使うモノ語り   作:イヤマナ ロク

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第65話 盛り上がってない?超マジで?

テイに同行しさらに足を動かして行く内に景色に変わっていく。吹き荒ぶ風を受け止めている岩山の岩肌に徐々に緑が増えていき、地面もしっかりとした道路に変わっていく。

「何か、雰囲気変わりましたね?」 

ユーザの何気ない呟きにテイは前を向き進みながら応える

「この辺りに入るとその、さっき話した大魔法使いのいた所ですね。依頼主も含めて、我々は魔法の研究の為向こうの拠点とココを行ったり来たりしているんです。」

「なるほど……依頼した人ってどんな人なんですか?」 「彼の名はウィード。能力強化や瞬間移動、身体変化などの身体魔法を使います。あっもう着きます。直接会った方が早いです。」

 

「おい、スモン。」

向こうに立っている人物に声を掛ける。

「ハッピーマテル?、ハッピーマリア?の方が来たぞー。」

「ハッピー・マテリアライズです。貴方がスモンですか?」

「はい。」

スモンという男は振り向くや否やユーザの顔を見て一瞬息を呑んだがあまりに一瞬でユーザは気づかなかった。右目が血のように紅いのに対し左目は色が抜けたように白い。彼もまた、テイのような黒いマントを羽織っている。そしてスモンのさらに向こうにユーザの見慣れた人物がいた。

 

「あれ?あれって……おいお前ってもしかしてチェンジャーか?」

ユーザ手を振るとチェンジャーは頷き駆け寄る。

「久しぶりだねー。ユーザ。」

「おやおや、まさかユーザさんもここにいらしていたとは。」

チェンジャーの手にはクランボも握られていた。

「何か雰囲気変わった?」

かつて腰まで届いていたチェンジャーの髪は顔や首がはっきり見える程にカットされていた。

「キミのところのハサミに切ってもらったんだー。キミもその帽子は何?」

「あぁ、えぇと、色々あってライドエンプにいるんだよ。」

「うん。色々とね。」

事情を全て話すわけに行かないのでユーザ達は当たり障りのない言葉でその場を濁した。

「ていうか何でチェンジャーがここに?」

「強くなるためさ。少なくともキミを超える力を得なきゃいけないんだー。だから修行している。」

「あぁ修行ねぇ……もしかして騒音ってクランボの事?」

「そんな訳無いでしょう!」

クランボがチェンジャーの手を離れユーザを睨む。ウィードも手を振り否定する。

「えぇ違います!場所はあのボクの家です。あぁユーザさんは先にどうぞ。チェンジャー案内してやって。」

「わかったっ……じゃなくて分かりました。」

チェンジャーは敬語を苦しそうにしながらユーザをウィードの家に案内し始めた。2人がいなくなった事確認してテイとウィードは話し合う。

 

「なぁスモン、あのユーザってヤツの顔なんだが」

「あぁ、名前からしてボクも思いましたがまさかご本人でしたね。妹さん未だ心囚われていて?」

少しからかう様に言うとテイは頭を抱える。

「そうなんだよ。確かに世話にはなったが、そんないい顔か?」

「まぁ悪くはないと思いますけど?ヤキモチですか?」

「うるさいぞ、てかオレ達の事覚えてなかったっぽいぞ。」

スモンがハッとしたように目を見開く。

「あっ!そういえばそうでしたね。そんな簡単に人を忘れるような薄情な人とは思えなかったんですが……何かあったんでしょうか?」

「もうアレから5年だしな。何かあってもおかしくない。」

 

一方チェンジャーによって紹介されたスモンの家周辺に来たユーザ達

「ウッヒョウヒョのフィーバーだぜぇ〜ウエェエーイ〜!!もう耳壊れちゃあああああああい!777曲目っ目っ目!セブンでジブン、ブンブンブーン!!」

「うるせぇ!」

「とこんな感じなんで、もううるさくてうるさくて………」

「我々も困っているのでございます。」

問題の付喪神は声を荒げて音楽を奏でている杖だった。

「クスリやってんのか!コイツ」

「イヤ、付喪神はクスリは出来ない。よってこれは素だ!」

「そうだった!」

 

「それでは参りしょう!!手配書の女神で!!『手錠プレイは好きじゃない』!!スタアアアアアアアアッ!!」

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