今度は異世界転生じゃなくて異世界転移かよ ※リメイク版   作:にゃすぱ@梨

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支える者の力

ベルと一緒に覗き込んだステータスが書かれた紙はこうだった。

 

 

 

 

リリルカ・アーデ

 

Lv1

 

《基本アビリティ》

 

力:0

 

耐久:0

 

器用:0

 

敏捷:0

 

魔力:0

 

《発展アビリティ》

 

なし

 

《魔法》

 

なし

 

《スキル》

 

なし

 

 

リリルカさんは紙を見つめたまま固まっていた。

そこにはかつて持っていた魔法もスキルも何一つ記されていない。

まっさら。

本当に何もない。

自分が積み上げてきたもの全てが消えてしまったかのようなステータスだった。

 

やっぱり、1度死んだ事になったからステータス自体はリセットされちゃったか……

 

「リリくんのステータスは見ての通りリセットされてるよ」

 

「やっぱり改宗じゃなくて1度死んだからなのかな」

 

「だろうね」

 

まぁ正直そこに関しては問題ないと思ってるからいいんだけど…

 

「ねぇ、リリルカさん」

 

「なんですか?リムル様」

 

「ステータスリセットされちゃってるけどさ、前のステータスの時に魔法とかスキルを覚えてたんじゃないか?」

 

「そうですね」

 

「それってどんな魔法だった?」

 

俺はリリルカさんに持っていた魔法とスキルを聞いた。

リリルカさんは渋ること無く素直に話してくれた。

 

魔法は1つで【シンダー・エラ】という魔法。

簡単に言えば何かに変身できる魔法らしい。

俺で言う擬態みたいな物だと思う。

リリルカさんはかなり重宝していたとか。

次は【縁下力持】というスキル。

これはある一定の装備荷重時における能力補正らしい。

俺はこれを聞いた時、リリルカさんが身体に合わない馬鹿でかいバッグを背負っていたのに納得した。

 

「リリはこのスキルがあったから冒険者としての才能はなくともサポーターとしてやっていけてたんです。」

 

「そうだったんだね」

 

「でも、ステータスがリセットされてしまって……リリはこれからどうしたら…」

 

リリルカさんはどんどん小さくなる。

 

「あぁ、大丈夫だよ。確かにステータスは消えたかもしれない。でも、リリルカさん自身が積み上げてきた経験や知識まで消えたわけじゃないだろ?だからそんなに落ち込むな。」

 

俺は慌ててリリルカさんを慰める。

 

「リリくん、リムルくんに任せとけば心配要らないと思うよ。君が悩んでる理由も直ぐに消えるさ」

 

「えっ…それはどういう…?」

 

「だろ?リムルくん」

 

困惑していたリリルカさんは俺を見る

 

「あはは…まぁね……多分大丈夫だと思うよ」

 

リリルカさんは未だに首を傾げている。

 

「ちょっと待ってね」

 

と、言うわけなんだけどシエルさん。

どうかな?

 

[そういうだろうと思ってもう完成させてますよ]

 

おぉ!流石シエルさん!

どんな感じにしたの?

 

[流石に魔法としては無理なのでスキルとして作成。そして……]

 

……ふむ。了解

 

 

「よし、リリルカさん。ちょっといい?」

 

「あ、はい」

 

俺はリリルカさんの元へ行き手をかざすとリリルカさんは目を瞑った。

手をかざして少しするとリリルカさんの身体が光る。

 

[成功しました]

 

さすがシエルだな。

 

[当然です]

 

俺はシエルに礼を言うとリリルカさんを呼んだ。

 

「リリルカさん、目を開けていいよ。」

 

呼ばれたリリルカさんは目を開け俺を見る。

 

「あの、何をしたんですか?」

 

「ん〜?いい事だよ!多分驚くと思うよ?」

 

リリルカさんはまた首を傾げる。

俺はヘスティアに目配せをすると、ヘスティアはやれやれといった感じで立ち上がった。

 

「リリくん、ステータス更新しよっか」

 

ヘスティアからの言葉を聞きリリルカさんはさらに驚く。

 

「え?何もしてないですけど……」

 

ヘスティアはいいからいいからというふうに手招きをし、ステータスを刻んだ時と同じようにリリルカさんをうつ伏せにしいつも通りステータスの更新をした。

更新してる最中、ヘスティアの顔がコロコロと変わって面白かった。

更新が終わるとヘスティアは俺を少し睨んできた。

 

え、俺何かした?

前にベルを弄ったけど今回もスキルを1個追加しただけのはず…あっ…ねぇ、シエルさん?また何かやった?

 

[………]

 

だんまり…なにかやったって事ですね?

 

[………]

 

ふむ……そういうつもりなら、こっちだって考えがあるんだぞ!

もう口聞かないぞ!

 

[えっ…]

 

当たり前だろ?勝手にやってそれを説明しないなんて……

 

[ごめんなさいごめんなさい。勝手にやりました。主様にお伝えせずに勝手にやって申し訳ありません。謝罪します!何でもしますから、そんなこと言わないでください……]

 

………えっと、だんだんシエルさんの声が涙声になって弱々しくなって…明らかに泣き始めてるよね…?あれ?シエルさん?そんな子だったっけ!?

 

 

あ、あの、シエルさん?

 

[ごめんなさい、主様…もう勝手にしないのでゆ、許してください……]

 

oh...えっと、シエル?一旦落ち着こう?ね?

 

[うぅ……]

 

よ、よし…それで何をしたんだ?

 

[えっとそれは……]

 

 

「なんですかこれ!!!」

 

突如リリルカさんの大きな声が聞こえる。

 

「どうした!」

 

「リムル様!リリに何をしたんですか!」

 

「えっと……何って…」

 

リリルカさんはズカズカと俺に近づき紙を見せてきた。

俺はそれを手に取り見た。

 

 

 

リリルカ・アーデ

 

Lv1

 

《基本アビリティ》

 

力:0

 

耐久:0

 

器用:0

 

敏捷:0

 

魔力:0

 

《発展アビリティ》

 

なし

 

《魔法》

 

なし

 

《スキル》

 

・変幻自在

変身像はイメージ依存。

具体性欠如の場合、失敗。

解除は任意。

 

・縁下力持

装備加重時における能力超補正。

能力超補正は重量に比例

 

・攻防支配

指定した対象の位置を常時把握可能。

指定対象の身体能力を上昇。

指定対象の視界情報を共有可能。

複数対象の戦況を同時把握可能。

 

 

3つもスキルが発現してました。

シエルよ…これからはちゃんと事前に話してくれよ…

 

「…えっと、リリルカさんにスキルをプレゼントしました」

 

「どうやったらそんなことできるんですか!?というか、この変幻自在っていうのと縁下力持は以前私が所持してた魔法とスキルに似てるんですが!!」

 

「あー、うん。さっきリリルカさんから聞いた話を元に作ったんだよ。」

 

「それに!最後の攻防支配ってなんですかこれ!!」

 

「えーっと…じゃあ、とりあえず説明しようか。上の2つは今までとほぼ一緒だけど、変幻自在は今まで詠唱が必要だったと思うけどそれが要らなくなった。スキルになったことで魔力消費もしない。それで、解除する時は何時でも解除できる。縁下力持は今まで通りだけど補正の効き方が今までよりもっとすごいことになると思うよ。最後の攻防支配は簡単に言うと支援特化のスキルだな。リリルカさんが選んだ相手の能力を強化することが出来る。さらにその相手の位置や状態を把握することも可能だ。そして複数人を指定した場合でも同時に戦況を把握出来る。つまり、戦っている仲間を後方から支援しながら全体の状況を管理できるってことだな。」

 

「どうして……」

 

リリルカさんは小さく呟いた。

 

「どうして、ここまでしてくれるんですか……?」

 

その目には再び涙が浮かんでいた。

 

「だってリリルカさん、サポーター向いてるだろ?」

 

「え……?」

 

「前に話を聞いた時から思ってたんだよ。リリルカさんは前に出て戦うより、後ろから全体を見てる方が向いてるってな。」

 

「だから作った。リリルカさん専用のスキルだよ。」

 

「リムル様……」

 

リリルカさんは言葉を失ったように俺を見つめていた。

それはヘスティアも同様だった。

 

「おーい、大丈夫?」

 

「はっ…!」

 

「話聞いてた?」

 

「あ、はい…」

 

「リリくん、多分言いたいことは沢山あるだろうけど一旦落ち着こう」

 

ヘスティアがリリルカさんに声をかけリリルカさんは深呼吸をする。

 

「ボクも元々リリくんが保有してた魔法やスキルを復活させるかもって言うのは思ってたけど、まさかもう1個新しくスキルを作ってたとはね…驚きだよ。それにその効果もまたとんでもないよねほんとに」

 

「あの、リムル様?どうしてこんなことできるのですか…?」

 

あー、そう言えばリリルカさんには俺の説明ってしてなかったきが…

 

「リリルカさん、俺の事について少し話そうか」

 

そう言うと俺は何度目かになる説明をリリルカさんにした。

 

「ス、スライムぅぅぅぅぅっ!?」

 

リリルカさんの悲鳴にも似た叫び声がホーム中に響き渡った。

こうしてまた一人。

俺の正体を知る被害者が増えたのだった

 

 

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