武闘派小国の青年と完璧聖女の逆転劇   作:究極の闇に焼かれた男

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お待たせしました。 前回の続きとなります。


第14話:真夜中の戦い/その暗殺者、寡黙なり Part2

 

 

 

エドワードが謎の男と交戦しているのと同時刻、フィリアとアイルは帰路を歩いていた。

 

 

「……」

 

 

ふとフィリアの歩みが止まる。

 

 

「フィリア様、どうかされましたか?」

 

「アイルさん。 私、エドを追い掛けに行きます」

 

「っ、急にどうされたのですか!?」

 

「何故かは分かりませんが、このままだと何か手遅れになりそうな気がするんです。 ですのでアイルさん、先に屋敷の方へ帰っててください」

 

「ちょっ、フィリア様!?」

 

 

アイルに告げると同時にフィリアは駆け出していた。

 

 

「はぁ〜〜、エドワード将軍といいフィリア様といい、些か行動力があり過ぎませんかね。 全く…世話の掛かる人達だ」

 

 

思わぬ事態にアイルは困惑するが、やがて溜息を零しつつもフィリアの後を追い掛けるのだった。

 

 

 

──────────

 

 

 

真夜中の広場に拳と拳がぶつかり合う打撃音が響き渡る。

 

黒い衣服の男の左ストレートがエドワードの顔を捉える。

対するエドワードは男の放った左ストレートを自身の右手で払うと空かさず左膝蹴りを当てて距離を離す。

 

2人が拳を交えてから既に15分経過しており、未だに決着がつく気配はなかった。

 

 

(ここまで戦闘が長引いたのはいつ振りだろうか。 まだ戦う余裕はあるが、流石にこれ以上長引かせるのはマズイな…)

 

 

男と距離を離したエドワードは内心そう考えていると、ふと男の気配が変わり始めた。

 

 

(気配が変わった?)

 

 

男から発せられていた気配が変わった事に疑問を感じた次の瞬間、男の姿が忽然と消えた。

 

 

「っ!?」

 

 

男の姿が忽然と消えた直後、左方向から打撃音と共に強い衝撃波がエドワードを襲う。

 

咄嗟に左腕でガードを行ったエドワードだが、襲ってきた衝撃波の勢いを殺しきれず左腕に痛みが走る。

 

 

(こいつ、アイルと同じ戦闘スタイルか!)

 

 

エドワードが視線を向ける先には黒い衣服の男が拳を振り抜いた姿勢でたっており、その拳から感じられた微かな魔力を感じ取りエドワードは舌打ちしそうになるのを堪えた。

 

 

(仮にこの男がアイルと同じ戦闘スタイルだとしたら、戦いを長引かせるのはマズイな…)

 

 

アイルの戦闘スタイルは拳や足に魔力を込めて打撃を与えるものだが、それ以外に戦闘時間が長ければ長いほど拳と足への魔力収束率が高まり、場合によっては一撃で巨岩を跡形もなく破壊する程の威力へと達するのだ。

 

故に戦いを長引かせるのはマズいと判断したエドワードは、次の一手で決着をつける為に構える。

 

 

「これ以上は街に被害が出るんで、悪いが次で決めさせてもらうぞ」

 

 

右手を振り絞るようにして構えるエドワードが告げると、男は自身の魔力を左手に収束し始める。

 

一瞬の静寂が訪れ、そして男が地面を蹴って駆け出す。

 

 

(更に速くなってる!? だけど、負けるつもりは無い!)

 

 

目にも止まらぬ速さで接近して来た男が左アッパーを放ち、それを迎え打つようにエドワードが右フックを放つ。

両者の拳が互いに炸裂するかに思われた瞬間、遥か彼方の上空から血を彷彿とさせる赤黒い刃がエドワードを襲う。

 

 

「「っ!?」」

 

 

予期せぬ上空からの攻撃に対し2人は互いに後ろに飛び退いて躱そうとするも、空から飛来した赤黒い刃は不規則な動きをしながらエドワードを追尾する。

 

 

「っ、追尾式か」

 

「……チッ」

 

 

追尾する赤黒い刃を躱そうとするもエドワードが避けた先に赤黒い刃の切っ先が直ぐに向いて追尾を続ける。

 

追尾し続ける赤黒い刃にエドワードが四苦八苦している中、それを目にした男は小さく舌打ちすると何を思ったのか拳を下ろし闇夜に紛れるようにして立ち去り始める。

 

 

「なっ、待て!」

 

 

立ち去って行く男の姿にエドワードは制止の声を上げたが、その際に生じた一瞬の隙を突くようにして赤黒い刃がエドワードを刺し貫こうとする。

 

 

「くっ…「ホーリーシールド!」っ、これは!?」

 

 

赤黒い刃がエドワードを刺し貫こうとした瞬間、エドワードとを守るようにして光の盾が現れ赤黒い刃を防いだ。

 

 

「「エド!/ エドワード将軍!」」

 

「その声、フィリアにアイルか!?」

 

 

光の盾と衝突した赤黒い刃はそのまま砕け散ると、背後から自身の名を呼ぶ声にエドワードが振り返るとフィリアとアイルの姿があった。

 

 

「2人とも、どうしてここに?」

 

「フィリア様が、エドワード将軍の身に危機が迫っていると仰られたので急いで駆けつけました」

 

「エド、怪我は無い!?」

 

「お陰様で何とか無事だよ。 ありがとう、フィリア」

 

「間に合って良かった」

 

「それよりエドワード将軍、何があったのですか?」

 

「詳しい話は屋敷に戻ってから話すよ。 とりあえず、陛下にも報告しないといけないことが出来たしな」

 

 

そう言うとエドワード達は屋敷に戻るべく、その場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

一方その頃、フーガ王国の外にある森の中に灰色のコートを羽織った1人の男が居た。

 

 

「今回は私に感謝しろよ。 あのまま続けていたら間違いなく共倒れになっていた可能性があったんだ」

 

 

男の言葉に木々の影から黒い衣服の男が瞳に怒りを滲ませながら姿を現した。

 

 

「……」

 

「そんな怖い顔しないでくれ、彼処で君に死なれでもしたら雇用主から文句を言われかねない。 安心しろ。 そう遠くない内に再戦する機会は用意してやる。 だから少しの間だけ辛抱してくれたまえ」

 

 

灰色のコートを羽織った男の言葉に黒い衣服の男はムッとした表情をしつつ、それを承諾すると静かに立ち去って行く。

 

 

「にしても面白いものが見れた。 手加減していたとは言え、人間が我々と互角に殺り合うとは…………エドワード・フーディス。 流石はアスモデウスを相手に剣のみで喰らいついた男の血を受け継ぐだけの事はあるな」

 

 

そう独り呟く男の影が、一瞬だけ人ならざる異形の存在の形を象るのだった。

 




次回もお楽しみに! 誤字脱字等が御座いましたら報告をお願いします。 それとコメントもお待ちしております。

追記.アンケートの結果、ミアルートも執筆する事にしました。 ただ本編の方が終わってから開始する予定なので何時頃になるか分かりませんので、ご了承の程お願いします。

質問ですが、オリキャラと原作キャラの恋愛要素を導入しますか?

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