使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第49話 暑い=熱い!

ジメジメとする森の中をバブルの職員がユーザ達を新しい事務所に案内するため歩いていた。皆汗を拭いながら必死に日影に体を潜らせていた。

「それにしても事務所もう出来たのか?早いな。」

キンノミヤの疑問に職員は応える。

「事情が事情ですから。でもやはり切羽詰まった作業日程だったので、何とか間に合ってよかったです。」

「急ピッチで進めた後たから欠陥だらけだとかやめてくれよ?」

「いえ。そこは大丈夫です。それだけは絶対無いので。」

職員は念を押して工事に問題はないとアピールするがあまりに必死なので、皆余計気になってしまう。

 

「もう無理だ休憩しよう!」

ユーザはその場にへたり込み寝転がる。だが地面は服越しでも暑さが伝わってくる温度だった。その上仰向けになった瞬間、日光が眼光を突き刺す。

「地面あっつ!太陽眩し!休憩する事も出来ないのか!?じゃあせめてハーズ!ちょっとの間外してもいいか?」

「いいよ……ボクも暑いし。」

ユーザはハーズを外し素手になろうとする。早速手からハーズを抜くと、溜まっていた汗が滝のように流れ落ちる。

「わっ汚な!」

ハーズは反射的に呟き離れようとする。

「お前マジトーンで言うなよ!」

 

そんなこんなで彼等はなんだかんだバテずにすすんでいった。森を抜けるとやっと街が見えてくる。建物は全て高床式の木造建築だった。

「なるほど、家も地面が熱いから、家さんも背伸びしてるんだな。」

「そんな訳ねーだろ。この辺はいわゆる熱帯地域で豪雨による浸水被害何かが頻発するから、最初から床を高くして雨水から住居を守ってるんだ。」

バカ医者にユーザが説明していたがバカ医者はよそ見をしていたのでバカ医者は頬を地面に押し付けられた。

 

「えぇ〜とここが、新しい事務所です。」

そうこうしている内に新しい事務所にたどり着いた。今回もまた都市郊外の少し奥まった立地に立っている。

「ひゃ〜これで涼し………くない……何でだよー!!」

バカ医者が叫ぶ。

「いや…熱風と日光が無いだけマシだな。」

「内装外装含め、以前のものを出来る限り再現しました。」

「「すごい!何から何まで同じだぞ!」」

ユーザとキンノミヤ短期間でここまで寄せてくることに驚愕していた。使われている木材、瓦、漆喰、畳、襖、障子その他諸々全て完全再現されていた。

「ただその代わり外装が珍妙な事になってますね…」

タキガワが言う通り、元々の和風様式の住居に高床の柱がくっついている珍妙な形になっていた。

 

「でもホントすごいな!ココの穴とか、私が開けた奴とおんなじだぞ!」

バカ医者が指差したところには穴の空いた障子があった。

「お前ココ来て早々何やってんだよ!てかここ再現しなくて良いから!」

「再現しなくていい?なら」

バカ医者は何か思いついたかと思うと障子にさらに指で穴を開けていく

「これで再現じゃなくなったぞ。てか楽しいなコレ〜!ホレホレ、ツンツンツ〜ン!」

「いい加減にしろ!」

ユーザの拳骨が脳天に炸裂する。

「給料から修理費は引くからな。ユーザ、オレの判断……もしかしてだいぶミスった?」

キンノミヤもバカ医者の恐ろしさが少しずつ分かってきたようだ。

一方シャーバランと雅之は内装をぼーっと眺めてい

た。

(何なんだ一体!何か田舎にある築50年はとうに超えてる感じの家みたいだ……あのキンノミヤって人が着てるのも明らかに袴だし、この世界って日本があるのか?)

 

「これで案内はよろしいでしょうか?」

「えぇひとまずは。ありがとうございました。」

職員に礼をいうと職員は足早に去っていった。

「またあの道通っていくのか。キツイな……」

「とにかく熱く暑いからな。まぁこんな国なら付喪神も人間も困ってるに違いない。ハッピー・マテリアライズの出番って訳だ。」

「何勝手にまとめてんだよ。」

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