武闘派小国の青年と完璧聖女の逆転劇 作:究極の闇に焼かれた男
「──と言う事で、陛下の命で今日からエドの屋敷で暮らす事になったわ」
「執務室から出て来たと思ったら、早々に何て恐ろしい事を抜かすんだ君は」
エドワードが執務室の外で待ち続けること数分。 アイゼンとの話し合いを終えたフィリアが執務室から出て来ると、突如として告げてきた言葉にエドワードは思わずツッコミを入れていた。
「? 言葉の通りの意味なのだけれど?」
「何で不思議そうな表情なんだよ!? ……一先ず、どうしてフィリアが俺の屋敷で暮らす事になったのか詳しい話を聞かせて貰おうじゃないか」
エドワードがそう言うと、フィリアは頷き返しながら詳しい話を語り始めるのだった。
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「私の望みは────エドの…エドワードの傍に居させて下さい。 その代わりとして私はフーガ王国の聖女として務めを果たします」
「ほぉ…それが君の望みか。 そんな面白い事を望む聖女とは驚いた。 確かに君の望みは叶えるメリットが高い。 長らく聖女が居なかった我が国にとって聖女の存在は民が長らく待ち侘びていたからな。 それに、幾ら武芸に秀でている我が国の兵達でも疲弊し、何なら死ぬ時だってある。 アデナウアー嬢の様な聖女が我が国の為に力を振るってくれるのなら大切な兵達の疲労や死を幾らか免れるだろう。 良かろう、将軍の傍に居たいというアデナウアー嬢の望みを叶えよう。 その代わりアデナウアー嬢は聖女として我が国の為に務めを果たす。 それで良いな?」
「っ、ありがとうございます国王陛下」
「礼はいい。 これかのアデナウアー嬢の活躍に大いに期待しているぞ」
そう言うアイゼンの言葉にフィリアは「はい」と返事を返すのだった。
「さて、話も大分纏まった所でアデナウアー嬢に提案だ」
「提案…で御座いますか?」
「別に悪い話ではない。 望みを叶えるに当たってだが───アデナウアー嬢。今日から君にはエドワード将軍の屋敷で同棲生活を送る事を命ずる」
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「──と、そんな感じでエドと暮らすように命じられたわ」
「俺の預かり知らぬ所で勝手に決めるとは、相変わらず陛下は自由というべきか何と言えばいいのやら…………はぁ〜、陛下は一度決めると意地でも変えないくらいには頑固だからな〜。 とりあえず、その話は一先ず置いとくとしよう。 正式にフーガ王国で聖女をやるからにはフィリアにも共有しておくべき情報が沢山有るし、俺の屋敷に行く道すがらにでも説明させてくれ」
「ええ。 これから宜しく頼むわね、エド」
「こちらこそ宜しく頼むよ、フィリア」
エドワードとフィリアは互いに手を差し出し合い握手を交わすと、2人してエドワードの屋敷へと向かうのだった。
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アイゼンside
「まさか、あの人の弟子がフーガ王国の聖女をしてくれる事になるとは……これも縁の巡り合わせか」
ジルトニアから来た聖女であるアデナウアー嬢が去り、1人となった執務室で椅子に腰掛けながら俺は思わず呟く。
実を言うと俺は彼女の事を随分と前から知っていた。
「彼女が我が国に来た時は驚いたが、これも運命なのかも知れないな。 "ヒルデガルド"さん、我が母と旧友だった貴女の弟子はフーガにどんな風を吹かしてくれるのか楽しみだよ。 それに彼女は貴女の──でも有るからな、故に"俺"も責任を持って彼女の事は守り抜いてみせよう」
そう呟きながら俺は今は亡き母と友人だった、かつてジルトニア王国で"聖女を務めていた人物"へと誓うのだった。
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質問ですが、オリキャラと原作キャラの恋愛要素を導入しますか?
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