ラーメンが正邪を作るお話 作:最弱の鬼人正邪ファン
現在、私は山の上の神社に向かって歩みを進めていた。その神社の名前は、守矢神社*1。指名手配されていた時に、ここの神社で
今の私にはとにかく、らあ麺の情報が必要だ。手段など選べぬ。
山を進んでいくと、比較的新しくできた、特徴的な建物……いや、建造物が見えてくる。確か
なるほど。こちらの神社のほうが、博麗神社よりも人気があるのには頷けるな。
比較的安全に神社に行くことができるし、楽でもある。お金を取られるが、それに見合った価値があるのは間違いないだろう。私は使わないけど。
空を飛べるんだから、わざわざこんなくだらない乗り物を使う必要はないな。
そう考えてこの場を離れようとしたところ、一度だけ話したことがあるやつが声をかけてきた。
「あんた、こんなところでなにしてんの?」
「何も? 強いて言えば。索道を使ってるやつらを馬鹿にしてた」
「うわー、やっぱ天邪鬼って嫌いだわー」
「そりゃどうも」
一昨日、人里で出会った……確か、鈴瑚といった月の兎だったか。
団子を食べながら話しかけてきた。
「あれか、ロープウェイを使うお金がないの?」
「いや、あるけど」
「そっか、奢ってあげようか?」
「どうしてもというなら」
「いや、どうしてもとは言わないけど」
「そっか、そこまでいうなら仕方ない。奢られてやろう」
「ムカつくな」
そう言いながらも、鈴瑚は私に奢ってくれるらしかった。思ったよりお人好しな性格なのかもしれない。
鈴瑚は、店番をしている河童に向かって、乗るための券を二枚買っていた。
「ほい。これ、あんたの分ね」
「礼は言わんぞ」
私は鈴瑚の手からバシッと、券を奪い取った。
「うーん、あんたって意外と真摯な奴かも」
「はあ?」
「だって天邪鬼が、礼は言わんってことは、ありがとうってことでしょ?」
「どう解釈したらそうなる。私は常に嘘を吐いているわけじゃないぞ」
「天邪鬼って分かってる分、意外とやりやすいかも」
「意味がわからないな」
本当に意味がわからない。もしかしたら月の兎ってやつは、みんな頭の捻子が外れてしまっているのかもしれない。何故、私の事を好意的に見てくるんだ?
「さっさと乗るぞ」
「ほーい」
索道の搬器が降りてきて、それに乗る。
景色を見るためか、壁には穴が空いていて、搬器への入り口が河童の手によって開かれる。
中には腰掛けが二つと、単純な作りになっていた。私と鈴瑚は、それぞれ向かい合う形になって搬器の中に座る。
乗る前からゆっくりと動いていた搬器は、このままゆっくりと、山の上にある守矢神社に向かっていくのだろう。
「やっぱり遅いな」
「文句を言わない。それに、選択したのはあんただよ」
「遅い遅い。遅すぎるなあ。退屈だ」
わざとらしく欠伸をする。ふと、搬器の外を見てみると、幻想郷を一望することができた。
「なかなかいい景色じゃない! たまには乗るのも悪くないわね〜」
「別に、私が前に住んでたところの方が高い場所にあったからなあ」
「チッ、最悪な相手と乗ってしまった」
「同感だ」
口ではそう言っているが、心の中では搬器の揺れを楽しんでいる事は、言わないでおこう。
目を瞑って、揺れに集中していると、鈴瑚が話しかけてきた。
「そういえばさあ、なんであんたは清蘭の店で働いてたわけ?」
「前に言ったろ? 姫と喧嘩して、再雇用されたって。そんなことも忘れたのか?」
「それは知ってる、あんたが団子屋で働く理由がわからないのよね」
「なんか、あの兎に付き纏われたんだよな」
「ふうん?」
確か、清蘭は自分の仕事をサボってまで、店の屋根にいた私に話しかけてきた。店の邪魔だから追い出すならまだしも、何故か店を手伝えと要求するなんて、控えめに言って狂っていると思う。
「清蘭はさあ、昔はあんな感じじゃなかったんだよね」
「急だな、他人の過去なんて興味ないんだけど?」
「まあ、聞いてよ。暇つぶしにでも」
「神社に着いたら起こしてくれ」
そう言って私は寝たふりをする。
「月にいた頃……初めて清蘭と出会った頃は、本当に別人みたいでね。今みたいに仕事をサボるような感じじゃないし、近寄りがたい存在だった」
寝ている私に配慮など一切せず、私に向かって先程と同じ声量で話しかけてくる。
「話してみたら案外優しい感じでさ。一応同僚だったわけだし? すぐに仲良くなって、一緒に遊びに行ったりしてさあ……」
鈴瑚は懐かしむような顔をして語り続けている。
「幻想郷に来てからは、さらに優しくなったね。ただ、それとは別に……」
そう言ってから、険しい顔に変わっていった。
「別になんだ?」
「……清蘭には言わないんで欲しいんだけど、なんか隠してるんだよね」
「なんかってなんだよ」
「……ストレスとか?」
思っていたよりもありふれた答えだった。
「ストレスなんて、生きてる奴ら誰もが持ちうる物だろ。今も私はストレスに晒されているし」
「私も! でも、清蘭のそれは大きさが違うと言うか……」
「どうでもいい、大体、それを私に話してなんだって言うんだ」
「私の代わりに、清蘭の悩みの種を解決してやってくれない?」
阿呆かこいつは。天邪鬼が人のためになる事をすると思っているのか。
「断る。私がやる必要ないね」
「頼むよ〜、このロープウェイの代金奢ったじゃん」
「そんな価値ないからな? 普通に私でも乗れるぐらいの値段だからな?」
「うーん、もし、あんたが受けてくれないなら」
眼球の前に団子の串を突きつけられる。
なるほど? 誘いに乗って索道を使った時点で、私は罠に嵌っていたのか。こんな狭い搬器の中、アイテムがない今の私じゃ、何もできないな。
「あんたの一番大切なものを奪っちゃうかもね〜」
「自己中だな、気に入った。もっとあの兎を弱らせてやろう」
「それしたらマジで生きては帰さないからね」
「冗談だ、いや、本当に! 目の下を串で突くのやめろ!」
何故かは知らないが、兎どもは妙に心が据わっているというか、明らかに戦闘慣れしている。幻想郷に来る前に見た、軍人みたいな気迫を感じる。
「……けど、どうして私なんだ?」
「他の奴らは信用できないし、手綱を握りにくいから。あんたはほどほどに弱くて、使える。清蘭からも気に入られているというか、同情されてるし」
「なるほどな、他にも何か考えてそうだが、今は乗ってやるよ」
あの兎の弱みを握れたら、それはそれで面白そうだ。
「くれぐれもこのことは内密に、ね」
そう言って、鈴瑚は団子の串を外に投げ捨てた……かと思えたが、それは、外で飛んでいた天狗のカメラに突き刺さっていた。
「ああ、愛用のカメラが!?」
あれ、聞いたことのある声がしたな。
「うっわ、なんだ? 盗撮していたのか。全然気づかなかった」
「人のこと撮るなら、ちゃんと許可取らなきゃダメだよ」
「うーん、それはそうなんですけどねえ。でも、すこーし気になる話がきこえたもので、つい」
やっぱり、文とかいう烏天狗だった。カメラをハンカチで拭きながら、搬器と並走して話しかけてきた。
「気になる、ねえ」
いつのまにか鈴瑚は席から降りて、搬器の中に立っていた。
「私たちの仲じゃないですか。どんな悪巧みをしていたか、教えてくれませんか?」
「悪巧みじゃないんだけど?」
「天狗は天邪鬼みたいなもんだから、気にするな」
「信じられないほどの侮辱ですね」
文が笑顔を浮かべながらそう言っていると、鈴瑚が搬器の外に飛び出して、天井に乗っかった。
「おいおい、まさかここでやり合うつもりじゃないだろうな?」
「そのまさか、私さ、地上に来て良かったー! って思えるものが三つあってね。一つは食べ物。美味しいものがたくさんある! 二つ目は環境。平和で過ごしやすくて、いい場所だねここは! 上司もいないし。そして三つ目は……」
どこから取り出したのやら、鈴瑚の手には、桃色の団子が……いや、あれは弾丸だ。
弾丸が構えられていた。
「誰かを殺さずに争いができる事」
そう言うと同時に、手から弾が発射される。文に向かって放たれたそれは、胴体を貫く……事はなかった。瞬きをした瞬間、文は消えていた。
流石に、搬器の中じゃ見づらいので、私も外に出て、適当に一つ前の無人の搬器の屋根に立つ。
そしてやっと状況を理解した。
射命丸文は、一瞬で鈴瑚の背後をとっていたのだ。仮にも、幻想郷で圧倒的な速度を誇る天狗の一人だ。とんでもないスピードを誇っている。
「言っておきますが、先に手を出したのはそちらですからね?」
「うん、そのつもりだけど?」
「そうですか、認識は相違ないようで良かったです。じゃあ」
一呼吸おいて、文は笑みを消した。
「完全なる敗北を味わいなさい」
激しい戦闘が始まった。私はそんな戦闘の様子を、座りながら見ていた。
二人は索道に弾を当てないように器用に戦っている。
この弾幕を見ながら暇を潰すのみ悪くはない。
「やっと索道の面白さがわかってきた」
戦闘は、明らかに文が優勢だ。まあ、無理もないだろう。地上の妖怪の方が、月の奴らよりもスペルカードルール*3に慣れているのだから。
風を操り、鈴瑚を追い詰めていっている。このままだと、順当に文が勝つだろうが、それじゃあ面白くない。
「どうしたものか……そうだ」
スッと立ち上がり、私はなんでもひっくり返す程度の能力を発動させる。
対象は、ここら一帯の風。ひっくり返った風を隠れ蓑にして、私は背後から文を狙う。流れが反転した風の中で、落ちていくがいい。
が、回避された。初見で落とすつもりだったが、今の一瞬で逆転に対応したのか。
「……いきなりね。別に私は二体一でもいいけど」
「おー、さすがは天狗様だ、慈悲深いお心を持ってらっしゃる!」
文の煽りに大袈裟に反応する。ついでに光の矢を放つ。しかし、軽く流される。わかっていた事だけど、長く生きている奴らは冷静な奴が多いな。
元々乗っていた搬器に着地して、息を整えている鈴瑚に話しかける。
「おい、さっきあんなに大口叩いてたのに、簡単に負けそうだけど大丈夫か?」
「しょうがないしゃん、装備も体調も整ってないし、私前線じゃなくて後方で支援するタイプだったし」
団子を食べながら答えてきた。こいつ余裕そうだな。助けなければ良かったかもしれない。
……いや、何か違うな、さっきと雰囲気が違う。
「本日十五本目の団子を頂いた私は、強いよ」
そう言った鈴瑚は、助走をつけて……消えた? いや、飛んだのか。
驚いたことに、乗っていた搬器の天井に足形ができていた。アイツ裸足だったなそういえば。
「まあまあな速さね」
「ちょっと驚いてたくせに」
空中で拳を放つ鈴瑚と、それを受け止める文の姿がそこにあった。
鈴瑚は自由な方の手を使い、弾丸を放つ。至近距離で放たれた弾丸は文の顔を掠ったようだ。
「余裕もなくなってるんじゃない?」
「いや、むしろ余裕がありすぎたわ。少しだけ真剣に相手してあげる」
そう言って、文はカメラを取り出した。
あれは、私を苦しめた呪物じゃないか。
「記念写真を撮る、ってわけではないか」
「鈴瑚、そのカメラに撮られると御陀仏だぞ」
「マジ?」
マジである。カメラに映り込んだ被写体は動きが止まり、その隙にやられる。
「試してみる?」
「いや、遠慮しておくわ。というか、追加の団子食べていい?」
「だめ」
そう言った瞬間、文はカメラのシャッターを押し、閃光が走る。
鈴瑚は逃れることができなかったようだ。
そして、動けない体を、文に振り回され、叩き落とされた。
先程の跳躍で無視できない衝撃を受け、脆くなっていた天井は、二度目の鈴瑚による衝撃で、ついに穴を空けてしまった。落とされた鈴瑚は、搬器の中で横に伸び、目を回していた。
「残り一匹」
「お互いにな」
文が一瞬で目の前にきて、閃光がまわりに広がる。私はそれを予測していたので、回避した。
一見、コイツのカメラを使った攻撃は、予測不可能に思えるが、実際は違う。攻撃に使う際は、撮る範囲の外と内を分ける境界ができる。
それを認識すれば、カメラの回避は容易い。カメラだけならば。
「シャッターを気にしすぎ」
カメラに合わせて、つむじ風を起こして私の体を切り裂こうとしてくる。
あわてて回避しようとするが、間に合わず右足に被弾してしまう。
「チッ」
「あらら、意外とあっさり終わりそうね」
「どうだろうな」
私は、索道を支えている二本の縄の右の一本に立った。
文は左の縄に立つ。
「私としては、貴方たちが話していた内容を知りたいんですがねえ」
「記事にするほど大したことじゃない」
「……悪いけど、確かめてみないと気が済まない主義なのよね。天邪鬼の言葉は信用できないし」
「私も、天狗には何も教えたくないな」
文がカメラを構えてくる。私は、足を思いっきり振り上げ、右足の下駄を文のカメラに向かって飛ばした。あっさりと下駄は回避されるが、下駄ではないものには反応していなかったようだ。
「うわ! カメラのレンズに血がついちゃったじゃない」
「よかったな、似合ってるぞ」
「はあ、今日は厄日ね、カメラに串が刺さるわ、血がつくわ……。このツケは高くつくわよ」
文は、いつの間にか左手に
文は、一振り、団扇を振った。たったそれだけで、ものすごい風が吹き、だんだんと鋭いものに変わっていくのが感じ取れる。そしてそれは、私に向かって集中してきている。
もちろん耐えきれるはずがないので、私は搬器を風よけにするように移動する。
搬器が風に揺らされ、まるで振り子のようになっている。私はそれに必死に捕まっていた。
「ちょ、ちょ、これどういう状況!?」
中で眠っていた鈴瑚が目を覚ましたようだ。
「見ての通り、風で揺らされてる」
「はあ、天狗こわ、二度と喧嘩売らないでおこう」
そう言いながら団子を頬張っている。そういえば、コイツは団子を食べた後明らかに強くなっていたな、特別な団子だったりするのか、能力が関係しているのか。
「……私が合図したら上の縄を一本切ってくれないか?」
「ごくん。オッケー。あいつに勝てる考えがあるんでしょうね?」
「もちろん」
嘘だ。むしろ私のほうが勝ち方を知りたい。
どうやら、文はカメラを必死に掃除しつつ、定期的に大きな風を吹かせているようで、こちらの事はあまり気にしてはいないように見える。
縄を切るタイミングは、搬器が文のほうへ傾き、もう一度大きな風が吹いて揺らされる瞬間……
「今だ!」
「ほい」
搬器の上のほうにしがみついていた鈴瑚は、そのまま、縄を切断した。
日本支えのうち、一本の支えを失った搬器は、風に吹かれて、さらに揺れるようになり、ついには、今まで振り子の動きをしていたものが、一本の縄を中心に一回転するようになっていた。
「何がしたいのやら」
文が冷ややかな視線を浮かべる。鈴瑚が必死に搬器にしがみ付きながら問いかけてくる。
「どうにか出来るんでしょうね!?」
「さあ? 少なくとも勝算がないって事はわかるけど」
「は!?」
「……ただ、負ける気もないけどな〜」
おそらく今の私は、満面の笑みを浮かべているに違いない。
鈴瑚の持っていた団子の串を奪い取り、搬器の床が空を向いた時に合わせて、立ち上がる。
そして回転に合わせて、文に飛びかかる。
「体当たりなんて、芸のない」
「どうだか、はい。チーズ」
「なっ」
文が使っていたカメラを使って、撮影した。ただ単純に、私の右手にあるものと、文の右手にあったものをひっくり返した。ただそれだけのこと。
意表を突かれた文は、自分が先程まで使っていたカメラによって、体が硬直する。なんて皮肉な出来事なんだ。
「天狗を、あまり、舐めないでほしいわね……」
しかしそこは、幻想郷で名を馳せている天狗。たった一度のミスでも復帰してくるようだ。
私は急いで文を搬器の中へ運んでいく。鈴瑚は搬器の中で座って待っていた。なんか援護してくれよ。
「おお、よっしゃ。二人がかりでゴンドラの中でボコボコにするわけだ!」
「ダメだ、手は出すな」
「え、なんで?」
「……何を考えているの?」
鈴瑚と文が疑問をぶつけてくる。ここまできてそれはないだろう。
私が攻撃する意思を見せずに、椅子に腰掛けたからか、二人とも落ち着いて、私と同じように腰を掛けた。
「ここで一つ言っておきたいけど。私達は、山の上の神社へと向かっていたわけだ。そして、この索道はその神社主導のもと経営されている。つまり索道が動いている時は、誰かしら管理者がいるってわけだ」
「あー、いや、まさかね、そんな」
「ちょっと待ってください、頭が痛くなってきました。取材は中断で! お疲れ様でした!」
飛び立とうとする文を鈴瑚が掴む。団子を食べながら、笑っていた。
「この索道は人間の利用者が一番多い。何故なら人間どもは空を飛べないから。そして、神様にとって一番大切なのは信仰。人間が一番神に縋るからなあ……人間の信仰が一番でかいわけだ。だから守矢はこの、くだらないように見えて、実際くだらん乗り物を作った」
「離してください! 離して! 守矢神社に手を出したことがバレればどうなるか、ていうか私索道には手を出してませんよ!? 縄を切ったのは貴方達じゃないですか!」
「死なば諸共! 地獄に行くのは一緒ってね!」
「最悪だ! こんな奴らに話しかけるんじゃなかったわ!」
「……これはどう言う状況ですか? どなたか説明してくれませんか?」
「「あ」」
まあまあな時間で山の上にある神社に到着したようだった。これだったらやっぱり自分で飛んで行ったほうが、楽だし早いな。神社の風祝に出迎えられながら、そう思う。
「ああ、本当に退屈な乗り物だっ「黙れ天邪鬼! あの、違うんですよ早苗さん。私は彼女達に無理矢理連れ去られて今回のことには一切関与して「嘘だ! メチャクチャ楽しそうに弾幕勝負をやっていた癖に!」
くだらない争いが始まっていて、ニヤついてしまう。
「ふーん、じゃあ確認してみましょうか? 道中についている隠し防犯カメラで」
「「げっ」」
あーあ、終わったなコイツら。守矢で出す屋台が〜やら、大天狗様にネチネチ言われる〜やら、悲壮感を漂わせていた。
そして、今度はこちらに目を向けてくる。
「貴方は? 何か言い訳があるなら聞きますが」
「別に、言い訳することしてないし、聞いてほしいことも……いや、あるな」
「なんでしょう」
そういえばコイツも外の世界から来たんだっけ? じゃあ、聞いてみる価値はあるかもしれないな。
「らあ麺って知ってるか?」
帰ってきた答えは、顔面への右ストレートだった。