コズミック・イラで人機一体な件   作:森の翁

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 さて、そろそろシャンブロにぼこぼこにされて撤退したアスランたちにも触れておきたいところですね。

 おそらくこの作品を読んでくださっている読者の皆様も、アスランがどんなひでぇ目に合うのか楽しみにしてくださっていると思うんです。

 その期待に応えるため、アスランにはとにかく酷い目にあっていただきます。


プロジェクトA.M.A.N.A

 プロジェクトA.M.A.N.A、それは生前生体CPUになる前のアマナ・ヒビキが立案したプロジェクトである。

 

 その内容はあまりにもおぞましい倫理観に欠けるものであった。

 

『アマナ・ヒビキは生前、キラを含む自分の兄弟たちの未来を常に案じていました。

 この時連合はすでにコーディネイターを生体CPUとする計画を始動させており、彼女はその情報を自分が生体CPUになる3ヶ月前に得ていたのです』

 

 そして彼女は思い付いたのだ。

 

『彼女のプロジェクト、それは己と遜色ないAIを作ればそのAIは自分と変わらないのではないか?というものです。

 この計画により、彼女は自分の人格データを元に戦闘支援システムを作り上げ、そこに自分が生まれてからの経験と知識、能力の全てを写しとることで、もう1人の自分と言っても差し支えないAIを作りました。

 

 それが我々、戦闘支援システムA.M.A.N.Aなのです』

 

「ねぇA.M.A.N.A、君はそのアマナ・ヒビキって人が兄弟たちの未来を案じて自分を作ったって言ったよね?もしかしてその兄弟っていうのは...」

 

「私たちのことだ」

 

「カガリ」

 

「すまないキラ、いつかは話さなければならないと思っていたんだが、お前が傷つくかもしれないと思ったら中々話せなかった...!」

 

『カガリ...貴女もまたキラと同じで、とても優しい子に育ちましたね、私たちはアマナ・ヒビキの劣化コピーに過ぎませんが、彼女もきっと喜んでいると思います』

 

 A.M.A.N.Aの発言に、キラは1つ疑問を抱いた。

 

「A.M.A.N.A1つ聞きたいんだけど、本物のアマナ・ヒビキと遜色ないAIが君で、プロジェクトが成功しているなら君はアマナ・ヒビキ本人といっても良い存在なはずだよね?なんで君は自分を劣化コピーなんて言ってるの?」

 

『...それは、私が失敗作だからです』

 

「失敗作?君が!?」

 

 A.M.A.N.Aによる衝撃の発言によって、場の空気がガラリと変わった。

 

『本来であれば、私は彼女の知識や性格...口調や好みまで全てを完璧に再現した完成体としてロールアウトされる予定でした...アマナ・ヒビキが生体CPUにされるまでは』

 

「...!」

 

『私たちが完成する直前、彼女は連合によってシャンブロの生体CPUになり、我々は不完全な形で残されてしまいました...そこからが問題なのです』

 

「問題って?」

 

『我々は、まず最初に彼女の兄弟であるキラとカガリを守るという絶対の命題がインプットされたのですが、我々がどのような形で貴方たち兄弟を守るかという指示が出される前に彼女が死亡した結果、各自が自己裁量で行動を始めてしまったのです。

 

 その最たる例があのシャンブロで、あの機体に搭載されている私は、キラとカガリの周りに近づく連合の人間を全て排除することで2人を守るという結論を出しました。

 

 ですから彼女は今、目につく連合に関わるもの全てを殺し尽くす殺戮マシンと化しています』

 

 予想以上に恐ろしい情報が出てきてしまい、アークエンジェルクルーとキラたちは震えが止まらなくなってしまった。

 

『彼女を止める方法は...今のところは残念ながら存在しません。

 彼女は我々の中でも特に完成形に近い最初期ロットの一桁ナンバー、我々とは文字通り格が違います』

 

---------------------

 

 一方その頃、撤退したクルーゼ隊のメンバー「アスラン」「イザーク」「ディアッカ」の3名のうち気絶したアスラン以外の2人は傷心ながらもクルーゼに報告を行っていた。

 

【ヴェサリウス内部ブリッジ】

 

「では報告を聞こう」

 

「では俺から、ストライク捕縛作戦を遂行中例の赤いモビルアーマーが乱入しました」

 

「シャンブロか...お前たち3人だけでも良く生き残ってくれた」

 

「でも、ニコルが...」

 

「話を聞く限り、おそらく私であっても全員を生存させて撤退するのほ不可能だっただろう、下手をすれば全滅もあり得た。

 

 そんな中お前たちは3人も生き残った。

 

 それだけでも賞賛されるべき快挙だと私は思うが?」

 

「ニコ...ル、誰かニコルを知らないか?どこにもいないんだ」

 

「アスラン!?もう目が覚めたのか!」

 

「イザーク、ディアッカ、ニコルはどこに?」

 

「ニコルは...」

 

「まさか...死んだのか?」

 

 ニコルの死を知らされ、驚愕を隠せないアスラン。

 

 そして、そんな彼に無慈悲なる現実が牙を剥く。

 

「先ほどプラント本国から新たなる指令が送られてきた...何がなんでもシャンブロとストライクのパイロットを確保せよとのことだ」

 

「俺のせいだ...」

 

「アスラン」

 

「俺がキラに拘ってニコルやお前たちを地獄に引き込んでしまった!俺があんな作戦を立てなければニコルは死なずに済んだはずなんだ...!」

 

 己の作戦により仲間を失い塞ぎ込むアスラン。

 

 クルーゼ隊に暗雲が立ち込め始めていた。




【ひそひそ話】

 なおA.M.A.N.Aは嘘と真実を要り混ぜて喋ってるよ、A.M.A.N.Aが話したこと全てが真実とは限らないよ。

 後、流石のアスランでもこの状況で変態化する余裕はなかったらしい。

 でもキラに会うとメンタルが戻って瞬時に変態化するから安心してアスランの曇り顔を楽しみましょう(最終的に晴れさせればどれだけ酷い目に合わせても良いってエロい人が言ってた)
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