古代の偉大なる魔術師、永遠のTS幼女になってしまう。   作:第616特別情報大隊

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大戦争//神格

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 ──大戦争//神格

 

 

 徐々に降下してくる異界の神格。

 

「ルナフィーナ。おぬしに問う。本当にこの神格を召喚するつもりか? 今からでも止める気はないか?」

 

 わしはルナフィーナにそう尋ねる。

 

「あいにくだがそのつもりはない。我が師アストリウスよ。それにもはや手遅れなのだ。私はこの神格に魂を売った。これを召喚しなければ私の不老不死は解けてしまうのだ。そうであるが故に──」

 

 ルナフィーナがわしの方に再び触手を生み出してけしかける。

 

「あなたにもこれは邪魔させない!」

 

 ルナフィーナはそう叫び、触手がわしを襲う!

 

「ならば、無理やりにでも止めさせてらもうぞ!」

 

 わしは異界の刃で触手を次々に撃破し、ルナフィーナに向けて迫ろうとする。

 

 しかし──。

 

「これは……!?」

 

 異界の神格がその身でルナフィーナを守るように展開し、わしの攻撃は届かない。異界の神格は神格と言うだけあって、わしの攻撃は通じないのじゃ!

 

「残念だったな、我が師アストリウス。私は不老不死を完全にする。この星を神格に捧げることによって……!」

 

 ルナフィーナがそう言うと今度は神格の触手がわしに襲い掛かってきたのじゃ。

 

「これしき!」

 

 わしは触手を振り払いながら戦うも、流石に神格を相手には不利じゃ……! どうにかして活路を見出さなければならぬのじゃが……!

 

 わしがそう思いながらホテルの屋上で戦闘を繰り広げていたとき──。

 

「姉上!」

 

「レオ坊! それにザリオン!」

 

 屋上に鋼鉄の軍馬に跨ったレオ坊が現れたのじゃ!

 

「話は理解している。この異界の神格がこの世界を征服するつもりなのだと」

 

「む? どこでそれを?」

 

「彼女からだ」

 

 そう言ってレオ坊の背後から現れたのは水兵服の女性。

 

「オルテシアだ。偉大なる魔術師アストリウス。会えて嬉しい」

 

 その女性がオルテシアと名乗ると、ルナフィーナの傍にいたエスミーラが表情を歪めてわしらの方を見た。

 

「オルテシア! 貴様、裏切ったのか……!」

 

「先に裏切ったはそちらだろう、エスミーラ?」

 

 エスミーラの言葉にオルテシアがそういい返す。

 

「オルテシアは私たちの側に着いた。さあ、姉上。神格の召喚を防ごう!」

 

「そうじゃな。わしらがやらなければ!」

 

 ここからは総力戦じゃあ!

 

「レオ坊! わしは引き続きルナフィーナ本人を狙う! 援護してくれ!」

 

「了解!」

 

 レオ坊はわしの援護を。

 

「ザリオン、オルテシア! 何とかしてあの神格の攻撃を引き付けておいてくれ!」

 

「分かりました、アストリウス師!」

 

 ザリオンとオルテシアには神格をルナフィーナから引き剥がしてもらう。

 

「では、やるぞ!」

 

 わしらは一斉にルナフィーナ、エスミーラ、そして異界の神格に立ち向かう。

 

 まず攻撃を仕掛けたのはオルテシアじゃ。

 

「行け、ゴーレムども」

 

 オルテシアのその言葉とともに無数のゴーレムが生まれ、神格へと突撃していく。神格はそれに対して触手を伸ばし、その触手がゴーレムを握りつぶしていった。

 

「ならば物量戦だ」

 

 それでもオルテシアは次々にゴーレムを生み出してはけしかけ、神格を引き付けておるのじゃ。

 

「アストリウス師を援護するんだ!」

 

 ザリオンも炎で神格を攻撃し、神格の触手が焼かれる。神格はザリオンを脅威と認識したのか、あやつに触手を伸ばすが、その触手はオルテシアに迎撃されておる。

 

「おのれ……!」

 

 わしらの手によって次々に異界の神格が押されるのに、ルナフィーナが険しい表情を浮かべた。

 

「ルナフィーナ! おぬしはわしの弟子じゃ! 殺したくはない! その神格を召喚することをやめよ!」

 

「それをやめれば私はどうせ死ぬのだ! 断る!」

 

「他の方法を探せばよいじゃろう!」

 

「他にどんな方法があるというんだ! 私はずっとずっとこの道を探求してきた! 不老不死を実現するために努力してきた! だが、他に方法など存在しなかった! これ以外、他に方法は……!」

 

 ルナフィーはそう叫び、わしに向けて無数の触手を叩きつけてくる。

 

「姉上! 今はどうこう言っている余裕はない! あいつを倒すんだ!」

 

「それしか方法はないのう……!」

 

 レオ坊に言われてわしは覚悟を決めた。

 

「刃よ!」

 

 わしは確実にルナフィーナにダメージを負わせるために表面構造(テクスチャ)ではなく基底構造(べ―ス)に異界の刃を上書きする。

 

 そして、それを出現させた。

 

「これでやるぞ……!」

 

 出現したあまりにも巨大な刃はわしの意志に従ってぶうんと振るわれ、ルナフィーナに勢いよく迫った。

 

「これは……! 阻止できない……!」

 

 神格の触手もルナフィーナを守ろうとするが、わしの放った刃はそれらを切断していき、ルナフィーナに急速接近し──。

 

「がああっ!」

 

 異界の刃はルナフィーナを一閃し、肉体にこそ損害は生じなかったが、苦痛はしっかりとあやつに与えられた。

 

「ルナフィーナ!?」

 

 ルナフィーナは激痛を前に崩れ落ち、エスミーラがうろたえる。

 

「もう終わりじゃ! 召喚をやめよ!」

 

「もう手遅れだ。神格はこの世界において存在を確立した。それを打ち消すことなど不可能だ。諦めるんだな!」

 

 エスミーラはそう言い、神格は今も基底構造(べ―ス)を上書きしながら侵略を実行中じゃあ!

 

「ならば!」

 

 わしは書き換えられつつある基底構造(べ―ス)に向けてさらに上書きを図る。

 

 異界の神格について記述されている、そこにわしは一斉に書き換えを実施。異界の神格の、その肉体を同量の塩にするという記述を記した。

 

 基底構造(べ―ス)に上書きされたものへのさらなる上書きはまだ実験されておらぬことだが、これでもしかすれば……!

 

「神格が……!」

 

 成功じゃあ!

 

 わしの上書きによって異界の神格は塩となり、崩れ落ち始めた。

 

「あとは門を閉じるだけ!」

 

「覚悟だ!」

 

 ザリオンとレオ坊がエスミーラに襲い掛かる。

 

「させるものか」

 

 エスミーラは攻撃を退けるも、彼女の敵は思わぬところから現れた。

 

「うぐっ……!」

 

 エスミーラの背から槍が突き刺され、エスミーラが血を吐く。

 

「終わりだ、エスミーラ。これ以上足掻くのはやめろ。醜いだけだ」

 

 オルテシアじゃ。彼女がエスミーラを屠ったのじゃ。

 

「おのれ……!」

 

 しかし、エスミーラは簡単には倒れなんだ。あやつは自分とオルテシアの足元に亀裂を作ると自分ごとオルテシアを異界に引きずり込んだ。

 

「お前と言うやつは……。まあ、いい。付き合ってやろう」

 

 オルテシアはそれを受け入れて、エスミーラとともに去った。

 

 これで異界の神格の召喚は阻止されたのじゃ。

 

「ルナフィーナ……」

 

 そして、わしは倒れておるルナフィーナの下に進んだ。

 

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