「ユーザァ!気を確かにーー!」
「?、ハーズ?」
ユーザは視界が真っ白の中声を聞いた。
「ここでくたばるような器ではなかろう!」
「今度は…ザッド?」
「おい生きろ!まず生きろっちゅーの!」
「リン……皆の声が………きこ…える。」
だがユーザに届いている声はかなり遠く二重に聞こえていた。周りに微かに映る視界も二重で明らかに普通ではなかった。
「もう…ダメかも….…」
そんな中さらに声が聞こえた。
「ユーザ起きろ!このままじゃ……ショック療法しかないかもな。」
「バカ医者?の声か……ん?」
ユーザは違和感を感じた。バカ医者の声だけ二重ではなく四重に聞こえる。そればかりか視界の隅にいるバカ医者も四重だ。
「どうなってんだぁ〜!?」
ユーザは飛び起きた。
「おう起きたか?」
「生きたかったら死ぬなよ。」
2人のバカ医者が彼を待っていた。
「んで……何だなんだコレは。」
気を取り戻したユーザは依頼したツミとラブクープに呆れながら聞く。
「何があってこんな事に?」
「それが……分かりませんの。」
「え?」
ツミがその後の概要を話してくれた。
「先日、あなた方が超常大陸に行きましたわよね?あの時ウチのバカも超常大陸に行きましたの。そして皆さん帰ってきてウチで体を休めましたわよね。」
「そうだな。」
ユーザはそのまま聞いていく。
「そしたら!」
「そしたら?」
「何故か今日の朝、皆様を出迎えた後。玄関先にいたはずのバカが階段を降りて来たんですの!」
「なんじゃそりゃ?……何か心当たりは?」
「オレは知ってるよ。」
ユーザが尋ねようとした瞬間横からやってきたのはシャーバランだった。
「どなた?」
「慌ただしくて挨拶できなかったね。オレはシャーバランです。よろしく!」
「あぁどうもよろしく。車輪の錬金術師だっけ?ウチのリンってやつが……すいません。」
ユーザはシャーバランにリンが食ってかかったことを謝罪する。
「いやいいよ。あんなの痛くも痒くもないし。」
彼女は手を振って笑いながら許す。
(え?リンにぶつけられて痛くも痒くも無い?確かに無傷だ。コイツも普通じゃないのか!)
という言葉を喉元でぐっと堪えて本題に入る。ユーザはシャーバランにバカ医者の件について聞いてみた。
「多分ペキオラちゃんの影響だと思う。」
「ペキオラ?なんか聞いたことがあるような……」
「見た方が早いね。こちらへ。」
シャーバランはそう言いながらユーザを診療所の一室に手招く。ドアを開けてみるとそこには割れた手鏡と鏡の破片、自転車のベルがあった。
「この鏡!」
ユーザはその瞬間思い出した。部屋に落ちている鏡がバブル騒動の際、テロリストのリーダー格の顔をネイショに変えた鏡だ。
「ん?知ってるの?」
シャーバランが横から顔を覗かせて聞いてくるが、ユーザは
「いっいや、多分見間違いだと思う!そうだわなんか勘違いしてるだけだったわ、うんそうだわ。だよなハーズ!」
「だね!勘違いだよね!誰にでもあるよそういう事はね?」
(やっぱあの事件の事言わない方がいいよな!)
「ふーん。まぁそれならいいけど。」
何とかその場を凌いだユーザはペキオラに近寄る。
「大丈夫か?鏡割れてるが。」
「もんだいな〜し。てかぁアンタって、」
「初めて会ったよな?」
大声でペキオラの指摘をかき消す。
「だから初めて」
「会ってないよな!」
「はじ」
「初めてみたよな?な!」
「……そうだねぇ。」
ペキオラにユーザは耳打ちする。
「あの時間の事は公に出すなわかったか!」
「うっうん。」
表情を切り替えて話を戻す。
「なんで割れたんだ?」
「それはねぇ〜」
一方頂上大陸では。
「支配からの反旗、融合怪人、改革はまだ必要か……」
腕を組みながら指をトントンと動かしながらネイションは頭を捻りながらため息を吐く。
「前神といい5、年前といい、今回の件といい、全く怪人というのは儘ならぬ物だ。」
ネイションは手から小さな波動を出す。
「宝の持ち腐れにはせぬぞこの力……だからこそ神としての威厳を絶対の物にせねばならぬ。獄炎さえも超える邪気を手中に……!」
そう言いながら波動を大陸全体に広げた。
「来い!ラダー!」