今度は異世界転生じゃなくて異世界転移かよ ※リメイク版   作:にゃすぱ@梨

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予約投稿ミスしてこの時間にあげてしまいました。

明日はお昼12時に上がる予定です


女神の来訪

 

 

薄暗い部屋の中で簡易的な机と椅子が置かれ、来客用と見られるソファが備え付けられている。

ソファには赤髪のポニーテールの女神、ロキ。

その向かいの簡易椅子には、右眼を眼帯で覆った同じく赤髪の女神ヘファイストスが座っていた。

 

「なぁ、ファイたん」

 

「どうしたのよ、ロキ」

 

ロキは出された茶を一口飲み、真剣な顔で言った。

 

「……マジやばくね?」

 

「何がよ」

 

「いやだってさ、マジやばいやろ!」

 

「だから、私は何も知らないから何がやばいのか知らないんだってば!」

 

「あれ?話してへんかった?」

 

「さっきからそう言ってるじゃない……いきなり貴方がここに来て何も言わずに座ったんでしょうが」

 

「あー……てへっ」

 

「……今度あんたでも似合う動作一緒に考えてあげるわ」

 

「うるっさいわボケぇ!可愛かったやろ!」

 

「はぁ、そんなことを言いにわざわざ来たの?」

 

「いや、ちゃうけども……まぁええわ。本題な。実はな――」

 

ロキは昨日あった出来事をヘファイストスに話した。

 

「やばいやろ?ウチのフィンですら勝てないってゆってんねん」

 

「へぇ、そんなヒューマンがいるなんて聞いたことないわ」

 

「それでな?いっちょ、あのチビんとこに行ってこよう思っとってん」

 

「……なにをしに?」

 

「謝罪や」

 

「……え、あんたが? ヘスティアに?」

 

「なんや、人をそんな目で見て」

 

「いや、だって……ねぇ?」

 

「今回はウチが悪いからなぁ。それにリムルのことも色々聞きたいねん」

 

「なるほどね……変わったわね」

 

「そうか?」

 

「えぇ、随分丸くなった気がする」

 

「ふふーん」

 

「それで、それは分かったけど……なんでウチに来たの?」

 

「……いまヘスティアがどこに住んどるかわからんねん」

 

「それで、私に聞きに来たってわけ?」

 

「そゆこと」

 

「はぁ〜……まぁいいわ。ヘスティアが住んでるのは――」

 

ヘファイストスは地図を広げ、ある一点を指した。

 

「あの子ならここに住んでるわ」

 

「え?ここ?」

 

「そうよ、私があげたもの」

 

「ぶはっ!相変わらず貧乏してるなぁ!」

 

「あの子なりに頑張ってんのよ」

 

「まぁ分かったわ。ありがとうなファイたん」

 

「それよりロキ、あんた伴も連れずに来たの?」

 

「まぁな〜」

 

「不用心ね」

 

「流石にチビんところ行く時は連れてくよ」

 

「誰を?」

 

「そんなん決まっとるやろ?」

 

ロキはニヤッと笑い、ヘファイストスはやれやれとため息を吐いた。

 

「それじゃ、ちょっと行ってくるわ!」

 

――――――――

 

俺は豊穣の女主人で昼ご飯を食べ、ホームに戻っていた。

 

「ただいま〜」

 

「お、おかえりリムル君!早かったね」

 

「遅くならないって言ったろ?」

 

「どこ行ってたんだい?」

 

「豊穣の女主人だよ。昨日のお詫びを改めてしにいったんだ」

 

「えぇ!?」

 

「なんでそんな驚いてんだよ……」

 

「いや、なんでそれを言ってくれなかったんだい!」

 

「えぇ?」

 

「言ってくれたらボクも一緒に謝りに行ったのに!」

 

「いや、俺がやったことだし」

 

「いいかい?君はいまボクの眷属なんだ。家族なんだよ? 僕の子が何かしたならボクも謝りに行くのは当然だろう?」

 

「……わかったよ。次からはちゃんと言う」

 

「分かればよろしい!」

 

そのやり取りの後、ふと思いついた俺はヘスティアへ向き直る。

 

「この世界って遠くの人と話できないから不便じゃない?」

 

「え?」

 

「俺がいた世界では思念伝達ってのがあってさ。念じれば会話できるんだよね」

 

「便利だね……この世界じゃそんなのないよ……」

 

《リンクさせれば可能かと思われます》

 

え、できんの!?

 

《試す価値はあります》

 

よし!

 

俺はヘスティアに向き直った。

 

「ちょっと試したいことがある」

 

シエルに頼むと、すぐに返答が返ってくる。

 

《成功しました》

 

え、早くね!?

 

試してみるか――

 

《ヘスティア、聞こえるか?》

 

「えっ!? なんでリムル君声出してないのに……!」

 

《これが思念伝達だよ》

 

「で、できるようにしたの……!?」

 

《出来ちゃったな》

 

ヘスティアが半ばパニックになる中、俺とシエルは淡々と説明を続けた。

 

 

《主様、問題ありません。回線は安定しています》

 

《ふふ、便利だろ?》

 

ヘスティアは完全に疲弊した様子だった。

 

「ボクは驚きすぎて疲れたよ……!」

 

「まぁまぁ、今後便利だぞ?」

 

そんなやり取りをしていると、玄関の方から声が響いた。

 

「ただいま帰りました!」

 

ベルだ。

 

帰ってきたベルと会話し、今日の成果を確認しつつ、和やかな時間が流れた。

 

――そのころ、ロキとアイズは地図を頼りに道を進んでいた。

 

「ここ……やんな?」

 

だがそこに建っていたのは、ヘスティアに渡したはずの廃墟ではなく、堂々とした教会だった。

 

「……どゆこと?」

 

ロキは困惑しながらも、勢いで扉を叩く。

 

「すんませーん! 誰かいますかー!?」

 

――その声が、ホーム全体に届いた。

 

《主様、来客です。個体名ロキとアイズ・ヴァレンシュタイン》

 

「やっぱ来たか……」

 

ヘスティアも目を丸くしていた。

 

「……なんであの二人が!?」

 

ベルはシャワー後で髪を拭きながら固まる。

 

「えっ……アイズさん!?」

 

そして、ちょうど準備を終えたタイミングで――

 

玄関の扉の向こうから、再び声がした。

 

「すんませーん、開けてくれへん?」

 

 

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