古代の偉大なる魔術師、永遠のTS幼女になってしまう。 作:第616特別情報大隊
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──発展のとき//根源魔術
わしは最近は実戦魔術の講座を担当するのに忙しかったが、たまにはと思いトーランド教授の研究室に顔を出した。
「トーランド教授。お邪魔しますのじゃ」
「ああ。よく来てくれた、アリス」
トーランド教授に挨拶すると、わしは快く迎えられた。
「実は君に相談したいことがあったのだ。我々の研究についてね」
「ほう。お聞きしましょう」
トーランド教授が言うのにわしは興味を示した。
「我々は
そのことはわしも知っておる。ここでわしも
「実を言えば我々はようやく
「おおっ! しかし、どうやって?」
「
「ふむふむ。そこでわしの出番というわけですな?」
「ああ。君ならば我々より広範囲の
「それでは是非とも実験に参加させてくださいなのじゃ」
これは実に興味深いことじゃ。
それゆえにわしも結果がどうなるのじゃろうかと興味津々なのじゃよ。
「この実験はそれなり以上の危険性もある。前例のない実験だからな。それなので実験を行う場所は学院内ではなく、陸軍の演習場を借りるつもりだ」
「そうですの。
というわけで、わしらは何が起きてもいいように、学院ではなく陸軍の演習場で実験を行うことに舌のじゃった。
* * * *
わしとレオ、トーランド教授、アイザック、リリー、マックスの6名は西部にある陸軍の演習場へとやってきた。
「記録の準備は整いました」
「アリス。いつでも始めてくれ」
マックスたちはカメラなどを準備しており、わしらはついに
「始めるぞ」
わしは深く息をついて、まずは
「見えた……!」
わしはその
わしはその
すると──。
「おお!?」
何もなくなっていた空間に炎が浮かび、それが燃え上がる。
しかも、それは延々と燃え続けたのじゃ!
「これは……
「うむ。その可能性は高いのう」
トーランド教授が唸るのにわしもそういって炎を見つめた。
「では、次はこれを消せるか試してみてくれ」
「やってみよう」
わしは
すると無事、炎は消滅したのじゃ。
「ふむ……。これはある意味ではとても危険なものを発見してしまったのかもしれない。これはこの星の物理法則を完全に破壊してしまう恐れもある……」
「そうじゃのう。だが、外部に汚染を出さずにエネルギーを供給し続ける炎と言うのは、ポジティブに捉えればこれまでの汚染を出す燃料に比べてはるかに環境に優しいのではないじゃろうか?」
「それはそうなのだが……。どうにもこれは慎重に扱うべきもののように思える」
「不安になるのは分かるのう……」
これは世界の理を根源から揺さぶるような代物じゃ。
何せ一時的にではなく、恒久的に物理法則を変化させてしまうのじゃから。
これまで信じてきた全ての物理法則が人の願うように滅茶苦茶に書き換えられる可能性を考えれば、それがどれだけ危険なものかは理解できる。
それはどこかで宇宙というものを破綻させる恐れすらあるのじゃ。
「今は限定された実験に留めて、そこで得られた観測データをもとに理論の研究を進めよう。そして安全性が確認されてから、もっと大規模な実験や応用を開始する。それでいいだろうか?」
「うむ。異論はないのう」
わしらはまずはこの
「しかし、この魔術にも名前を付けなければならぬの」
この魔術はまだ発見されたばかりで名前がない。
一般魔術、異界魔術、精霊魔術のように名前を付けなければならぬじゃろう。
「それならば根源魔術と言うのはどうだろうか?」
「悪くないの。それぐらいシンプルなのが望ましいじゃろう」
そして、根源魔術の研究が開始されたのじゃった。
今のところ、この根源魔術が使えるのはわしぐらいじゃが、将来的にもっと
魔術はまだまだ可能性があるということじゃ!
* * * *
それから根源魔術についての研究が進められた。
やはり一度の
炎は外部の酸素などを必要とせず燃え続ける。
これはあらゆる意味で物理法則に反しておる。化学反応には質量保存の法則が適用されるし、エネルギーは通常の場合、減少していくものなのじゃから。
「様々な学者がこの現象に興味を示してる」
トーランド教授は研究室でそういう。
「従来の物理学や化学に真っ向から逆らうことなので当然と言えば当然だ。それに永久機関は様々理由で存在しえないとされてきたが、その永久機関すら実現可能なものが、この根源魔術なのだ」
「無尽蔵のエネルギーが得られるわけですからのう。しかし、このような現象が悪用されなければよいのじゃが……」
「それが問題だな。兵器として利用されれば、どうなるか分からない。今のところ、我々は正の事象しか試していないが、人を殺傷するような負の事象が恒久的に、消えることなく存在し続けることに気づけば……」
「よくないですのう」
魔術は可能であれば、人を生かし、文明を発達させる方へと利用してもらいたい。
「トーランド教授。根源魔術を広める前に、これを悪用しないという条約のようなものは作れませんかのう? そういうものがあれば安心して他の研究者にも研究成果を共有できるのじゃが……」
「うむ。そうだな。政府にも働きかけてみよう」
「お願いしますじゃ」
新たに発見された根源魔術が、人類の発展のための選択肢ではなく、人類を滅ぼす選択肢にならならぬことを祈るのみじゃ……。
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