チェンジャーは爆弾を投げてきた船の船上に剣を振り上げて飛び上がる。そんな中でも船上の人間達はチェンジャーに爆弾を投げつける。
「ワンパターンだなー。」
チェンジャーは空中で次々と爆弾を避けていき、それどころか目の前に飛んできた爆弾をキャッチし
「ほーれ。」
体を回転させ勢いをつけ船に投げ返した。返された爆弾は船上の床に落ちた瞬間爆発しその衝撃で船員の何人かは海に放り出される。
「っと。……何、来ないのー?」
爆発で穴の空いた船に降り立ったチェンジャーは剣を船員達に向ける。
「やっちまえ!」
「死ねぇ!」
そんな声が何処からともなく聞こえ、船員達は武器の剣を持って片っ端からチェンジャーに襲いかかるが、それはただ剣を振り回すだけの稚拙な動きだった。
「ふぅん。他愛も無いなー。」
チェンジャーは武器を使わず赤子の手を捻るように片手で彼らを倒して行った。
「武器は貰っていくよー。」
剣を取り上げチェンジャーは操縦席のドアを蹴り破る。舵手は顔中から汗を出して震え上がっており完全に戦意喪失している。
「何が目的何だーい?別に死んでも良いんだけどさ。」
壁に相手を押し付け問い詰める。
「オレはただ雇われただけの身だ!何もしらねぇ!」
「一体何の為に雇われたのでしょうか?」
クランボが身を乗り出して聞き出す。
「え?棍棒が喋る?…」
「いいから答えなさい。」
圧をかけられた男は洗いざらい話す。
「漁船を偽ってただ荷物を運べって。中身も知らされない荷物を……で、見られたら有無を言わず殺せって、」
「なるほど……どこに置いてらっしゃて?」
その後男はチェンジャーに剣を背中に突きつけられながら説明する。
「ここです……」
男が指を刺したのは
「もしかして……やっちゃったー?」
チェンジャーが爆弾を返した位置だったがそこには穴が空いているだけで何も無かった。
「流れていったのかなー?」
チェンジャーが腕を組んで考えていると。横でクランボが何か気づいたように尋ねる。
「まさか……その荷物、一体どれだけの大きさで?」
「えと……ここの、船の下は全部荷物置き場で……あっ時々生き物みたいな物音が…」
「そうですか。……まさか」
「怪人って事ー?」
そのまさかだった。船の下には薬で眠らされた怪人が鮨詰め状態で過積載されていた。それが爆弾で海に逃げ出してしまったのだ。だが誰もその事に気づいていない。
「って事は既に……」
「ギギッ!」
「ギイィー!」
背後から2体の怪人が飛びかかってきた。
「クッ!」
チェンジャーは剣で受け止めた。が、
「ィギギギギギギィ!」
「ギギィーッチョン!」
剣に噛みつきそのまま噛み切ってしまった。
「なんだコイツ……」
「見たところ、カミキリムシとキリギリスのように見えますね。」
「へえぁ!化け物!」
男は完全に腰を抜かす。
「アレがいる限り戦闘は無理です。一旦退きましゃう!」
それを聞いてチェンジャーは男を掴み肩に担いで船から飛び降り、砂浜に降りる。
「なっ何だ!戻ってきたぞ?」
その頃雅之達は立ち止まってこれまでの一部始終を見ていた。
「ねぇアレ怪人じゃない?」
シャーバラン大声で指さす視線の先にはチェンジャーをジャンプしながら追いかける怪人達の姿がいた。
チェンジャーもそれに気づいていた。それを見て、
「キャッチしろー!」
と叫びながら男を投げる。
「えっ何何何?わぁっ!」
「ちょっ、いきなり過ぎんか?!」
余りにも突然だったのでキャッチ出来ず、その場に倒れ込む。
「さて……どうしたものかー?」
チェンジャーは走りながら考えていた。
「我々が犯人とはどういうことでございますか!!」
「そうそう!いくらなんでも言っちゃいけない冗談ってもんがあるでしょー!プンプン!」
ユーザは事務所内で交わされた話を中古屋の付喪神に説明したが、その反応はやはり芳しく無いものだった。
「まぁまぁ、一回落ち着いてくれ。オレ達だってお前らを疑いたいわけじゃないんだ。」
「だが今回の事件。状況証拠を考えればそうとしか説明出来ないのも事実だ。」
当然のようにザッドが言い切る。
「そんなザッドさんまで……」
「それがホントだとしますよ?ボクちん達がわざわざユーザさんに依頼するなんてバカみたいじゃないっすか?」
「だよな?そうなんだけど……でも状況が状況だからな……」
するとザッドがさらに一言
「ここまでも全てチェインの策略の内なのだろう。」
「え?」
皆の視線がザッドに集まる。
「つまり我々ハッピー・マテリアライズを潰す為、付喪神へのヘイトをユーザに。ユーザへのヘイトを付喪神に。そうしてユーザを孤立させそこを狙う……」
ユーザが1番に反論する。
「ちょっと何言ってんだ?いくらなんでもんな訳」
「半分正解だな。」
「!」
突然知らない声が背後から聞こえる。振り返るとそこにはフードを被った者達が気配もなく店内に何人もいた。
「何で?音もしてないのに…」
「フッフッフ……キョクアの技術を舐めてもらっちゃ困るなぁ。」
「そのフードのマーク……チェインか!」
ユーザが睨むと真ん中の男がフードを脱ぐ。
「ご名答。」
「半分正解ってどういう事?」
ハーズが思わず聞くと、男は
「ユーザは殺すのは正解だ。残り半分は……直に分かるだろう。」
「ユーザさぁん!」
突如店外から呼び声が聞こえる。声の主はタキガワだ。
「ユーザさん大変です!町中に怪人が!」
「何っ!」