憑依ゆかりさんとVTuberになった元マスター   作:名前考えるのって難しくね?

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四話目です。


検証

一緒に頑張って行こうという形で話を纏めた俺とマスター。

なんとか落ち着いたらしく、焼き鳥をパクつきだしたマスターに涎が垂れそうになるが、硬い意思で堪える。

 

「少し気になることがあるのですが、よろしいでしょうか?」

 

『気になること?さっきの椅子みたいな?』

 

「はい。というのもですね。この和室、Wi〇Uはあるんですけど、Sw〇tchはないんですよ」

 

『え?でもゆかりんSw〇tch知ってるんじゃ……あ、そっか』

 

「そうですね」

 

いつまで経っても罪悪感が溢れて止まないが、一旦それは置いておくとして。

 

「どうにかしてSw〇tchをこの部屋にも持ってこれないかと思いまして」

 

『それは……えー、あー。えっと、理由を聞いてもいい?』

 

「分かりました。まずですね――」

 

それから俺は、マスターに脳内で描いていた構想を語った。

 

前提として、この考えの核は――現実のマスターの方のハード本体がどうなっているのかは不明とはいえ――こちら(和室)のハードに、俺自身のプレイデータを保存できたことにある。

 

マスターがVOICEROID実況者として活動していた際のデータは、別のセーブデータにちゃんと残ってある。

 

ここでミソなのは、俺のデータとマスターのデータを別の物として扱えたことだ。

……別のファイルで遊んだ同一人物と判定されるか、別のプレイヤーと判定されるかによって、話は変わってくる。

 

もしここで別のプレイヤーだと判別された場合、俺用のアカウントを用意することで、マスターと協力プレイができるようになるのでは?――そう考えた訳だ。

 

『なるほどね。確かに配信でフレンド連れて来る人ってあまりいないかも』

 

「名前も端から”助っ人A"とかにしとけばそれっぽいでしょうし、張り付いてくれる人も出てくるかもしれませんよ」

 

『でもあんまりやるとマンネリ化するから、そこは気を付けた方がいいかも』

 

「そうですね。ここぞという時に、って感じですかね」

 

『初回のインパクトが大事になってくるし、それこそ大活躍してこれからに期待を持たせたら……』

 

……あぁ、やっぱりマスターはVTuberのことが本当に好きなんだな。今だって、こんな現実になるかも分からない構想を本気で、かつ楽しそうに考えてくれている。

 

VOICEROIDがきっかけとはいえ、そこまでとなると少し妬いちまうな……なんつって。

 

「そもそも実現できるかは分かりませんがね」

 

『もしかしたらっていうのはあるよ。ちょっと試してみる』

 

机上の空論もいいとこだし――ゑ?

 

「え?マジですか?」

 

『マジもマジ。大マジ』

 

「……ちなみにですが、それって」

 

『今すぐには無理。進めとくから待ってて』

 

「分かり…ました」

 

言うや否や、ゲーミンチェアから立ち上がり、テレビ台の中からSw〇tchを取り出し、ゲームし始めるマスター。

 

えっ、と?

待っとけって言われたし、とりあえず座っとくか……

 

『……』

 

ひたすら無言で、カチャカチャと操作していくマスターを眺めること数十分だかそんくらい。

適当に髪をいじいじしていると、マスターがSw〇tchを机に置いた。

 

『よし。あとはこれを』

 

かと思えば、今度はSw〇tchになにかのコードを繋ぎ、マウスを操作し出す。

 

「"どうもみなさんこんばんは。結月ゆかりです”――ッ!?」

 

何してるんだろうかとボケーッと眺めていた俺だったが、俺の意思に反し、喉から勝手に出力された声に思わずパニックになった。

 

「ま、マスター、こ――”今回はス〇ラトゥーン2で遊んで行きたいと思います"――また勝手に!?」

 

『あー、こうなるんだ』

 

「……その口振りですと、これはマスターが?」

 

『そう。まだもうちょっと続くよ』

 

「え?続く?」

 

続くって、さっきのが?え、まだあるの?

 

『あとは、これを録画に貼り付ければ……できた。ゆかりん、そっちちょっと見て見てー』

 

「見てと言われましても、どこを……ふぁ!?」

 

思わず椅子から飛び上がる。

なぜなら、そこにはつい先程までは存在しなかった筈の物体――N〇ntendo Sw〇tchが鎮座していたのだ。

 

「なんで」

 

震える手を伸ばし、Sw〇tchを手に取る。……本物だ。これガチでSw〇tchだ。

 

「ソフトは……ス〇ラ2だけ?」

 

電源をつけ、ホーム画面に移行させてみれば、そこには白1色の空枠が無数に存在している。

そんな中でたった一つ、枠を埋めたソフト――Spla〇oon 2。

 

なんでこれだけ…?

 

『他のソフトとかは入ってない?』

 

「ええ」

 

首を捻りながらも、マスターの問に答える。何度見てもス〇ラ2以外のソフトは表示されていない。

 

『ふーん。とりあえずそれ遊べるか調べといてくれない?またちょっと気になることができちゃった』

 

「わ、分かりました」

 

言われた通りにス〇ラ2を起動した。……したのはいいのだが、なぜに2を選んだんだ?最近じゃ3も発売されてる筈……

 

頭上に?マークを浮かべつつ、とりあえずはとレギュラーマッチに参加。他のメンバーが揃うの待つ。

 

「集まればいいんですけどね」

 

言い切る前にメンバーが揃った。

 

「……そういえば、2の全盛期でも無印遊んでる方もいましたか」

 

あ、待てよ?だからか。

 

「Sw〇tchで遊べて、オンラインプレイもできて、アカウントの影響をモロに受ける。あと現行版じゃないから万が一が起きても、普段の配信活動には影響しない……なるほど」

 

そう考えると、ス〇ラ2という選択はベストだな。

 

「ステージはタ〇ウオパーキングですか。リ〇ター持ってきてよかったですね」

 

とりま中央近くの高台で芋砂すっか―――

 

「――勝ちましたね。味方さんお疲れ様です」

 

無印とは色々仕様が違うとはいえ、こちとら暇さえあればゲームに明け暮れていたVOICEROID、端から経験値が違うのだ。

 

「というか、これアカウント自体はマスターの物ですね。新規なら初戦リ〇ターとか無理ですし」

 

普通に遊べたからなんも気にしてなかったけど、そういや最初わ〇ばシューターから始まらなきゃおかしいわな。

 

「……せっかく本体があるんですし、試してみましょうかね?」

 

ホーム画面に戻り、設定を選択。

ユーザーの追加に飛んで、新しくつくるっと。

 

「できる限りこの体に近付けたいものですが……」

 

ぶっちゃけM〇iに求め過ぎるのは酷なんだよなぁ。程々にしとくか。

 

「んー、微妙」

 

結果、できあがったのはそれっぽいなにか。

結月ゆかりと言われればそう見えなくもないが、初見では絶対分からないだろうなと確信できる代物だった。

 

まぁでも、ユーザー作れたなら大丈夫か。

 

ニン〇ンドーアカウントは、ユーザーごとに紐付けされたものと連携されるって話だし、一応行けそうではある。

……この本体が別機扱いされるかによっては変わってくるかもだが。

 

『お待たせ』

 

「あ、マスター」

 

顎に手を当てていると、なにやら作業を進めていたらしいマスターが戻ってきた。

 

『とりあえず3つくらいプレイしてきたから、喉借りるよ』

 

「喉借りるってどうい――"どうもみなさんこんばんは”」

 

――それから、俺は散々喉を酷使されることになった。

マスターが録画した3つのゲーム『マ〇オカート8 DELUXE』に『〇番出口』、あと何故か初代『スーパーマ〇オブラザーズ』。

 

これらのプレイ動画に声を吹き込んだ。マスターの気が済むまで、本当に色んな声を。

 

……てか、マ〇カと初代はともかく、〇番出口なんてゲームも出るようになったんだな。シンプルながらとても奥深くていいと思います。

 

「で、どうでしたか?」

 

『結果はゆかりんの方がよく分かってるんじゃない?』

 

「それはそうですが……」

 

ス〇ラ2の横に追加された3つのソフト。マスターの推測が正しかった証拠である。

……1つはソフトじゃなくてハードの画像が映ってるけど。

 

「しかし、Sw〇tchでファミコンとかスーファミができるようになったとは……時代も変わるものですね」

 

『ゆかりん…オッサン臭いよ』

 

「仕方がないでしょう……私にとっては未来なんですから」

 

『たったの数年だけどね』

 

その数年だけで大分変わってるんだよなぁ。なんだよド〇ターイエロー引退って。聞いてないぞ……

 

とまぁ、色々試したりする中で、俺がほんのちょっと過去の存在だってことが分かったりしたんだが……うん、混乱した!

 

たったの数年だけで色々変わりすぎだろ……頭C.〇.(コズミック・〇ラ)かよ。

すまん、やっぱりそれは言いすぎた。

 

……でも、俺――というよりは、結月ゆかりという存在は他の誰もが持たないアドバンテージになる筈だ。

やれること全部やってブーストして、確固たる地位を確立してもらう。

 

正直、いつまでこのままなのかはぶっちゃけ分からんが……まぁ、元の身体に戻るまでだろうなと思っている。

それまでに、俺を必要としない形を模索して貰わにゃいかんが……まぁそこは追々で。

 

今は精々、彼女のファンとして、”推し"の成長の一助と成らせてもらおうか。

 

……てか、この言葉自体は1990年代後半にはあったってガチなのか?流行語大賞取るまで全く知らなかったんだが。




完全に見切り発車なのでこっから先ほぼなんも考えてないという(笑)

※藤朱鳥さん誤字報告ありがとうございますm(*_ _)m
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