使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第17話 怪人と不審者。果たしてどちらが強いかな?

診療所の2階にいたラブクープは暇を持て余し、ふと窓に目を向ける。

「……ん?アレはツミ?まさかバカが!」

ツミの姿が目に飛び込んできた。

 

ラブクープは空いている職員達を伴って慌ててツミを出迎える準備をする。

「ただいま戻りましたわ。」

チェンジャー達は気づかず

「ん?そのお方達はどなた?」

ラブクープはツミしか目に入っていなかったらしい。一緒にいた人と付喪神達に今更気づく。

 

「このお方達は付喪神と生活を共にされていますの。」

 

「いや、キンセツとは暮らしてると言う程では無くて……コホン。遅れました。鍛治職人をやらせてもらっています。タキガワという物です。」

「ボクはチェンジャー。まぁ生活といっても宿無し生活だけどねー。この人欲しかったんでしょー?ホントは事務所?にいく予定だったんだけど」

「クランボがやっぱ治療が優先だって言いだして結局ここに来ちゃったんだよな〜」

他の付喪神も職員達とラブクープに軽く挨拶を交わす。

 

ラブクープは客間にチェンジャー達を招き、ツミやチェンジャーらの言い分を元に情報整理を始める。

「チェンジャーさんはまず、あのバカと行動を共にされていらっしゃったのですね?」

答えたのはクランボとナギだった。

「えぇ。その中で彼はチェンジャー様の身体と衣服の衛生状態を改善して頂いたのです。心より感謝申し上げます。」

クランボがお礼の言葉を述べる。

ラブクープはチェンジャーに目をやる。

確かに顔や腕など、見える範囲だけでも人肌とは思えない程に輝いていた。

「確かにいつ病気なってもおかしい位汚れてたもんね。ありがとうございます!」

ナギも感謝の意を伝える。

「そんな事が……いえこちらこそ。」

 

「そして彼がなんやかんやあり勝手に倒れたのです。」

クランボの言葉に

「でその現場にツミが鉢合わせに。」

ラブクープが付け足し

「理由は分かりませんがどうせバカなことしでかしたのでしょう。人様の前ではしたない!」

ツミは憤慨しながら語る。

 

「確かにそうですわね…でバカをチェンジャーさんが運んでいたと!ご迷惑をお掛けしましたわ!」

ラブクープはチェンジャーに運ばせていた事を謝罪する。

「意外と軽かったよー。」

ラブクープの問いにチェンジャーはややズレた回答を繰り出したが一応怒ってない事を知れたのでラブクープは納得する。

 

「で、運んでいる途中にタキガワさんに」

ラブクープは咳払いをして話を戻し、視線をタキガワに向ける。

「そうですね。付喪神と話しているのを見てキンノミヤ様とユーザさんに関係があると思いまして。………実際は違いましたが。」

タキガワの口からユーザの名が出てきてた事にラブクープは

「ユーザさんを知ってらっしゃって?今何をしてるのかしら?」

何気なく近況を聞いてみたらタキガワの表情に暗雲が立ち込み始める。

 

「ユーザさんは現在、私の主であるキンノミヤという方と2人で付喪神に関する仕事をしていました。そ おそらくですが……仕事の最中にバブルの爆発事故に巻き込まれてしまって……。」

 

タキガワの発言に一同が驚愕する。

「あの一ヶ月半前の?何故ユーザさんはそこにいらしたのかしら?」

「確かあの事故の負傷者は市の職員しかいなかったはずでは?」

ツミとラブクーブはとても信じられなかった。

「分かりません。でもあの事故の日から一切の連絡が取れなくなってしまって。」

タキガワの言葉に最悪の結末が頭をよぎる中

 

「ウソだろぉー!?!!?」

バカ医者がついに目を覚ました。

「なら私が治療してやる!」

バカ医者はまた出ていこうとしたが

「やめときなよー。今行ってどうするのさー?」

チェンジャーが袖を引っ張って止める。

「もう死んだでしょ?なら仕方ないよー。」

子供を諭すような表情で呼びかける。

それに対しバカ医者は目を赤くして怒鳴る。

 

「ハア!医療の力を舐めるな!それにお前はユーザのこと何も分かっちゃいない!奴はなぁ怪人倒せるんだぞ!」

「え?それは初耳。」

怪人を倒せると聞いた途端、チェンジャーは目を丸くした。

そして瞳孔の奥がギラギラと揺れ始める。

「ごめん。やっぱキミの医療の力ってのを信じてみるよ。怪人を倒せるようなヤツを死なせるなんて勿体無いじゃない。」

なぜ勿体無いかは理解できなかったがバカ医者は自身の考えへの賛同者が現れた事に素直に喜ぶ。

「そーだそーだ!だから私もクーポンは絶対使い切るぞもったいないから!」

チェンジャーのユーザへの好奇心が再燃し始めた。

 

「ちょっと何を言い出しますの?!」

チェンジャーの気持ちの変わりようにラブクープ達は困惑するしかない

 

「ラブクープさん、ツミさん。コイツ借りるよー。所で医者さん名前は?」

それを聞いた瞬間医者は高笑いしだしチェンジャーの肩に手を置くき

「ふふふ。聞いて驚くなよ……デットだ。実は第6話でちょびっとだけ出てきた。」

と静かに自己紹介をする。

「第6話って何ー?てか別に驚かないよー。」

チェンジャーはやはり彼の言葉を全ては理解する事が出来なかった。

 

「もー!あなたという方は起きて早々バカな事ばかり!チェンジャー様だけには任せられません!ツミが頑張ってくれたのです。私もお供させていただきますわ。」

ラブクープが同行しだすと言い出した。

「別にいいよー。それじゃあナギ、クランボ。バブルに行っちゃおー!」

彼の言葉にナギとクランボは

 

「やるしか無いよね?ウチの大将がこうなった以上は。」

「仕方ありませんね。逸れていたら正すのが我々の役目ですから。」

苦笑いを交わしながらナギとクランボは新たな歩みという名の戦いへ赴く。

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