使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第27話 海鮮開戦勃発

「クソッ!なんで怪人がいるんだよ!」

「えっ?そんな……妄想が現実に!?」

水族館の規制線に足を踏み入れた瞬間、ユーザ達にいきなり4体の怪人が襲い掛かり、アスカは腰を抜かしてしまう、

 

「マイルにサンシェ、レドレイやブブクラクって全部海系じゃねえか!」

ユーザは怪人の姿を見て共通点に気づく。

「うむ……見た目からしてウナギ、シャミセンガイ、アカエイ、キングクラブと言ったところか……いいだろう全て釣り上げてやる!」

ザッドがイキイキとした声で怪人に言い放つ!

「イヤコイツらもう陸にいるから!」

 

「ウナギにキングクラブだって?よしユーザ、アイツら捕まえろ!晩ご飯だ!」

バカ医者がユーザに捕獲するよう頼み込む。

「怪人食なんて一部のマニアくらいしかやらねぇよ!」

「あっでも私ウナギは小骨が嫌いだからユーザが全部食ってもいいぞ。」

「話聞いてんのかバカ!……こんな事になるなんて聞いてねぇぞ!」

バカ医者の妄言に振り回されながらユーザは怪人を退けていると警備隊員がやって来た。

 

「君達ダメじゃないか!こんなところにいたら、」

「早くこの線の中から出なさい!」

隊員達は無理矢理ユーザ達を紀勢線の外に追いやる。

そして怪人に向き直ると隊員達は怪人に向かって何かを投げつける。

 

「クルルルゥェエイ!」

「ラァァアクゥ!」

怪人達がそれを弾き返そうと触れた瞬間、その物体から煙が吹き出し怪人達に周囲に立ち込める。

「アァァドゥ!」

「ミシャミシャ!」

怪人たちは煙を吸い込んだ途端苦しみ始める。

 

ユーザはそれを見て即座に

「催涙弾か……確かに下手な物理攻撃より怪人に効果はあるな。」

感心する。それを聞いたチェンジャーは

「あっソレボク効かないやつだー。」

と何気無く呟く。

 

「……え?」

一同チェンジャーに振り向く。

そんな中隊員達は怪人が怯んでいる隙に別の物体を投げ込む。

 

怪人にした命中した瞬間、怪人たちの体表が白くなっていくと同時に動きが徐々に鈍くなる。

そして怪人の体が完全に白に包まれた頃にはピクリとも動かなくなっていた。

 

「あれは……冷却か?」

「おそらくな。」

キンノミヤは途端に目の色を変え出す。

「ふーん……あの急速冷凍の技術。色々使えそうだ。是非買いたいな。」

顎に手を当て何かを計算し始める。

「今そんなこと言ってる場合かよ。」

 

隊員達は怪人達の動きを止める事に成功し、そのまま剣を取りだす。

「オイ、クリゴ。なんか剣を取り出したぞ。」

「おそらく凍らせた怪人を絶命させるんだろ。……アイツらなかなかやるんだな。」

 

同じ頃、物陰に隠れながらクリゴ達も同じやり方で怪人の動きを封じているのを見ていた。

クリゴはここまで健闘した警備隊に口では感心しながらも腕には槍を構えらえていて警戒は怠っていなかった。

 

隊員が怪人の首に刃を突き立てた瞬間

「シュウルア!」

「うわぁっ!」

「ぎゃあ!」

怪人達はまた動き出し周囲の隊員達の体を貫き始める。

 

「やはりダメだったか!」

クリゴはそれを見た瞬間物陰から身を乗り出し怪人に向かっていく。

 

「フゥン!」

前にいた隊員達を飛び越しクリゴはシュリプレットの胸部に思い切り槍を突き立てる。

そして右から近寄って来たグフゴを蹴り飛ばし隊員達に大声で呼びかける。

 

「ここはオレが食い止める!おそらくさっきの凍結弾のおかげで今は動きが鈍い!逃げるなら今だ!」

 

「えっえぇ…」

「あっあ……」

隊員達は突然の事に言葉が出なかった。

「早くしろ!」

クリゴが本気で怒鳴る。

「わっわかった!」

隊員達はそれを聞いてやっと指示通り逃げ出した。

 

「今のうちにサクッとやるぞ!」

クリゴと3体の怪人の戦闘が始まった。

 

そしてユーザ達のいる第4班のエリアでも怪人たちが暴れ出していた。

完全に倒せた思っていた隊員達は怪人が復活したことに完全パニックに陥っていた。

「アレってヤバくないか?」

 

ユーザが飛び出そうとしていると肩を掴まれ制止する。

「何するんだよ!」

「ユーザ。何を考えているか知らんがどうせいったって追い返されるだけだぜ。もう諦めよう。」

「え?」

するとキンノミヤは語り出す。

「大体オレ達は怪人退治をしに来たんじゃない。アスカさんの彼女を連れ戻しに来たんだ。でも水族館はこの有様。こんな事ならとっとと帰ってライドエンプ出発のために準備した方がマシだ。」

 

「でも怪人がいるんだぞ。それにバブルの時は助けてくれたじゃねえか!」

ユーザは反論すると、キンノミヤが目を細めながら口を開く。

 

「アレは単なる箔付けだ。バブルの公的機関の依頼を完遂すればこれからのためになると思ってだ。でも今の依頼はどうだ。コイツ金持ってるように見えるか?

それにコイツの彼女はオレの大切な大切な金を奪ったんだ!元々乗り気じゃないんだよ。」

 

「そんな……でも……」

ユーザは口籠る。

 

「まぁそれでも正義のヒーローごっこがやりたいなら勝手にしろ。オレはタキガワと医者を連れて一緒に帰るからな。タキガワ、医者、行くぞ。」

「キンノミヤ様……わかりました。」

キンノミヤはタキガワを連れて帰っていった。

 

「…………」

ユーザは拳を握り締め、キンノミヤとタキガワの背中を睨むこともなく見つめていた。

そして水族館側に向き直る。

ハーズは黙り込んでいるユーザに恐る恐る尋ねてみた。

「これからどうする……てかキンノミヤに色々言われて怒ってる?」

するとユーザはハーズが思っていたよりも随分と優しい口調で

「いや、怒ってはないな。そんな暇があったら怪人を倒す。」

 

ユーザの目には隊員達に襲い掛かる怪人とそれに恐れをなしてパニックを起こしている怪人達しか間に無かった。

「ハーズ、初めて会った時言ったよな……怪人が出てるのとか見るとこういうのほっとけないとか、怪人に懐かれるって。」

「うっうん。」

間髪入れずユーザは規制エリアの中に入り込んでいく。

「ちょっ、」

「あの時少ない記憶の中で覚えてる事があったんだ。怪人から人々を守る記憶が。」

ユーザが怪人に向かっていくとレドレイは隊員から突然目を背けユーザに飛び掛かる。

 

ユーザはそれを片腕と脇腹で抑えそして続ける。

「今みたいに怪人がオレを見ると目の色を変えて飛び掛かるってのもな!」

その瞬間ユーザの腕からマイルが抜け出す。

そこからユーザはマイルに視線を向け、それを見てレドレイは退避する。

 

「かかったな!」

 

するとユーザは咄嗟にレドレイに左回し蹴りを喰らわし大勢を崩したレドレイの腹に膝を当てる。

そして背後からくるマイルの頭部をノールックでハーズが掴み、

「ハア!」

「ゼリャア!」

思い切り投げ飛ばす。

 

「ルルィ!」

投げ飛ばされたマイルは背中から落ち地面にヒビを作る。

 

「うひゃ〜あのウナギの体ヌルヌルで気持ち悪〜」

「わかる。オレも素手で掴めなくて内心良かったもん。」

「ちょっとユーザァ?」

そんな会話をしているうちに残りの2体のブブクラクとサンシェも襲いかかるが、

 

「一本釣りキャスト!」

「轢き向かいアタック!」

横からやって来たリンがブブクラクを轢き、ザッドがサンシェはザッドの釣り針が引っかかった。

 

「お主の覚悟とくと聞いたぞユーザ!」

「オレッち達も忘れてもらっちゃ困るっちゅーの!」

 

「お前ら…」

「あの、」

アスカも恐る恐るやって来た。

「ボクも……付いてきても良いでしょうか!絶対に彼女を取り戻したいんで!」

ユーザは顎に手を当てて少し考え込む。

「うーん……まああの守銭奴の言うことなんて気にしなくていいですけど、もし本気で着いてきたいならここから先はかなり危険なので絶対にオレの言うことを聞いててください。それなら良いですよ。」

「分かりました。」

アスカは強く頷く。

「よしじゃあ行こう!って2人は?」

ユーザはバカ医者とチェンジャーがいなくなった事に気づいた。

何処を見渡してもいない。

 

「どっか行ったね。あのチェンジャーって人と一緒に。」

「少なくともキンノミヤが帰った頃にはいなかったな。」

ザッドとリンの証言にユーザは頭を抱えその場に崩れ落ちる。

「あのバカァーーーーー!!」

 

その頃当の二人は

「夜の水族館ってのもいいんだな!」

「まぁ歩くのは嫌いじゃないけどねー。」

「そんなこと言ってる場合じゃ無いですわ!!」

完全に迷子になっていた。

 

「ゴホン!チェンジャー様。ひとまずこの規制線から抜け出しては宜しいかと。」

「もっと早く言えばいいのにー。」

「もう既に10回は言っていますが………」

クランボも自由奔放な主に少しお疲れ気味の様子だ。

 

「だいたいこんな物々しい雰囲気の場所を歩いて笑ってるいるアナタ達の神経が理解できませんわ!」

ツミに相変わらず怒られていた。

「モノモノシーってなんだ!物だけにダジャレか?アッハッハつぁまらんなー!アッハハハハハハ!」

「いい加減にしなさい!」

 

「あっ、頸動脈!あぅ…ッあっ…♡ん…っ!ひっ…!!むり、らからあ゛…ッ♡♡」

「喘ぐな!」

ラブカープから叱責される。

「すいませんすいませんマジ死ぬから死にそう!マジ死ぬから死にそうなんだって!」

 

「カァミイ!」

そんな状態でウルオフカミが現れてしまった。

「今かよ!?」

「今ですの!?」

バカ医者達はてんやわんやの大暴れだったがチェンジャーは

 

「初めて怪人さん。そしてサヨウナラー!」

一気に切り掛かるが

「カミ!」

ウルオフカミは剣を大口で飲み込んでしまった。

 

「くっ!」

チェンジャーは咄嗟に手を離し退避したが

ウルオフカミは構わず剣をバリバリと噛み砕いてしまう。

「カミッカミィ!」

お気に召さなかったのか吐き出した。

さっきまで剣だった金属片が辺り一面に転がる。

「なるほどねー…」

チェンジャーは少し考え込む。

 

「おーい大丈夫か!怪我はないか!」

「やいてやんでい!クリゴ様のお通りでい!」

 

クリゴが怪人を追いかけてやってきた。

 

「クリゴ?聞いたことあるよーな……」

「えっホントに!のホントにクリゴなの!?」

バックパックの中でナギが騒ぎ始める。

 

「今助け……嘘だろ。」

「クリゴ?」

その後トースはクリゴの声の変わりようで何かを察する。

「忘れもしない……チェンジャーだ。」

 

ついに出会ってしまった。

 

その頃事務所に戻ったキンノミヤとタキガワは

「アレ?あの医者はどこ行った!」

「確かに最初は一緒にいたのですが………」

バカ医者がいなくなって慌てふためいていたがキンノミヤは

「まぁいい。あのユーザがいるからあの水族館の平穏は保たれたようなモンだ。」

「えぇ?意外でした。そんなにユーザさんに期待を寄せていただなんて……」

タキガワは呟くと

 

「うるさい!あとお前に仕事がある。」

するとキンノミヤは部屋の奥に行くと何か細長い包みを抱えて戻ってきた。

「これを研いでくれ。」

「これは……」

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