今回書くのに時間かかっただけあって内容濃いめなうえに、もしかしたら今日はこの後さらにもう一話投稿するかも?
それでは本編どうぞ。
『以上がプロジェクトA.M.A.N.Aの概要です...お役に立てず申し訳ありません』
「シャンブロに搭載されている初期ロットのA.M.A.N.A、それを攻略する術は何かないの?」
『1つ存在します...より上位の個体による命令の書き換えができれば、シャンブロはおそらくその機能を停止し休眠状態に移行します』
「より上位の個体か」
『ただそれにも問題があります、現存が確認されている上位初期ロットは私とシャンブロに搭載されているものを含めて5機そのうちシャンブロより上位の個体は1機だけなのです』
「その1機って?」
『ロットNo.001オリジナルA.M.A.N.A、原初の個体にして全体指揮を担当する統括個体です。ですが、彼女はどの勢力にも属さない中立個体でもあり、おそらくこの現状を黙認しています...保有者はLady.ヴィア、現在連合軍によって最重要危険人物として指名手配されています』
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数日前、アルテミスより遠方の地球とアルテミスの中間地点。
デブリ帯の中を黒い小型艦が航行していた。
「A.M.A.N.A、目標までの到達予想時刻は?」
『解答、残り7日です』
「...そうか、なるべく急いでくれ」
艦の中で、サングラスをかけた黒髪の男がメインブリッジで1人座っていた。
そんな男にモニター越しに声をかける男がいた。
「よう!アポロンストライカーの調整が終わったぜ」
「協力に感謝する...お前の力がなければこのストライカーは完成しなかった」
「あんたの基礎設計がちゃんとしてたおかげでスムーズに完成したんだぜ?」
「それでもだ...さて、ここからは俺の仕事だな、お前はもう帰って良いぞロウ・ギュール」
ロウ・ギュール、機動戦士ガンダムSEEDにおける外伝SEEDASTRAYの主人公を務める男である。
「そうか、気をつけて行けよ!」
そう言って、ロウ・ギュールは船を降りていった。
「...行ったか」
ロウ・ギュールが去った艦の中で、男は1人言葉を漏らす。
「俺を呼びつけるということは、あなたの計画もいよいよ大詰めということか...姉さん」
男はサングラスを外し虚空を見つめる。
その顔は、キラ・ヤマトと瓜二つであった。
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「よりによってその名前が出てくるとはな」
「知ってるんですかフラガ大尉?」
「知ってるも何も、軍のお偉いさんに命令されて一時期その女を追ってそこら中走り回ってたんだよ、ある日突然追跡調査が打ち切られたけど」
「どうして追跡が打ち切りに?」
ムウの口からはとてもではないが信じがたい情報が飛び出した。
「話によれば調査をやめないと連合の重要拠点や基地を破壊したうえで連合高官の家族を子供や親戚に至るまで殺すと脅迫文が届いたらしい。
実際幾つかの基地と拠点が1日で消滅し、複数の連合高官とその家族が殺されている」
「えっ」
「ヤバすぎるんだよ...あの女はな、関わったやつが全員死んでるうえに誰かがそいつを害そうとする度に何処からともなく脅迫文が送られてきて関係者が殺される。
あんまりにも死人が多く出すぎて、もう誰もそいつのことを追ってない、実質指名手配が解除されたような状態だ」
あまりにも恐ろしい情報に、アークエンジェルのクルーとキラたちは開いた口が塞がらなかった。
だがそこに、A.M.A.N.Aによって更なる爆弾が投下される。
『当然です、彼女はプロジェクトA.M.A.N.Aの保護対象に末席としてですが入っています。
そのうえ、最上位個体のA.M.A.N.Aを保有している以上、その脅威度は国家レベルに高い。
何故なら、最初期ロットかつ最上位のA.M.A.N.Aにはモビルスーツ及びモビルアーマーの指揮権限が与えられています。
つまり、彼女がボタンを1つ押すだけで国が1つ地図から消えることにもなり得るということになりますね』
「そんな」
『とはいえ、彼女が我々の脅威になることはあり得ませんよ、何故なら...あのひとはキラとカガリの遺伝子上の母親なので』
そう、ヴィアのフルネームはヴィア・"ヒビキ"、あのアマナ・ヒビキと同じ姓を持っている。そのアマナはキラとカガリの姉であるため、つまり彼女が2人の母というのは自明の理である。
「そんな、僕の母親が...連合の最重要危険人物?」
『あくまで遺伝子の提供者という関係性であるため、母親というには少々厳しいところもありますが、間違いなくあなたの母親ではありますね。
でも心配する必要はありませんよ、あなたの両親はこれまでもこれからもヤマト夫妻だけです。彼女のことは忘れてしまったほうが良いかと、彼女もそれを望んでいます』
A.M.A.N.Aの言葉にその場の全員が驚きを隠せなかった。
「いや忘れろって言われても無理な話でしょ、よりによって最重要危険人物だぞ?忘れろってんならどうして坊主がいるこの場で話したんだ?」
『矛盾していると思われるかもしれませんが、先に事実を知っておけば後から知って傷つくことを防げると私は判断しました』
A.M.A.N.Aは言葉を続ける。
『ただキラには知っておいて欲しかったのです...彼女がキラやカガリのことを捨てたわけではなく、そうせざるを得ない状況に陥ったが故に2人の元を離れたことを...』
「A.M.A.N.A...君は」
『もし彼女のことをより詳しく知りたければ、ウズミ様にお聞きするのがよろしいかと、キラとカガリをそれぞれ今の両親に預けるにあたって色々と便宜を図ってくださったお方ですから』
A.M.A.N.Aによる説明も一区切りがつき、皆が沈黙の中でこの地獄みたいな空気をどうにかして欲しいと思っていた時である。
「皆さん!アークエンジェルの出港準備が整いました!」
「そうか!ラミアス大尉、そろそろ出港しようぜ?いつまでもここで留まってるわけにはいかんだろう」
「そうですね、色々気になることはありますが今は地球に向かうのが最重要事項です。詮索は後回しにしましょう」
『皆様、申し訳ありません』
「A.M.A.N.Aは悪くないよ、君なりに僕のことを気遣ってくれたんでしょう?」
『ですが...』
「キラもこう言っているし私も気にしていないぞA.M.A.N.A、それにいずれ嫌でも知ることになっていたかもしれない情報を今知れたんだ!だからお前もそう気負うな」
『お二人とも...ありがとうございます』
「さっ、僕たちもアークエンジェルに乗り込もう」
こうして、アルテミスで起きた一連の出来事は終結した。
これよりアークエンジェルは地球へと向かい、その過酷な旅路を続けて行く。
【ひそひそ話】
Q:お姉ちゃんの姉属性はいつからなの?
A:転生前から。