「大丈夫か?みんな具合悪かったらちゃんと言えよ!」
「はーい!」
ユーザと子供達は海の家で飲み物を飲みながら休憩していた。
「はぁ、日差しに当たってないだけでだいぶマシだな。」
「ユーザ強過ぎでしょ!11人でも捕まえらんないってどういう事!?」
子供の1人が突然言い出し、その後皆口々に「おかしい!」「おかしい!」と言い始めた。先程の鬼ごっこは後に人数が増え最終的に1対11となった。だが子供達はユーザに指一本触れることさえ出来なかったのだ。
「何でだろうな?まっ鍛え方が違うんだろうな〜。」
ユーザは浮ついた表情を浮かべながら答える。
「タッチ!」
「えっ、え?は?えぇ?」
ユーザは突然の事で理解できなかった。
「いっ今休憩中だろ!」
「休憩中だけど中断はしてないからまだ続いてたよ。だからセーフ!」
「そーだセーフだ!」
「ユーザに勝ったー!」
子供達は祝勝ムードに沸く。
「そんなんありかよー!?」
ユーザは膝から崩れ落ちた。
そんな中ユーザは袖を引っ張られる。
「もう何?」
「ユーザさん、スイングの事忘れてませんよね?」
「えっ?いや忘れてはないけどさ、さすがにちょっとは様子を見るべきか……」
ユーザはショードと共にスイングの元へ向かった。
「ハーズとリン?」
砂浜にザッドとスイングの姿がいなかった。嫌な予感がしてユーザは早速尋ねた。
「あの2人は?」
「いや、もうここにはいない。」
「いない?」
どこか遠い目でハーズとリンが語る。
「あの後もさ、ザッドの特訓は続いたんだ。」
「で、浮いたんだよアイツは空に。」
それを聞いてユーザは喜んだ。
「え?依頼達成じゃん。良かったんじゃないのか?」
「いやどっか行っちゃったんだよ。」
「え?」
「群青に消えたんだよ。2人ともな!」
その後の話によるとスイングは空に浮けるようになった後ザッドの「さらなる高みへ!浮けーーーーッ!」
「分かりましたーーーーッ!」という様子であれよあれよと向こうは飛んでいってしまった。ハーズ達にはどうする事も出来なかった。
「ヤバいじゃんそれ!早く探さないと!」
「どうやって?ボク達空食べないよ?」
「そうだったーー!!」
ユーザは空に向かって叫んだ。
一方事務所では
「如何でしょうか?要望にお応えできたでしょうか
?」
「はい完璧です。というか想像以上に良いです!ありがとうございます!」
タキガワはその礼を拒んだ。
「私はただ立っていただけです。礼はこちらに。」
そう言いながら跪き手元のハサミを差し出す。
「え?どういう事?」
客は訳がわからぬままハサミに礼をして帰って行った。
「いいの?このまま黙ってればお前をカリスマ美容師に仕立て上げる事もできたのに。」
「そのような偽りで塗り固められた地位に身を置くなぐらいなら、死んだ方がマシです。」
(うわっ真っ直ぐ!なんでキンノミヤを従ってんのか謎なくらい真っ直ぐ!)
「てかタキガワさぁ、朝から今日は立ちっぱで大丈夫?客足も遠のいたし休憩する?」
「問題ありません。痛みはかなりありましたがもう消えました。」
「それヤバいやつじゃん!休憩しよ!」
というわけで美容の依頼は正午過ぎまで一旦中断する事になった。
「じゃあ今日の昼食はオレが作る。たっぷり休憩してたっぷり働けよ〜。」
そう言いながらキンノミヤは厨房へ向かう。
丁度上に居たシャーバラン達も一階に降りてきた。
シャーバランはバカ医者と距離を置くように歩いていた。
「なんだか、お二人距離があるような………」
「いやだってあの人怖い……怪人より怖い。」
シャーバランはかなりバカ医者にかなりビビっていた。
「まっまぁ、気持ちは分かります。でも常に構っていたらキリが無いですよ。直に慣れますよ。」
「それ慰めになってる?」
雅之がすかさず返す。
そんな中突然
「頼む!かくまってくれ!」
という鬼気迫る声が事務所に響いたが、キンノミヤは厨房にいたので聞こえていなかった。
「何の用でしょう!?」
タキガワが入り口に駆け寄るがどこにも人影見えない。不思議に思っていると。「下、下!」と聞こえたので下を向くと
「………豚?いや付喪神か。」
豚の作り物が真下にいた。即座に付喪神だと認識しタキガワは手に持つとジャラジャラと金属の音がする。そして何より
「重い………貴方は何の付喪神ですか?」
「オレは貯金箱の付喪神のガッポだ!命を狙われてる!だからかくまってくれ!」