なお作者の中でのイメージCVは声優の高橋李依さんです(なお雨宮天さんも考えていたのですが、なんかトンチキ時空になりそうだからやめました)。
前回までのあらすじ。
ヘリオポリスを脱出し、シャンブロとの邂逅を経て宇宙要塞アルテミスに到着したキラとアークエンジェル。
だがアルテミスのトップは横暴な汚職司令だった。
その汚職司令ことジェラード・ガルシアはキラを脅してストライクを起動させるために暴力を振るおうとしてしまう。
その時ジェラードの頭に冷たい殺意に満ちた声が響く
そして、アルテミスに謎の小型艦が突っ込んできて...
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「なんだというのだこれは!」
「シャンブロ!色が変わったってことはまさか!?」
「くそっ、モビルスーツ隊出撃せよ!今すぐこの粗大ゴミをどけろ!」
『了解、ジャッカル隊総員出撃!』
ジェラード司令の命令により出撃したモビルスーツ隊、その名はジャッカル隊。
連合の正式採用機『ファランクス』に搭乗し、これまでに10機のジンを墜とした優秀な部隊である。
その特徴は部隊員全員が盾を構えながら一団となって突撃し一気に圧殺する戦法であり、搭乗するファランクスの名に相応しい部隊なのだが...
『全員わかっているな?今回はすでにアルテミスに半ば侵入されている。故に誘爆を招くビーム兵装と爆発物は禁止だ!』
『つまりいつも通り突っ込めば良いってことっすね!』
『そうだ!幸い目標はばかでかいから良い的になるだろう!』
『はははっ!派手にぶち抜いてやりましょうぜ隊長!』
『あぁ!総員突撃!!!』
正直この時ばかりは相手が悪かったと言えよう。
『おらおらぁ!くたばりやがれデカブツゥ!!!』
『...Kyurrrrrrrrrrr』
ジャッカル隊の突撃に反応したシャンブロが彼らに向き直った瞬間、ファランクスの持つ槍『対MS用62式重突槍』がシャンブロに殺到した。
だが...
『なっ!弾かれただと!?』
「やっぱり、シャンブロにはPS装甲が搭載されているんだ!」
「なんですって!?」
『...Kyurrrrrrrrrrr』
そう、シャンブロの外装を構成しているのは全てPS装甲であり、よりにもよってありとあらゆるビーム兵器を歪曲させるシャンブロに物理的な攻撃を無効にするPS装甲が組み合わさったことで、ほぼ無敵の怪物が生まれてしまったのだ。
『くそ!なんとかこいつをアルテミスの外に誘き出してビーム兵器を使うぞ!』
『隊長!デカブツが動きだしました!』
攻撃は一切効かないとはいえ、自分の周りを飛び回る羽虫は鬱陶しいものである。
故にシャンブロは...
『おいまさかあいつ!』
『まずい総員退避!!!』
『Kyurrrrrrrrrrr...KyuAaaaaa...!!!』
シャンブロが頭部主砲及びケーブルブレードを全解放し、一斉にビームを解き放ったのだ。
『ひぃっ!?隊長助け...』
『くそ!くそくそくそくそ!なんだよあれ、俺はまだこんなところっ...』
『ハンス!ジョンソン!』
『くそぉ!!!ハンスとジョンソンがやられた...!』
疑問に思うだろう、シャンブロがあれだけ大量にビームをぶっぱなしたのに何故たった2機しか墜とせていないのか。
簡単な話だ。
『くっそぉこいつ舐めやがって!俺らをおもちゃにしてやがる!』
なぶり殺しにするために加減しているのだから一撃で全滅させるわけがないのである。
やろうと思えば最初の一斉照射で全機撃墜できたうえに、恐怖を感じる間もなく蒸発させていただろうが...恨むならばシャンブロの中にいるものを怒らせたお前たちの無能上司を恨むと良い。
『もう良い...総員ビーム兵器の使用を許可する!』
『それではアルテミスに被害が!』
『そんなもん知ったことか、ハンスとジョンソンの敵討ちだ...総員撃ちまくれぇ!!!』
実に愚かだ。
そんなもの、シャンブロに効きはしないとおうのに。
そら、また1機墜ちたぞ。
『ミハイル!』
『くそがぁぁぁ!!!』
良かったなぁ?隊長の愚かな選択で貴様ら全員1人ずつなぶり殺しだ。
ずいぶんと良い上司じゃないか。
『まずい推進機構が壊れっ...』
『ロブソォォォン!!!』
1機、また1機と墜とされ、ジャッカル隊はとうとう体1機を残してほぼ全滅状態になってしまった。
一方その頃アルテミス内では...
「ジャッカル隊次々とやられています!」
「なんだと?奴らは素行こそ悪いがザフト軍相手に1年以上モビルスーツ戦闘で生き残っている腕利きのパイロットなんだぞ!」
この人たちは知らないんだ。
シャンブロに遠距離からのビーム兵器による攻撃は全く効かない。
『当然です、シャンブロの情報は連合の機密事項の中でもトップシークレットですから、たかが一要塞の司令に過ぎない愚物が知るはずはないかと』
「A.M.A.N.A、今日ちょっと口が悪くないかい?」
『キラやカガリを殴ろうとするような人物に敬意を払う必要などないかと、むしろその場で脳を焼き切っていないだけ温情はかけていますよ?』
「そんな怖い機能あったの?」
『キラかその血縁者以外が私を無理矢理起動しようとしたりもしくはキラから私を奪い取ろうとした場合、その人物を殺すための機能が幾つか実装されています』
キラはこの時、A.M.A.N.Aだけは怒らせないようにしようと思った。
「それより今はどうすればシャンブロを止められるか考えないと」
『その必要はありませんよ』
「なんで?」
『シャンブロはおそらくこの要塞を破壊して職員を全員殺せば満足して去るでしょうから、その隙に私たちだけここから脱出すれば問題ありません』
A.M.A.N.Aの発言力に戸惑うキラとアークエンジェルクルーたち、明らかに引いていた。
『最優先事項はストライクの地球への輸送なのでしょう?ならば他のことに構っている余裕はないかと、というよりどうでもいいかと』
「A.M.A.N.A」
『なんでしょうかキラ?』
「流石にその発言はいけない、人が死んでるんだよ?」
『...そもそも我々にできることなどないと思われますが?現状の火力ではシャンブロを打倒しうる可能性は0です。たとえストライクをランチャーパックやソードパックに換装してもおそらく近づく前に撃墜されて終わりです』
あまりにも無慈悲すぎるA.M.A.N.Aに周囲がさらに引いた。
『そもそもシャンブロは我々に対してではなくそこの汚職司令をターゲッティングしています。なのでアルテミスの壊滅を止めたいのであれば最善策は、そこの汚職司令を脱出ポットなりなんなりに詰め込んで要塞の外に射出する...でしょうか?』
「A.M.A.N.A...」
『ところで、あの汚職司令はどこに行ったのでしょうか?先程から姿が見えませんが』
「本当だ!?どこ行ったんだあのおっさん!」
『施設のデータベース及びネットワークシステムと管理システムに接続...発見、どうやら脱出用シャトルに乗っている模様』
A.M.A.N.Aによってモニターに映し出されたのは、自分1人だけ助かろうと脱出用シャトルに乗り込むジェラード司令の姿であった。
「軍人でありながら恥知らずな行動を...!」
ここまで名前しか出ず全く出番がなかったナタル・バジルール少尉だが、ここぞとばかりに真面目さを発揮してジェラード司令の行為に憤っていた。
『ご安心ください、愚物には愚物に相応しい末路が待っていますから』
「どういうこと!?」
『我々が会話している間にジャッカル隊最後の1機が撃墜されました...つまり、今シャンブロのターゲットはジャッカル隊からジェラード・ガルシア司令に切り替わっています』
その言葉にキラ含むアークエンジェルの面々は凍りつく。
『あぁ、もう来たみたいですね』
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宇宙要塞アルテミス脱出用シャトル格納庫
「よし、シャトルの起動は済んだな、後は発進させるだけ」
1人脱出の準備を進める男、ジェラード・ガルシア司令である。
「ジャッカル隊が時間を稼いでいる間にさっさと逃げねば...!」
それは、軍人としてあるまじき行為であり、司令という立場を持つものであれば間違いなく自覚しておかなければいけないことなのだが、この男にものの道理がわかるはずもなく、ただ己の保身だけを考える。
「私は生き残る!私だけは絶対に!!!」
まぁ、そんな行為に対して審判が下るのは当然のことだ。
「ふはははははっ!行ける!行けるぞ!私は生き残るんだぁぁぁ!!!」
『Kyurrrrrrrrrrr』
「えっ?」
脱出シャトルを発進させ、アルテミスを飛び出したその瞬間、目の前にシャンブロがいた。
「なっ、何故だ!こいつはジャッカル隊と...まさか、もう全滅させたというのか!?」
シャンブロがゆっくりとその巨大な鉤爪を振り上げる。
「よっ、よせ!話せばわかる!...そっそうだ!見逃してくれればそれ相応の報酬は用意しよう!だからな?な?」
しかしシャンブロはお構い無しにその鉤爪をシャトルに振るう。
「いっ嫌だ!私はまだこんなところで、私はぁ!」
『Kyurrrrrrrrrrr』
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
叩き付けられた鉤爪によりシャトルごと押し潰されたジェラード・ガルシア司令は、原型を留めないほどの肉片と血溜まりと化し死亡した。
なお、その光景を見てしまったアークエンジェルクルーは盛大に吐いた。
A.M.A.N.Aはご満悦だった。
【ひそひそ話】
Q:なんで今回こんなにA.M.A.N.Aちゃんのお口が悪かったの?
A:お姉ちゃんが逆流した。
Q:それにしたって過激過ぎない?
A:歴代シリーズ主人公とその仲間を見てから言いなさい、わりとドン引きする殺しかたしてるから、特に鉄血。