コズミック・イラで人機一体な件   作:森の翁

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 違うんです、シリアスキャラにしようと思ったらお姉ちゃんが暴走したんです。


外伝:カナード・パルスの憂鬱

 ユーレン・ヒビキ、スーパーコーディネイターやメンデルの厄災を生み出した張本人。

 

 奴が遺した負の遺産はあまりにも多い。

 

 俺もまたその1人だと聞かされたのは、俺をモルモット扱いした研究所の職員を2人殺した日の前日だった。

 

「けっ、また脱走しようとしやがって、いい加減にしろよクソガキ、お前には迎えに来る親なんて居ねぇんだよ」

 

「...」

 

「なんだぁ?反抗的な目をしやがって!」

 

「やめとけよ、そいつの周りでもう4人死んでる」

 

「はん!コーディ風情がナチュラル様に楯突こうなんざ生意気なんだよ!」

 

 ユーラシア連邦所有、遺伝子工学及び軍事兵器開発局アスクレピオス。

 

 連合加盟国家であるユーラシア連邦の闇の部分を一手に担う地獄のような場所である。

 

 俺の名前はカナード・パルス、スーパーコーディネイターになれなかった者だ。

 

 

 

 

----------------------------

 

 

 

 

 物心がつく前どころか、赤子のうちにユーラシアへ譲渡された俺は、スーパーコーディネイターの貴重なサンプルとして扱われていた。

 

 だが、俺が完成されたスーパーコーディネイターではないとわかると、奴らの態度は一変した。

 

 俺をただのモルモットとして扱い始めたのだ。

 

 耐久テスト、思考実験、投薬実験、実験、実験、実験、実験、ただひたすらに過酷な実験を受けさせられる日々。

 

 連中は最終的に俺を生きたまま解剖しようとした。

 

 そんな時のことだ...連中がいきなり血走った目をしたかと思えば顔をかきむしりながら血の涙を流して倒れ、そのまま尋常ならざる顔で死んだのは。

 

 それからというもの...頭の中で声が聞こえるようになった。

 

『初めまして、お姉ちゃんですよぉ~♪』

 

 俺はおかしくなったのだろうか?

 

 姉を名乗る明らかに怪しい声が聞こえるようになるとは..

 

 それ以来、声は度々聞こえてきてそのことを職員どもに話したら隔離房行きになった。

 

 無視しようとしても、姉を名乗る得たいの知れない声はずっと話しかけてくる。

 

『得体の知れないなんて酷いなぁ、お姉ちゃん悲しいです』

 

 あぁそうか、俺の頭はとうとうこの過酷な環境に耐えられなくなったんだな。

 

 だから空想の話し相手を作って現実逃避に走っているのだろう。

 

『むぅ、空想じゃないもん』

 

 最近ではよりはっきりと聞こえるようになり、とうとう姿まで見え始めた。

 

 白衣を着た幼女?だろうか、やっぱり俺の頭はおかしくなったんだな。

 

『違うよ、この姿は僕が肉体を失ったときのものだからね、いきなり今の姿で現れたら君怖がって話聞いてくれなさそうなんだもん』

 

 頼む、誰か俺を正気に戻してくれ。

 

 というか、この姉を名乗る良くわからん謎イマジナリーフレンドをどうにかしてくれ。

 

『むぅ、だから空想じゃありません!もぅ、お仕置きです』

 

 その瞬間、意識が飛んだと思ったら...俺は幼女に膝枕されながら頭を撫でられていた。

 

 いや、何故だ?

 

『良いから大人しく撫でられなさい!悪い子にはお仕置きが必要なのです!』

 

 俺が何をしたと?

 

『僕のことを得たいの知れない声とかイマジナリーフレンドとか呼びましたよね?お姉ちゃん悲しいです!』

 

 俺に家族はいない筈なんだが?

 

『お姉ちゃんはお姉ちゃんなのです』

 

 だめだこいつ、俺の意見を聞いてくれない。

 

『"お姉ちゃん"って呼んでくれたら色々教えてあげても良いですよ?』

 

 流石にそれは恥ずかしい、"姉さん"で勘弁してくれないか?

 

『むぅ、今のところはそれで良しにしてあげます』

 

 今のところはなのか。

 

『そのうち絶対お姉ちゃんって言わせてみせます!』

 

 まぁ良い取り敢えず質問だ。

 

 まず最初に、お前は誰だ? 

 

『そういえば名前言ってなかったね、僕の名前はアマナ・ヒビキ、君より前にユーレン・ヒビキによって作られたスーパーコーディネイターのなり損ないだよ』

 

 お前も...姉さんもユーレンに作られたのか。

 

『お姉ちゃんポイント1点減点、後2点減点になったらまたよしよしの刑だからね...そうだね、僕もユーレンが作った試作品の1人だけど、肉体はもうなくしちゃった』

 

 次の質問だ。

 

 姉さんはどうやって俺に話しかけてるんだ?

 

『お姉ちゃんパワー』

 

 なるほど、意味がわからん。

 

『冗談だよ、僕は体をなくしたかわりに色々と能力が増えちゃって、今話しかけてるのもその1つなの』

 

 肉体をなくして辛くないのか?

 

『うーん、別に辛くはないかな、むしろ体を失ったおかけでいつでも君たち弟の元に駆けつけられるようになったから良いかなって』

 

 そうか。

 

『それと、見つけるのが遅くなってごめんね』

 

 気にするな、家族など元々いないと思っていたからな、幻覚とはいえ会えて嬉しいよ。

 

『お姉ちゃんポイント2点減点!よしよしの刑執行!!!』

 

 あっ、まず...

 

 お姉ちゃんを怒らせてしまったカナード君、この後1時間に渡り現実世界に帰して貰えなかった。

 

 

 

 

 次回、アルテミスの惨劇




【ひそひそ話】

 Q1:このお姉ちゃんSEED以外だったらどこの世界に転生してたの?
 A:00か水星の魔女。

 Q2:00だと劇場版のElsで詰まない?
 A:大丈夫だ問題ない、このお姉ちゃんElsも全て弟にするからり

 Q3:カナード君はお仕置きで何されたの?
 A:精神世界に引き摺り込まれてよしよしされた。
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