作者キラの胃が持つか心配。
A.M.A.N.A、シャンブロの生体CPUになる前のアマナ・ヒビキが開発した戦闘支援システムであり、由来不明のAI技術と演算システムの組み合わせで生まれた最強のプログラム。
モビルスーツやモビルアーマーに搭載すればその性能を限界まで引き出し、ナチュラルでさえコーディネイターに届きうるほどの動きを実現する魔法のような発明だった。
だが、彼女がシャンブロの生体CPUになったことで事態は一変した。
彼女の死亡に呼応するかのように、全てのA.M.A.N.Aが暴走を始めたのである。
これにより、大損害を被った連合はA.M.A.N.Aの使用を完全に停止し、すでに搭載済みのものに関しては封印処置が施された。
連合にとっては、まさに曰く付きのプログラムなのである。
「それ以来、連合はA.M.A.N.Aの所持にも厳しい制限を設けているの、できれば貴方にもそれを手放してもらえるとありがたいのだけど」
ラミアス大尉の言い分も間違ってはいない、というより手放すほうが正しい判断なのだろう。
だがその時である。
『プログラム起動、おはようございます...戦闘支援システムA.M.A.N.Aへようこそ』
「!?君なにを!」
「すみませんA.M.A.N.Aが勝手に」
なんとA.M.A.N.Aが勝手に起動したのだ。
『キラ、私を手放すのは構いませんが、連合に引き渡すのはやめたほうがよろしいかと』
「どうしてだい?」
『現在私をビーコンとすることで、シャンブロが貴方の位置情報を確認し、貴方を守ろうとしています。もし、私を連合に引き渡せばそれがシャンブロに伝わり、この艦はシャンブロによって撃墜されます』
「なっ!?」
A.M.A.N.Aにから明かされたあまりにも恐ろしい事実、完全に場が凍りついた瞬間であった。
『アマナ・ヒビキは生体CPUとなる前、自分が死んだ場合のプランを常に考えていました。その内の1つが私たちA.M.A.N.Aです』
「1つ質問しても良いかしら?」
『了承、貴女の質問に答えましょう』
「それでは聞くけど、何故あなたたちはこの子を守るの?」
『返答、彼こそがアマナ・ヒビキが見いだした未来への希望だからです』
A.M.A.N.Aからの返答は、マリュー・ラミアスにとって完全に予想外のものであった。
未来への希望、キラ・ヤマトのことをA.M.A.N.Aはそう呼んだ。
「未来への希望って、いったいどういう意味なの?」
『お答えできません、これ以上は重要プロジェクトの機密保持に抵触し、シャンブロがキラ以外を即座に抹殺しようとするでしょう、あなた方もそれは避けたいですよね?』
「驚いたな、AIがここまで」
「この子はA.M.A.N.Aの中でも特別らしくて、本人曰く開発初期に作られた比較的古いロットだそうです」
「つまり初期型ということね」
『アマナ・ヒビキは私を作る際、他の個体よりも念入りにAIを調整しました。私が他の個体より強い自我を持つのもこのためです』
初期ロットのA.M.A.N.Aの中でも特に特別な個体がキラが持つこの個体だが...
アマナ・ヒビキがなにを思ってこれをキラに送ったのかは謎だが、手放したが最後アークエンジェルが撃墜されるというもはや特級呪物なのだが、幸か不幸かキラだけは無事に救出されるというのだから、本当に恐ろしいプログラムである。
「情報を整理しましょうか、まず貴方が持っているその端末は連合が使用を停止しているプログラムA.M.A.N.Aを搭載したものだった」
しかも初期ロット。
「そして、それを貴方に送ったのはアマナ・ヒビキ」
それも生体CPUになる前にそう仕組んでいた。
「そして、何らかの理由で貴方がその端末を手放す、もしくは私たちが取り上げた場合このアークエンジェルがシャンブロによって撃墜される」
なおそのシャンブロがどこから狙っているのかは不明。
「困ったわね、どういう対処をするのが最善なのかしら」
「普通に地球まで着いてきてもらえば良いんじゃないか?坊主はオーブで降ろせば良いだろうし、そこからは俺たちでもなんとかなるだろう」
「現状それが最善かもしれないわね、一応だけど貴方の意見も聞かせてくれるかしら」
「僕もそれで構いません、どのみち今回のことをカガリと一緒にウズミさんへ報告しないといけないので」
こうしてキラは、正史とはことなる形ではあるがアークエンジェルに乗ることになった。
だが、彼らは知らない。
底知れぬ悪意が、コロニーの外で彼らを待っていることを。
『ごめんねキラ、今はまだちゃんとお話できないの...でも、僕はずっと見守っているからね』
次回、ヘリオポリス崩壊④
戦いの果てに、未来を掴めキラ・ヤマト。
【ひそひそ話】
どうせ皆感づいてそうだからおもらしすると、お姉ちゃんの今の状態をざっくり説明するとだいたい刻が見える人が見たものだよ。