――Side 寄道
天気は晴れ、気温もまずまず。
(適度な水分補給してれば)熱中症等も問題なさそうな体育祭日和。
「さあ今年も始まりました雄英高校体育祭!正確には、1年の部!」
「今年から学年ごと日別開催。そしてトリが1年という形式なので、体育祭全体で見れば最終日ですね」
「昨日観戦された方はご存じかと思いますが今回から上級生が運営スタッフとして参加しており、運営側の経験を積めるという試みがされています。無論プロヒーローや教員が安全確保の最終防衛ラインに居るのでご安心を」
マイク先生、寧亜、オレの実況解説と共にファンファーレが鳴り響く。
「さあ最初の入場はUSJ襲撃というホンモノの敵との交戦経験があるA組だろ!」
「A組贔屓ですか? ブラドキング先生に言いますよ?」
「あ、いやそのこれは……」
「……経験を踏まえ自分の持ち味をどう活かせるか。……それに尽きるかと。得手不得手を理解して使いこなせねば、宝の持ち腐れですから」
オレはそう告げて話を切り上げる。
「続いてヒーロー科B組に普通科C、D、Eに、サポート科F、G、H!そして経営科のI、J組!」
「B組にも(ゲッター縛りで試合形式なら)油断できない生徒が何人か居るし、普通科にも磨けばプロの上澄みに届く原石は多い。サポート科は自作かつ申請したサポートアイテムの持ち込みが許可されており、今朝までパワーローダー先生が精査したアイテムが競技中にお披露目されることになる。経営科は自分の活躍より競技中の他クラスの面々を見てどうプロデュースするかの算段を考えてるようだが、せっかくなのだから全力を出し切ってほしいものだ。スタッフに回った上級生たちの経験になることもあるだろうし、スタッフ経験から学年超えた交流にもなるだろうからな」
「出禁で実況席に回されたA組の寄道の方がフェアな事言ってるの、なにかのバグかな???」
心外だ。
仕事を全うしてるだけです(真顔)
「選手宣誓! 爆豪勝己!」
爆豪がポッケに手を突っ込んで壇上に登る。
「あれ? 入試ぶっちぎりトップの寄道じゃないんだ」
「出禁のやつに選手宣誓されたくないだろ。辞退した」
オレの言葉で会場がえぇ……と困惑した声が広がる。
理に適ってると思うんだがなぁ……。
「せんせー。オレが1番になって、エキシビションマッチで実況解説席に居る出禁生徒2人に一撃ぜってーぶち当てる。――ああそれから、原石云々言われた連中。所詮は研鑽してねぇ石ころだ。精々原石同士で磨きあってな、オレは上を目指すのに忙しいから」
こっちに向けて中指立てる爆豪。
他クラスの大ブーイングからA組面々が頭を抱える姿までよく見える。
「はい爆豪選手手加減殴り捨てさせる挑発兼ねた宣誓ありがとうございます。さて、さっそく第一種目やっていきましょう」
「こっちへのアクションスルーするんだ……」
そりゃそうよ。
「第一種目は……マイク先生、オレたち台本とかカンペないんで代わりにお願いします」
本当は嘘だが、先生がしょんぼりしてるのでパスを出す。
「おっと若い2人が息ぴったりで割り込む隙間なかったから助かった! ――ということで第一種目は『障害物競走』だ! 詳しい説明はミッドナイト先生!よろしくぅ!」
壇上にいるミッドナイト先生がイヤホンマイクと電光掲示板で解説を始めた。
この会場の外周凡そ4キロをコースアウトせずに走り抜ける競技で、スタートとゴールが会場の入退場ゲート。
いくつかの障害物が道中にあり、それを越えてゴールを目指すことになる。
なおスタッフが危険と判断した場合、スタッフが該当選手を保護。当然保護された選手は強制アウトになるため、周囲の安全管理は大切に、とのこと。
「それじゃ、位置について!」
マイク先生の言葉に生徒たちが入退場ゲートに殺到する。
「――ヨーイ、スタート!」
スタートの合図と共に地鳴りのような音がした。
「最初の関門、寿司詰め状態の入退場ゲート!」
「これはひどい」
「先頭集団はともかく、中団以降が押し合い圧し合いしてる上、後続が前に出ようと割り込んでて混沌としてるな」
モニターに写る映像で軽く引きながら寧亜とオレは実況していく。
「おっと先頭集団は早々に入退場ゲートを突破して順路を疾走中!」
「爆豪、轟がツートップ、そして少し離れて先頭集団だな」
オレがそういうか言わないかのタイミングで――ツートップの進路上に爆発が起きる。
「爆発!?」
「――第一関門! 入試で出てきたお邪魔虫ことロボ・インフェルノ軍団! コイツらをうまく掻い潜れ!」
寧亜のリアクションに待ってましたとばかりに解説するマイク先生。
そして雑居ビルよりデカい0ポイントロボ連中は、ターゲットを見つけると攻撃を開始した。
「さてココをどうくぐり抜けるか――お? 爆豪は大ジャンプからの爆発で上方跳躍で強行突破、焦凍は足元凍らせてながらスピードスケートの要領で足元すり抜けたな」
「ツートップはガン無視すり抜けしたが先頭集団はどう動くか!」
マイク先生がそう言うが――
「先頭集団のほとんどがロボインフェルノをまともに相手しない!? つかまるで未来が見えてるみたいに完璧に回避してる!?」
あるものはセンサー系のある頭を電撃で撃ち抜いて瞬間的に制御不能に、あるものはロボの足を部分的に無重量にしてバランス制御に攻撃リソースを回させて回避。
あるものはエンジンの勢いでロボたちの身体を足場にして空中駆動して撹乱し、あるものはセロテープで同様の動きをしつつロボ同士にテープつけて足止めする。
「最低限の回避と足止めだけで大丈夫と判断しての行動……いい判断だ。1週間の男女平等半殺し組手の効果は上々のようだな」
「入学して直ぐにクラスぐるみで自主練とか上昇志向半端ねぇなA組。イレイザーヘッドはどういう育成したらそんなことになるんだ???」
オレは何もしてねぇ、と何処かで声がした気がするが気の所為だろう(雑)
「ぐぬぬ……でもB組にはこの競技なら最強格いるもん……!」
木分身が空中を飛翔する存在を検知する。
「誰のことか分からねぇが先頭集団が第2関門、『ザ・フォール』に到着したぞ!」
「えーっと……『平たく言えば谷のエリア。各所にロープが張られてるから飛行手段ない場合はそれを伝って突破すべし。なお……』途中で途切れてますがなんかあるんです?」
寧亜がジト目になるが
「それは見てのお楽しみ!」
マイク先生はそれを誤魔化す。
「爆豪選手は爆発による爆風で飛翔! 轟選手は氷でアーチを作って驀進してるぞ!――っと!? なんだなんだ!? 空を弾丸の如く飛ぶ何かの姿が!」
「――B組の隠し兵器! 行けーっ! 舞!」
青い髪の娘がそのまま空中突破を敢行するも――。
「いや、ここから先長時間滞空するなら落とせと上から命令きてるから落とすけどな」
分身たちの風遁(と上級生スタッフの風関連個性)により第2関門の上空が吹き荒れる。
即座に安地に着地する面々と、風によって目測が狂い錐揉みしたあと安地に着地(落下?)した舞という娘で明暗が別れた。
そういえばB組にあんな娘原作にいたっけか……?
個性は肉球とか言ってた気がするが……。
「寄道! このやり方は明らかなA組贔屓では?」
「残念だがA組面々はたたき落とすつもりで風ぶつけたし、B組のあの娘の落下寸前に風のクッションで安全に着地させたのでむしろA組ハードまであるぞ」
「なにそれ怖い」
しかたねーだろ、上からの命令なんだから(ゴリ押し)
「んなこと言ってたら先頭集団が最後の関門!怒りのアフガンに到着したぞ!」
「えーっと……『直撃したら失禁不可避の地雷原!頑張れば見えるからうまくやればノーミスいける。なお一定間隔で配置が変更されたり地雷の個数が復活します』……?」
マイク先生の言葉に寧亜がいま届いたカンペを見て首をかしげる。
「協賛はオレでお送りします(錬金術)」
「だろうね!そうだと思ったよ!」
「なお分身が不定期に爆発させて連鎖爆発させるので頑張って逃げてね」
「鬼だ、鬼がおる……」
「おっと? 緑谷選手何してるんだ?」
マイク先生の言葉でなんか朧げに蘇る記憶。
0ポイントの装甲を引っ提げてた緑谷が装甲に乗って地雷を踏み抜き、乗せた装甲を少し浮かせて――地雷を爆発させた。
「オイオイ! 地雷の対処と対空の風警戒して停滞組を爆発サーフィンで追い抜きやがったぞ!?」
「他の面々が地雷や対空リスクそっちのけでゴリ押しし始めた――けど」
装甲を馬鹿みたいな脚力で蹴り飛ばして、入退場ゲートに滑り込む緑谷。
多分コレを狙って装甲を持ってきてたのかもしれない(こなみ)
「勝負アリだな、第1種目、1位通過はA組緑谷選手!」
……傍から見れば大番狂わせ、たしか原作と同じような結果だったかな……?
そう思いながら全選手がゴール、あるいは脱落して種目終わるまで実況解説を続けた――。
夏目舞
個性 肉球
スタイルの良い娘。
手足にある肉球が特徴。
肉球で打撃や斬撃を弾いたり、肉体の疲労を身体から弾き出せたりする。
空中浮遊や中距離の瞬間移動的な挙動ができる。
実は転生者(前世♂、ヒロアカ知識ほぼなし)で寄道以上にガチのイレギュラー。
(前世男のせいか)男子との距離感がバグっており、同級生筆頭に男子の性癖を巨乳に塗り替え(無自覚)る癖に男を袖にしまくる(性自認男のノンケのため男は対象外)ので傾国の女扱いされている。
逆に女子の着替えとかを見て恥じらったりしてるので一部のレズや女のバイからも(メス堕ちさせてぇという動機から)貞操を狙われていたりする。
見た目元ネタ:マイ=ナツメ(BLAZBLUE)
能力元ネタ:バーソロミュー・くま(ワンピース)