「うぐ……………うん……?」
気付けば、俺は硬い石畳に倒れこんでいた。
もう既に3回くらい死んだ気がするが、流石にそろそろ天国に来れている気がする。なんだか妙に明るいし。
「外……か?」
言いながら体を起こし、辺りを見回す。
目に入るのは草木の手入れされた庭園、不気味に並ぶ墓石、空には見渡す限りの黄昏色の雲。庭園は人よりは大きい柵に囲われ、その周りは雲と……遠くに見える謎の柱?以外は何も見えない。
そしてひときわ目を引くのは、俺の正面に見える階段の上の小屋と、その下に座って動かない人間だ。
妙にぐったりしているが、生きているのか?声をかけるために近付くが……
「…………いや、よく見たらこれは……」
違う、人間じゃない。眼は見開いたまま瞬きもしないし、手の指はどうみても球体関節だ。
余りにも精巧だが……これは人形だ。
「こんなヤバいところに、こんな人形を作るようなイカレた変態野郎がいるってのか……?最悪、薬指に遭遇するかもな……はぁ……」
色々懸念はあるが、この際友好的であるかは置いておいてせめて人に会いたいものだ。
そうため息を吐きながら、小屋を調べるために階段を上る。
ゥ゛ェォァ゛ァ
「ウオァア!!!?グエッ!いてぇ!!!」
急に目の前の階段から白い小人のような化け物たちが湧いて出てきた。そのせいで驚き、後ろに倒れたせいで階段を滑り落ちる。
「いってててて……な、なんだ、またお前らか?何なんだよ一体!」
慌てて起き上がり構えるが、化け物は一向に何もしてこない。ただ何かを見せびらかすように持ち、手招きしているだけだ。
「……近づけってのか?」
不格好に構えながら、じりじりと近づく。
化け物が持っているのはどうやら武器らしい。
妙な形のノコギリのような鉈、鈍くも重そうな斧、一見なんの変哲も無い杖の三つだ。
「なんだ、これを俺にくれるっていうのか?」
そう聞くと頷き、人差し指を立てる。
「この中の一つだけ、か?」
また頷く。半ば冗談だったが、どうやら本当にくれるらしい。ついでに意思疎通もできるらしい。
正直こんな化け物から物をもらうなんて罠でしかないと思うが……もう随分と恐ろしい目にあって来た上、疑問だらけで仕方ないのだ。藁にも縋るしかない。
「さて、貰うにしてもどれにしたものか……」
襲う素振りが見えないため、化け物の横に腰掛け考え込む。
まず有力なのは杖だ。少し前まで使っていた以上の理由はないが、あの獣の化け物を殴り殺すくらいはできるだろう。それに、前まであったものがそこにあるというのは安心感が凄い。
次に有力なのは斧だな。どう見ても戦闘用だろうこれは。刃こぼれが酷いのは気になるが、この重さだけで十分すぎるほど強力だろう。しかし屋内では少々不利か?
最後は鉈だが……正直よく分からん。刃と持ち手の繋目に機構のようなものが見えるが、工作用の道具にしか見えんな…
うぅむ……………悩むな。化け物と戦うにしても判断材料が無い。
「そうだ、お前たちはどうだ?どの順番でお勧めするかとかあるか?」
少しの期待を込めて白いの達に聞いてみる。するとお互いを見合った後、階段に一段ずつ並びなおす。
順番は右から鉈、斧、杖の順だ。ということは、杖が一番良いのだろうか
「やはり杖が一番か。まあ、可もなく不可もないってところか?」
そう言って杖を受け取る。すると白いのたちは顔を見合わせ、銀色の泡に沈むように階段の中に消え、また現れる。どうなってるんだそれ……?
今度は銃だ。短銃と……これはショットガンか?結構な値段の代物のはずだが、こんな奴らが所持できるのか……
どうやらこれも片方くれるらしい。こうポンポンくれるとは、かなりの金持ちの可能性があるな。あってたまるかそんなこと。
これはショットガンでいいか。俺は銃なんてまるで扱いを知らん。弾がばらけるこっちの方がまだ使えるだろう。
銃を受け取ると、また白いのたちが階段に潜る。そして腕だけ出して一冊の本を置き、もう現れなくなった。
「なんだったんだ……?妙に友好的だったな……そしてこれは、手記か?」
中には何も書かれていない。何のために渡したんだ?
そう思って手記から視線を外すと、視界のあちこちに白いものが見えるようになった。
いたるところにさっきの白いのが何匹も、何匹も、何匹も……そして、ある一か所にだけ、別の何かがある。目覚めた場所近くの、墓石の前だ。屈んでよく見てみると……
「これは、文字か?短い文がいくつもあるな」
どれどれ……『ここだ!』『頑張れよ』『この先に道があるんだ…』『素晴らしい狩人』『デブ!』『一歩前に出てみたまえ』
誰がデブだ
しかし、この先に道…?屈んだまま前を見る。目の前にはもう見慣れてきた白いのと、墓石だけだが……
すると白いのの一匹が手を出す。釣られて俺も手を出す。
途端、急に目の前がぼやけ出す。意識ははっきりしているのに自分自体がぼやけていくような、奇妙な感覚だ。
不味い、目が覚める。唐突にそう脳裏に浮かんだが時既に遅し。あっという間に俺はその場から消えてしまった。
まだ小屋を調べて無かったのに……………
切実に小説の書き方のアドバイスが欲しいです。
さもなければ思い返しては恥に悶え、ハーメルン自体を開けなくなる日々がまた訪れてしまいます。