古代の偉大なる魔術師、永遠のTS幼女になってしまう。 作:第616特別情報大隊
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──古図書館//地下3階層
わしらは準備を整えて、地下3階層に挑むことになった。
「万が一のために地下2階層に救護所と補給所を設置しておきます」
「頼んだ」
発掘チームのうち医師などが地下2階層に救護所を設置し、他も必要になるだろう資材を集めた補給所を設置した。
もし、地下3階層で怪我をしたりしても、ここですぐに治療してもらえるというわけじゃ。少しだけ安心できるのう。
「では、行くか?」
「行こう。地下3階層へ」
わしらはそう確認して地下3階層へと降り始めた。
最初にカナリアを持ったエリオットが進み、その後ろからランタンを持ったレオ坊が続く。カナリアは泣き続けており、今のところはガスの影響はない。
「
「ああ」
「……聞こえたか?」
エリオットが不意にそう尋ねてくる。
「聞こえた。何か粘液が滴るような音だ。これは……」
「敵であることはほとんど間違いないだろう」
レオ坊とエリオットがそう言葉を交わし、わしらは慎重に地下3階層を進む。
そこで──。
「見えたか? あれは……」
「クソ。何だ、あれは……?」
わしら先遣隊の目に入ったのはランプの光に鈍く光る緑色の物体。
ずるずると粘着質な音を立てて進む、顔も手足もなく、ただどろりとした粘液そのものという物体じゃ。
「あれも異界の化け物じゃな……」
「どうする、姉上」
「まずは様子見じゃ」
わしらはまだ攻撃を仕掛けてくる様子のない、その粘液の化け物を見つめる。
やつはこのまま攻撃してこないかと思われたが、不意に進む向きを変えて、わしらの方に這いずってきた。明らかに平和的に接触しようという速度ではない。
「来たぞ!」
「攻撃開始だ!」
エリオットの指揮で先遣隊が攻撃を開始。
運動エネルギーが叩き込まれるが、効果はほとんどないのじゃ!
粘液の化け物はぐねぐねと体を変形させながら、わしらの方にかなりの速度で迫り続ける。そして、ある程度の距離を詰めると、なんと粘液を飛ばしてきたのじゃ!
「うわわあっ!」
粘液を僅かに浴びた先遣隊員は酸を浴びたように火傷し、悲鳴を上げる。
「不味いぞ。負傷者は地下2階層に避難を!」
エリオットの指揮で負傷が運び出され、わしらは交戦を継続。
「こやつに通常の攻撃は通じそうにないのう……!」
「ああ。“
何せ自分の一部を切り離して飛ばしてくるような化け物じゃ。異界の刃である“
「攻撃が来るぞ!」
そうしているうちにさらに粘液の化け物は酸性の体液を飛ばして攻撃してくる。
わしらはそれを運動エネルギーを放って迎撃するなどしておるが、敵の攻撃に耐え続けるたけの戦闘はじりびんじゃ!
どうにかして反撃せねばならぬのじゃが……!
「姉上。相手は液状の化け物だ。そう考えれば電気が通じるのではないだろうか?」
「そうじゃな。試してみよう」
レオ坊の意見に従ってわしは一般魔術で電気を生み出し、粘液の化け物に向けて叩き込んだ。電気を浴びた粘液の化け物は痙攣するように震え、電気によって焦げたように黒ずんでいった。
「おお。やったか?」
わしらが勝利を得たかと思ったときじゃ。
「まだだ! まだ生きているぞ!」
粘液の化け物はぐにょりと大きくうねると、焦げた表面を再生させ、わしらに再び攻撃を開始してきた。
「ダメじゃったかー! どうしたものかのう!?」
「攻撃を続ければどうにかなるかもしれない! 電気を放ち続けろ!」
「了解じゃ!」
エリオットに言われてわしは電気を放ち続ける。
粘液の化け物は最初のころは痙攣したり、焦げたりして行動を停止させていたが、徐々に攻撃に耐性が付き始めたのか、電気は全く通用しなくなり始めた。
「もう電気は効かぬようじゃ!」
「クソ。どうしたら……!?」
粘液の化け物はわしらに向けて突撃してくるため、だんだんとわしらは上階に通じる階段から追われ、退路を遮断され始めてしまった。
「これではもう逃げるという選択肢もないぞ……」
「やるしかない。相手が液体であると考えれば……。熱だ!」
レオ坊がそう気づいて告げる。
「じゃが、レオ坊! 炎はあまり使えぬぞ!」
「炎じゃない、姉上。熱を下げるんだ! 凍らせれば、もしかすれば!」
「なるほど!」
レオ坊の狙いを理解したわしは粘液の化け物に向けて異界魔術で
粘液の化け物の動きは見るからに鈍くなっていき、その体が凍り付ていく。
そして、ほとんど完全に粘液の化け物は凍り付いてしまった!
「さあ、あとは砕いてやるのじゃよ!」
「ああ!」
わし、レオ坊、エリオットで運動エネルギーを四方から叩き込むと、凍ってしまった粘液の化け物は砕け散り、もう生き返ることはなかった。
「ふう。危ういながらも勝利したのう……」
砕け散った粘液の化け物は異界魔術の効果が
「このような化け物が生み出せるとは……」
「恐ろしいことだ」
確かに異界魔術は異界の生物も生み出すことができる。このような恐ろしい化け物を生み出すのもその性質のひとつじゃ。
じゃが、だからと言って人を傷つけるだけの魔術ではないのじゃが……。
「負傷者は急いで上階へ。全員の手当てが終わるまでは私が見張っておく」
「わしも手伝うよ、エリオット」
「ありがとう、アリス」
わしらはそれから地下3階層を見張り、探索したのじゃが……。
「なんてことじゃ……。まだ階段があるぞ……」
「一体どれだけの大きさなのだ、この遺跡は……?」
そこでわしらは地下4階層への階段を発見したのじゃ。
「どうする、エリオット。このままさらに潜るのかの?」
「まだ見ぬ知識があるとすれば……潜る価値がある。そう思わないか?」
「それには賛成じゃよ」
わしらは古代帝国時代の失われたと思われた知識を今まさに手にしておる。
さらに多くの知識が手に入るならば、虎穴に入ることを恐れまい。
「しかし、この図書館は誰が何の目的で建造したのじゃろうか……」
ここはただ図書館として作られ、そして忘れされた場所ではないというのは、だんだんと分かってきておる。
この図書館には何かしらの目的があったに違いないのじゃ。
問題はその目的は何かということじゃが……。
「分からない。今はまだ何も。我々の資料ではこの地に遺跡があり、そこに魔術に関する知識が残っているとはされていたが……」
誰が何の目的でここを築いたかは分からないとエリオット。
「それを解き明かすためにも、さらに地下を目指さねばのう」
わしらはそう言って地下4階層に続く階段を見つめた。
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