古代の偉大なる魔術師、永遠のTS幼女になってしまう。   作:第616特別情報大隊

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アストリウス・アカデミー//スタート

……………………

 

 ──アストリウス・アカデミー//スタート

 

 

「姉上!」

 

 レオ坊がこの場に駆け付け、“鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)”の刃を放った。

 

 “鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)”はわしとヴェルミアとの間に割り込み、ヴェルミアの視界を遮ったことで、ヴェルミアがわしを火だるまにするのを阻止したのじゃ!

 

「レオ坊! そのまま叩いてしまうのじゃ!」

 

「分かった!」

 

 わしはヴェルミアに向けて牽制の運動エネルギーを叩き込みながらそう叫び、レオ坊はヴェルミアに向けて“鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)”を放った。

 

「不味い」

 

 ヴェルミアがそう呟いたの直後、わしの放った運動エネルギーがヴェルミアに直撃し、さらにレオ坊の“鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)”がヴェルミアの体を貫く。

 

 それによってヴェルミアは倒れ、周囲に生じていた炎は一斉に消えたのじゃ!

 

「やったのう! レオ坊、助かったのじゃ!」

 

「姉上が無事なら何よりだよ」

 

 わしが声をかけるのにレオ坊はそう言ったのじゃった。

 

「それで要人たちは無事に避難できたのかの?」

 

「ああ。あっちでも魔女の襲撃があったが、何とか無事に」

 

「それはなによりじゃ。しかし、魔女たちは何故わしらを襲うのじゃろうか……」

 

「……力を独占するためだと、裏口を襲った魔女は言っていた。力を独占することで権力を得るためだと」

 

「権力を……」

 

 思っていたよりも俗っぽい話じゃった。権力が云々というのはまだ理解できる話じゃったからの。

 

 しかし、本当に権力のためなのじゃろうか? それにしては魔女学会は密かに動きすぎておるように思える。権力を得たいというのならば、もっと表に出て行動するべきではないのかの……?

 

「そのことはあの魔女にも聞いて──」

 

 わしがそう言ってヴェルミアの方を向いたとき、横たわっていたヴェルミアの体が燃え上がり始めたのじゃ!

 

「まさか自害したのか!」

 

 わしとレオ坊が驚くもどうしようもなく、ヴェルミアはそのまま灰となった。

 

「何ということじゃ。敵はよほどわしらに情報を渡したくないようじゃな……」

 

「ああ。自害してまで情報が渡るのを阻止しようとするとは……」

 

 わしとレオ坊は灰になったヴェルミアを見てそう言葉を交わす。

 

 魔女たちは本当に権力が目当てで、このようなことをしておるのじゃろうか……。わしにはどうしてもそれが疑問じゃった。

 

 

 * * * *

 

 

 それから警官隊の増援も到着し、ロイヤルオーク周辺は落ち着きを取り戻した。

 

 まだ魔女が潜んでいないか周囲の捜索が行われ、警察犬を連れた警官たちが周囲を念入りに調べていった。

 

「結局またしてもパーティは中途半端に終わってしまったのう」

 

 当然ながら今日はパーティどころではなくなり、帝都ベルハルデンのパーティのときのように中途半端に終わってしまったのじゃった。

 

「被害がなかっただけよかったよ」

 

「そうじゃな。パーティはまた今度やればよいじゃろう」

 

 レオ坊の言葉にわしも頷き、わしらは一度ロンディニウムの自宅に帰宅した。

 

 それから警察に事情を話したりといろいろとあったが、また日常が戻ってきたのじゃ。アストリウス・アカデミー開設までの日常じゃ。

 

 アストリウス・アカデミーは着実に開設に向けて進んでおる。

 

 北部の精霊魔術研究所であるザリオン精霊研究所も完成し、ザリオンは今もそこで研究所の開所に向けて準備しておる。

 

 わしも学院で新しい講座を受け持つことになり、また世界魔術連盟から派遣された新しい教職員が学院で新しい講座を開くのを助けたりした。

 

「忙しい、忙しいのう!」

 

 目が回るほど忙しいが、それでもこれは健全な忙しさじゃ。

 

 健康を害するほどでもなく、精神を病むものでもなく、ゴールはしっかり見えておる。そこに向けてひた走るのは快感でもあった。

 

 そして、わしらはついのそのゴールにたどり着いたのじゃった!

 

 

 * * * *

 

 

「エルダーグローブ学院魔術学部は本日よりアストリウス・アカデミーへと再編されます。偉大なる魔術師の名を冠した名誉あるものです」

 

 そう魔術学部の新入生に挨拶するのは、学院の理事長じゃ。

 

 ついにアストリウス・アカデミーは開かれ、入学生を迎えたのである。

 

 わしも入学式には参加し、新入生たちを眺めておった。

 

 入学生の数は少なくない。魔術学部はずっと入学生の減少に悩まされておったが、ようやくそれが解決したのかもしれぬのう。

 

 それから実質的な学部長であるトーランド教授が挨拶し、名誉学部長であるわしが挨拶する番が回ってきた。

 

「おほん。あまり長くは話さないので安心してもらいたいのじゃ」

 

 わしはまずそう冗談めかして前置きを語る。

 

「わしはアリス・カニンガム。知っての通り、アストリウスの転生したものじゃ。そして、わしには願いがある」

 

 わしは続ける。

 

「わしの願いは再び魔術を人類の選択肢にすること。これから先、問題が起きたとき科学だけではなく、魔術もまた解決策として選択肢に入るようにしたいのじゃ。かつての魔術がそうであったように」

 

 わしの願いは変わらない。今も魔術の再興がその願いじゃ。

 

「わしの役目はそのために後進を育成することにあり、諸君らがそのことに応えてくれることを願うことじゃ。これから諸君はここで多くを学ぶじゃろうが、わしはそれらがいずれ大きな変化を生み出すのを願っておる」

 

 わしはそこで頭を下げて挨拶を終えた。

 

 それから新入生の挨拶などがあり、ついにアストリウス・アカデミーは始動したのじゃった!

 

 

 * * * *

 

 

 アストリウス・アカデミーは開始された。

 

「学生寮に入ってきたアストリウス・アカデミーの学生、凄く多いよ」

 

 食堂でそういうのはマヤじゃ。

 

「わしが入ったときはおぬしとわしだけじゃったからのう」

 

「そうそう。それが10人くらいいる。みんな魔術に興味を持ったんだねえ」

 

「いいことじゃ!」

 

 わしが入学したときは、わしとマヤだけが女子寮にいたのじゃったな。今思えばそのことは思いっきり寂れておったわけじゃ。

 

 これからは状況が変わって盛り上がるとよいがのう。

 

「けど、進路的にはどうするんだろうな? まだ魔術が活躍できるような仕事ってはのはあまりないだろう?」

 

 そう尋ねるのはライリーじゃった。

 

「ライリーは仕事はどうするつもりじゃったのじゃ?」

 

「俺は魔術の研究者にでもなろうかと。マヤもそうだろう?」

 

 ライリーはマヤにそう尋ねる。

 

「そうだね。私は歴史について調べたかったから。それに実家が太いからあまり仕事の心配はしてなかったよ」

 

「実家が太いやつはいいねえ」

 

「ここにるのは大体そうでしょ?」

 

 わしとレオ坊も子爵家の子女じゃしな。あまり仕事やお金に困っておる学生はいなさそうじゃ。

 

「魔術の存在が認められれば、自然と魔術を求める仕事もできるんじゃない? 魔術の存在を周知することも必要だけど」

 

「ううむ。卒業生の進路のことも考えねばのう」

 

 まだまだやるべきことはありそうじゃ。

 

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