使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第50話 ブンブン来るのは万国共通

「お客様、お似合いですよ〜。」

「そうか?」

「えぇえぇ。お客様の印象にピッタリでとてもお似合いです。」

ユーザはライドエンプのある衣料品店に来ていた。

今までユーザ達が着ていた服は生地が暑く通気性も無い物でここの熱帯気候に合っていなかったから新調する事にしたのだ。

新しい服はとても薄い生地で通気性、機能性に優れており白を基調とした熱があまり籠らないものだ。

頭には唾の大きい帽子を被っており日光から身体を防いでくれる。

 

ユーザは全員分の服の買い出しに駆り出されていた。

「ふぅ〜にしてもだいぶ軽くなったな。もうこれ以外着てられないわ。」

ユーザは腕を回しながら快調な足取りで帰路を行く。

「服を着る….…我々には理解し得ない感覚だな。」

「中々面倒なモンだぜ。まぁそればかりでもねぇけど。」

ユーザが事務所に戻るとキンノミヤが駆け寄ってきた。

 

「依頼が来たぞ!」

「もう?」

ユーザは渡された手紙を読んだ。

「何々…ウチで使っている傘が自我を持つようになったのですがその傘が虫を極度に怖がるので虫退治にご協力お願いします。虫?はぁ〜つい最近の嫌な思い出が甦るぜ。」

ユーザは先日ウォータスにやって来た虫の怪人の事を思い出す。

 

「まぁ今回はただの虫だからどうって事ないだろ?」

「いやオレは虫大丈夫だけど……」

キンノミヤは顎に手を当てながら周りを見やる。

「そうだな……じゃあユーザは決定として慣れさせるためにもバカ医者とシャーバランもだな。」

「えぇ!ちょオレのふた」

「ハッピー・マテリアライズ出動!」

「「おー!」」

選ばれた2人は意気揚々と掛け声をあげる。

 

3人は買ってきた服を早速着込み日光に抗いながら依頼主の家に向かった。

「シャーバランはまだいいよ。お前だよお前!お前が癌なんだよ!」

「じゃあ気分変えてしりとりでもするか?ガリガリ君!」

「バカ!早速終わってんじゃねーか!」

その瞬間バカ医者がユーザに掴みかかる。

「結婚!パイン!サイン!先端!ジャンケン!観戦!れんこん!全然!ペンギン!天!にんじん!ン!ん!ン!ん!ン!」

「八つ当たりすんな!」

「やぁらぁれぇたぁー!!」

バカ医者は数十発殴られた。

「オレ達これからやってけるのかな……」

「それな……」

シャーバラン達は2人の問答を見て将来の不安に駆られた。

 

「ハッピー・マテリアライズです。リアスさんのお宅はこちらで?」

「はい。どうも初めまして、どうぞこちらで。」

ユーザは依頼主のリアスから話を聞き始めた。

「例の傘なんですがまず実物を見せてもらえればと……」

「こちらです。」

そう言ってリアスが持ってきたのは日傘だった。

ユーザの手元に運ぼうと差し出した瞬間、日傘はユーザの胸に飛び込んで行った。

「早く!虫が!アノ奴らが!いるんですよ!助けて下さい!!早く!」

「おうおう!分かったから、一旦落ち着いて!」

「そんな暇ないんです!」

日傘は大声で捲し立てるような声で言いながら自らの傘を広げ始める。

 

「早く!向かって!」

「あっ何だ?」

日傘はユーザの体を引っ張って何処かに誘導しようとしていた。

ユーザは訳が分からないまま日傘に従うがそこはリアスの家の屋根だった。

屋根は日光がとても強く照りつけており絶対上を向けなかった。

「あっつ!屋根も踏めねっ!」

「ここですよ!」

「え?」

日傘は傘を閉じてある場所を示す。

 

「おい今閉じるな!日差しが!」

「日差しよりもこれですよ!コーレ!」

「あっ……」

ユーザはそれをみて一瞬怯んだ。

指された方向には巨大な蜂の巣があったのだ。

「虫嫌いとか関係なく……これはやばいな…」

「でしょう?だから退治して下さい!あっ申し遅れました。私の名前はサンです!」

ユーザの耳にあまりその自己紹介は入らなかった。

何せ最悪の立地で最悪の相手をしなくてはならないのだから。

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