【etc】   作:アンディライリーのうさぎ

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●(中3、秋)


呪/影男
文化Ψ


 文化祭の季節がやって来た。3年になった影男のクラスでは、多数決の末にお化け屋敷をやることが決まった。学年やクラスごとにやる催し物は違うため、物によってはかぶるクラスも出てくる。例えば『たこ焼き屋』に限定しても、3クラスが今回の文化祭で申請している。その申請された内容を吟味するのは主に生徒会である。この決定は割とゆるく、『女装男装喫茶』なんてものも開催される予定だ。

 

「僕は衣装係か…」

 

 役割分担をクラスで決めていく中、影男は最後まで決まらなかった衣装作りのメンバーになった。周囲が希望の役割に挙手している最中、彼はとくにやりたいものが決まらず、このような選抜になった。

 衣装作りメンバーは、影男と同じで熱意に欠けた面々だ。

 

「メンドクセーな、衣装作りって…」

 

「白スーツに穴を空ければよくね?」

 

「おっ!いいアイディアじゃん、ソレ」

 

 ──と、ミーティングで出た会話がこれだ。彼らの情熱はジョーのように燃え尽きてしまったというのか。

 もちろん、このまま流すわけにもいかない。「もっと、ちゃんと考えないといけないんじゃないかな?」と影男は言った。

 

「じゃあ茂山は何かいいアイディアがあるのか?」

 

「そ、それは…」

 

 影男のイメージする「お化け」とは、呪霊である。それを仮に形にするとして、おどろおどろし過ぎる。文化祭には不特定多数の人間が来るのだ。その中には当然、子どももいる。グロテスク過ぎてはならず、かと言って『お化け屋敷』のコンセプトを忘れてはならない。恐怖で心臓が縮み上がる。それがお化け屋敷の醍醐味だ。

 

「………」

 

「…まぁ、何か作るなら、やりたいメンバーでやってくれよ」

 

 ミーティングはこれでお開きとなった。文化祭まではあと1か月。影男は頭を悩ませることになる。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

「うーん……」

 

『最近何か悩んでるみてぇだが、どうしたんだ、シゲオ?』

 

 自室の机にノートを広げ悩み込む影男に、エクボが話しかける。カチカチと、無意味に出されては指で押し戻されていたシャーペンの音が止んだ。

 

「実は、今年の文化祭で僕のクラスがお化け屋敷をやることになってね…」

 

『アァ?もうそんな時期か』

 

 去年の影男のクラスはたこ焼き屋をやった。影男は催し物を決める際、3年連続で『たこ焼き屋』を挙げている。念願叶った去年の情熱は、地球温暖化を悪化させると見紛うばかりの凄まじいものだった。

 理想のたこ焼きを作る。その試行錯誤でできたたこ焼きは数知れず。日によっては三食たこ焼きの日もあった。(さすがに毎食たこ焼きは健康に悪いと、夏油が止めた)

 この影男の情熱が功を奏したのか、去年のたこ焼き屋は中々に繁盛していた。今年『たこ焼き屋』が三クラスも選ばれたのは、その熱が彼らの魂にたこ焼き愛を刻んだのかもしれない。

 

『なんなら、俺様が手伝ってやろうか?』

 

「エクボが…?」

 

呪霊(お化け)の俺様が直々に出て、人間どもを脅かしてやるのさ!』

 

「…エクボのどこに怖い要素があるの?」

 

 影男はふよふよと浮かぶ緑の人魂を、上から下まで見た。その形をとってもぬぼっーとした顔をとっても、まったく恐ろしくない。

 

「そもそもエクボは非術師の人間には見えないだろ」

 

『そこはシゲオの呪力(パワー)で、俺様が非術師に視えるようにパワーアップさせてよぉ〜〜』

 

 かく言うエクボは内心で、ゲスな顔を浮かべていた。これで影男のパワーを少しでも得られれば、全盛期には及ばずとも、パワーアップが見込める。

 それを見越しての提案だ。

 

「本物のお化けが出たら、窓の人に知れて、高専に迷惑をかけちゃうかもしれないだろ」

 

 ただでさえ高専は仕事が多い。影男の脳裏に、夏油の仕事の付き添いで出会ったメガネの補助監督の姿が浮かんだ。頬も痩けて目に隈をこさえたその男は、スマホの連絡をとった直後、車の扉に手をついてうなだれていた。「どうしたんだい?」と聞いた夏油に、そのメガネの男は「また、五条さんが無茶な仕事を………」と涙声で言っていた。

 

(とりあえず、頑張るしかない)

 

 かくしてまた、文化祭の日に近づいていく。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 休日。影男は禪院姉妹の家にお邪魔していた。インターフォンを鳴らすと廊下をパタパタと歩く足音が近づいてくる。玄関を開き、「どうぞ、あがって」と言った真依はワンサイズ大きめのTシャツに、ダメージ加工の入ったジーンズを身につけていた。

 

「ッッ……」

 

「どうしたの、影男くん?」

 

 戸を開くとき、少し前傾姿勢になった真依の襟の隙間から肌色が見えた。影男はとっさに視線を逸らし、天井の木目を見つめた。彼の様子に真依はくすりと笑いつつ、影男を家にあげる。

 今日はお家デート……と行きたいところだが、実際は別の目的がある。というのも、真依もまた影男と同じ『衣装作り』の担当なのだ。ただ、あくまで別クラスの衣装作りである。このことを知った影男が、何か真依から学べるものはないかとお邪魔しに来たのだ。

 

「真依ちゃんのクラスは確か、女装男装喫茶をやるんだよね?」

 

「そうよ。衣装作りはおもに女子が担当してるわ」

 

「そっか…。僕のクラスの衣装作りはみんな男子だよ…」

 

「ふふ…影男くんを困らせるなんて、困った男どもね」

 

 そう言った真依の笑顔は黒かった。そんな真依の様子に影男は気づかず、制作中の衣装を眺める。現在真依が取り掛かっているのはメイド服だ。

 

「衣装は全員分を作るの?」

 

「いえ、違うわ。例えば執事服は、学校のシャツに黒のスラックスに見えるズボンにする予定よ。あとは紅いリボンタイも付けるの」

 

「執事の真依ちゃんかぁ…」

 

 仮に真依が男装すれば、170cmの長身とその元々の端麗さも相まって、人気ナンバーワンの執事になること間違いない。真依のメイド姿を見れず、血涙を流した彼女のクラスメイトの男たちは数知れず。しかし、「これはこれで…」と新たな扉をこじ開けられた者も多い。

 

「メイド服は100均で揃えた布にフリルを付けて、スカートにするの。腰は紐を通せるようにして、それでウエストを調整できるようにするわ」

 

「肩紐もフリフリしてるね」

 

「100均ってすごいのよ。衣装メンバーで衣装調達に行ったら、メイド服に使えるカチューシャも売ってたの」

 

 真依のクラスは10人でローテーションを組む予定である。男と女が半々だとして、5:5。執事服は作る必要がないため、メイド用の服を五着作ることになっている。衣装作りのメンバーが一人一着ずつ作る流れだ。真依が作ったものはすでに仕上がっている。

 

「影男くんのクラスは衣装の材料をどうしてるの?」

 

「みんなの古着を集めようって話になってるんだ。すでにいくらか集まってるよ」

 

 あとはお化け屋敷の場合、段ボールなども使う。決められた予算の範囲内で、どのクラスも切り詰めるところは切り詰めて準備を進めている。

 

「私が影男くんと一緒のクラスだったら、今ごろ一緒に青春を満喫していたのに………」

 

 真依は大きなため息をこぼす。二年次も影男と一緒のクラスになれなかった真依は、三年次も同じクラスになれなかった。ありとあらゆる──というのは言い過ぎかも知れない。だが、できる限りの呪い(努力)はしたはずだった。

 

「高専に入ったら、一緒のクラスになれるよ」

 

「逆に、よ。数人しかいないのに別々のクラスになったら、私は学長を呪うわ」

 

 現在は秋で、夏ごろには二人の入学先が京都校になることに決まった。

 

「でも、学校側も受験生にとっては厄介な時期に大きなイベントを挟むわよね。せめて夏休み前とかにして欲しいわ」

 

「みんな、大変だね…」

 

「何言ってるの、影男くん。受験生は受験が終わったら地獄から解放されるかもしれないけど、私たちは入学してからが本番なのよ」

 

「………そうだね」

 

 高専の入学に向け、真依も真希も一層修練に励んでいる。現在家にいない真希は、ここ頻繁に夏油の仕事について行き、実践経験を積んでいる。

 影男もまた、真希とともに夏油の仕事について行く機会が増えた。

 

「……私ね、影男くんが一緒に京都校に行くって言ってくれた時、本当に嬉しかったんだから」

 

 真依の手が、影男の手に重なった。細い指がさらに、彼の指と指の間に絡まってくる。びくりと影男の肩が跳ねる。それに真依は息を弾ませるようにまた、ふふ、と笑う。

 

「顔が真っ赤よ、影男くん」

 

「か、からかわないでよ…」

 

「だって、影男くんがかわいい反応をするんだもの」

 

 ゆるやかに二回カーブしたトゲが真依の先端から出ていた。ちょうど棒に引っかけるのにちょうど良さそうな形をしたエス(それ)だ。

 だが、手を重ねた時の差がまた大きくなっている事実に、真依の中でグラグラと湯だった熱を生む。

 以前は10センチ以上あった身長は、真依が止まってしまった間にどんどんと近づいている。もう、5センチ程の差しかない。この5センチはきっと、すぐに埋まってしまうのだろう。特に3年になってからの影男の身長の伸びは凄まじい。

 

()()()()()、影男くん…)

 

 この真依の感情は、ゆるやかに二回カーブしたそれではない。この大きな手に自分が押し倒されてみたいという欲求だった。組み伏せられて、その雄々しさを享受したい。熱っぽい視線のまま顔を近づけた真依を、影男は不思議そうに見た。

 

「真依ちゃん、もしかして衣装作りで無理して疲れてるんじゃない?しっかり休まないとダメだよ」

 

「………影男くんは()()、カッコいい男になれそうにないわね」

 

「……………えっ!!?」

 

 今は完全にキスをする流れだっただろう。それに気づかず真依の心配をするだなんて。

 

 

「………ふふ」

 

 

 まぁ、そんな影男だからこそ、真依はより好きになってしまうのだろう。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 夏油の仕事に真希と共に同伴していた影男は、衣装作りの件でうわの空だった。その様子を見た真希が舌打ちする。呪霊退治の最中にボケッとしているとは何事か。彼女に頭を叩かれた影男は目を白黒させる。

 

「油断してケガをしました、じゃ話になんねぇからな」

 

「ご、ごめん…」

 

「ったく、ヤドンみてーな顔しやがって…」

 

 いや、ヤドンよりもヌオーかもしれない。そこまで考えて呪霊の攻撃が迫っていたことに気づいた真希は、「どわっ!」と慌てて呪具を振るう。その一撃は呪霊の肉体の一部を切り落とすに留まる。

 

「どっちもどっちだね」

 

 夏油にそう言われた真希は、罰の悪そうな顔を浮かべた。

 

 

 それから無事に任務を終わらせた頃には夜も深くなっていた。腹の虫が鳴った影男に続いて、真希の腹も影男と比べれば可愛らしい音を立てる。ほんのりと彼女の顔が赤くなった。

 

「真希ちゃんもお腹が減ったんだ」

 

「クッソ、腹の音で恥ずかしくなるなんてよ…」

 

「授業中に鳴るとかなり恥ずかしいよね」

 

 特にテスト期間中の四時間目は魔の時間だ。静寂の中で鳴るその音は思春期のハートをこそぎ取ってくる。

 

「おっと、舐めんなよ影男。私が通ってるのは女子中だぜ?」

 

「え?」

 

「腹の虫の一つや二つで羞恥心は抱かねぇよ」

 

 先生を除けば「男」という生き物がいない女だけの空間。檻から解き放たれた彼女たちは、さながらサバンナを駆け回るライオン。女らしさを捨て、伸び伸びとできるのである。もちろん、これは学校や個人差がある。ちなみに男がいなくとも、イケメンな女子の存在で“メロ”が生まれることもある。

 

「……ん?ってことは真希ちゃんは、男の僕がいたから恥ずかしくなったの?」

 

「いや、お前じゃなく…」

 

 真希は二人から少し離れた場所で、高専に今回の仕事の事後処理を頼んでいる夏油を指差す。影男はともかく、尊敬の念を抱いている相手に腹の虫を聞かれるのは、真希的に恥ずかしかった。

 

「………どうせ、僕は雄々しくないよ…」

 

「んだよ、羞恥心を感じないほどフレンドリーな間柄って思えばいいだろ」

 

「………」

 

 カッコいい男になる。影男のその目論見は今でも続いている。…のだが、なかなか難しい。そもそも影男のイケメン像は、筋肉+夏油のような高身長の男である。どちらも彼には不足している。ちょうどそこで、連絡を終わらせた夏油が片手を上げて歩いてきた。

 

「ごめん、遅くなったね。そろそろ帰ろうか」

 

 三人が停めていたバンに向かう途中、もう7時か、と時計を見た夏油が言った。

 

「時間も時間だし、今日は外食にするかい?」

 

「僕はいいですよ」

 

「ちょっと待て、真依に聞いてみる」

 

 真希が送った文面にはすぐに既読がついた。数分のやり取りの末、真希も外食を取ることにした。

 車の中でさてどこへ寄ろうかと話し合いになる中、いかにも名店風なそば屋と銀だことマックが存在するデルタ地域に出会した。空腹の中で眼前に差し出された各々の好物。どの店へ行くかと硬直状態に陥る。折衷案として全部食べるというのはさすがに冒涜的過ぎる。そもそもの話。夏油や真希はわからないが、影男はそこまで胃に入らない。

 

 結果として、各々が自分の食べたいものを食べるのもいいだろうと、それぞれが別の店へ向かった。影男と真希はお持ち帰りを選び、外で食べることにした。真希は真依用の分も頼んでいる。

 

 手すりに腰かける二人の前には夜の光があった。車の音や近くの店の音楽が聞こえてくる。ズゾゾ、と黒い液体を啜る音も聞こえた。はふ、と忙しなく息を漏らす音も聞こえる。

 

「空腹の時のメシってよぉ…」

 

「すごく美味しいね」

 

 あっという間に食べ終えた二人は息を吐いた。ゴミはそれぞれ持ち帰るようにまとめる。

 

「そういやモブ、仕事中にぼんやりしてたのは何だったんだ?もしかして真依が言ってたやつか?」

 

「あぁ…衣装作りで今悩んでてね。僕のクラスはお化け屋敷をやるんだ」

 

「面白そうじゃん。人をビビらせんの」

 

「真希ちゃんの学校は文化祭がないんだっけ?」

 

「あぁ、ない。中学校でお前の学校ほどアクティブに文化祭をやってるとこって、かなり珍しいと思うぜ。せっかくだし、悩んでるなら相談に乗ってやろうか?」

 

「いいの?」

 

「あぁ。傑サンが戻って来るまでならな」

 

 影男は呪霊退治の仕事に向かううちに、一つの考えがよぎったらしい。

 それがお化け屋敷のコンセプトとかけ離れたものになってしまうのではないか、とも悩んでいるそうだ。

 

「その……お客さんがお化けを退治できたら、面白いんじゃないかなって…」

 

「………それ、面白いと思うぜ?普通に」

 

「でも、お化け屋敷の()()は、人が怖がるものだから…」

 

「別にこれまでの固定概念にとらわれなくてもいいだろ。私はいいと思うぜ?そのモブのアイディア」

 

「いや、僕ってそもそも衣装作り担当だし…」

 

「衣装とは違うアイディアが出てきたから余計に悩んでるってか?言ったらいいだろ、クラスメイトに。それで面白そうってなったら、やる方向で進んでいくと思うけど」

 

「……みんなは僕の意見、聞いてくれるかな?」

 

「お前が自信を持って言えば、向こうもちゃんと聞いてくれるよ。逆に言う側が自信が無さそうに話してちゃ、聞く気も起きないだろ」

 

「……わかった。みんなに相談してみる」

 

「おう。で、肝心の衣装の方はどうなんだ?」

 

「あ、それがね…!」

 

 今日退治した呪霊の姿が、影男にビビッときたのだと言う。

 グロ過ぎない怖さ。その姿は厨二の男子がノートの片隅に書いたような、ちょうどいい異形さだった。

 

 スマホのメモを起動し、影男は「こんな感じなんだけど…」と真希にイメージを見せる。絵にすると、実物よりさらに怖さが減っていた。

 

「頑張ってんな、影男」

 

「うん。みんなにとっては、最後の塩中の文化祭だから」

 

 みんなが笑い合える、楽しい思い出にしたい。そう言った影男に、真希は「モブらしいな」と思った。

 

 ちなみに夏油はこの間、孤独なグルメな様相で蕎麦を楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 影男が緊張でカチコチになりながら話した案が通った。「新しい発想で面白い!」という空気になったのである。早速クラスで退治する方法などが考えられた。まずカラーボールが挙げられたが、用意するとなるとかなりの個数が必要になる。また、回収する手間もかかる。

 

「あの、一応事前に考えてた方法があるんだけど…」

 

 影男はそう言い、カバンから黒の太文字で『塩』と書かれた小袋を取り出した。形だけ見ると完全に怪しい粉である。その塩をどうするのか聞かれた影男は、ベランダに出て小袋の中身を手にのせる。そして、「ソルトスプラッシュ!」と叫びながら撒いた。

 

「そると、すぷらっしゅ…?」

 

「ソルトスプラッシュ…なぜ…?」

 

 まぁ、言われてみれば確かに、お化け(幽霊)に塩というのは理に叶っている。「盛り塩」という言葉もあるくらいだ。ボールのようにいちいち回収する手間もかからない。さらに目をカバーしておけば、お化け側がケガをする恐れもない。

 ただし最後の掃除はかなり念入りにすることになるだろう。

 

 お化け屋敷の方針はこれで決まった。迫る文化祭に向けて、急ピッチで作業が進んでいく。

 衣装作りの方も、作業に取りかかる影男の姿を見た数名の男子が加わり、汗を流しながら放課後も作業を続けた。

 

「一生懸命になってる俺って、ちょっとダセーかも……」

 

 段ボールを切っていたメンバーの一人がポツリとつぶやいた。少しの間を置き、影男はその男子生徒に顔を向ける。

 

「未来の自分が今の自分を思い出した時、中途半端で終わらせた自分より、全力で取り組んだ自分の方が絶対に後悔しないよ」

 

「……そうか?」

 

「うん」

 

 必然的な後悔は、いくらでも生まれる。例えば、影男の両親の死や、夏油夫妻の件だ。する必要のない後悔を自分から生み出すことは、影男はしたくなかった。少なくとも、自分がこのクラスで迎える文化祭を、より良いものにしようと決めた以上は。

 

「茂山、お前ってたまに……いや、何でもない」

 

 男子生徒は出かけた言葉を飲み込んだ。茂山影男は、時折自分たちよりも人生経験が何十年も上ではないのか、と思うようなことを言う。そんなはずないのにな、と彼は心の中で呟き、ぬぼっとした影男の顔から視線を逸らした。

 

 

 そしていよいよ、文化祭当日を迎える。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 円陣を組み、「今日は頑張るぞ!」と男子生徒の一声でお化け屋敷が始まった。教室の中は前日から用意した迷路がある。遮光カーテンで遮られた室内は真っ暗だった。客は廊下で退治の方法を聞き、塩を受け取って中に入る。『お化けを退治できる』というコンセプトは目新しく、反響も良い。お化け屋敷の前にはそこそこの列ができた。

 

 列の整理を手伝っていた影男は、「すごいなぁ」と呟く。

 

『よっ!』

 

「あ、エクボ」

 

 緑色の人魂が、気さくに声をかけてくる。虚空に話す影男は周囲の訝しげな視線に気づき、そそくさと物陰に移動した。

 

「エクボも来てたんだね。お化け屋敷に乗じて、お客さんを驚かせたりしないでよ」

 

『分かってるって』

 

 エクボは壁を通り抜け、お化け屋敷の中へ入っていった。おそらく、真依のところにも向かうのだろう。今日は真希と夏油は確実に来る。一応他の知り合いにも声はかけており、行けたら行く、との返答をもらっている。

 

「影男くん〜!」

 

「よっ、モブ」

 

「あ、真依ちゃんに真希ちゃん」

 

 一番手に来たのは真依と真希だった。まだ始まってからさほど経っていない。一応お昼休憩を挟み、午前と午後の担当に分かれている。その担当がない間は、他の出し物を見に行くことができる。影男は午後が自由時間となる。真依は影男と時間を合わせようとしたが、クラスの都合で午後担当になってしまった。

 

「この世には私と影男くんを引き離そうとする因果があるのよ、絶対……!!」

 

「へー……お化けに塩を撒くのか」

 

 嘆く妹と、受け取った塩を片手にニヤリと笑う姉。たかが塩でもフィジギフのソルトスプラッシュは洒落にならないので、影男は「お手柔らかにね」と見送った。ギャアアと教室から聞こえた断末魔は、心なしか本当の悲鳴のような気がしなくもなかった。

 

 

「しゃけ!」

 

「狗巻くん!」

 

 次に来た知り合いは狗巻だった。イメチェンなのか狗巻は前髪をあげ、おでこを露にしている。全員姉妹の時と同様に、チラチラと周囲から黄色い声が飛んでいた。「かわいい」と言われても堂々としている狗巻を見て、影男は畏敬の念を覚えた。

 

「狗巻くんは、午前中に帰っちゃうの?」

 

「しゃけ、おかか」

 

「そっか……じゃあまたいつか、予定が合う日に遊ぼうよ」

 

「明太子!」

 

 

 その次にやってきたのは、まさかの伏黒姉だった。津美紀は友人も連れて来ているらしい。影男を見つけると、「久しぶり、影男くん!」と、かの仏のような眩しいスマイルを見せる。以前の影男ならその笑顔にくらっとしただろう。しかし今は揺るぎない一番がいる。

 

「影男くん、身長が伸びたね。恵も最近たけのこみたいに伸びてるんだ」

 

「伏黒くんは来てないんだね」

 

「そうなの!聞いてよ!一緒に行こう、って誘ったのに、恵ってば──」

 

「順番来たよ、津美紀」

 

「あ、うん、わかった!じゃあね、影男くん!」

 

「うん。ゆっくり楽しんでいって」

 

 伏黒恵はすっかり反抗期のようだ。姉と休日に出かけるのが恥ずかしいというマインドは、兄姉がいない影男でもわかる気がした。

 

 

 そしてもうすぐお昼になる時間帯に、夏油がやって来た。袈裟姿の彼を、通りすがった人びとは二度見する。そこからさらに、顔に視線を向けて三度見する。

 

「夏油さん、仕事着で来たんですね」

 

「この姿の方が、さ……余計な虫が寄って来ないからね」

 

 猿、の言葉はうさんくさい笑顔の下に飲み込まれて行った。

 

「でも、本職の人みたいで何かいいですね」

 

「仕事の名義上は、一応本職でもあるけれどね」

 

 夏油の手に、袋に入った塩が渡された。「持参してるかもしれないですけど、一応渡しておきますね」と前置きした影男は、お化け屋敷の概要を話した。「ソルトスプラッシュ」の件で、夏油の笑顔が固まる。彼はお化け退治で塩を投げることは知っていたが、そこで「ソルトスプラッシュ!」と言うことは知らなかった。事前に、義理の養子から聞かされていなかった。報連相が大事ってことは、ご存知だと思うんですけど(○ろゆき)

 

「ぶちまけて来てください、夏油さん!」

 

「………あぁ」

 

 夏油の背はなぜか、入る前から燃え尽きていた。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 午後である。影男は早速空腹の腹をさすりながら、たこ焼きやに向かった。今年は三店舗もたこ焼き屋がある。それらをそれぞれ買い、頬を緩めて味わう。

 

「どのたこ焼きも美味しいな…」

 

 ゆっくり味わっているうちに、時間は2時を過ぎていた。ハッとした彼は、ゴミ箱にたこ焼きの容器を捨て、真依のクラスに向かう。『女装男装喫茶』の前は、長蛇の列ができていた。

 

(結構時間がかかりそうだ…)

 

 列が少しずつ進むにつれ、出てきた客の感想がちらほらと耳に入る。「男装してたあの子、チョーカッコよかったね!」というのは、間違いなく真依だろう。と、そこで、ふいに肩を叩かれた。

 

「あれ、真希ちゃ………」

 

 影男は首を傾げた。ポニーテールの髪やメガネ、着ている服も真希のものだった。しかし視界に入れてすぐに違うと気づいた。よくよく見れば、メガネのフレームの色も、真希のものと若干違う。

 

「ま…真依ちゃん?何で、真希ちゃんの格好に……」

 

「無理に頼んで、代わってもらったのよ。ごねられて、時間がかかっちゃったんだけど…」

 

 姉に、必殺「おねがい」で押し通した真依は、真希の服に着替え影男を探した。替え玉作戦は事前に練っていたものである。無論、姉には話していない。

 

「たこ焼き屋にいると思ったんだけどいなくて、もしかしたら、と思ったの」

 

「………ってことは今、真希ちゃんが男装してるの?」

 

「急にメガネをかけても怪しまれないように、私の男装衣装はメガネ付きにしてあるの」

 

「真希ちゃん怒ってるんじゃ…」

 

「真希の着替えた姿を見て笑ったエクボは、星になったわ」

 

「それは、すごく不機嫌だ……」

 

 しかして、なんだかんだで妹の「おねがい」に負けてしまった真希である。

 

「どうする、影男くん?」

 

「うーん……せっかく長い時間並んでるし、このまま入ってみたいな」

 

「そう。じゃあ、私も一緒に行くわ」

 

 真依は前後の人に(コイツ)のツレだと断りを入れてから列に入った。前に並んでいた高校生と思しき女性たちは軽い返事で許可したあと、時折真依たちを見てはコソコソと話す。二人がカップルだと思っているようだ。一方で後ろの夫婦らしい旦那の方は眉間に皺を寄せたが、文句を言ってくることはなかった。

 

 それから30分ほどが経ち、影男は喫茶店の中に入ることができた。少数のテーブルが用意されている中は満員になっている。

 

「お飲み物は何になさいますか」

 

「………ぼ、僕は…」

 

 入って早々に殺気と見紛う圧を放ちながら、真依のフリをしている真希がやって来た。メガネの下の眼力に、影男の肩がすくむ。

 

「私はコーラでいいわ。影男くんは何にする?」

 

「えっと…」

 

「混んでるんで、早く選んでもらっていいですか?」

 

「ちょっと真希、押し付けたのは私なんだから、影男くんに当たらないでよ」

 

「同罪だろ。モブとデートするのが目的なら」

 

「ちょっと、二人とも…」

 

 火花を散らす姉妹に、影男は苦笑いする。二人がケンカをするのはしょちゅうのことだ。手作りとわかるメニュー表を手に取った影男は、何を頼もうか上から順に見ていく。

 

(さすがに牛乳はないか………あれ?)

 

 その時、やめてください、という声が聞こえた。男女の大学生と思しきグループに、執事の格好をしている女子が涙目になっている。大学生の手にはスマホが握られていた。

 

「しゃ、写真撮影は中では禁止って……」

 

「いいじゃん、別に写真の一枚くらい」

 

「こういうコンセプトのカフェ、大学の学祭でも滅多にないよねー」

 

 悪びれた様子もなく、彼らはそう言う。真希は一歩遅れて事に気づき、「あのクソ野郎ども…」と鋭い眼光を向けた。真依も絶対零度の視線を大学生たちに向ける。

 

「そこのボケッと突っ立てる、木偶のぼうのメイド」

 

「ブヒッ!?」

 

「さっさと先生を呼んできなさい」

 

「イエス・ブヒ!!」

 

 普段から真依に調教されている真依ファンクラブの隊員でもある少年は、フリフリのスカートを舞わせながら廊下を走って行った。

 

「お待ちどーサマ」

 

「あ?もう注文は届いて……ッ!!?」

 

 1Lは容易く入るピッチャーを持って現れた真希は、転けたフリをして中の水を大学生たちの顔にぶちまけた。あらかじめピッチャーのフタは口の部分に添えるだけにしてある。

 

「何すんのよ、あんた!!服もスマホも濡れちゃったじゃない!!」

 

「ふざけんなよ、テメェ!!」

 

「うわっ、スマホの電源がつかねぇ…!」

 

 真希の胸ぐらを掴みかかる勢いで大学生たちは詰め寄った。彼らの剣幕にしかし真希はまったく臆さず、震えていた生徒に「あとは任せろ」という意味合いを込めて片目を瞑る。途端にその生徒の頬が朱に染まった。

 

「何か勘違いしてるみたいなんで言っときますけど、うちは()()()()お店じゃないんですよ。お客サマ?」

 

「だからってやり過ぎだろうが!!」

 

「ハァ?やり過ぎぃ?」

 

 向こうが面白半分で撮ったのかもしれないが、その軽率な行動で深く傷ついた者もいるのだ。真希の目が据わったのに気づいた真依は、姉が手を出す前に横から入る。しかし彼女もまた、真希以上にプッツンしている。

 

「悪いわね、私のあ……妹が。──それにしても、今時の底辺大学生は思った以上に暇なのね。中学生に難癖つけて、楽しむ時間があるくらいには」

 

 つらつらと、雪崩のように大学生たちの急所をえぐる煽りのワードが飛び交う。Fランの件で顔が真っ赤になった面々に、真依は「あら、図星だったの?ごめんなさいね」と嘲笑する。一周回って冷静さを取り戻した真希が、「言い過ぎじゃねぇが、そこら辺にしておけ」と止めに入った。

 

「さっさと出て行ってくれる?あなたたち如きに、私たちの貴重な時間を費やしたくないの」

 

「ッ、壊れたスマホはどうしてくれんのよ!!私のスマホは落ちて、画面にヒビも入っちゃったのよ!?」

 

 女はスマホの画面を見せつけ、真依に詰め寄った。その時横から伸びてきた手が、女のスマホを取る。

 

「あ、ちょっと何す……」

 

「壊れてないみたいですよ」

 

「ハ?え、本当だ……」

 

「そんなわけねーだろ!俺のスマホも濡れて……あ、このガキ、返しやがれ!!」

 

 影男が電源をつけたスマホは、黒い画面のまま──ではなく、きちんと画面が映った。それに、スマホを返してもらった男が目を白黒させる。壊れたスマホはこの二台のみ。「勝手に写真を撮った上に、言いがかりをつけていたなんて、サイテーね」と客の一人がつぶやいた。その声が耳に入ったのか、大学生たちの顔がさらに赤くなる。

 

「今ここで、撮った写真は消してもらっていいですか?」

 

 そう頼んだ影男に、スマホが直ったことで溜飲の下がった女が仲間の腹を小突いた。男は影男を睨みながら、渋々と先ほど撮った写真を消した。

 

「それと、謝罪もしてください」

 

「ハァ!?何でお前に……」

 

「僕じゃありません。あなたたちが傷つけた、あの子にです」

 

 影男は真希(その女生徒は真依だと思っている)に熱い視線を送る彼女に視線を向ける。

 

「ッ……」

 

「ね、ねぇ…もう謝って帰ろうよ」

 

 渋る一人を、他の二人が説得する。その時間が長引くほど、周囲の客の彼らに対する愚痴が増えていく。非常識な奴らだ──や、ああいうのが社会に出るとろくな事にならないんだ──や。

 

「何で、俺が謝らなくちゃならねぇんだよ…!!」

 

 そう男が吠えるように叫んだ直後、場がしんと静まった。ちょうどそこに、メイドが呼んできた教師が駆けつけてきた。

 

 

「アンタが大人なら、きちんと自分が起こした責任を取ってください」

 

 

 その、「大人なら」の部分が彼の最後の逆鱗に触れてしまったのか。

 男はテーブルにあったグラスを手に取り、それを影男に向けて投げつけた。

 

「モブくん!!」

 

 人の視線が集まっている前で真希も真依も下手に動くわけにもいかず──。甘ったるい黒の液体が、影男の顔や制服を汚した。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 影男は真依とともに、保健室にやって来ていた。コップが当たった額は赤くなってしまっている。養護教諭は本日休みで、保健室には二人しかいない。ちなみに真依と真希が入れ替わっている件は、さすがにバレた。真希はさっさとトンズラしている。一人の生徒のハートを泥棒したまま。

 

「どうしよう…ジャージは持って来てないんだよな」

 

「……!それなら、私が替えの服を持ってるから貸してあげるわ!」

 

「えっ、でも…」

 

「影男くんは私より小さいからサイズも問題ないわよ!!ちょっと待ってて!」

 

「………小、さい…」

 

 幸い額は少し冷やせば問題なさそうだ。影男は真依がいない間に、中の流しで濡れた髪を洗った。そして側にあったタオルで髪を拭いていると、真依がカバンを片手に戻ってきた。

 

「この中に着替えが入ってるわ」

 

「うん、ありがとう。あとで洗って返すね」

 

「いえ、あげるわ」

 

「え、でも……」

 

「さぁ、早く着替えて、影男くん。さぁさぁ、早く」

 

 半ば押し切られる形で、影男はベッドの周囲を囲むカーテンのシャーするやつをシャーさせて、簡易の着替えスペースを作った。真依が外に出たのを確認してから、制服や白シャツを脱ぎ、フローリングに置く。

 

「え?」

 

 真依のバッグから出てきたものに、影男は目を疑った。随分とフリフリの主張が激しいそれが、自分の手の中にある。

 

 思わず彼は外にいる真依に「ま、真依ちゃん…??」と戸惑いの声をあげた。

 

「これ、どこからどう見てもメイド服じゃ……」

 

「その……朝急いでいる時に、間違ってその服も持って来ちゃったのよ」

 

「やけに、僕にサイズがぴったりな気がするんだけど……あと、クオリティも高い気がするんだけど………」

 

「て……てへ」

 

 このメイド服が誰のために作られたのか、影男は察した。

 

「あとでジャージも貸すから……今だけ私に見せてくれない?メイド服の、影男くん…」

 

「エェ……」

 

「私……私ずっと思ってたの。影男くんが女の子の格好をしたら、似合うんじゃないかって…!!」

 

「そうだったの…?いや、でも……」

 

「おねがい、影男くん…!!」

 

 そうおねだりされてしまっては、真希のように「NO」と言えなくなってしまう影男だった。

 仕方なくシャツに腕を通し、エプロンスカートを着るのに苦戦すること10分。ソックスと(これも用意されていた)ローファーを履いた。

 

「……着れたよ」

 

「………!!!」

 

 イメージとしては、中部系の女子だろうか。少年期と青年期の間の細さが女子にはかもせない線を生み出す。前髪を下げると芋っぽさのある可愛らしい姿になり、逆にあげると美少年に女装させている背徳的な姿になる。

 

「しゃ、写真を、撮っても、いいかしら…!!」

 

「真依ちゃん、ちょっと落ち着いて」

 

 興奮のあまり、真依の息が荒くなっている。誰にも見せないなら…という条件で、影男は撮影を許可した。

 

「かわいいわ、影男くん…!!」

 

「僕はカッコいい方がいいんだけど…」

 

「微笑む感じで、ピースしてみて!」

 

「こ、こう?」

 

「いい感じだわ!次はベッドに座って、太ももを少し内股にして…」

 

「う、うん……」

 

「次はベッドに横になって────」

 

 

 それから30分後。自分たちはいったい何をやっているのだろうかと、賢者タイムになった二人の姿があった。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 カラスが鳴いている。文化祭が終わり後片付けを終え、生徒たちは帰路についた。

 ジャージ姿の影男は、自転車を押しながら真依と並んで歩いている。

 

 ちなみにジャージについては、真依のものではなく、保健室から借りることになった。胸元に『禪院』と書かれたジャージを着て歩いていたら最後、影男は嫉妬に狂った真依ファンクラブに刺されでもして、ジ・エンドになるかもしれないからだ。

 

「今日は楽しかったね、真依ちゃん」

 

「えぇ、そうね」

 

 互いにクラスメイトと交流し、深まった文化祭の思い出。嫌なこともあったが、それも楽しい思い出に上塗りされた。真依は保健室での一件で、どうも羞恥が勝ってしまい影男の方を見ることができない。あの時の彼女はテンションが深夜のそれになっていた。

 

(………っ!)

 

 ふいに、影男の方から手を握られた。真依は思わず横を見る。

 

 

「これからも真依ちゃんと、楽しい思い出を作れたらいいな」

 

 

 ふんわりと笑ってそう言った影男に、顔を真っ赤にした真依は小さく頷く。

 来年になれば、もしかしたら、二人でこうして笑い合うこともできなくなっているかもしれない。()()()、呪術の世界である。

 

 だからこそこの幸せが崩れないように。

 そして、一人でも多くの目の前のいのちを守れるように。

 

 茂山影男は、呪術師の道を進む。

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