武闘派小国の青年と完璧聖女の逆転劇 作:究極の闇に焼かれた男
「──やはりと言うべきか、魔物の群れが居るな」
フィリア達一行は光の柱を立てるのに適した場所へ辿り着くと、そこには既に無数の魔物が徘徊していた。
「これでは光の柱を立てるにも妨害される可能性が御座いますね。 如何致しますか?」
「フィリア、君は光の柱を立てるのに専念してくれ。 魔物は俺とアイルが引き受けた」
「いえ、ここは私も一緒に…」
「その申し出は確かに心強いけど、フィリアにはフィリアにしか出来ない事を優先的にして欲しい。 それに、この程度の魔物なら3分も掛からない────アイル、やれるな?」
「無論で御座います」
「そう言う事だから、ここは俺達に任せてくれ」
「分かった、お願いするわね」
フィリアがそう返すとエドワードは腰に差していた二振りの剣を抜刀、アイルも拳を構え2人は魔物の群れへと駆け出して行く。 その後ろ姿を静かに見詰めるフィリアは、光の柱を立てるべく行動を開始するのだった。
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「ゴブリンにリザードマン、それに加えて群れのリーダーと思しきクマの魔物が1匹と。 やはり陛下の予想通り魔物の数だけじゃなく種類も多種多様になっているな」
エドワードは眼前で群れをなす魔物達に目を向けて呟くと、腰に差していた鞘から抜刀した二振りの剣を構える。
「フィリアの要望では今日中に幾つか柱を立てる予定なんでな、速攻で終わらせるとしよう」
その言葉と共に地面を蹴って駆け出したエドワードは近くにいた複数のゴブリンの急所を通り過ぎ様に斬り裂き、次いでリザードマンの群れを斬り捨てて行く。 エドワードは魔物の返り血が付くよりも早く剣を振り抜き2匹ずつ仕留めると、背後から1匹の狼の魔物が襲い掛かる。
「悪いけど、殺気を放ちながらの奇襲は悪手だ!」
背後から牙を突き立てようとする狼の魔物に対しエドワードは振り返らずに左手の剣を突き付けると、剣は口内へと入り込み刺し貫くと真っ赤な血がエドワードの左腕に掛かる。
「あっ! マズイな、返り血で服を汚してしまうなんて、俺もまだまだだな」
左腕の裾に返り血が付いたのを見て思わず呟きつつも、エドワードは次々と襲い来る魔物の群れを相手取るのだった。
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一方その頃、アイルも魔物の群れと対峙していた。
「ざっと数えて20匹ですか。 準備運動には丁度良さそうですね────手早く済ませると致しましょう」
指をパキパキと鳴らしながら独り言つアイルは、腰を深く落としながら拳を静かに構える。
そんなアイル目掛けて魔物の群れは一斉に動き出した。
正面からリザードマンが、左右からゴブリンが突撃してくる中、アイルは不敵な笑みを浮かべた次の瞬間、忽然とその姿を消していた。
アイルが忽然と姿を消した事に魔物の群れは足を止めて周囲を見回し始めていると、ふと背後からゴウッと豪快な風切り音と共に1体のリザードマンが血飛沫をあげ宙を舞った。
突然の事に他の魔物が唖然としていると、リザードンを宙に舞わせたであろう人物──アイルが血の付いた拳を振り抜いた姿勢で他の魔物達を睥睨し、そして地面を蹴って駆け出すと風の音だけを残し魔物を次々と殴り飛ばして行く。
本来なら魔物の体は硬い為、素手で殺すのは至難の業だが、アイルは自身の身体中に流れる魔力を魔物に当てる瞬間に拳へと収束、それにより岩石すらも容易に砕くのを可能とする必殺拳へと昇華させる事で魔物を素手で倒す事を可能としているのだ。
「これでも全力では御座いませんので、出来ることなら自分の全力を引き出せるよう頑張ってくださいね」
そう平然とした様子で言うアイルの瞳は獰猛で、その眼差しに魔物の群れは思わず後退るのだった。
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それは戦いと言うには余りにも一方的な蹂躙劇だった。
「凄い…」
眼前で繰り広げられる光景にフィリアは思わず言葉を零す。
視線の先では、たった2人の人物──エドワードとアイルが魔物の群れを殲滅する光景が広がっていた。
「私も、頑張らないと」
魔物の群れを相手取るエドワードとアイルを見て、フィリアはそう言い光の柱を立てるべく作業に取り掛かるのだった。
次回からの更新は本格的に遅くなり始めるので、ご了承の程お願い申し上げます。
質問ですが、オリキャラと原作キャラの恋愛要素を導入しますか?
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はい
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いいえ