ゼンレスゾーンゼロ・聖剣!! IFとあらすじ保管庫   作:うどん米

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これまでの話のバッドエンドがまとめてあります。まあ、こういう未来もあるよねっていう話です。
あと、Season7までのネタバレがあるので注意してね!


バッドエンド集

 

 

ルート分岐条件:空腹で倒れた時、アキラとリンに発見されない。

 

 

ぐぅぅぅぅ

お腹が減った――とにかく、お腹が空いた。ほどけそうになった意識の線をグッと固く結びなおしながら一歩、一歩また食料を取りに歩く。

だが、近辺から治安局のパトカーの音がする――この状況では悔しくも動くわけにはいかない。

 

(――いや、もう動けない)

 

もはや、大根を盗み出す気力も体力もない。名もなき俺は天を仰いだ――まだ、昼間で本来なら暖かいはずなのに手指の先はどうにも震えてきた、いや凍えてきた。思考も鈍り、もはやこの路地から動けそうもない。

 

「――リン、僕は万人受けするビデオを選んでるんだ」

「ホントに『万人向け』――?」

 

声が聞こえる――途切れかけた意識の中で路地裏の外の光を見る。灰色の髪の青年と青色の髪の少女が話している。

何日か街を巡ってわかったことがある、ここは普通の世界じゃない。いうなれば、終末世界という奴だろう――そんな場所でも一生懸命生きている人がいる。

 

「――でも、それなら――」

 

記憶のない俺に生きる意味はあるのだろうか―――考えているうちに日は暮れ辺りは暗くなる。

再び天を仰ぐと暗闇が空を覆いつくし、街灯もない辺鄙な路地裏に座り込んでた俺はその暗闇にやすやすと飲み込まれてしまった。

 

(――そっか、これが俺の最期なんだ)

 

自分が誰かもわからず、何もわからず、誰にも知られず闇の中に消えていく。

 

 

(――あれ、でもどうして俺はここにいるんだろう、生きているんだろう)

 

さっさと死んでいればこんなに苦しまずいられたのに――

 

絶望も希望もない、あるのは無だけ――自分自身がまるでこの世界から意味のない存在だと言われているようで消えかけた意識でも心が締め付けられるのを感じる。

 

 

(―――)

 

 

(そうか、俺には生きていく意味なんてなかったのか――)

 

そのまま、意識は闇に消え名もない男の生涯は終わりを告げた。

 

 

エンディング1:何も始まらない

 

 

 

ルート分岐条件:デッドエンドブッチャーに正義の鉄拳が破られる。

 

 

現在、俺はデッドエンドブッチャーから隠れながら、転機を探っていた。

吸う風戦っただけでよくわかったが、デュラハンよりも圧倒的に強い、力比べでも数秒しか持たないだろう。熱血パンチでコツ氏がぶつかったが相手は少しひるんだ程度なのに俺はかなり後方まで飛ばされた正面戦闘は不可能だ。

 

(だとしても、ここにずっといる訳にはいかない。だからと言って放置してればニコたちとブッキングもあり得る――か)

 

 

ぱきっ

 

 

自分の足元から何かが折れるような音が聞こえる。

 

「あっ」

 

つい口に出してしまった。やってしまったと思い恐る恐る振り向けば、首から上がないのになぜか目が光っているように見えるデッドエンドブッチャーが雄たけびを上げなら迫ってきていた。

 

 

 

――その後、ナナシはゴッドハンドをぶっ飛ばした経験から正義の鉄拳の発動方法にたどり着くことができた。

 

 

「――行くぞ!!」

 

思いっきり足を振り上げる。それはまさしく、I字バランスの如く、そしてその勢いのままダンッ!と音がするほど踏み込む。

シュンっと拳を引く。そして――

 

「ドカン!だ『正義の鉄拳!!』」

「UGAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

放たれた黄金の拳状のエネルギーが回転しながら真っすぐに進んでいく。無論、デッドエンドブッチャーもそれに対抗すべくその剛腕で鉄拳を押さえつけようとする。

 

 

そして、ありえないはずのことが起きた。

 

「――嘘だろ」

 

奴の背中から追加で二本の腕が生え正義の鉄拳を砕いて見せたのだ。その一部始終に呆然としたまま動けなくなる。

 

 

 

 

「――ごめん、猫又。俺は帰れないみたい」

 

 

――少し時間がたったころ、一人の猫耳が生えた少女がやってくる。

 

「ナナシ、ナナシ!!」

 

声を張り上げ彼を探す。ニコたちも協力して探すがナナシのなの字も出てこない。悪い予感が広がっていく、猫又の指先が冷たくなり始めたのを感じる。

 

「猫又、そっちはどう?」

「ニコ!こっちはまだ――そっちは?」

 

ニコは首を横に振る。ナナシが見つからないデッドエンドブッチャーから猫又を逃がすためにナナシはその場に残りおそらく交戦した。

そもそも、デッドエンドブッチャーと戦った時にもナナシは姿を現さなかった――つまり――

 

 

「猫又、今日はもう切り上げましょう――これ以上いたらあたし達も危ないわ」

「ニコ――でも、あたしのせいなんだ。だから――あたしが―――」

 

その時、猫又の目線ががれきの下の血だまりを発見した。恐る恐るそちらに歩を進め瓦礫をどかしていく、どかすたびに目頭から熱いものがこみ上げてくる。

 

「あっ――」

「猫又!見ちゃダメ――っ」

 

雨が降っていた。猫又は瓦礫のそこから“それ”を拾い上げ、胸の中に納める。小さくなってしまった彼の瞳は何も写さず暗闇のままであった。

 

 

「――遅くなってごめん」

 

エンディング2:間に合わなかった

 

 

 

ルート分岐条件:ナナシのマジン・ザ・ハンドが失敗する

 

 

突然、現れたアフロディ。目の前で極光が収束していく、残念だがこの時点で左腕はもうボロボロで『マジン・ザ・ハンド』が使える状態ではない。

その上、飛行船を止めるにはアフロディの直下にある制御盤を破壊する必要がある。

 

(『ゴッドハンド?』絶対無理だ。『正義の鉄拳G3?』ダメだ『マジン・ザ・ハンド』最悪、これで一瞬止めてそのうちにエレンたちに破壊してもらえば万に一つはあるかもしれない。)

左腕を見る。さっきの『真・熱血パンチ』の発動でもう感覚がない。流石にこれ以上はそもそも発動すらできない。

 

「右腕――そうだ、右腕でマジン・ザ・ハンドを!」

 

だが、以前まではできなかった。できなかったのだ――いくらやっても気は霧散し100%右手に伝えることができなかったのだ。

 

「ぐっ――でも、やるしかない!!」

 

何か思い出さなければいけない何かがあった気がするが、ともかくやるしかない奮起したナナシは心臓に気を溜め始める。

 

 

 

「神の本気を知るがいい!!『ゴッドノウズ!』」

 

聖剣に集まった光が一点に凝縮し放たれる。その破壊の光はナナシを消し去らんと向かって進む。進むたびに周囲の空気は蒸発したような音を上げ、地面は八つ裂きにし、その圧に全身が思わず身震いしだす。

 

 

「来い!」

 

右手を天に振り上げる。それと同時に心臓に溜められていた気が放出されマジンの形を創り出す。そこから現れたのは左手の時と同じく黄色と青のマジン。そのまま腰をひねり構える。

 

「『マジン・ザ・ハンド!!』」

 

マジン・ザ・ハンドとゴッドノウズの激突、世界は白い光に包まれアフロディはその光景を見て口角を上げた。

 

「俺のマジン・ザ・ハンドが――」

「――終わりだね」

 

マジンは粉々に砕け極光はボロボロのナナシの体を包み込む――ナナシは最後の力を振り絞りエレンに目線で合図をする。

 

「ナナシ――ッ」

 

ゴッドノウズの隙をつき、裏から回り込んでいたエレンが制御盤を破壊する。同時にライカンさんが飛行船に到着した。

それらが一体何を意味するのか――

 

 

「あんたの負けだよ――そして、ナナシの勝ち」

「ナナシ!!ナナシ!!」

 

イアスが駆け寄る間もなく察せられる。そこには、上半身が完全に消し飛んだナナシの死体が転がっていた。

 

「――あたし、あんたともっと話したかったよ。守ってくれて、ありがと」

 

エレンの目には涙が浮かんでいた。

 

 

エンディング3:力不足

 

 

 

ルート分岐条件:ナナシがグランと共に心中する覚悟が足りなかった時

 

ツール・ド・インフェルノでの最終決戦。人工聖剣ジェネシスの担い手であるグランにナナシは苦戦していた。

 

(――ああ、どうかそんな顔しないでくれ)

 

その中、ナナシはフルアーマー・ザ・ハンドを発動させグランを押していたのだがシーザーを庇い左腕を失ってしまう。

 

「な、ナナシ――お、オレのせいで――腕が――」

 

シーザーが駆け寄り、失った腕の部分を確認する、幸いにもファイアブリザードの特性上傷口は既に止血されているようだ。

 

 

「は、はぁ――うっ」

 

それよりも、ピンチなのは今、フルアーマー・ザ・ハンドが解けたのだ。それと同時に猛烈な虚脱感、倦怠感、吐き気が俺を襲っていた。

 

『――時間切れだ120秒たってしまった。もう、あらかた燃料として使えるものは使ってしまった――本当に、敗北だ』

腕も失い、エネルギーも底をつき、聖剣抜きでも体力ももうない――。

 

 

だというのに、グランは未だ健在――シンダーグロー・レイクの終わりまでもう時間がない――。

 

煙の中からグランが現れる、双剣をこちらに向けとどめを刺そうと近づいてくる。

 

「やらせねぇぞ!」

そこに立ちふさがったのはシーザーだった。消えぬ闘志をグランに向け切りかかる――。

 

 

(うご、かない――体が――動かない)

実を言うと既に打開策は思いついていた。だが、それを実践しようとしているのに――体が震えて動かない。

 

 

『終わりよ、あなたは十分頑張ったわ』

あの白髪の女性の声が聞こえる。俺をいたわる言葉――ああ、もう休もうかな。

 

 

(ダメだ――シーザーが戦ってる早く動かなきゃ、何で体が――震えて動かない)

 

 

『正気に戻ったのよ、腕が吹き飛んだ衝撃でね』

(正気に戻った?)

確かに、この状態になったのはシーザーの身代わりに腕が吹き飛んだからだ。

 

 

『恐怖と言うのは人間が生き残るための重要な仕組みよ。それが、正常に働いているだけナナシの精神がいくら命を懸けることに躊躇がなくてもあなたの体は本能的に命の危機を回避しようとする――ただ、それだけなのよ』

(そ、んなものに――動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け)

頭の中でいくら念じ続けても全く体はびくともしない。まるで、三人称で俺を見ているみたいだ。

 

 

『だから、無駄なのよ。本能的な恐怖を越えられた人を私は一人しか知らないわ』

(それを知ってたから俺を送り出したのか?)

『そうよ――もうわかったでしょ。つらいことなんて辞めましょう、もう“逃げても”いいのよ』

優しい、心があったまるような言葉――お母さんみたいだ、いないけど。

 

(逃げても――)

 

逃げたい、死にたくない。まだ、みんなと一緒に生きていたい。本能が逃げたいと叫んでいる。

グランを倒せない――いや、倒すかもしれない方法はある。

その時だった、ナナシの目に入ったのは――

 

「さようなら、カリュドーンの子のドン――キング・シーザー!!」

 

既に体力の限界に来ていたシーザーはその場で膝をつく。そこに向けて、グランが止めを刺そうとしたとき――

 

「シーザー!!」

 

仲間のピンチを前に体の恐怖はどこかへ吹っ飛び駆けだしていた。そのままの勢いで手を伸ばす――

 

 

 

 

「――?」

 

そこにあったのは、シーザーを庇い首と胴体が切断されたナナシの姿だった。

 

「ナナシ!!ナナシッ!!」

 

ろれつが回らなくなる、目頭に涙が溜まる。胸の中に彼の死体を抱き寄せる。

 

「――まあいいか、これで火の湖は終わる。俺の勝ちだ、ナナシ」

 

 

 

その後――

 

火の湖は終わり石油が無くなった郊外の人々は生活に困窮し始めた――シーザー達がどうなったのか、それはわからない。

一つだけわかるのはナナシの死体はアキラとリンに返されることなくシーザーが持ち続けているという事だけだった。

 

 

エンディング4:ずっと一緒だな

 

 

 

ルート分岐条件:ナナシがライに殺されない

 

 

「ナナシ、起きてる?」

「―――うん、大丈夫」

 

ブリンガーとの決戦から数日が経過していた。その戦いでナナシはほとんどの力を使ってしまい最近は寝たきりが続いていた。今日なんて一週間ぶりに目覚めていたほどだ。

久しぶりにベッドから起き上がったナナシは心配そうに顔を覗き込むリンに大丈夫だと虚勢を張る。

 

「そっか、じゃあ先に下行ってるね」

「うん――」

 

すっかり筋肉は衰え、自分で歩くのも少しままならなくなってしまった体を奮起させ下に向かう。ちなみに大丈夫と言ったのはウソだ。まったくもって大丈夫ではない、元からほぼなかった寿命を削り『ジ・アース、神蘊』を放ったのだ、即死しないだけありがたいというものだ。

 

「――この匂いは、カレーだ!!やった~アキラのカレー大好きなんだよね」

「よかった、起きてくれたんだね。もう、起きてくれないと思ってたよ。ナナシの言う通り今日はカレーだよ」

「お兄ちゃん!早く食べよう」

 

ぐぅぅぅぅ

 

「そうしよう、ナナシももう待ちきれないみたいだしね」

「あはは、久しぶりに起きたから――それに、やっぱりカレーの匂いがするからお腹空いちゃって」

「やっぱり、ナナシはナナシということだね。そこに座っていてくれ、カレーを持ってくるよ」

「いや、俺も手つだっ――」

 

そう言って立ち上がろうとしたとき、視界が揺らぎ一瞬だが体が浮遊感に襲われる。間一髪で踏みとどまったものの確かにナナシの意識は消えていた。

 

「――やっぱり、お願いしてもいいかなアキラ」

「ッ――ああ」

「ナナシ――」

 

二人の表情は見えなかった。否、見ないようにしていた。

数分後、お皿にこんもりと乗ったカレーライスがやってくる。

 

「おお!アキラのカレーだ!」

「はい、ほらリンも――いっぱい食べて早く元気になってくれよ」

「ありがとう、お兄ちゃん」

 

ナナシはカレーの皿を手にガツガツと食べ始めた。

 

「うんっ、美味しい!美味しすぎるよっ!」

「ゆっくり食べるんだ。まだあるから、喉に詰まらせないようにするんだよ」

 

 

 

しばらくして、カレーは完食された。

 

「ごちそうさま!」

「ははっ、寝起きだっていうのに、ナナシの胃袋と食べっぷりは何も変わらないんだね」

「いやぁ――ま、ずっと寝てたと言っても体力は使ってたからね!ふぅ――この爽やかな口当たり、程よい辛さ。やっぱりアキラの料理が俺にとって一番だ!」

「え?そうかな、今日のカレーは甘くない?」

「―――ッ」

「もしかして、ナナシはもう味覚が――」

 

さっきまで楽しげだった食事に静寂が訪れる。笑顔だったリンの表情はすっかり心配の色が現れている。

 

「――美味しいのは本当だよ。アキラの心が籠っていて本当に暖かいんだ」

「ありがとう、だけど絶対に無理はしないでほしい。そうだ、今日はもう寝よう。きっと、起きたら元気に――なってるから」

「そうだよ、ナナシ。はい、手を貸すから」

「ありがとう、リン」

 

そのまま、リンに連れられてナナシは寝室に戻った。

 

 

数分後、洗い物を終えたアキラもナナシの寝室を訪れていた。

 

「まだ起きていたのかい、もう休んだ方が――」

「――アキラ、リン」

 

ギリギリの意識を繋ぎ合わせ最後の言葉を紡ごうとする。

 

 

「俺、幸せ――だったよ」

 

そのまま、ナナシの意識は闇の中に消えていった。

 

 

 

翌日、ナナシは起きなかった。

 

 

一週間後、ナナシは起きなかった。

 

 

 

一か月、医者に診てもらったら既に亡くなっていることが分かった。老衰だったらしい――

 

そのあとすぐに、葬式が行われた。邪兎屋、白祇重工、治安局、ヴィクトリア家政、カリュドーンの子、ホロウ対六課のみんなが駆けつけてくれた。

皆、泣いて、泣いて――いっぱい泣いた後、私たちは心の整理がつかないままプロキシとビデオ屋を運営してる。

 

 

 

そして、少し落ち着いた頃――

 

「えっと、俺はナナシってことになるのかな。もしよかったらここに厄介になっても、その――いい、かな?」

 

私とお兄ちゃんはその場に崩れ落ち、泣き叫んだ。目の前の私たちのナナシじゃない誰かを見ながら――

 

 

エンディング5:ナナシ二号

 




割と間一髪の人生を生きてますね、ナナシは――
それに、ライに殺されないとハッピーエンドに行けないっていうね。

やったことのあるHoYoverse作品はどれ?複数あるならプレイ時間が一番長い奴で!!

  • 崩壊学園2
  • 崩壊3rd
  • 未定事件簿
  • 原神
  • 崩壊:スターレイル
  • やっぱり、ゼンゼロでしょ!!
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