ラーメンが正邪を作るお話 作:最弱の鬼人正邪ファン
朝が来た。光が差し込み、私の顔を照らす、事はなかった。
外は雨が降っていた。ザーザーと雨が降っている。稀に見るような大雨だった。
博麗神社の布団にも慣れてきた。慣れてきたというのに、雨のせいで台無しにされた気分だ。
「霊夢、あうん、おはよう……」
未だに眠たい目をこすりながら、私は挨拶をする。二人からも、おはようと、声が返ってきた。
あうんは雨の日は神社の中で過ごしているみたいだ。縁側で神社の狛犬のような姿勢をしていた。
しかし、霊夢の顔はあまり優れていないようだった。
「どうかしたの?」
「ん、いやあ、なんか妙な予感がしちゃって」
「妙な予感?」
「そう、だけど、そこまで気にする必要はないわ。よくあることだから」
「ふーん」
とりあえず気にしないことにする。私は寝間着から着替えて、歯磨きをし、朝ごはんの用意をする。
「すっかりうちの家事を担当するようになっちゃって」
「えへへ、いろいろ教えてもらったからね」
「それで、今日は輝針城にいくんだっけ?」
「うん、そのつもり。天邪鬼が寂しがってるかもしれないからね」
「あいつに限ってそれはないでしょう」
「わからないですよ、霊夢さん。どんな妖怪でも少しは寂しさを感じますから!」
あうんの言うとおり、正邪はああみえて寂しがり屋なのだ。天邪鬼という性質からして、他人がいないと駄目なタイプなのだ。多分ね!
「まあ、雨には気を付けて、風邪は引かないようにね」
「うん。雨粒を全部よけるよ!」
「無理はしないようにね?」
うん。と返事をして、私は朝ご飯を作り終える。
これからも、これまでも。私は無理をしない。
「はい、朝ごはんできたよ!」
「わあ! 美味しそうですね!」
「そうねえ、初めの頃と比べれば、随分と手際も技術も成長したわ」
「ありがとう、さあ、食べてみて!」
みんなで一緒に、いただきますと言って、朝食に手をつけ始める。
今日は簡単に卵焼きと、たくあんを用意した。どちらも最高にご飯が進む物だ。
「いやほんと美味しいわね……恐ろしい才能だわ」
「ふふん!」
「すごいドヤ顔ですね」
家事を本格的に始めて三日ほど、私の家事力は比べ物にならないほど大きな物となっていた。
それはもう、霊夢に届きうるほどに。
「ついに師匠を超える時が来たわ!」
「そう簡単に超えられてたまるもんですか」
私と霊夢は互いに睨み合う。火花がばちばちと、音を立てて燃え盛る。そんな錯覚を見た。
「「あうん!」」
「あっ、私ですか!?」
「公平な審判をお願い!」
「この際、閻魔でも呼ぼうかしら?」
いいアイデアだね。それ。
「号外! 号外でーす!」
私達が朝食を食べていると、天狗の焦った声が聞こえてきた。
号外というのは確か、定期的に発行される新聞とは別に、緊急の時に発行される新聞だったっけ?
「はいはい、置いといていいわよ!」
「いや、一応見てもらえませんか? ちょっと私では判断しきれませんので!」
「あー? 何よ判断できないって……」
怠そうに座布団から立ち上がった霊夢が、縁側の方に歩いていく。私とあうんも、気になるのでついて行く。
縁側へ出ると、急いできたのだろう。雨合羽を着つつも、随分と濡れた射命丸文の姿があった。
鞄から、乾いていて少し暖かさを感じる、新しく刷ったのであろう新聞を取り出した。
「見せてみなさい……はあ?」
「何が書いてあったの? 見せて!」
「私も気になります!」
余談だが、この中で一番身長が低いのは私である。小人という種族の特性なので仕方ない、もし私が人間だったらこの中の誰よりも高身長であっただろう。
霊夢が屈みながら、新聞を広げて見せてくる。書かれている内容に唖然とした。
「これって……」
「今朝の早朝、雨が降っていたので、自宅で執筆作業をしていたんですがね、ふと、空を眺めたら奇妙な物が浮かんでいまして。しかし、貴方がここにいるということは、打ち出の小槌を使ったわけじゃないんですね?」
新聞に書かれていたのは、大きな雲が、この幻想郷に出現したということだ。
実際に空を見れば、そこには雨を降らし、雷と魔力を纏う積乱雲が、そしてこの雲には見覚えがある。私が、打ち出の小槌を使ってこの幻想郷に異変*1を起こしたときのことだ。打ち出の小槌に願いを叶えてもらった時、この雲が現れて、そして、中に輝針城が現れた。
「なんで……だろう……?」
「心当たりは……ないでしょうね。打ち出の小槌を使ってる様子もなかったし」
「じゃあ、異変じゃないんですかね? てっきり、前回の輝針城異変と同じものかと思ったんですけど」
「うーん、特にお祓い棒が暴れ出してるわけじゃないし、大丈夫じゃないかしら」
じゃ、私は号外を配ってくるんで! そう言って、天狗は去っていった。
きっと異変ではないのだろう。それはわかっているが、異変ではなくとも、何かが起こっている。
「行かないと……」
「……輝針城に?」
「うん」
「そう、気をつけてね」
どうしてか、必ず行かないといけない気がする。それに、私の手にある打ち出の小槌が反応している気がする。
「止めないんですか?」
「大丈夫でしょ。それに、私は保護者じゃないんだから。針妙丸の好きにすればいいわ」
「ありがとう霊夢、あうん、行ってきます!」
私は手に打ち出の小槌と、輝針剣*2を持ち、お椀の中に入り、天高くまで昇っていく。目指すは巨大な積乱雲の内部。きっとそこに
お椀の蓋を被って雨除けとして使っているが、それでも全ての雨を防げるわけではない。
それに時々、雷がわたし目掛けて降ってくるのも煩わしい。
私の持っている輝針剣は、先端が尖っているからか。いい感じに避雷針となってしまっている。
「うう、急がないといけないのに……!」
ついつい弱音が出てしまう。だが、挫けてはいけない。私は必ず辿り着かなければいけないのだ。
「あっ」
という間の事だった。私の頭部に雷が直撃する。強い衝撃が走り、視界がぼやける。
そして、次の瞬間。気づけば私は地面へと落下している最中だった。
雷に打たれるってこんなにも恐ろしい物なんだ。
「うわっ!? っと……」
そして私は何かにぶつかっ……空中で止まった?
「……」
「地上では水や電気と一緒に小人も降ってくるわけ? 怖いわ〜」
私は誰かに受け止められたみたいだった。
霞んだ目で見ると、全体的に黄色かった。服は黄色いシャツに、黄色と白の縞々のズボン。黄色い髪に、茶色い帽子、黄色い傘。特筆すべきはウサギの耳をつけている事。そして目は鮮やかな赤色だった。
地上では、と言っていたので、月から来た玉兎である可能性が高いだろう。
私をお礼を言おうとしたけど、体が痺れてうまく喋れない。
「あ、あい、がお……う」
「おお、随分と痺れてるね? あの電気の塊にやられた感じか。確かここでは雷って呼ぶんだっけ?」
「そ、そのろおり、です」
「あれって確か三万アンペアとかなかった? よく生きてたね……」
「丈夫だから、ね」
「丈夫で済ましていいのか?」
全く酷い目にあった。頭の中が揺らされ、視界が点滅。オマケに体が痺れて感覚がなくなった。
この兎がキャッチしてくれなかったら、私はどうなっていたことか。
「助けてくれてありがとう! お礼は後で必ずするから、じゃあね!」
「いや、ちょっと待ってよ。絶対病院行った方がいいって」
「いい、そんな時間ないから!」
「ちょちょちょ、危ないって! また雷に打たれたらどうするの!?」
ちょっとしつこいよ! 私は何がなんでも輝針城に行かなければいけないんだ! こんなところで立ち止まってられないよ!
「避けるって!」
「既に一度当たってるけど……」
「うるさいなあ、放っておいてよ!」
「あっ、ちょっと! 待ってよ! そっちは危ないよ!?」
無視して上に飛んで行く。すると、後ろから引っ張られる。
兎が傘を広げて、私の上を覆っていた。
「ちょっと! 邪魔しない」
言葉にする前に、目の前が光り、後から音が聞こえた。大きな音だった。
「ああ、あ」
「雲が電気を帯びてたからねえ、こんな盾じゃすぐに破れてしまいそうだけど、キミが感電するのは避けれると思う。多分ね」
ま、実際は外れたわけだけど。お気楽そうに目の前の兎はいう。
「あ、あの、ご、ごめんなさい」
「気をつけてよね、いくら私たちが妖怪とはいえ、度が過ぎたダメージは致命的だから」
うう、雷はもう懲り懲りだ。まさかこんなにも体と心が恐れているとは思わなかった。端的に言えばトラウマだ。
「ほら、早く家におかえり……いや、心配だからウチに来なよ。雨が止むまで泊めてあげるよ」
「で、でも、どうしても上に行きたいんです」
「……止めても、無理やり行きそうだなあ」
はあ、と大きなため息を吐いてから、兎は頭を掻いて、仕方がないと言った。
「キミ、名前は?」
「少名針妙丸です……」
「そっか、キミが……針妙丸ね、覚えたよ。私は鈴瑚。しがない月兎だよ。一緒に行こうか、上に」
「はい、お願いします……」
「あー、もっと元気だしな! 生きてるんだから、そんな落ち込むことないって!」
「うん……わかった!」
こうして私は、鈴瑚と共に輝針城に向かう事になった。
雨に打たれながらも上に昇っていく。時折雷の音がして怖くなってしまうけど、鈴瑚が手を引っ張ってくれた。
そして私達は積乱雲の中に入る。突入する際、私は小槌の力を使って、一部分の雲をどかして、雲を流れる雷や水滴に当たらないようにして、内部へ入った。
「わあ……」
「おお……」
中は晴れていた。青く晴れた空に輝針城が浮かんでいて、濡れた服を乾かすような太陽光が私たちを照らしていた。やっぱり太陽は素晴らしい。雨なんて嫌いだー!
「こりゃあ、いい景色……かな。欲を言えばもっと雲が白かったらいいんだけど」
「とりあえず、早く行こうよ!」
「はいはーい」
私は鈴瑚に声をかけて輝針城に向かっていく。
一番下の階にある、ひっくり返ってるから一番上の階にある入り口に近づいて、気づいた、誰かいる。入り口の端に腰掛けて、足を揺らしている。
あれは、確か……
「……「清蘭?」」
鈴瑚と声が被った。二人とも知り合いなのかな?
「鈴瑚と針妙丸!? どうしてここに……」
「それはこっちのセリフよ!」
「そうだそうだ! どうして貴方が私の家に居るのよー!」
「あはは、いやあ、ちょっとねえ?」
「しかも、月の制服に着替えてるし……ああ、嫌な仕事のこと思い出しちゃった」
鈴瑚は苦い物を食べたような顔をしている。
「一応言っておくけど、私はアンタのことを探してたんだからね?」
「ええっ、私を?」
「そう、昨日から見かけてなくて、心配だったんだから!」
「それは、申し訳ない……」
「……なんでもいいけど、中に入っていい? ていうか、正邪見なかった?」
「ああ、正邪は今。鬼の世界だよ」
それは、とても聞き馴染みのある言葉だった。
「鬼の世界って、何もかもがひっくり返ってる世界だよね?」
「そうだよ。知ってるの?」
「知ってるもなにも……お母様から昔話で何度も聞かされたから。それに、この輝針城も鬼の世界からやってきたとかなんとか」
しかし、鬼の世界か。どうして正邪はそんなところに?
「……私も鬼の世界に行けないかな?」
「うーん? ちょっと私は判断できないな。誰も通すなとか言われてないし」
「じゃあ、いいんじゃない?」
「うーん、ちょっと中にいる人達に聞いてみよっか? ついてきてよ」
そう言って清蘭は輝針城の中に入っていった。いや、中にいる人たちって、他にも不法侵入してるの!? うーん、鍵を掛けてはいないけどさあ、人の家に勝手に入らないでよ。
とにかく、私達は清蘭の背中についていく。中に入って、廊下を歩いて、階段を降りていく。
三階ほど降りた後、大広間にたどり着く。というか、私が使ってる部屋じゃんここ。
広間の襖を清蘭が開ける。
「失礼します」
「こらー! 私の部屋にいる奴って誰……だ」
「私もおじゃまし……」
中に居たのは、なかなか見かけないような面子というか、結構重々しい奴らというか……人の上に立つ存在? 私みたいな……とにかく。そこには、幻想郷で有名な組織のトップを務めている存在が複数いた。
「な、なんでこんな奴らがわたしの部屋にいるのよ」
「邪魔してるぞ」あいつは確か山の神様
「……」黙ってこちらを見てるのは、確か月からやってきた医者
「桜が咲き始めたわね、ねえ?」桜の話をしているのは、確か亡霊の親玉
「錚々たる面子だね、一体ここでなにがあるっていうの?」
鈴瑚と同感である。何故私の部屋にこんな奴らが? そんなに過ごしやすいのだろうか?
「ここにいる針妙丸が、鬼の世界に入りたいそうなのですが、よろしいでしょうか?」
敬語で清蘭が話す。あまりにも重く、堅苦しい雰囲気に、私と鈴瑚は口を挟めない。
「天邪鬼と八雲紫が未だに戻ってきていない。私は反対だ」
「あら。私は賛成よ〜」
「……その小人の自由意志に任せるわ」
一瞬で結論が出た。これは、入っていいってことなのかな?
「えーっと、鬼の世界に入るにはどうすればいいのか?」
「そこにある襖が境界になってるから、開けて中に入ってから閉めれば、後はすぐに着くはずだよ」
広間の奥の部屋。そこに入り口はあった。見ただけでわかる、異質な雰囲気。
「ここに入ればいいんだね」
「針妙丸、やばそうだったらすぐに戻ってくるんだよ!」
鈴瑚が心配そうに言ってくる。
「……あの、私も鬼の世界に行ってもいいですか」
「え!?」
「ちょ、清蘭、なに言ってるの!?」
「ダメ、ですかね。人探しをするなら、数が多い方がいいと思うのですが」
少し時間が経ってから、月人から返答が返ってきた。
「ここで思案して欲しいのは、この扉の先は鬼の世界ということ。昔話で、欲深い小人達が国ごと閉じ込められた、そんな場所なの。小人の犯した罪に対応するように、この世界は罰の側面を持っている。それが、どんな罰なのかはわからないけど」
つまりね、そう一呼吸置いてから、月人は話す。
「貴方達は罰を耐えることができるのかしら?」
「耐えるよ、きっと耐えて見せる」
「罰を受ける覚悟はあります」
「そう」
それだけ言って、また黙り始めた。
「ねえ、人探しって、誰を探してるの?」
「ああ、なんか、紫さんの昔の友達らしいよ? 鬼の世界に閉じ込められてるんだって」
「無理しないように頑張ってよ。応援してるからさ」
「うん」
私は襖を開く。襖の先はなにも無かった。光も影も。
清蘭と一緒に中に入る。そして、この世界と鬼の世界を繋ぐ境界である襖を閉めた。
視界が完全に見えなくなる。
「鬼の世界にもう入ったのかな……清蘭?」
私は清蘭がいたであろう場所に手で触れようとした。手を止めるものはなにも無かった。
「ど、どこ行ったの?」
突然姿を消したので、不安になってしまう。だが、きっと大丈夫なはずだ。
気持ちを切り替えようとした瞬間、世界は明るくなり、色がつき始めた。そして、
「針妙丸? どうしたの?」
「おかあ……さま?」
幼い頃の記憶の存在だった母を再び見て、固めようとした気持ちは、脆く、崩れていったのだった。
針妙丸と一緒に鬼の世界へ突入した。したはずであるが、針妙丸はどこかへ消えてしまった。
「針妙丸? 聞こえたら返事をして?」
何かを掻き分けるように暗闇を進んでいく。しかし、自分は動けているのか、そもそも、道はあるのか? そんなふうに考えてしまい、疲れてしまう。
ため息をついて上を見上げた瞬間。景色が変化していることに気づいた。
そして、体に振動が伝わってくる。まるで、車に乗っているような。
「清蘭? どうしたの?」
「レイセン」
戦場に向かう月面を走る車に、私は乗っていて、左隣には友達のレイセン……いまは、鈴仙・優曇華院・イナバだったか。が、座っていた。
じゃあ、右隣には?
戦死した私の姉が座っていた。
「はは、はははは」
乾いた笑いしか出なかった。
正邪と一緒に鬼の世界へと入った。スキマを開いて、正邪の能力を使い、反転した鬼の世界へと繋がるように。
幻想郷の大結界のように、色々と条件を付け足すことでようやく繋げることができたが、これで、蓮子を助け出すことができる。
そのはずであるが、私の隣にいた正邪はいなくなった。
どうしてしまったものか、隙間の座標もあべこべになっているのか?
私がそう考えていると、不意に景色が変わる。
建ち並ぶ高層ビル。街灯に照らされて、明るい夜。夜だというのに見れない星空。背後には、よく使っていた駅が。
とても
「メリー? どうしたの?」
「蓮子……」
これは幻覚だ。鬼の世界が私に見せているまやかしだ。だというのに、貴方を見るととても胸が締め付けられる。
訳が分からない、鬼の世界に前来た時は、こんな現象は起きなかったはずだ。
「行こうよメリー、今日は謎の土砂崩れを調査しに!」
だめ、ダメだ。それには、触れては行けない。触れてはいけなかったんだ。
「ダメよ、蓮子」
「どうして? せっかく切符も用意したんだし、行きましょうよ」
蓮子は改札を通って行く、何年も経って、精神も図太くなったと思っていたが、結局私はなにも変わらない。
蓮子の姿を後ろから眺めていた。
メリーと一緒に鬼の世界へ入った。私は入りたく無かったが、無理矢理連れてこられた感じだ。
鬼の世界は全てがひっくり返っている。
朝と夜、時間、色、とにかく色々。ひっくり返し過ぎて、もはや普通の世界と変わらない。
太陽が現れ、草原が現れた。
そして、見知った顔の金髪の少女が隣に立っていた。先程まで私の隣にいた人物だ。
「なあ、お前もそう思うだろ? メリー」
「え? いや、急過ぎてなにも分からないんだけど」
「そうか、そうか」
「そんな事よりも、黒い帽子を被って、黒いマントみたいな物に、黒いスカートを履いている私の友達を知らない?」
「さあ? 知らないね」
「そう……」
鬼の世界では、全てが反対になっている。
過去に進み、日が登れば夜になり、落ちれば朝になる。
そして、生きようとすれば、死ぬ。
突然だが、妖怪を殺すには、精神を攻撃すればいい。
だから、鬼の世界は見せるのだ、妖怪を殺す為に。
私は、目の前の悩ましげなメリーを見ながら、死を覚悟した。