ゲッター線入り転生者のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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寄道視点、敵連合視点、警察視点でそこそこ量あるので
雄英教員組、A組、千手パピー他は後編にしました(目測ガバ)
それではどうぞ。


第9話 襲撃事件の爪跡と暗躍する者たち(前編)

――Side 寄道

 

USJに戻ったあとオレは倒れた。

 

原因はカロリー枯渇による重度の飢餓である。

 

6体以上の分身を使役しながらそれぞれが術や自己再構築しながらの戦闘等で大量消費をした結果、招かれた事態である。

 

ちなみにゲッター状態でも自己修復はできるが、自己再構築よりかなり遅い。

 

損傷状態で戦闘するリスクを考えると、瞬間的に人間に戻り自己再構築をしてからゲッターに戻るのが最善なのである(一瞬の隙には目を瞑るものとする)。

 

なお普段から数人分の食い溜めをしており、本来なら餓死寸前まで行くことはなかったのだが……。

 

それはそれとして自体を把握したランチラッシュ先生による数百人分の料理により事なきを得たが、あのままだと餓死してたかもしれない(現場猫案件)。

 

 

 

そして保健室で掛け布団の簀巻きにされ、今に至る。

 

「そろそろ自由になりたいです」

 

「30分前までミイラ寸前だったんだから安静にしておきなさい」

 

リカバリーガールに怒られてしまった。

 

「……にしても鍋とか皿まで食う勢いで平らげたのが嘘みたいだね……」

 

カルテを作りながらリカバリーガールが呟く。

 

「……自由になりたいとか言っているが、本気出せば抜け出せるだろ。なんでやらない?」

 

顎を蹴り砕かれたらしく一応包帯巻いて隣のベッドに寝かされてる相澤先生が問いかけてきた。

 

「相澤先生……ソレを言ったらおしまいなんですよ」

 

「意味が分からん、分かるように端的に話せ」

 

「コレでホイホイ抜け出してたらどんどん拘束が本格的になって、いざという時抜け出せなくなるからですよ」

 

するとため息混じりにリカバリーガールが告げた。

 

「なんかかなりの頻度でココに来そうだし、今のうちにパワーローダー先生にアンタ特注の拘束具用意してもらおうかね」

 

「まさに藪蛇。うーんいざって時ができなくなりそう。相澤先生、その時は脱出手伝ってくださいね」

 

「安静が必要と判断された生徒の脱走を幇助する教師が何処にいる」

 

「掟破りな生徒除籍からの復籍を連発してる先生ならその程度のやらかし誤差でしょ」

 

「オレの除籍をやらかし扱いするな」

 

等と会話をしてると保健室の戸がノックされる。

 

『お見舞いに来ました。入ってよろしいでしょうか?』

 

この声は……寧亜か?

 

「大人数とか騒いだら追い出すからね。……入っておいで」

 

リカバリーガールの言葉に部屋に寧亜、渡我が入ってきた。

 

「寄道、大丈夫なの!?」

 

駆け寄ってくる寧亜。

 

「なんとかな……」

 

「餓死しかけたとか聞きますけど……もしかして私たちが毎日押しかけてるのが原因だったりしませんか……?」

 

そうだよ(脊髄反射)

 

……いや、家庭事情とか複雑なもの抱えてるキミに対して素直にそんなこと答えられないな(なんの価値もないプライド感)。

 

「押しかけ……おい千手、不純異性交遊は担任として指導案件なんだが?? そんな爛れたことしてるのか?」

 

黙っていると相澤先生が聞き捨てならないワードに反応してベッドから起き上がる。

 

「「残念ながら、夕食やお風呂までは居られるんですけどそれ以上は追い出されるので……」」

 

「最近の高校生って爛れてるんだねぇ」

 

「ばあさんツッコミを放棄しないでくれオレ1人で捌ききれないから」

 

相澤先生が悲痛なこと言い出したのでどさくさ紛れに答えつつ路線変更といこう。

 

「まじめな話コイツらにたかられて一般人平均以下の栄養しかとれてないので餓死しかけました」

 

「「今度から食材持ち寄ります」」

 

「一人暮らしの異性の住居に入り浸るな」

 

選手宣誓のようなポーズで二人が宣言すると『違う、そうじゃない』と言わんばかりに相澤先生がツッコミ入れる。

 

「なら渡我同棲します! そうすれば住んでるマンションの家賃分寄道にお金渡せます! 親は年離れた妹の方に夢中で金だけ寄越して不干渉。書類も三者面談も家庭訪問も授業参観も対応してくれないので寄道パパさんたちに頼み込んで親のフリしてもらってますし!」

 

「同棲は論外と言いたいところだがそれ以降の発言が聞き捨てならんから後回し。取り敢えず校長に案件あげとく」

 

しれっと告げられるとんでもない事実。

 

ネグレクト気味でほぼうちのコ状態でお姉様二人に可愛がられていたのは知っていたが義務教育終わったら金だけ寄越して完全無視とは……。

 

「寧亜ちゃん……私の同棲……相澤先生公認取れた……!」

 

「はー? 何寝言言ってるのこの淫乱吸血女狐が。後回しって言葉の意味わかる? 辞書引いてあげようか????」

 

「あんたらうるさいよっ! 面会強制終了だよ!」

 

リカバリーガールが何処からともなく取り出したボタンを押すと2人の足元の床が消えて落ちた。

 

「……え? 大丈夫なの?」

 

「下はクッションだらけの部屋だからね。問題無いよ」

 

「なるほど……?」

 

首傾げてるとノックの音が。

 

「おい千手、あの2人に瞬間移動の個性あったか??」

 

「寧亜ならそれっぽいこと出来ますがたぶん違うかと」

 

結果として来たのはA組の面々。

 

大人数かつ大騒ぎだったので数分で追い出された。

 

瞬間移動か……寧亜でも再現は……出来ない……よな……?

 

 

 

 

 

 

――Side 死柄木弔

 

「だーっ、最悪極まりない」

 

とあるバーに戻ってきたオレ、黒霧、そして槙島さん。

 

『その様子……失敗したのかな?』

 

オレの声にカウンター横のモニターが起動し、4分割表示されてる『Sound Only』の1つから声がした。

 

「ああそのとおりだよ。千手とかいうクソガキがチート使って来やがったんだ。お陰でオールマイトに遭遇前に撤退(ミッション失敗)だ」

 

『……千手……そうか……』

 

『彼の息子か……』

 

「? なんだよ。先生もドクターも複雑そうな反応して」

 

2つ目の画面部分から繋がってるドクターも思うところあるような声を出している。

 

『アレに関しては無理に戦う義理はない。彼対策はコチラでもしておこう。なんならある程度提案や人員を手伝うとも』

 

『そうじゃな。脳無に加えて別シリーズの試作品をいくつか用意しておこう』

 

「やはり彼は色々な事の渦中にいるようだね」

 

槙島さんが顔を顰めながらそう告げた。

 

「……どういうこと……ですか?」

 

「必要になったら教えるさ。先ずは手元にある情報をまとめ、そこから導き出せること、予測できることを挙げる時間にしようか」

 

「……槙島様が先生より先生してる気がしますね」

 

『黒霧、それは違うよ。私より彼の方が今のところ付きっきりで教えてるからそう見えてるだけさ』

 

黒霧のぼやきを先生が即座に反応したあたり、気にしてたりするのだろうか……。

 

 

 

 

 

――Side ???

 

ボクは塚原、オールマイトとは長い付き合いの刑事だ。

 

現在部下たちが作った調書の確認や資料データの分類をしている。

 

「お疲れ様です、塚原さん。コーヒーのみますか?」

 

部下の1人がやってきた。

 

「ああ、ありがとう」

 

受け取ってコーヒーを少し飲んでからパソコンに向き合う。

 

「……にしても困りましたね。 オールマイトを狙った敵連合とやらの雄英高校襲撃だけでも厄介なのに、ゼノス?とか言う別組織の軍服男が推定異空間を作る個性持ちでオールマイトでも歯が立たなかったのですから――」

 

ボクは拳銃を部下――いや、部下に化けた誰か――に突きつけた。

 

「……何のつもりですか? 塚原さん」

 

「キミこそ何のつもりかな? オールマイトが歯が立たなかった事はオールマイトと千手少年から調書を取ったボクと当事者しか知らないはずだ。その男が撤退するまで、詳細を把握出来た第三者は居ないとも千手少年から確認済みだ」

 

証拠を叩きつけると部下は……いや、部下に化けた誰かは宣う。

 

「流石は刑事さん。早々に気がついてくれて助かりました」

 

「何?」

 

「――ゼノスに身を寄せる『怪盗B』から警告を」

 

怪盗B

 

主に金持ちの美術家たちから窃盗を行う犯罪者だ。

 

本人さえ気が付かない癖をも完璧に模倣し変装する変装の達人……あるいはそれに関連した個性持ちと言われている。

 

ソレが何故ココに?

 

「疑問に思うことはあるでしょうがそれは後にお願いします。では警告を――『公安の暗部に千手寄道、渡我被身子、物間寧亜が渡らぬよう目を光らせたほうが良い』と。ではご機嫌よう」

 

そういうと一瞬で消え去った。

 

「……普段から使ってて良かった」

 

懐のボイスレコーダーを取り出してメモリカードの片方を入れ替える。

 

そして仕事を切り上げ侵入の事実と怪盗Bがゼノスに身を寄せる事を各所に連絡することに。

 

……警告内容部分を消して提出を考えたが、余計な勘繰りをされても困る。

 

そのまま提出することにした。

 

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