古代の偉大なる魔術師、永遠のTS幼女になってしまう。   作:第616特別情報大隊

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実家にて事実を

……………………

 

 ──実家にて事実を

 

 

 わしらは遺跡の発掘を終えて、アルビオンへと帰った。

 

「これから向かう先がわしらの暮らしておる国じゃよ」

 

「師匠が暮らしている国ですか。楽しみです」

 

 ザリオンも一緒じゃ。

 

 そうやって帰ったわしらを待ち受けていたの記者たちじゃった。

 

「アリス・カニンガムさん! あなたが古代の魔術師アストリウスの生まれ変わりだということは本当なのですか!?」

 

「エスタシア帝国のアルブレヒト殿下とはどのようなご関係で!?」

 

 猛烈な質問が浴びせられ、わしは一瞬硬直してしまった。

 

「う、うむ。そうじゃよ。わしはアストリウスが転生したものじゃ」

 

「おおっ!」

 

 わしの言葉に記者たちがざわめく。

 

「転生を行う魔術などがあるのでしょうか!?」

 

「ご両親はこのことをご存じなのですか!?」

 

 記者たちは次から次に質問を浴びせてくるのじゃー!

 

「姉上。行こう。付き合っていたら、一生かかってしまう」

 

「おお。そうじゃの」

 

 レオ坊が記者たちを押しのけて道を作り、わしとザリオンが続いて脱出。

 

 わしらは待っていた馬車に乗り込み、この場を去った。

 

「凄い噂になっておったようじゃのう」

 

「エスタシアの新聞がアルブレヒト殿下の言葉として姉上とザリオンさんについて書いている。それをアルビオンの記者も読んだんだろう」

 

「なるほどのう」

 

 わしがアストリウスの転生した存在であることは既に皆が知っておるのか。

 

 ずっとこのことを認めてもらいたいと思っておったが、いざ認められるとそれはそれで大変なことになってしまったのう。

 

「とりあえず実家に戻って、父上と母上に説明しなければの。わしの話を信じてくれるとよいのじゃが」

 

「今度は信じてくれるはずだよ。ザリオンさんもいるんだ」

 

「うむ」

 

 レオ坊にそう励まされ、わしは両親に再び己がアストリウスであることを告げる覚悟をしたのじゃった。

 

 そして、鉄道に乗り換えてオールデンウィックを目指し、わしらは実家に着いた。

 

「ただいまじゃ、父上、母上!」

 

「おお。お帰り、アリス、レオと……そちらはどちら様かな?」

 

 わしらはそう言い、父上がわしらを出迎えたがザリオンに姿に父上は首を傾げる。

 

「こっちはザリオンじゃ。わしの弟子であり友人じゃよ」

 

「初めまして」

 

 わしがザリオンを紹介し、ザリオンは頭を下げる。

 

「そうだったのか。初めまして、ザリオンさん。私はジョージ。アリスたちの父だよ」

 

 父上もそう自己紹介する。

 

「それよりも父上。わしは改めて父上に言わねばならぬことがあるのじゃ」

 

「何だい?」

 

 ここで畏まってわしが言うのに父上は首を傾げる。

 

「母上にも告げねばならぬことじゃ。母上を呼んでもらってもいいかの?」

 

「もちろんだ」

 

 それからわしらは屋敷の広間に集まった。

 

「まずこっちにいるザリオンは古代帝国時代の魔術師ザリオンの記憶と人格を移植された精霊じゃ。わしらが発掘した古図書館という遺跡で見つけた存在なのじゃ」

 

「おお! 古代帝国時代の魔術師……!」

 

 わしの言葉に父上と母上が驚きの表情を見せる。

 

「そのザリオンからわしについて話があるのじゃ」

 

「はい。ボクは古代帝国の魔術師ザリオンの記憶と人格を持っています。これは冗談などではありません。オリジナルのザリオンが精霊魔術を含めた魔術の存続を図るために行ったことです」

 

 その上でとザリオンが告げる。

 

「アリスさんは古代帝国時代の偉大なる魔術師アストリウスの生まれ変わりです。彼女はボクの師匠だった人です」

 

「アリスがアストリウス……?」

 

 ザリオンの言葉に父上と母上は一瞬困惑していた。

 

「事実なのじゃ。わしはアストリウスとしての前世があるのじゃ、冗談ではなく」

 

 わしは改めて両親にそう告げたのじゃった。

 

「……本当なのかい?」

 

「本当じゃよ」

 

「そうか……」

 

 父上はそう言ってどう返事したらいいものかと唸り始めた。

 

「いいじゃない。アリスの過去が何であっても、アリスはアリスよ。私たちの子供」

 

「そうだな、エブリン。気にすることじゃない」

 

 そして、母上がそう言い、父上と母上はわしらの方を見た。

 

「何があろうと、これからもアリスとレオは私たちの子供だ。困ったことがあったら頼りなさい」

 

「ありがとう、父上、母上」

 

 そうじゃな。今のわしはアストリウスであるということだけではなく、父上と母上の子供であるアリスでもあるのじゃ。

 

 それを忘れてこれまで育ててくれた恩をあだで返してはならぬ。

 

「アリスたちはこれからどうするつもりなのかしら?」

 

「うむ。わしが望んでいるのは魔術の再興で、それは変わっていない。これからは世界魔術連盟とも連携して、魔術をかつてのように普及させるつもりじゃ」

 

 世界魔術連盟は今のところ、魔術を重要視してくれている少ない機関じゃ。アルブレヒト殿下を含めた彼らの力を借りて、魔術を再び普及させねば。

 

「レオはアリスについていくのかい?」

 

「ええ。そのつもりです、父上。私の夢も魔術師になることですから」

 

「そうか、そうか」

 

 レオ坊もまだわしについて来てくれるようじゃ。

 

「よし。父さんたちもアリスとレオのことを応援するよ。これからお金がもっと必要なときは言いなさい。私たちでも出資をするよ」

 

「助かるのじゃ、父上」

 

 こうしてわしらは父上と母上に事実を伝えた。

 

 それから数日、実家で過ごしたのちにわしらは学院へと戻る。

 

 

 * * * *

 

 

 学院の学生寮に戻ると、マヤとライリーに出会った。

 

「アリスちゃん! 聞いたよ! アリスちゃんって、その、古代帝国時代の魔術師アストリウスだったんだね!」

 

「おお。もう聞いておるのか」

 

「新聞はずっとこれを報じているし」

 

 マヤはそう言ってわしについて書かれた新聞を見せる。

 

 堂々と一面に乗っておるのう!

 

「すげえよな。これまではそういうジョークだと思ってたけど、同じ古代帝国時代の魔術師が証明してくれたんだろう?」

 

「うむ。わしの弟子であったザリオンが遺跡におったのじゃよ」

 

「そのザリオンって人はどこに行ったんだ?」

 

「今は女王陛下に招かれてアルビオン宮殿に行っておるよ」

 

 ザリオンの方からもアルビオンに対して環境保護などで精霊をよみがえらせるために働きかけてもらうことになっておる。

 

「いつか俺たちも精霊魔術が使えるようになったりするのかね」

 

「どうじゃろうな。今日明日でどうにかなる問題ではないからのう」

 

 ライリーが言うのにわしは苦笑してそう返したのじゃった。

 

 それから学院では一夜にして有名人になってしまったわしに質問が浴びせられて、ちょっとくたびれてしまった……。

 

「アリス。随分と騒ぎになったようだね」

 

「アイザック。おぬしも信じてくれるようになったのかの?」

 

 ここでアイザックがわしの研究室にやってきてそう尋ねる。

 

「もちろんだ。シャーロット陛下も、アルブレヒト殿下も君がアストリウスであることを証言しているのだ。疑うのは不敬というものだ」

 

「おお。やっと皆が信じてくれるようになったのう……」

 

 最初のころは笑われていたものじゃったが。

 

「アリスさん!」

 

 と、アイザックに続いてグレイスも研究室に飛び込んできた。

 

「本当に! ごめんなさい! アリスさんは本当にアストリウスだったんですね!」

 

「お、おう。それはもう気にしておらぬからよいぞ……」

 

 グレイスが土下座せんとする勢いで頭を下げるのにわしは気圧されてしまった。

 

「それで、それでですね! いろいろとお話を聞かせていただいてもいいですか! 古代帝国時代について!」

 

「うむ。わしに教えられることならば教えよう」

 

「なら──」

 

 それからわしは今度がグレイスによって質問攻めにされ、数時間拘束されたのじゃった……。

 

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