ゲッター線入り転生者のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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寄道というイレギュラーにより少し世界は異なります。
B組も実は21人だったり。
それでは、どうぞ。


第10話 襲撃事件の爪跡と暗躍する者たち(後編)

――Side 轟焦凍

 

一度全員で保健室に押しかけたら数分で追い払われた。

 

「にしてもアレで無個性……世界って広いよな……」

 

私たちの頭に浮かぶのは、人より2周りほど大きなサイズの『怪獣』を様々な力で撃退し、ヒーローのあり方を見せて見せた寄道(正確にはその分身)の姿。

 

「そういえば放課後って教員から許可もらえばグラウンドとか使えるんだっけ?」

 

「ソレも大切だけど勉強の方大丈夫かな……」

 

皆が思い思いの言葉を告げる。

 

「――ならA組連名で放課後のグラウンド使用など出来ないかぼ……オレが聞いてこよう! 自由が売りの校風なら、話が通るはずだ!流石に今日は無理だろうけど!」

 

飯田が名乗り上げる。

 

「「「「流石学級委員長!」」」」「組手みたいにすれば訓練になるはず」「個性を使う練習ができる!」

 

「なら明日以降放課後教室で勉強会等を開きましょう。教師役は僭越ながら私が。流石に満点+20の寄道さんには勝てませんが、それなりに勉強できると自負していますわ」

 

「「「「流石学級委員副委員長!」」」」「ちょっと古文が不安だったから助かる」「勉強全般苦手だから手取り足取り教えてもらおう」「逆になんで雄英受かったん??」

 

賑やかだな。

 

……父さんは無理でも、兄さんあたり臨時講師みたいな形で放課後の訓練の補助してくれないかな?

 

帰ったら聞いてみよう。

 

 

 

 

なお翌日が臨時休校になり、三連休となった。

 

連絡が来た直後からクラスのグループチャットでムンクの叫びスタンプが飯田により連投されたり、土下座スタンプが連投されて爆豪と寄道がキレたのはココだけの話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 千手信道(寄道の父)

 

研究所にて書類を纏めていると電話が掛かってきた。

 

「もしもし、信道ですがどちら様で? ――ああ、根津校長殿? 珍しいですな貴方から電話とは。 ――何? 寄道が倒れた!?」

 

電話の受話器私は立ち上がり叫ぶ。

 

その声に周りがの部下たちが飛び上がり、一部のものは機材を取り落としてパニックになるが、パニックになっているのは私の方である(混乱)。

 

「原因は! 飢餓状態!? どういう……そういうことか! 父である私にも今まで巧妙に隠していたということか!」

 

子どもたちは何れも多少の差はあれど人より多く食事をしている。

 

だが寄道以外は何れも前後に激しく運動したり等の理由があったため、食べる量にムラがあった。

 

寄道は食べる量はほぼ安定していたので「力を使おうと消費体力は変わらない」と思い込んでいたのだ。

 

ゲッター線という人知を超えた力を使え、ソレを瞬間出力には限界があるらしいが無限に出せると言っており、過去の計測からも事実だと私は認識していた。

 

――だが自己再構築や他の力は本人が「ため込み続けている」栄養等を使っており、それは有限だったのだ。

 

――ゲッター線にばかり意識を向けて、私は……。

 

「……え? ランチラッシュ先生が数百人分の食事を用意して事なきを得た? 気が進まないが食費請求してもいいか? ――一向に構わん! 息子を助けてもらって何も返さぬ不義理は出来ん!」

 

私は通話を終えた後、急ぎ支度をする。

 

「所長! 書類の決裁が!」

 

「急ぎなのは終わってる! 残りは戻ってきたらやるから机の上に積み上げときなさい!」

 

私はすぐさま雄英高校へ向かうことに。

 

完全に夢の中だった車の運転手を叩き起こして雄英高校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

「久しぶりなのさ、信道君」

 

「ええ、久しぶりですな。根津校長殿」

 

本当は寄道のところへ真っ先に向かう予定だったのだが、出待ちしていたオールマイトに止められて校長室に連行された。

 

校長室では根津校長がお茶を用意して待っていた。

 

「……寄道君は回復して元気にしてるから取り敢えず安心してくれて良いよ」

 

「出来れば本人を見て安心したいのですがね」

 

「ソレは分かるとも! ただちょ〜っとゴタゴタがあってね」

 

そういって渡我被身子君がうっかりバラした事等を告げられる。

 

「まあ、渡我君の家庭環境も聞いているからね。いっそボクやボクの知人の誰かとの養子縁組と考えてるんだけど、ほぼ非公式で後見人してるキミとしてはどう思うか意見を聞きたいかな」

 

「あの家との縁を終わらせるという意味では最善です。……が、親側が『里子に出したというのが世間体に悪い』の一点張りでして交渉は止まっています」

 

「うーん……ちょっとこっちでも調べたり対策考えるよ。状況によってはキミにも手伝ってもらいたいんだけど……」

 

「無論。研究畑の私で役に立つなら何なりと。貴方には父の代から借りがありますからね」

 

「あと渡我君が寄道君と同居を決意して動き出そうとしてるんだけど止めたほうが良い?」

 

……???

 

「……物間家や轟家からも似たようなこと言われたんですが、あの子そんなにモテてるんです?」

 

人の好意に鈍いというか、無自覚に拒絶してる気配のあるあの子が異性からモテている……?

 

……ああ、人生に3回あるというモテ期が来てるのかな?

 

私は妻以外の女性から異性として見られたことがないから分からんが。

 

「逆に相手の家庭事情とか本格的に知ってる割に当事者同士の関係性確認ザルなのいい加減何とかならない???」

 

 

 

 

 

 

取り敢えず根津校長に同居の件は本人たちに一任する(ノーコメント)とし、渡我君の家庭環境云々解決に関する共闘の約束や他に細々とした話を纏めた。

 

あと雄英高校へ私の預金口座からランチラッシュ先生の料理数百人分の代金を振り込むこと、念の為予備費を追加で振り込んでおくことを伝えて解散した。

 

 

 

 

 

 

「ということで同居云々は我輩は一切認知せん。事実婚は構わんし誰を書類上の配偶者にするかもお前に一任する」

 

「来て早々なんなん????」

 

家では大人しい息子の反発的な言葉……コレが、反抗期……!?

 

「……あ、多分意図的に無精子状態に出来るんだろうが避妊はしっかりするように」

 

「オレなんだと思われてるの?? 半月で模範生からどこぞの伊藤誠みたいな認識に変わった??」

 

「取り敢えず食事についてはこちらでも食材の手配や食費予算を用意しておく。今回のような激戦でも餓死せぬよう、食い溜めを普段からやるように」

 

「それは……はい」

 

やはり根はまじめだな……教育の賜物か……。

 

「ちなみに物間家も轟家が娘の同居を許可してるからあとはお前次第だ。渡我君もほぼ同様だな」

 

「アレ?オレの外堀が埋まってる?」

 

「なんなら内堀も埋まってる」

 

「ソレ父親として放置でいいの?」

 

「色恋沙汰に第三者が割り込むとろくなことがないからな」

 

「なんてことだ……」

 

「取り敢えず妻や子どもたちにお前の無事確認を伝えておく。あとランチラッシュ先生に話を通してある。多少ならこっちが多めに振り込んだ代金から差し引いて相殺してくれるはずだから、しばらくの足りない分はそっちで何とかしてくれ」

 

「返事に困る内容としっかり返事しなきゃアカン話を交互に投げないで???」

 

「取り敢えず夕食の時間だから帰る」

 

「ちょっと??? 言うだけ言って帰った!? 自由人すぎない!?」

 

何か悲鳴が聞こえた気がしたが、きっと気の所為。

 

あ、書類……期日明後日以降だから夕食食べてからで問題ないな。ヨシ!

 

 

 

 

 

 

――Side イレイザーヘッド

 

体力も回復したので職員室に戻ったオレ。

 

そこで教員組(校長は誰かと話してるらしい、リカバリーガールは保健室常駐、オールマイトは所用らしく不在)と改めて情報共有していた。

 

「USJ襲撃してきた敵連合に異端児(ゼノス)という組織の長を名乗る甘粕という男。槙島という敵連合の協力者らしい男に、敵連合の後ろに先生と言う謎の存在。おまけに槙島にはスポンサーが居る……」

 

「情報過多で溺死そう(こなみ)」

 

プレゼント・マイクが隣で呻く。

 

「……それも気になりますが」

 

セメントス先生が口を開く

 

「――先日の職員室からカリキュラムの資料を盗んだのは、誰なのでしょうか?」

 

「千手ノ証言通リナラ敵連合デハ?」

 

エクトプラズム先生が理論的に告げる。

 

「そうなると……槙島という男は敵連合の協力者だから説明付きますが……甘粕という男がUSJの空間を取り込み、異空間を形成出来たのは何故?という話が出てきます」

 

「そりゃ……」

 

マイクが言葉を詰まらせる。

 

「もしそのゼノスとかいうのが敵連合、あるいはその協力者の槙島と連携してるのが1番妥当な線ね」

 

ミッドナイト先生が代わりに言ってくれた。

 

個人で暴れる事の多い敵が組織的に動いている――だけではない。

 

「つまり我々は『目的が違うかもしれない2つの組織』を意識しながら立ち回ることが必要になってくるかもしれません」

 

常に全貌の見えない2つの相手を警戒する必要が増えたわけだ。

 

「後手に回る我々ヒーローからしたらいつものことでは?」

 

ブラドキングが冷静に告げる。

 

「極論言えばね。でも敵連合と戦う間にゼノスの相手が別の方向から来て手が足りない……なんてこともあり得るわ」

 

「手が足りねぇな!」

 

「かといって無闇矢鱈に増やして質が落ちてそこを突かれて総崩れしたら本末転倒だしなぁ……」

 

「何処かに優秀な教員候補居ないものかしら……」

 

問題児周りのゴタゴタからのこの一件である。

 

もう少しこう……段階を踏んで厄介事というのはやってこないものだろうか。

 

オレは天井を見上げながらそう思った。

 

 

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