武闘派小国の青年と完璧聖女の逆転劇 作:究極の闇に焼かれた男
「──先程は取り乱してしまい申し訳ございませぬ、フィリア様。 まさか歴代最高の聖女と謳われるフィリア様が我が国の聖女となって下さるとは、人生とは長く生きてみるものですな!」
アーノルド神父がフィリアの名前を聞いてから数分後、何とか落ち着きを取り戻すとフィリアに対し取り乱してしまったことを謝罪する。
「い、いえ…私もお忙しいであろうにも関わらず、急な訪問をしてしまい申し訳ございません」
「何を仰いますか! 教会に属する身として聖女様が直々にお越しになられるなど、この上ない喜びしか感じませぬ。 それに我が国は知っての通り長きに渡り聖女様が現れない現状を憂いる者が多く居り、そんな我が国にフィリア様が聖女として来てくださったのは大変ありがたい事なのです」
「は、はぁ…?」
アーノルド神父の発言にフィリアは動揺を隠せずに居ると、そんなフィリアにエドワードが耳打ちする。
「アーノルド神父の言う通り、フーガ王国は聖女が一向に現れない事に不安を覚える民が少なくなかったんだ。 幾ら武力に長けているからと言っても水から好んで魔物と戦いたいと思う者は居ない。 そんなフーガ王国にとってフィリアが聖女になってくれたのは正直に言って助かるんだ」
「そうだったのね」
エドワードの説明にフィリアが納得していると、気を取り直した様子のアーノルド神父が口を開いた。
「そうだ! どうせなら少しお茶でもして行かれて下さい」
「よろしいのですか?」
「ええ! せっかくですし、フィリア様に我が国の歴史と成り立ちを説明させて頂ければ幸いです」
「で、ですが、アーノルド神父もお忙しいはず。 ご迷惑では無いでしょうか?」
「滅相も御座いませぬ。 それに聖女であらせられるフィリア様に我が国の教会について知って頂けたいのです」
アーノルド神父の提案にフィリアは躊躇いを見せていると、それを見てエドワードが口を開いた。
「フィリア、どうせならお邪魔になろう」
「でも…「むしろ、ここで変に遠慮をしたらアーノルド神父の好意を無下にする事になる。 それとフーガ王国の歴史を知って置けば、もしかしたら今後の務めに役立つ情報が得られるかもしれないだろ?」…エドがそう言うのなら、ご好意に甘えさせてもらいます」
「畏まりました。 それでは私の後に着いてきてくだされ」
そう言うとアーノルド神父が歩き出すと、その後を追うようにして2人も歩き出す。
それから暫くの間、エドワードとフィリアはアーノルド神父からフーガ王国の歴史と成り立ちを聞くのだった。
──────────
一方その頃…
ジルトニア王国の町中にある騎士団の駐屯所──フーガ王国の国王であるアイゼンの名を受けて、ジルトニアの内部情勢を探る少年──【レン】は、駐屯所に併設された書物庫で本を読んでいた。
「…やはり騎士団の精鋭にあたる者の殆どが、あのボンクラ王子の下らない黄金像の製作に宛てがわれているな。 道理で周辺地域の魔物を抑え込めることが出来ていないのか。 幼い頃から周りから神童だのと持て囃されて育ったと聞いていた割に黄金像などと言う無価値な物を作ろうとは、成り上がり連中の奴等に良いように利用されているだけの馬鹿で間違いなさそうだ。 ふぅー……ここで調べられる事は、もう無さそうだな。 そろそろ王城の書庫にでも潜入して内部情勢を探るべきか……」
独り呟くとレンは手にしていた本を棚に戻し、そのまま何事も無かったかの様に装いながら書物庫を出るのだった。
「──ようやく見つけた。 "姉さん"の事に関わる手掛かりに繋がるかもしれない人が…」
そんなレンの姿を物陰に隠れながら見つめる少女の影に気付かずに……。
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オマケ情報
ジルトニア王国潜入調査員ことレンは、名前が示す通り出身はムラサメ王国。 ある事が原因で故郷であるムラサメ王国から離れざるを得なくなり、紆余曲折を経た末にフーガ王国の国王であるアイゼンに拾われ、以降はアイゼンの忠実な部下として各国に潜入し諜報活動を行っている。 エドワードには尊敬の念を抱いており、アイゼンの次に忠誠を誓っている。 性格は真面目で他人に対して敬語を使う様に心掛けているのだが、その本性は──と言っても差し支えないらしく、それを表に出さないよう本人の強い自制心で押さえ付けている。
質問ですが、オリキャラと原作キャラの恋愛要素を導入しますか?
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はい
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いいえ