勉強等はかなりできるが、咄嗟の判断力や平時の注意力が凡人程度である。
またチート複数があろうと外付けなソレを十全に引き出せる力量があるわけではない。(なおゲッター線の意志を睡眠時でもほぼ完封している狂人じみた精神力のみ本物)
また前世では付き合った相手が美人局だったり結婚詐欺だったり浮気や寝取られされたりで女性でひどい目に合いすぎたせいか、自己暗示でそれらの記憶を無かったことにしている。
チートや朧げな前世知識などの後ろめたいことを隠してるが故に、家族相手でも最後の一線を引いてるとか……。
――Side 寄道
エドワード・エルリックの着ていた服(白の縁取りの黒の服に白の手袋と赤いコート)に着替えて訓練場βに向かう。
「なんか様になってるな」
「せやろか」
尾白の言葉に反射的に自覚がない返事をするオレ。
「……似合ってる」
「うわっ!?轟さん何処から湧いた!?」
圏境でも使ったのかと思うほど前触れなく現れてオレの右腕を抱きしめる焦凍。
それを見て思わず飛び退く瀬呂。
オレとしては色々とあたっててムラムラします(銀魂ゴリさん感)
ソレはソレとしてポプテピピックのキレた2人みたいな感じになってる峰田上鳴コンビは最近見るたびにそんな感じだが絵面固定されないのだろうか(他人事感)。
等と考えていたら他の女子たちもやってきて――?
「切腹案件!」
オレは焦凍に封じられてない手で自分へ目潰し敢行する。
目が気色悪い音とともに潰れ、視界が暗闇に閉ざされた。
ついでに目が痛い(順当)のと血が眼孔から垂れてくるが是非もないよね(こなみ)。
「「「急にどうしたの!?」」」
男女の混ざった声にオレはライナーみたいな声で答える。
「オレが悪いんだよ……どういう理由で痴女状態なのか分かんないけど手袋とブーツしかつけてない葉隠さんを見ちゃったオレが……!」
「えっ?私が……見えてるの……?」
葉隠さんが近づく気配するけど、見えないのでたぶんそっちにいる方を見て頷く。
あと焦凍がオレの腕を強くホールドしてるのは嫉妬なんです??
貴女オレの彼女でしたっけ???(錯乱)
「今自分で目をつぶしたから再生させるまで盲目だけど見えちゃいました……切腹したほうがいいですかね?」
「「そうだな士道不覚悟で切腹が妥当だよ。おれたちが介錯してやるからさぁ!」」
「2人は黙っとこうぜ」「話が進まないからな」
峰田と上鳴がキレていたが切島と佐藤が制圧したらしく遠ざかってくのが感じられた。
「いや、まさか見えてるとは思わなくて……事故だから仕方ないよ! 見られても平気だから!」
「「ソレはソレで問題では??」」
葉隠さんの言葉に女性陣からの感性の歪みに疑問を投げる声が複数。
「……」
オレは焦凍に手のホールド外させて、宝物庫からいわゆる透明マントである『顔のない王』を取り出し、手合わせ錬成を発動する。
そして出来上がった服……Fateのエレシュキガル第3臨の服(とマント)を渡す。
「ソレを着といてくれ……本人にあわせて透明化する機能をつけて作ったから。着たくないならソレでいい。暫くコスチュームの授業の時は目を潰しておくようにするから」
「わ、わかったから!着てくるから!あと目から血を流してるの怖いから直しておいて!」
そういいながら去っていく葉隠さん。
「……ちなみにオレたち葉隠の顔わかんないんだけど、どんな感じなの」
尾白が男子を代表して問いかけてきた。
「……こんな感じ」
腕にプリンター機能をつけてゲッター化してイメージを出力する。
頭から肩までの様子を細部まで表示する。
「ふぁっ!? めっちゃかわいいやん!」
「コレが透明で見えないなんて人類の損失過ぎるだろ」
「なおそれを普通に見た上裸をガッツリ見た罪人が1名」
「……寄道、見たいなら言えばいいのに。目潰しする瞬間、すごく手首の脈上がってたし」
「「なんたお前もこっち側か、ムッツリスケベめ」」
「認めたくなーい!(ピンクハロボイス)」
等と会話してると
「着替えてきた〜」
という声が。
オレは目から流れた血を消すついでに目を再生させる。
そして彼女の足元からゆっくりと上へ目線を移す。
「ちゃんと着てる。ヨシ!」
「「透明でわかんねぇ……」」
オレと対照的に落ち込む峰田上鳴コンビ。
「ん、騙して悪いがで寄道に裸見せてたら氷像にしてるところだった。命拾いした」
「轟さんが怖いよ!!」
「ちなみにソレ素材が素材だから耐火を始め、そこらの繊維なんか足元にも及ばない丈夫さを誇るゾ。あと着用者の生命維持も多少してくれる」
「ヒエッ……」
「……後学のために後で素材や構造式を教えていただいても?」
なんか八百万百さんが食いついてきた。
「構造式こそそこらの衣服類と同じだよ。規格外な理由は……企業秘密だ」
「そう……ですか……」
「さてそろそろいいかな?」
声の方を向くといつの間にかオールマイトが近くでこちらをみていた。
そして一人ひとりを見てから頷く。
「自分の個性を活かせるよう考えてるね。それにこだわりも感じる……良いじゃないか、カッコいいぜ、皆!」
サムズアップするオールマイト。
No.1ヒーローに褒められて爆豪を含めた生徒たちが多少の差はあるが照れた様子を見せる。
「さあ、ソレじゃあ授業を始めようか、有精卵たち!」
飯田君はその言葉にいち早くキッとした顔(ヘルムつけてるからおそらく)に戻り、挙手した。
「先生! 入試で使われた訓練場βということは、また市街地演習を行うのでしょうか!」
その質問に指を振りながら否定する。
「いいや、今回はその2歩進んだ内容――屋内での戦闘を行ってもらうよ」
曰く、敵は屋外で目撃され、ヒーローと戦うイメージがあるが、統計をみれば屋内にて行われる犯罪行為のほうが圧倒的に多い。
窃盗、監禁、拷問、闇取引。
パッと思いつくことだけでもこれだけあるのだ。
「真の賢しい敵は闇に潜む。これより君たちにはヒーロー側と敵側にわかれ、2対2の屋内戦を行ってもらう」
「基礎訓練無しに? 基礎が無くて大丈夫かしら……」
梅雨ちゃんの言葉にオールマイトはその考えが違うと告げる。
「これは個性把握テストを踏まえ、君たちの個性や能力、癖――自分の今という『基礎』を自覚するための実戦さ。――但し、相手は壊せばいいロボじゃないのがミソだ」
オールマイトの回答を聞いて、生徒たちが質問を投げる。
「勝敗の条件は?」
「ぶっ潰していいのか?」
「また、相澤先生みたいな除籍とかあるんじゃないんですか?」
「分かれるとはどのような分け方を?」
「このマントすごくない?」
「21人だけど余りが出ない?」
「んんん~聖徳太子ィー!!」
一度手で質問を制したあと、オールマイトはカンペを取り出して読み始める。
その姿に困惑半分、初々しいので温かい目半分の生徒たち。
曰く、敵のアジトにある核兵器に対処するため、ヒーローが突入するというのが今回のシチュエーションとのこと。
ルールは以下の通り。
制限時間は一試合あたり十五分。
敵側の勝利条件は時間切れまでビルのどこかに設置した核兵器(という設定の爆弾のハリボテ)を全滅することなくヒーロー側から守りきるか、ヒーロー側を全滅させること。
ヒーロー側は制限時間内に核兵器を処理(今回はふれる)するか、ヴィラン側を全滅させること。
両者共通ルールとして、捕縛テープを巻かれたら倒されたことになり、巻かれたあとは試合に参加できない。
またそれぞれにインカムが渡され、ヒーロー同士、ヴィラン同士の通信ができるようになっている。
「設定がアメリカンだな」
「ちなみに、千手少年は最終試合で私がヒーロー役での予定だ。――そっちに人数追加とか、何か私が縛ったほうが良いとかリクエストある?」
オールマイトから挑発されたのでオレは片眉を少しあげながら答える。
「――むしろヒーロー側に5人くらい追加してください。最終試合の前にこの訓練で使う手札もいくつかは見せるんで対策も多少は取れるでしょう」
オレの言葉に何処か思うところがありそうな表情を一瞬見せるオールマイト。
「やはり君は……いいだろう!派手に負けても慰めないからね?」
しかし彼はNo.1ヒーローに相応しい力強い笑みでそう返してきた。