使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第52話 オマエの存在は浮きまくり?

「今回の依頼は浮き輪か?もう虫関連は懲り懲りだぞ。」

先日の虫退治の依頼以降ユーザはやや虫に敏感になり始めた。

バカ医者とシャーバランもしばらく療養中だ。

「それにしてもユーザもタフだね。2人は休んでるっていうのに。タキガワ連れて行かなくてよかったの?」

ハーズの心配をユーザはいつも通りの調子で答える。

 

「まぁそう易々と休んでる訳にも行かないしさ。あと、タキガワはな……」

ユーザはやや苦笑いになる。

その頃事務所では

 

「タキガワ!追加であと3人やってくれ!」

キンノミヤはキンセツの特性を利用して理美容の依頼も受けるようになりタキガワはキンセツを持つ係として事務所内に常駐する事となった。

「分かりました!キンセツ、いけそうか?」

「当然ですぞ!今天職が舞い込んでいるというのに手を緩めれるものか!」

キンセツは人の髪を切ることが出来てかなり上機嫌だ。

(はぁ……もう朝からずっと立ちっぱなしで辛い。でもこれもキンノミヤ様の命!果たさねば!)

「………って感じ。」

「なーるほど……」

「依頼場所についたよ〜ん!」

リンが呼びかける。

ユーザは早速依頼者から話を聞き始めた。

 

「って今回依頼人子供!?」

ユーザは驚いた。まさかの依頼人は男の子だったのだ。

「子供で悪いですか?」

依頼人の子はユーザを睨む。

「いやいや別に。手紙の文面だけだと普通に大人かと思ったからさ。」

ユーザの手に握られている手紙には大人顔負けの綺麗な字と言葉遣いで内容が記されていた。気を取り直し、ユーザは依頼内容について確認する。

「内容は読んだけど、他に付け足す事とかは?」

「ありません。全て手紙通りです。」

「じゃあつまり今回空を飛びたいって依頼したのほキミとそっちの付喪神だな。」

「はい。ボクはショード。こっちは浮き輪のスイングです。ほら、挨拶しなよ。」

 

浮き輪のスイングは両手に握られていた。

ショードが呼びかけても反応がない。

「あっ、すいません。コイツ誰に対しても人見知りで……」

「いいよいいよ。人見知りなんか屁でもないのばかり相手してきたから。」

ユーザにとっては何気ない一言だったがショードにとってかなり重い発言だった。

(大人って……辛いんだ。)

「ハーズ呼びかけてやってくれないか?」

 

ユーザは左腕を差し出す。

「大丈夫?そんな緊張しなくていいよ。ボクはハーズ。ちょっとずつでいいからさ、キミの事教えてくれないかな?」

ショードの体が若干揺れた。

「ユーザも全然怖くないよ。いっつも振り回されてばかりだから!」

「笑顔で余計な事教えるな!」

「でも事実じゃ?」

ユーザはそれを言われなんとも言えない顔になった。

(やっぱ大人って大変なんだ……)

 

「全く焦ったい!」

ザッドが突然入ってくる。

「海に行くぞ。」

「え?」

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