊する想空亜衣子の姿が映りながら、職員達が口々に声を出す。

個性が類を見ないタイプだったのか、一部の大人達は目を見開いた状態で彼女の戦闘に驚きを隠せていなかった。

 

「筆記試験はギリギリ、もしくは不合格ラインの可能性さえあったのに…やっぱり、個性が特に伸びている子の実技試験は毎年驚きを見せてくれるね」

 

「戦闘に関しては主に遠距離からの攻撃が多い。でも、途中で転びかけたり一瞬の隙を突かれたりと、まだまだ未熟な部分が沢山あるし、それに個性のコントロールが上手くいってない部分が所々見受けられるね。救助活動(レスキュー)が減少した理由も、最後の最後でぶつかりかけてたからだし……」

 

そして、映像は戦闘に苦戦する様子の想空の姿や、加速が止まらずビルに衝突する寸前で静止する想空の姿が映る。戦闘に関しては粗が多かったようで、まだまだ未熟であると発言する職員。

プロの目は誤魔化せないと言わんばかりに険しい表情で映像を見つめており、救助活動(レスキュー)ポイントに関する話を出すと他の職員が賛同するように話をする。

 

「瓦礫に埋もれた少女を助けた所は良かったし、落下していく少年を助け出したところまでは良かったけど、焦りがあったからか助け方に関しては今一つって所ね。あんなに加速してしまっては重傷者の傷に響いてしまう。それに下手したら二人纏めて大怪我の可能性があった部分も加味すると、救助活動(レスキュー)減点(マイナス)せざるを得ない状況だわ。」

 

「だが、ヒーローとしての意思や精神は本物だ!それに__」

 

映像は先程別画面で映っていたのか、8位の少年__『緑谷出久』と共に巨大な0Pの仮想(ヴィラン)に向かって走っていく姿が映し出されていた。

 

「あの二人が行動した理由は、大型(ヴィラン)の足元にいるあの少女を助ける為だった。一人は真っ直ぐ少女の方へ行き、一人は仮想(ヴィラン)の前で飛び上がってあの一撃。意外と気が合いそうじゃないか?」

 

「ふふふ、そうかもしれませんね。今後が楽しみです。」

 

「しかし彼女の個性__振り返ると、幾つか見たことがあるような技を放っていることがあったな。例えば巨大な木の根っこのようなものを地面から生やして攻撃しているものとか。あれは確か…」

 

「某有名ゲーム会社が制作したゲーム作品に登場する技だ!恐らく”ハードプラント”だな。」

 

「ってことはつまり__架空の技を現実で再現をしたってことか!?」

 

「インプットとアプトプットの力が凄まじいですね。一体どれほど試行錯誤をしたのか……」

 

暫く口々に話し合っていたが徐々におさまっていき、視線は校長であろうネズミの姿をした人物へ向けられる。校長先生と思しき人物は彼女に合格の宣言をした後に、職員達は次の人物へと審査を移していった。




-小話-

~個性について~
その2

亜衣子が出現させる魔法陣は色によって属性の把握が出来ます。
例として、赤は炎、青は水、緑は草、黄は光、紫は闇といったように区分されています。
これは単純に本人の好みによって調整されたもので、その気になれば魔法陣の色だけ変えてトリックを仕掛けることもできることを思いついたからそのようにしてるようです。
ただし、ゲームの再現技を使った際の魔法陣の色は白色のみとなります。
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