基本的に前世では女運が最悪で女絡みで大損すること日常茶飯事だったりしていたが、他の運を加味すると普通くらいになっている。
今生は全体的に運が下がる代わりに女運がチョットイイ位になっている。
……が、ゲッター線の引力が覚悟ガンギマリ勢の素質持ちな娘たちを引き寄せており、結果として女難の相に見舞われている。
本人が覚悟決めてケツイ固めればハーレムも夢ではない……と思われる。
――Side オールマイト
やはり千手少年は危うい。
間違いなく善性の人ではあるが、人と一線を引いている。
心を開いているように偽り、実態は殆どを閉ざしている。
彼はその持ちうる力やそれに関連した何かから、秘密主義になっているのだろう。
……おそらく、それらに関して家族にも隠している事がある。
いや、家族だろうと秘密にしてることの1つや2つあるだろう。
だが千手少年は……家族にも打ち明けられない秘密をいくつも抱えているのかもしれない。
ソレで潰れかかっているのでは……?
……もしそうなら、私を支えてくれた相棒たちのように、君を支えてくれる誰かが現れてくれればよいのだが……。
私が見た限りありえそうな候補は……轟少女や物間少女あたりだろうか……。
「――生。――オールマイト先生!」
はっとする。
「タイムアップの時間過ぎてます!」
「うおっと!? 私としたことが! タイムアップ! この試合! 敵チームの勝利だ!」
飯田少年の言葉に私は慌てて第5試合の終了を宣言する。
その言葉に画面に映る八百万少女と峰田少年が勝利に歓喜する。
八百万少女の創造と峰田少年のもぎもぎによる徹底したゲリラ的遅延戦術。
音爆弾等も使われていたようだし青山少年と耳郎少女には難しい戦いだっただろう。
私は戻ってきた4人に講評を伝え、各自の負傷具合を確認する。
……リカバリーガールのお世話は不要そうだね。
「ソレじゃあ、最終試合と行こうか。千手少年」
「ええ。ではこっちの手札をいくつかお見せします」
彼はそういうと手を何やら動かす。
すると前触れなくその周囲に彼が複数人現れる。
「手札の1つ、影分身。……まあ本体と違って――」
分身たちが殴り合い始め、互いの一撃で消えていく。
「一発殴られれば消える儚い存在ですが、それぞれ自立しており全員オレの力をある程度使えます」
追加で分身を数体だしたかと思うとそれぞれが全身機械化や手を合わせた後地面に触れて近くの床から杖を作ったり口から火を吹いて見せたりする。
「影分身は最大5体で。大体一発殴れば倒せるので簡単でしょう。次は手合わせ錬成」
分身を消した彼は手を合わせた後壁に触れる。
すると直ぐ側から槍が生えてくる。
「このように指定した地点に任意のモノを錬成出来ます。理解、分解、再構築のプロセスが必要ですがね」
最後に、と続ける。
「今回はゲッター化するつもりありません。もっとも、6年前に受けたオールマイトの全力の一撃(誤射)や至近距離の水爆を受けても死んでないので死にそうとか考えなくて結構」
淡々と語る声とは裏腹に、彼の目は強者との戦いを渇望していることを訴えていた。
実にチグハグな少年だ。
「……ビルに先向かうので、人選はオールマイトが決めてください」
そう言って去っていく千手少年。
さて、彼へ挑みたい少年少女たちを上手くなだめながら人選か……ちょっと骨が折れそうだ。
――Side 寄道
『では合図の方をオールマイトから任された自分飯田天哉がさせてもらいます! 最終試合、開始ッ!』
たまにはゲッター線のガス抜きするために闘争へ身を投じることにしたが……。
「爆豪、八百万、轟、常闇、障子か……」
目を閉じて意識を向けながら判別し、それぞれに分身たちを向かわせる。
「オールマイトは上からか……ならコレでいいだろう」
オレは『赤い』錬成反応で建物全体を『錬成』する。
各所で上がる悲鳴や怒号、造り変わる各フロア構造を横目に歩き出す。
無論目的はオールマイトを迎え撃つためだ。
「わざわざ1フロアをぶち抜いてフィールドにするとは……どういうつもりかな?」
4階にあたるフロアにてオールマイトが問いかけてきた。
「少しガス抜きするためです。あと先生の今を確認するためでもあります」
「自分が強いと確信してるその発言、私は嫌いじゃないが、嫌われないか先生としてすごく心配」
「お気遣いどうも――っ!」
オレは手合わせ錬成で彼の足元からコンクリートの拳を昇竜拳させるが当然コレをサイドステップで回避するオールマイト。
その瞬間八百万を捕縛して自主的に解除した分身を認識する。
すかさずオレはすかさず影分身を作る。
「八百万さんが脱落してくれたおかげでこっちに手数が増えました」
「目を離したらどっちが分身か分からなくなりますよ」
「ソレはシャレにならないね」
一瞬で肉薄するオールマイト。
残念だかそっちは分身――
「――テキサス・スマッシュ!」
ダメージ与えれば消えるなら風圧や衝撃波で壁や柱に叩きつける範囲攻撃が最適解。
実に脳筋な攻撃であるが……合理的ではある。
現に自分より出力の劣る分身は壁に叩きつけられて消えた。
「やはり建物を壊さない程度に抑えながらやるのは大変だ。爆豪少年はじめ複数人にビル壊して注意したのに私が壊す訳にもいかないし!」
「室内戦闘で良かった。野外ならゲッター完全に縛るのはちょっときつかっただろうし」
そういいながら手合わせ錬成を発動し、手元からコンクリートの伸びる腕を複数オールマイトへ向けてぶつける。
しかし彼は技ではなく普通のパンチでそれらを破壊する。
オレはソレを見ながらもすぐに柱の陰などに移動しながら同じように攻撃を繰り返す。
5回10回20回と繰り返す。
そして最後に大きな拳の一撃をぶつける。
オールマイトはワンパンでソレを破壊してみせた。
「この程度食前の運動にもならないぞ千手少年――んん?」
オレの姿が見えなくなり首を傾げてるようだ。
タネ明かしをすれば、今までの攻撃にあわせて複数の錬成をして床にオレが入れる空洞をつくったのだ。
そしてそこに滑り込み床偽装をした。
またそれらに合わせてフロアの複数箇所のコンクリートの一部を固まる前に戻している。
もっとも後者の方はまだ気がついて無いだろうが。
「……この辺にいたはずっ!?」
固まってない部分に足を踏み込んだのを認識したので、すかさず飛び出す。
そしてそのまま遠隔錬成を発動して片足をガッツリコンクリートで封じ込める。
「本当に色々使うね千手少年!」
「試行錯誤の賜物ですよ」
オレはそのまま殴りかかるが、オールマイトは長年の経験による技でオレの攻撃を受け流し、カウンターしてみせる。
そうじゃなきゃ面白くな――
『タイムアップ! 勝者敵チーム!』
飯田の声がビルに響く。
「なんてこった! 私としたことが時間制限を忘れていたとは……!」
「色々小細工して時間間隔狂わせてたんで是非もないかと」
オレは錬成して彼の足からコンクリートを剥がす。
そしてそのままモニタールームへ向かう。
「えー……なんで自分が講評役までしてるのか分かりませんが、任されたからには講評していきたいと思います」
飯田がそういった後にこちらを見る。
「まず千手君は慢心しながら戦闘していたのがよろしくない。たとえ圧倒的差があるとしても獅子がウサギを狩る時全力を出すようにやるべきだと思う!」
「力加減が今後の課題だな」
「オールマイトは……釈迦に説法になるのでノーコメント!」
「ごめんね不甲斐ない結果見せちゃって!」
「爆豪君はもっとも周囲みたり協調意識して!フレンドリーファイア誘発されて八百万君が脱落する原因になったし!」
「……けっ」
「八百万君は……分身の千手君が言ってた通り、手段が多いが故に判断に時間がかかってるのが否めない。初動を固定化するかある程度絞って型を作るのがいいと思う」
「ええ……今後の課題ですわね」
「轟君は……千手君のお色気の術で完全に隙を晒したのが脱落原因だしアレはぼ……オレでも隙を晒しただろうから惜しかったとしか言えない!」
「……どうせなら上が色っぽくはだけた姿じゃなくて、全裸をみたかった……」
「常闇君は善戦していたから何とも言えないね……」
「まだまだ未熟だ……」
「障子君はフロアの変化のたびにマッピングにリソースを割きすぎたところが反省点!動き回る分身に翻弄されていたのは仕方ないが、3回目あたりでフロア完全把握をしながら分身の迎撃は効率悪いことに気がついていればたぶん何とかなったはずだ」
「飯田の言う通りだ。手を広げすぎてどちらも中途半端になっていた」
「ということで講評終わり!先生にバトン返します!」
そういってマイクをオールマイトに渡す飯田。
「今回の室内戦闘で自分の個性や動き方、強みや弱みが見えたと思う。あとはどう活かすかを考えてくれたまえ。それじゃ、解散!」
教室にて昨日のように会話が盛り上がっており、オレも引き止められたのだが――
「今日もパス!」
「え?今日この辺のスーパーとかで特売とか安売り無かったはずだけど?」
麗日さんが聞いてきたので
「駅前商店街の魚屋の売り子で現物報酬と魚のアラもらう約束してるから」
「なにそれすごい」
「ちなみにコレ雄英高校の校則である『生徒は届出なくバイト等の賃金の発生する労働は禁止』に入らない。渡我先輩で確認済み。校長からも目溢しのために変えてない創設以来の不文律らしいぞ」
「そんな裏技が……!」
「いや普通にバイトしたほうが良いだろ」
「どうだろ。飛び込みの日払いバイトは割がよくないし、短時間売り子なら現物の方がよくね?」
なんか残って駄弁ってる面々で会話始めたのでオレはアデュー!と去っていく。
今夜はアラとか貰ってアラ煮とかにしようかなっと。
「本当に売り子してる……」
バイトしてると葉隠さんが半ば呆れ顔でそうこぼしていた。
なんで嘘ついてると思われたのか半日くらいかけてしっかりと聞こう……と思ったが、他のお客さんの対応してる途中だったので先にそっちを終わらせてっと。
「お嬢さん、何をお探しで? 鯛にメバルに鰆に細魚、貝類が今は旬だけど」
「え?あ、うーん……オススメは?」
「焼いてお茶漬けにほぐし身を入れる比較的お手頃な鰆かな。鯛はちとお高いが刺身がいい塩梅だ。あ、今年はちと早くここらで水揚げされた初鰹のタタキとかも良いかもな。脂少なめでプリプリしてて美味いよ!グラム350円くらいかな」
「うーん、商売上手!試しに鰆1尾と初鰹200gくらいとかお願いできる?」
「おやっさん、できそうー?」
「おうよ!誤差10グラムで出すわ」
新鮮な鰆と捌いてもらった鰹を食品トレーに入れてラップで包み、値札を貼っていく。
保冷用の氷の袋を用意してそれらをまとめた袋にいれる。
「コレで足りるよね? あ、袋はあるからビニール大丈夫」
お代を渡した後手に提げてる袋を見せる葉隠さん。
なら持ち手のあるビニール袋は要らないな。
「合計……確かに。お釣り67円ね。 毎度あり!」
「すごく様になってるね……」
ははは……と笑う葉隠さん。
「おい坊主!門限とかあるだろ切り上げていいぞ。細魚と鰆、鯛の柵の切れ端と鰹のアラでいいか?」
「十分!そんじゃ上がりますわ!」
オレはそう言って店の奥に引っ込み、着替えて裏口から出る。
そこには葉隠さんがいた。
「あれ?待ってたの?」
「……ダメだった?」
「いや別に?」
オレはそう言って彼女に足並みあわせて帰りを歩いていく。
彼女もこの春からマンションで一人暮らしになってるらしい。
結構セキュリティガッツリしてて、5階だから虫とかも出にくいいい環境……とのこと。
オレのところも5階だわとか会話していたのだが、一向に道が同じでお互い首をかしげる。
……そういえばマンションの5階には6部屋あって、寧亜が501、オレが502なのは知ってたが他は知らないんだよな(503は挨拶した時不在だったし、引っ越し蕎麦は隣だけでいいかなのスタイル)。
そしてマンションまで別れることなく着たことで確信した。
同じマンション同じフロアのご近所でした本当にありがとうございました(死)
「「…………」」
すごく気まずい雰囲気でエレベーターにのるオレたち。
そのまま5階に着いたのでそのまま進み、寧亜の部屋の前を通り過ぎようとしたら――。
「その後誰?」
「ピッ!?」
寧亜が地獄から出したようなおどろおどろしい低い声でドア開けながら問いかけてきた。
葉隠さんは飛び上がった。
「……葉隠はA組クラスメイトの女子。……寄道に裸見せた痴女。……やっぱり氷像にしておいたほうがよかったかも」
その後ろには焦凍。
「寄君人気者ですね! あ、トガは2番でも3番でもちゃんと構ってくれるなら序列はどうでもいいですよ?」
焦凍の横から渡我被身子が顔を出す。
「ふーん? ふーーーん???」
寧亜が威圧するように葉隠の前に立つ。
「あー、寧亜さんや。見ちまったのは事故だし、たぶん偶然商店街に買い物しにきて帰る場所が同じだったからそうなっただけで色恋沙汰は無いから」
「……浮気がバレて言い訳してるみたい」
「後ろから刺さないでくださる??」
最近というか今生は運が悪いのかもしれない。
お祓いかなんかに行ったほうが良いのだろうか……。
あ、ゴタゴタについては何故かオレの家で5人で食卓囲って風呂入ったら沈静化したのか流れ解散になった。(その間葉隠さんの買った魚は一部使わせてもらって残りは冷蔵庫で預かったゾイ)
……葉隠さんはたぶん流されただけ……だよね?
ちなみに葉隠さんは506だった。