ユーザ一行はバブルのストリームにあるラジョーア大陸1の大きさを誇る水族館に向かっていた。
「てゆーかよ」
「そうそうオレッち」
ユーザとリンは途中できづいた事があった。
「「いくら何でも6人+α乗りはおかしくねぇか!?」」
一行はユーザの運転するクロスバイクのリンに全員乗っていた。
まずサドルにハーズを左腕につけザッドを背負うユーザとキンセツを懐に閉まったタキガワが乗り車体の前にバカ医者がツミとラブクープを白衣に仕舞い込んだ状態でしがみつき車体の横の隙間に色々な凶器を隠し持ってるキンノミヤが挟まり込みチェンジャーはユーザにアスカはタキガワに肩車された状態だ。
「オレは大道芸人じゃねぇんだぞ!」
ユーザは全神経を使い運転していた。
「でもユーザァ、何とかなってるのにつべこべ言うな。」
「何とかならねぇように頑張ってるんだろがバカ!!そもそも邪魔なんだよお前そこにいるせいでロクに前も見えねえんだよ!」
「全くその通りだぜ。リスクヘッジはビジネスの鉄則だ。」
キンノミヤが呆れたように呟く。
「じゃあ今すぐそこから出てってもらうか。お前がその隙間にいるせいでペダル漕ぐたびに事故りそうなんだが!大体なんでオレは漕げてるんだ??」
「そりゃイラストを気にせずにかける小説だからな。無理な体勢でも『漕げてる』って書けばもう『漕げてる』んだから。」
キンノミヤが何があろうが絶対に言ってはいけない一言を言い出した。
「それをいっちゃあおしめぇだよバカ!」
ユーザはキンノミヤノの体を蹴ろうとした、その瞬間キンノミヤの体は宙を舞いいつの間にか屋根の上にタキガワをお姫様抱っこした状態で立っていた。
「また妙な術を……」
「オレはコレで行くわ。」
「ちょっキンノミヤ様!こんな……みっ密着するなんて…」
「照れるなキモい。」
顔を赤らめるタキガワをよそにキンノミヤは慣れた足取りで屋根を飛び越えながらユーザについていった。
「じゃあボクもー。」
するとチェンジャーはリンの真横ジャンプし着地する。
「正直言ってこれくらいの速さなら走っても全然追いつけるんだよねー。」
チェンジャーは笑いながら平然とリンに追いつく。
「最初から使えよ!」
(てかやっぱコイツも只者じゃないのか?)
ユーザはチェンジャーを見て少し首をかしげる。
「ふぅーだいぶラクチンラクチン!」
「でもまだ不安定だ……」
車輪のグリップ性能が完全に追いついていなかった。
「ならば我が、海網神の陣!」
そう言いながらザッドは網を作り出しその網をリンのタイヤに巻きつけるようにくっつけていく。
「どうだ?中々いい加護だろう。」
「オォーホォー!グリップマシマシカタアミメェ〜!」
ザッドの網によってリンのグリップ性能が高まった。
「ならボクも」
ハーズは左腕の補助を最大限高めた。
これによりユーザの左腕は何があってもブレない鋼鉄の腕になった。
「サンキューハーズ!それじゃアスカさん捕まって!」
「はっはい。」
こうしてユーザ達は夜の水族館は向かって行った。
その頃既に水族館とその周辺には厳戒態勢が張られていた。
周囲一帯に規制線がはられ大量の警備隊員が見回りを行っていた。
見回りに当たっていた隊員の何人かが呟く
「なんでこんな重警備がしかれてんだ」
「魚の味を知った怪人は必ずここにやってくるんだってさ。そして怪人は警備隊員2、3人で敵う相手じゃないんだとよ。」
「怪人とかホントにいんのかよ?こんな事する金があるなら給料増やせっての。」
「だよなぁ。ジャスティス事件から始まったらしい怪人訓練も疲れるだけで無意味の極みだよ全く。」
「それな。普通あんな事件あるわけないんだから対策なんて無意味だっての。」
怪人は超常大陸だけのものという意識で育ち怪人の恐ろしさを全く知らない大半の隊員達は今回の件に余りピンと来ていなかった。
そのため非常に緩い空気が流れていた。
「ホントは今日は帰ったらすぐ寝る予定だったのに……来るならさっさと来」
「シュウラァ!」
怪人が隊員の首を跳ねた。遂に望み通りやって来てしまった。
「ワアッ!なんだ!」
「とにかく早く本部に!」
「不味い!どんどんやられてるぞ!」
「わかった!」
怪人は次々と隊員に襲い掛かる。
隊員の1人が慌て驚きながらも本部へ報告のため足を急かす。
「こっこちら第3班!3体の怪人と思われる反応により現在隊員が戦闘開始!直ちに増援を。」
驚きながらも迅速に本部への報告を告げる。
現場に一気に緊張が走る。
「うむ。第4班と第2班、本部からも増援を要請する。各員対応に当たるように。絶対に怪人を水族館に近づけるな!」
「はっ!」
報告に向かった隊員と本部の隊員は第3班の場にもどり、本部の別の隊員は第4班、第2班に報告へ向かった。
「……ついに始まったか。」
「まあいい。今は怪人退けることだけに脳を働かせるぞ。」
そんな中いち早く水族館にたどり着いたのは
「チッ、すでに取り込み中か……」
「こりゃあ面倒な事になりやがったなべらぼうめぇ。」
クリゴ達だった。
彼らは偶然怪人との戦闘が行われている第3班管轄のエリア付近にいた。
「近くに人気はない……目一杯やれそうだな。よし!引きつけるか!」
そういうとクリゴは規制エリアに入っていく。
(おい!こんなズケズケ入っていいのかよ?)
雅之の気持ちとは裏腹にクリゴは益々奥へと進んで行く。
ついに怪人の姿が見えた。
「ありゃあエビか?」
「そうだなあのシュラシュラ言ってるのはシュリプレット、エビの怪人だ。」
シュリプレットは頭部から細く長い触覚が二本生えており黒い外骨格に身を包んでいる。
左右の手にはハサミがついていた。
「あっちはフグみたい〜」
「フグみたいなのはグフゴだ。」
フグの怪人グフゴは丸みを帯びた体をしている。
体中にトラフグのようなもようが刻まれている。
「ヤツの体液は致死性の毒が含まれている。接近戦は控えた方がいい。」
「えと……あっあっちは?」
(ヤベ……どれも怖い…)
チリン……
「あ」
雅之が動いた瞬間、なぜか鈴がなってしまい怪人の一人が気づく。
「カミカミイ!」
怪人がクリゴの正面に襲いかかるがクリゴは斜め前に前転しながら避けるそしてすかさず懐から槍を取り出し怪人の背中に突き立てる。
「フゥン!」
「ガアアァマアァ!」
怪人は黒色の体液を撒き散らしながら痛みで体を硬直させる。
「一旦引くぞ!」
クリゴはすぐに槍を引き抜きその場から走り去る。
隊員達はそれを呆然としながら見ていた。
「なんだアレ………」
「オレたちよりも全然戦えてるぞ。」
「あんたスゲェよ!あんなんに!バケモノにああやってグサってやってさ………ごめんなさい。でもオレが動いたから、チリンって鳴らしちゃったから…すいませんでした誠に申し訳ございませんでした!」
雅之は気が動転していた。
興奮しながら笑顔になりその後すぐ泣き出した。
「ちょっと落ち着け!って無理もないか。怪人が突然襲ってきたもんな。」
クリゴはそんな雅之の気持ちも飲み込んでくれた。
「てぇゆうか〜あれだいけそうなの〜?」
ペキオラは尋ねる
「いや無理だ。多分当たったのは脇腹だし、あの調子だとすぐ再生するな。怪人っていうのは中途半端に倒すんじゃダメなんだ。」
「で結局〜さっきの怪人はなんだったん〜?」
「アレはオオカミウオの怪人ウルオフカミだ。胴体全てが大きな口で鋼鉄を難なく噛み切る顎を持ってる。」
その頃ウルオフカミはクリゴの見立て通りすでに傷を再生させていた。
「カァミィ……ガアアアア!」
自分に傷を負わせたクリゴの事で頭に血が昇っていた。
その頃ユーザ達も水族館に到着していた。だが、
「クソッ!なんで怪人がいるんだよ!」
「えっ?そんな……妄想が現実に!?」
ユーザたちにいきなり4体の怪人が襲い掛かってきた。
時を同じくして本部に報告が行き渡った。
それは耳を疑うものだった。
「こちら第2班!怪人が2体の奇襲!既に不傷者多数、直ちに救援を!」
「こちら第1班!3体の怪人出現!直ちに増援を!」
「第2班!さらにもう1体出現!救援増援の優先を!」
「こちら第5班!怪人が4体出現!第6班第4班及び本部は人員の増援を!」
「第5班。こちら第6班。既に第1班エリアに人員を割いている。さらにこちらにも怪人が3体出現した!これ以上は人員は出せぬ!」
「こちら第4班!むしろこっちに人を寄越せ!もう第3班に増援を送った上に怪人が4体、しかも一般人に襲いかかっている、悪いが余裕はない!」
指示を出す暇もなく報告が次々と飛び込んでくる。