今度は異世界転生じゃなくて異世界転移かよ ※リメイク版   作:にゃすぱ@梨

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新たな居場所

 

「リムル……様……どうして……?」

 

リムル様は私の心臓を貫いたまま、静かに笑っていた。

 

「……やっぱり、やめだ」

 

そう呟くと、リムル様はゆっくりと手を引き抜いた。

 

次の瞬間、その拳に黒い炎が灯る。

 

「灰すら残さず消してやる」

 

その笑顔は優しいはずなのに、今の私には悪夢のようにしか見えなかった。

 

恐怖で声すら出せない。

 

逃げようにも身体が動かない。

 

私はただ、その拳が振り下ろされるのを見ていることしか出来なかった。

 

そして。

 

黒い炎が、私の視界を埋め尽くした。

 

ーーーーーーーーーー

 

「……っ!!」

 

私は飛び起き、リムル様に殴られた箇所を触る。

だが、痛みや衝撃は一切ない。

その代わり、全身が汗でびっしょりと濡れていた。

 

「これは……ベッド…?」

 

私はここで寝ていたのか?

ということはさっきのは夢?

 

全然理解が追いつかない。

 

それに私はダンジョンでリムル様に……

 

そこで私は慌てて周りを見渡した。

周りには、窓があり、そのすぐ側に机と椅子。

その少し隣には何着か入りそうなクローゼット。

そして私が今居るベッド。

この部屋は私の記憶の中には無い部屋だった。

 

すると、ガチャりと音を立ててドアが開いた。

私は一瞬体を強ばらせ警戒したが、入ってきた人の顔を見て私は警戒を解いた。

 

「お、起きたか?」

 

「少し前に起きました」

 

リムル様はそうかそうかと言いながら椅子に座り両手に持っていたコップを片方私に寄越した。

 

「とりあえず、飲みなよ」

 

渡されたのはホットミルクだった。

私はそれを舌がやけどしないように冷ましながらゆっくり飲んだ。

ほっと一息付くと突然リムル様が私に近づいてきた。

手が伸びてきてそのまま私の肩に手を置いた。

 

「やっぱり、とりあえずシャワー浴びてきなよ。そのままだと風邪ひいちゃうよ?服は貸すからさ」

 

そう言われ、自分がどんな状態だったかを思い出しコクンと首を縦に振りそのままお風呂場に案内してもらいシャワーを浴びあた。

 

汗でベタついていた身体はお湯で洗い流し、そのままボーッと私の身に何が起きたかもう一度考えた。

 

 

あの時、私は確実に死んだはず。

リムル様に心臓を貫かれて。

だけど、私の身体のどこをその傷跡は一切なく潰されたはずの心臓は私の胸のところでドクドクと規則正しい鼓動を打っている。

それに鏡を見て気がついたけど、背中の恩恵か消えている。

やっぱり私はあの時死んだんだよね…?

でも、どうして生きているんだろう…それにこの胸の鼓動は…?

 

そのあとリムル様から「大丈夫?」と声を掛けてもらってハッとして「すぐに出ます!」と声を掛けると「あぁ、慌てなくていいよ。着替えここに置いておくね」と言って出ていった。

 

「リムル様の…服?」

 

私はリムル様が出たのを確認し急いで身体を拭き置いてあった服に着替えリムル様の元へ向かった。

 

 

コンコンとドアをノックする。

「どうぞ」と声が聞こえ私はドアノブに手をかけ中に入った。

そこには椅子に座っているリムル様とベル様が居た。

 

「身体は大丈夫か?痛いところとかないか?」

 

リムル様が声をかけてくれる。

 

「問題なさそうです」

 

そう答えるとリムル様は腕を組みうんうんと首を縦に振り「よかったよかった」と声を漏らした。

 

「あの!リムル様!」

 

「ん?どうした?やっぱりどこか痛むか?」

 

「いえ!あの、この服はリムル様のなんですよね?」

 

「え?…あぁ、まぁ一応」

 

「リムル様って男性ですよね?」

 

「……一応」

 

「どうして女性用のワンピースを持っているんですか?」

 

私はリムル様が服を貸してくれると聞き、少し大きくても問題は無いだろうと思っていたのだが、置いてあったのは普通に可愛い白を基調とし青色のラインが入ったワンピースだったのだ。

 

「いや、まぁこれには少しわけあってね…?」

 

リムル様は困った顔をしポリポリと頬をかいている。

 

「ま、まぁそんなことはいいじゃないか。それより聞きたいことあるだろ?ベルにもまだ説明してないしな」

 

「そんなことって……まぁいいですけど…」

 

この時私はいつか問い詰めてやろうと心に決めた。

 

「んんッ…それで、あの後どうなったんですか?私、全然覚えてなくて…」

 

「どこまで覚えているんだ?」

 

「えっと…リムル様に心臓を貫かれた所までです…」

 

「わかった、とりあえず今のリリルカさんの状態を話そうか」

 

「お願いします」

 

私は少し緊張しリムル様の言葉を待った。

 

「簡単に言うとだな、1度死んで生き返ったんだよ 」

 

「「え?」」

 

私とベル様の声がハモる。

全然理解が追いつかない…

私とベル様が頭の上にはてなマークを浮かべていると

 

「やっぱり分からないよな。ごめんごめん、ちゃんと説明するよ。」

 

ーーーーーーーーーー

 

私とベル様は言葉を発せずに居た。

 

「え……じゃあ今、私の中で動いているのはリムル様が作った疑似心臓……?」

 

リムル様の説明をまとめるとこうだ。

 

まず、リムル様は私の心臓を貫いた直後に時間を止めたらしい。

 

そして以前から疑問だった、『神様が眷属の生死をどうやって把握しているのか』を調べたそうだ。

 

その結果、恩恵は心臓と何らかの形で繋がっているのではないか、という結論に至ったらしい。

 

心臓が止まればその繋がりは途切れ、恩恵も消失する。

 

だからリムル様は、私の心臓を破壊した直後に疑似心臓を作り出し、一時的に私の生命活動を維持した。

 

その後、恩恵が完全に消えたことを確認してから本来の心臓を再生したらしい。

 

なお、神様に死亡が伝わるまで少し時間差がある理由については、リムル様もまだ推測の段階とのことだった。

 

正直、途中から何を言っているのか分からなかった。

 

でも、一つだけ理解できたことがある。

 

私は、本当に自由になったのだ。

 

「まぁ難しい話をしたけどとりあえずリリルカさんは無事だから安心していいよ!それに恩恵ももうないから自由の身だよ?」

 

リムル様の言葉を聞いた瞬間リリは涙が溢れて止まりませんでした。

今までの苦労が全て報われた気分でした。

 

そのあとリムル様はまだ疲れてるだろうとベル様を連れ部屋を出ていきました。

リリは出ていったのを確認して再び横になり目を瞑った。

 

ーーーーーーーーーー

 

俺はリリルカさんの部屋をベルを連れて出た。

 

「ベルも今日は遅いからもう寝ていいぞ?」

 

「…分かりました」

 

ベルは俺におやすみなさいと言い自室に向かった。

 

「さてさて、今回のことヘスティアに報告しとかないとなぁ」

 

まだヘスティアはホームに帰ってきていない。

 

「迎えに行くか」

 

俺はヘスティアの元へ転移した。

 

 

 

 

ヘスティアside

 

「ねぇ、帰らなくていいわけ?」

 

「別にいいだろ?ボクたちの仲じゃないか」

 

「はぁ…まぁいいわ」

 

そう言うと彼女は何やらまた作業をし始めた。

 

今日はリムルくんが言ってた事を行う日のはず、でも、何となく帰るのが嫌だなぁと思ってボクはバイトが終わりそのまま彼女の…ヘファイストスの所にお邪魔していた。

 

「んぁ〜〜〜」

 

「もう、そこに居られると気が散るんだけど…?」

 

ボクはそう言われソファから顔を出しムッとヘファイストスの方を睨んだ。

 

「…はぁ、なんで私が睨まれるのかしら?」

 

「だってさ〜」

 

「なによ」

 

「……」

 

「……何かあったんでしょ?」

 

ボクはハッとして再びヘファイストスの顔を見た

 

「なんでわかったの」

 

「いや、わかり易すぎなのよあんたは。それで?何があったの」

 

「……えっとね」

 

ボクが話始めようとした時勢いよくドアが開かれた

 

「主神様は居るか!」

 

部屋に入って来たのは黒髪褐色肌で左目に眼帯をし、胸をサラシで巻いただけの女の子が入ってきた。

 

「……椿、いつも言ってるでしょ。先にノックをしてって」

 

「お?そうだったか?それはすまんかった」

 

ヘファイストスはやれやれと言った感じでため息をついた。

 

「それで、なんの用かしら?」

 

「それはだな……お?これはヘスティア様ではないか」

 

「や、やぁ椿くん…久しぶりだね」

 

「最近見かけないからどこに行ったかと思っておったぞ」

 

「あー、そういえば言ってなかったね」

 

「だがしかし、噂は耳にしてるぞ?ファミリアを作ったそうだな?それもすごい人材だとか?」

 

椿くんの目付きが少し鋭くなる。

 

「い、いやぁ…そんなことは…あはは」

 

「まぁ、深くは詮索はせん。ただ、やはり興味は尽きないものだからな」

 

そう言うと彼女は豪快に笑った。

 

「ん、ところでどうしてここにヘスティア様がいるのだ?」

 

「相談を聞いてたのよ」

 

「そうだったのか」

 

「それで、あなたはなんの用かしら?」

 

「いや、また試し斬りにダンジョンに行こうと思っていてな」

 

「また?あなた仕事は?」

 

「もう終わってるぞ?」

 

「はぁ…さすがね…いいわ、ただしないとは思うけどちゃんと無事に帰ってくるのよ?」

 

「わかった!」

 

「それと、行くのは明日にしなさい」

 

「何故だ!」

 

「いや、時間、何時だと思ってるのよ」

 

「ん…もうこんな時間か…時間が経つのは早いな」

 

「わかった?」

 

「承知した。今日は久しぶりにヘスティア様とお話しようかな」

 

「えっ?」

 

「なんだ?嫌なのか?」

 

「いやぁ、そんなことは無いんだけど…」

 

聞いてわかる通り椿くんは周りをすごい巻き込んでいくからなぁ…

あと、たまに人の話聞かないし……

少し悩んで、今日はもう帰る事を伝えようとした時

 

「ヘスティア、まだ仕事してるのか?」

 

後ろから聞きなれた声が聞こえた。

 

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