武闘派小国の青年と完璧聖女の逆転劇   作:究極の闇に焼かれた男

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意外と早く出来たので更新します。


第7話:教会/フーガ王国の神父 Part1

 

 

 

 

フーガ王国での新たな生活が始まった日の翌日、フィリアはエドワードの案内の元、教会へと向かっていた。

 

 

「それにしても、フィリアがフーガ王国の聖女になりたいと陛下に望んだとは驚きだ。 俺個人としても聖女の存在は非常に助かるし頼りにさせて貰うけど、本当に良かったのか?」

 

「何が?」

 

「いや、別に嫌と言う訳じゃないんだ!。 その…ジルトニアで聖女をしていた頃のフィリアは務めを果たしても周りから酷い事を言われたり、感謝されるどころか逆恨みされる事があったんじゃないかと思うと、何だか申し訳ない気がするのと辛かった事を思い出させてしまうんじゃないだろうかって思ってな……」

 

 

フィリアは知らないが、実はエドワードは年に一度はジルトニア王国へと旅行と称してフィリアの様子を見に行っていたのだが、その度にフィリアの事を悪く言う民衆と貴族の話を耳にし、肝心のフィリアが周りから嫉妬や妬みに加え逆恨みとも言える視線を向けられている姿を目撃していた。 それ故にエドワードはフィリアがフーガ王国の聖女になってくれた事を嬉しく思いつつも、同時にジルトニア王国での辛い日々を思い出させてしまうのではと考えていたのだ。

 

そんなエドワードの優しさを察したのか、フィリアは心が暖かくなるのを感じると首を左右に振りながら答える。

 

 

「ううん、大丈夫。 それに私が自分の意思で決めた事だもの。 だから安心して、エド」

 

「フィリア……もしも俺に出来ることがあったなら遠慮なく言ってくれ。 全力でサポートするから」

 

「ありがとう」

 

 

エドワードの申し出にフィリアは感謝しつつ、2人はフーガ王国の教会へと向かうのだった。

 

 

 

──────────

 

 

 

フーガ王国の教会は1人の神父により管理されており、所属する修道女の数は20人近く居て、信徒の数は優に100を超えると言われている。

 

そんなフーガ王国の教会で神父である男──【アーノルド・フリッツ】は、手を組みながら女神の姿が描かれたステンドグラスに祈りと感謝を捧げていた。

 

 

「嗚呼、主よ…どうか我がフーガ王国を御守り下さい。 偉大なるアイゼン陛下とエドワード将軍に祝福を。 この大陸に生きる全ての者に救いを」

 

 

祈りを捧げ続けるアーノルド神父は、教会の外から扉をノックする音が鳴り響いた。

 

 

「(む? こんなに朝早くに誰でしょうか?)少々お待ちを」

 

 

扉の音に即座に反応したアーノルド神父は祈りを捧げるのを一時中断し、急いで扉の方へと近付き開ける。

 

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

「おはようございます、アーノルド神父」

 

「おや、エドワード将軍では有りませんか! こんなに朝早くから来て下さるとは。 それで、お隣に居られるお嬢さんは何方でしょうか?」

 

 

扉を開けた先に居たのはエドワードで、その隣に見慣れない女性の姿を目にしたアーノルドは思わず聞いていた。

 

 

「その事で話に来たんだ。 とりあえず中に入れて貰えないだろうか?」

 

「わかりました。 どうぞ、こちらへ」

 

 

そう言うとアーノルドは扉を開けて2人を教会の中へ招き入れるのだった。

 

 

 

──────────

 

 

 

フィリアside

 

 

フーガ王国に来て聖女としての務めを果たすと決意した日の翌日、私はエドと共に教会へと訪れていた。

 

教会に辿り着くとエドワードが扉をノックすると中から神父と思しき老齢の男性が姿を現し、私達は話をするべく教会内へと入る事となった。

 

教会に入ると中は隅々まで掃除が行き届いているのか染みや汚れ一つなく、調度品も鏡のように磨きあげられており、ステンドグラスには女神と思しき女性の絵が描かれていた。

 

周囲を軽く見回してから改めて神父に視線を戻すと神父様は温和で優しげな瞳を持ち、体付きも細くしなやかで、とても魔物と戦いに赴くような人には見えなかった。

 

 

「ようこそ我がフーガ王国の教会へ。 私はこの教会の管理を務めている、神父のアーノルド・フリット申します」

 

 

私が神父を観察していると、神父──アーノルド神父が自己紹介をしてきた。

 

言葉遣いや立ち居振る舞いからして長く神父を務めているのが伺えつつも、私は急いで挨拶を返していた。

 

 

「私の名前はフィリア・アデナウアーと申します。 よろしくお願い致します、アーノルド神父」

 

「そうですか、フィリア様と仰るのですね──フィリア……アデナウアー……様っ!?」

 

 

私が名前を告げるとアーノルド神父は笑を浮かべるも、直後に私の名前を復唱して固まった。

 

 

「(何か粗相をやらかしてしまったのでしょうか?)あの、大じょう…「ふぃ、フィリア様ですとーーーーっ!?」……えっ?」

 

 

 

突然笑みを浮かべたまま固まったアーノルド神父を見て心配になり声を掛けた直後、アーノルド神父は目を見開きながら叫んでいた。

 

 

「ど、どうしてジルトニア王国の聖女であるフィリア様が、我が国に!?」

 

「それについては俺から説明する。 実は彼女は昨日付で我が国の聖女になる事が正式に決まったんだ。 今日はその事を伝えに神父の所に来たんだ」

 

「フィリア様が我が国の聖女にですとーーーーーーっ!?」

 

「相変わらずリアクションが大きいな〜」

 

 

予想外の反応を見せるアーノルド神父の姿に同様しているとエドが小さく呟いたのを耳にした私は口を開いた。

 

 

「あ、あの…エド、どうしてアーノルド神父はあの様な反応をしているの?」

 

「ん? ああ、実はアーノルド神父はフーガ王国で一番聖女の存在を待ち侘びていたんだ。 神父になったのも"偉大な聖女様の御力になる為だ"って言うくらいの御人だからな」

 

「そ、そうなの…」

 

 

エドの説明に私は若干引き気味に返しつつ、目の前で感涙の涙を流すアーノルド神父に視線を向けるのだった。

 




誤字脱字が御座いましたら報告の程をお願い致します。 次回もお楽しみ頂けるよう頑張ります!
それとコメントの方もお待ちしております。

オマケ情報

・アーノルド神父の年齢は60代後半で娘と孫が居るのと、魔物と戦う際は片手斧を手に無双する。 その戦い振りから他の国の教会の司祭や神父から"執行聖者"と称されている。 実はジルトニア国王と古い友人の様だが、どう言った経緯で知り合ったのかは不明。

質問ですが、オリキャラと原作キャラの恋愛要素を導入しますか?

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