ゼンレスゾーンゼロ・聖剣!! IFとあらすじ保管庫 作:うどん米
え?本編でIFが書かれた時はどうなるって?ナナシが死ぬ
死んだふりドッキリやってみた!
「―――」
無心に映っている番組を眺めているナナシ。今日はアキラとリンは二人ともどこかに出かけてしまって、俺も今日は特に予定もない。久しぶりに自分の時間が作れたとはいえやることがない。
(死んだふりドッキリをしてみればいいじゃない!!)
「―――」
(あら、無視はやめてちょうだい悲しいわ)
内から悪魔の囁き、またの名を人の律者であるエリシアの声が聞こえてくる。だが、死んだふりドッキリなんて誰も幸せになれないし、何よりも俺はアキラやリンに悲しんでほしくない。
「無理。絶対にやらないし、何よりも俺がやったら冗談じゃ済まない」
(大丈夫よ!みんな優しいから笑って許してくれるわ!)
「いやいや、その過程で悲しませるのが嫌なんだよ――はい、終わり。大人しくテレビでも眺めて過ごそう」
実際にナナシは一度殺されている。しかも、目の前でかなり酷い死に方をしたのは記憶に新しい。
だからこそ、エリシアの要求には応じるつもりはなかった――だが、彼女は諦める気もなかった。
(うーん、どうにかしてナナシに死んだふりドッキリをやらせてみたいわ――)
(何か、作戦を練ってるな――すごい嫌な予感がする)
おそらく、どうにかして俺を説き伏せようとしているのだろうが口論なら相手がライカンさんでもない限り負けるつもりはない。
(――ナナシ!!あなたは段々と死んだふりドッキリがしたくなるわ、段々、段々とね――)
「ただ中から囁くだけで俺をその気に―――死んだふりドッキリやってみよう!!」
(そうよね!始めましょう!)
悲しいかな――ナナシの抵抗は一瞬で崩壊し、即落ち二コマでエリシアの手に陥落してしまった。準備を始めると言ったナナシは理の律者の姿へと変身し、ターゲットを呼び出した。
ピロン
「ナナシ様からご連絡が――!!」
昼時に少し差し掛かりそうなタイミングでナナシからDMで連絡が来ていた。彼女は遠慮がちな性格のため自分から連絡することはあまりない。
だからこそ、街でたまたま会ったり向こうから連絡が来ると胸に熱いものを感じるようになっていた。
そんな、彼女はナナシからの連絡に素早く反応した。
「――?」
だが、そんな彼女の頭には?という疑問視が一つ浮かんでいた。というのも、ナナシから送られてきたのは空メールだけ、用件も何も書いていないのだ。
こんなことは今までになかった。ナナシはこういうメールはちゃんとしているタイプだ、いたずらメールをする人ではない。
「ナナシ様の身に何かあったのかもしれません!!」
その場に突っ立ているものの不安は増幅していくばかり。この時点で悪ナナシの術中にはまっているのだが、そんなことは露知らずカリンはビデオ屋に向かって行った。
ビデオ屋にはCLOSEと看板が立て掛けており中にはお客さんは誰もいないように見える、だが、ノブに手をかけると開いている。
「ッ、ナナシ様はいらっしゃいますでしょうか!!」
不安はより積もっていく、入って行き呼びかけるも静寂が帰ってくるだけであった。
違和感、恐る恐るいつもの工房に近づいて行くと工房の門番である06号の姿が見えなかった。
「は、入ります――うっ」
工房の扉を開けると、すぐに鼻を刺したのは血の匂いだった。そして、その匂いがどこから放たれているものなのかそれは、それほど広くない工房内では見つけるのはたやすいことだった。
「な、なし様?」
ソファにもたれかかったそれを見てカリンの頭の中は突如として真っ白になっていた。
足が動かない、まるで足そのものが固まってしまったように固く、重い。
「―――」
ドサッ!
ソファから落ちたそれは、虚ろに少しだけ瞼を開けたままカリンを映していた。
脈を図ることも、助けを求めることもなく呆然と見つめていた。
「なんで、何で、ですか――カリン、カリン――え?」
うわ言のように呟きながら、一歩一歩と倒れた彼に近づいて行くそのたびに血の匂いはさらに強くなっていくが“それ”を目撃した瞬間、カリンの顔から血の気が抜け、その場に勢いよく膝を付けた。
「これ、カリンの――」
膝の痛みは関係ない。それよりも、ソファに横たわる血まみれのナナシの近くに立て掛けられていたのは――他でもないカリンの電動丸ノコであった。
途端に膨れ上がる嫌な想像――手でその丸ノコに触れてみても本物であることしかわからない。
「もしかして、カリンのせいなんですか――カリンが武器の手入れをおろそかにしていたから盗まれて――ッ!!」
もちろん、カリンに盗まれたような思い当たる節はない。それもそのはず、あの電動丸ノコはナナシが理の律者の力で作り出したそっくりそのまま同じの模造品。血も、作り出したもので本物のナナシの血を使っている。
「ごめんなさい!ごめんなさい――カリンを大切な人だって言ってくれたのに、カリンのせいで――また、ごめんなさい!ごめんなさい―――あの日みたいに助けられなくてごめんなさい!」
説明しよう。なぜ、ここまでカリンが取り乱しているのか――もちろん、ナナシが死んでいるからというのもある。
だが、彼は一度死んでいるのだ。その場に、カリンたちヴィクトリア家政は一歩駆けつけるのが遅く救助は間に合わなかった。その時のナナシは四肢を全て失った状態で今のように虚ろな目をしていた。
「はっ、はぁ、はぁはぁはぁ――カリンがダメな子だから、ですか?――ッ、でしたら少々お待ちください」
少し笑みを浮かべたまま、自分の物だと勘違いしている丸ノコに手をかける。
「私の大切な、大切なナナシ様を殺した不届き物を、カリンがお掃除してそのあと私もお供させていただきます」
記憶の中の彼はそれを必死に止めるだろう。けれど、カリンは止まらない。ハイライトの消えたその瞳には記憶の中のナナシの姿すら映らない。
そして、復讐のために工房から出ようとしたその時――
「ど、ドッキリ大成功!!」
「ふえ!?」
カリンの目が点になる。現実が勢いよく迫ってきて彼女の思考を支配したのだ。
起き上がったナナシの手には理の律者の力で作り出した『ドッキリ大成功』と書かれたプラカードが握られていた。
「な、なし様ぁ!!」
「うぐっ――大丈夫、生きてる。本当にごめん、エリシ――内なる悪魔の囁きに抗えずこんなことになってしまったんだ」
勢いよく抱き着くカリン。その怪力で内臓がつぶれる音が聞こえたが――エリシアの呪縛から逃れ正気になったナナシにはそんなこと言えるはずがなかった。
「本当に、本当に怖かったんです。また、カリンのせいでナナシ様が居なくなってしまったんじゃないかって――っ、うあぁぁぁぁん!」
「ごめん、100%俺が悪いよ。カリンが悪いところなんて一つもない」
数分間、ナナシはカリンの涙が途切れるまで抱擁し続けていた。その隙にと言わんばかりにパチンッと指を鳴らす。すると、理の律者の能力で作り上げていた大量の自身の血、電動丸ノコ、プラカードなど丸々消え去った。
「――あれ?カリンのチェーンソーさんはどこに?血もありません!?」
「最初からなかったんだ、どうやらカリンはすごく悪い悪夢を見ていたみたいだね」
「そ、そうですか――でしたらよかったです。てっきり、ナナシ様が本当に亡くなったんじゃないかって――気づいたらここを出ようとしてて――」
カリンがいい子過ぎて思わず、くらっと来るナナシ。証拠隠滅は完璧、カリンさえ騙してしまえば誰の耳にも届くことはない。
だが、罪悪感に耐えられないまま彼の口からぽろっと今回の話の全貌を説明した。
結果――
「か、カリンいつまでこうしてればいいかな?」
「ナナシ様が反省するまでです」
「はい――」
現在、カリンとナナシは先ほどまで彼が血まみれで倒れていたソファに座り冒頭と同じように映画を鑑賞している。だが、さっきと違うことと言えば二人の両腕はカリンが普段からつけている手錠のようなもので繋がっていることだろう。
(いつでも破壊できるけど――何だかカリンがいつもより怖いというか気が強いというか――)
「あの、ナナシ様――」
「うん?」
「カリンは――今もあなたの大切な人ですか?」
いつぞやで見た時と同じようにまるでリンゴのように真っ赤に染まった彼女は恐る恐るナナシに問いかけた。
「もちろん。デッドエンドホロウで初めて会った頃からずっとカリンは大切な人だよ」
「――私も、ナナシ様を大切な人だと思っています」
この会話もいつぞやにした。けれど、あの時とは違い手には手錠がつけられ膝の上に乗っかられ逃げることもできそうもない。
今のナナシにできるのはカリンと一緒に映画を見て時間が過ぎるのを待つだけだ。
「――もう、ハナシマセンカラ」
かかった相手がカリンなのは作者の趣味です。不憫可愛いのが好きな人間なので
やったことのあるHoYoverse作品はどれ?複数あるならプレイ時間が一番長い奴で!!
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崩壊学園2
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崩壊3rd
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未定事件簿
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原神
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崩壊:スターレイル
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やっぱり、ゼンゼロでしょ!!