ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】   作:月乃杜

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第一章:崩壊
第1話:マリューとの逢瀬


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 ユートは現在、コロニーと呼ばれる宇宙空間を揺蕩う巨大な施設の内部に居る。

 

 そしてコロニーが大々的に存在して、人間の住まう土地とされている世界観はユートの知り得る限り、【ガンダムシリーズ】くらいのものだと云う自身の見解からこの世界を仮称【ガンダム】の世界と認定しておいた。

 

 別にガンダムばかりがコロニーの存在している世界では無いが、矢張り有名な処で云うのならばガンダムであろう。

 

 初代に位置してる【機動戦士ガンダム】にしてみても、始めからサイド7と呼ばれるコロニーが舞台と成っていたくらいだ。

 

 とはいえ、コロニーの形は作品毎に違う場合があるから先ずはそれを確認せねばなるまいけど、少なく見積もっても【機動戦士ガンダム】に属しているUC世界では無いと思われる。

 

 何故ならば、既にユートはUC――宇宙世紀の世界観を一度は体験しているのだから。

 

 宇宙世紀0079に起きた一年戦争、ユートは件のコロニーであるサイド7でフラウ・ボゥの家族を救う代わりに彼女自身を所望しており、その初心な心としなやかで初物な肢体を堪能しながらも、MSであるガンキャノン――RXー78ー1の型番を与えられたプロトタイプガンダムは入手済み――にて闘いをしていたり、量産型であるジムを融通して貰って改造した上で無双してみたりと頑張った。

 

 そのお陰もあって、セイラ・マス――アルテイシア・ソム・ダイクン――とも仲好く成ったし、何ならフラウとの突き愛を知られた上で彼女自身の意志で御突き愛にまで発展した程。

 

 本来ならフラウと結ばれたハヤト・コバヤシは可哀想にフラれた。

 

 一年戦争が終了後は、フラウとセイラを連れてのイチャイチャ・パラダイスの敢行をしつつも、新しいMSの開発をしてみたりと七年間のあれやこれやを愉しいものとしたものである。

 

 七年後に起きたのはエゥーゴとティターンズの闘い、更にはミネバ・ラオ・ザビを擁するハマーン・カーンの率いたネオジオンとの戦争だ。

 

 既にユートの癖を知るセイラとフラウの二人はユートにエゥーゴ参加を促す。

 

 本来なら戦死していたかも知れない女性陣を、出来るなら救い出して堕とす為にも……だ。

 

 兎に角、【機動戦士ガンダム】~【機動戦士Vガンダム】までのヒロイン枠や女性陣を軒並みに『戴きます』をしたし、【機動戦士クロスボーンガンダム】は始まる迄も無く終わった。

 

 クラックス・ドゥガチを木星圏で保護をして、彼らが木星の物資を獲る為の手伝いをしていたから木星帝国は建国をしたものの、贈られた女性との仲は至って真っ当な関係の維持をしていたし、テテニス・ドゥガチも本人が望んだとはいえどもユートに嫁入りをしたのだから。

 

 テテニス・ドゥガチ――木星帝国の姫として、クラックス・ドゥガチと地球の良家の姫の間に産まれたが、優しい母親に育てられつつ木星帝国の総統として厳しくもその中で暖かい政治の施政を行うクラックス・ドゥガチを見て育ち、木星帝国の最大限の恩人にして出資者でありテテニスにとって恩師でもあるユートに、恩師以上の想いを懐いたとしても誰一人止められはしなかった。

 

 故に、セシリー・フェアチャイルドがベラ・ロナと成る必要性は無かったし、シーブック・アノーがキンケドゥ・ナウにも成らなかったのだ。

 

 セシリーはセシリー・アノーとしてパン屋を営む若女将としてシーブック・アノーを支えたし、いつしか子宝にも恵まれて小さくとも確かな幸福に満たされた人生を歩んだのだと云う。

 

 その未来、ザンスカール帝国こそ現れて戦争もリガ・ミリティアとの間に起きたが、木星爺さんが仲間を連れてプロキシマ・ケンタウリに逃走をする事も無かったのである。

 

 尚、【機動戦士Vガンダム】のヒロイン枠であるシャクティ・カリンと似通った容姿のカムイも同じ世界線上で出逢うが、シャクティ・カリン共々でユートに可愛がられた……と云えばどうなったかは解るであろう。

 

 因みに、ウッソ・エヴィンの御相手はカテジナ・ルースとかいうメンヘラ女であり、決して謂わば“キレイなカテジナさん”では無い糞女。

 

 ウッソを罵倒し敵対して、クロノクル・アジャーの肉便器と成った正史の通りの女、記憶と視力を喪って故郷をフラフラしていたのをウッソにより発見されて養われる事になった。

 

 クロノクルの使い古しで、子も望めない身体に成り果てていたので二人の子孫も居ない。

 

 それでも、ウッソ・エヴィンにとっては憧れだったお姉さん――カテジナさんとのエロライフは充実していたらしい。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 忙しく働く女性士官、この世界はコズミック・イラ……C.E.70年であるらしいとは既に判明しているのは、二月一四日に起きたユニウスセブンへの核攻撃――血のバレンタインが起きたから。

 

 ユートが視ていた彼女は資源衛星コロニーである処のヘリオポリスに行く前のマリュー・ラミアス、暫くしたらこの地からヘリオポリスへと向かって五機の“G”を開発するのであろう。

 

 “G”に使用されるPS装甲とは理論的には昔から存在していたらしいが、其れを完成に漕ぎ着けたのは正しくマリュー・ラミアスだったから。

 

 MA乗りだった恋人を喪っており、仕事に邁進していたらしい彼女はそれなりに疲弊していた。

 

「久し振りに会って酒ってのも色気が無いかも知れないけど、随分とマリューもストレスを溜めているみたいだからな」

 

「ありがと」

 

 カップを傾けながらウィンク、マリューとしてみれば旨い酒を呑ませてくれるだけで好感度的には鰻登りだし、出された酒菜も当てとしては美味しいからお腹も満足度が高い。

 

(こういう処を視ると葛城ミサトっぽいよな~。中の人(三石琴乃)的に見れば同一人物だからね)

 

 マリューはアルコールにより頬を上気させながら真っ赤に成っているが、広義に於いてアルコールは毒であるが故に毒が効かないユートは全く以て酔いが回っていなかった。

 

 現状で不埒な事をする心算の無いユートは普通にマリューを接待しており、彼女もある程度の付き合いからそこら辺は信用もしているらしい。

 

 流石に男のリビドーを刺激する格好をしていないのは、それをして襲われたなら世間体は兎も角としてマリュー本人は居た堪れないからだ。

 

 詳細はどうあれ、この場合は基本的に襲った男に非難が殺到しがちだけれど、それを促す格好や行為を酔いに任せて行っていたらマリュー本人の性質上から罪悪感に苛まれよう。

 

 信用はしているけどリビドーの怖さも大人の女としては既知であり、ユートを無闇矢鱈と性犯罪者にしない為にもおかしな格好は慎んでいた。

 

 まぁ、余程の事が無ければ問題は無いと思っているからこそ酒を呑んでいる。

 

 マリューがこんな昂りを感じながら呑むのは、MA乗りの恋人を喪って以来であろうか?

 

 とはいえ、もうすぐ仕事でヘリオポリスに出向をしなければならないのが残念だ。

 

 そして、マリュー・ラミアスの御仕事は判っているからユートもヘリオポリスコロニーへ行かねばなるまい、開発をされているのは地球連合の中でも大西洋連邦の肝入りであるMS製造計画。

 

 それで造られてるのが、通称“G兵器”とされてる“Xナンバー”である処のストライクガンダム、デュエルガンダム、ブリッツガンダム、バスターガンダム、イージスガンダムだ。

 

 そんな五機の“G”に採用されたPS装甲の完成に漕ぎ着けたマリュー・ラミアス、彼女が技術士官の大尉としてヘリオポリスコロニーに呼ばれたのは必然というものであろう。

 

 ユートとしてもそうだが、マリュー・ラミアスも出向で会えなくなるのを寂しいと考えており、亡くなったMA乗りの元恋人は偲ぶなれど男に寂しさを埋めて貰いたい欲求は当然有った。

 

 ぶっちゃければ、マリュー・ラミアスとしてみれば襲われても構わない程度には好感度が高く、寧ろ襲われたいからこんなベロンベロンに酔っ払ってユートに痴態を晒している。

 

 ヘリオポリスは中立国家オーブの御膝元ではあるが、地球連合がこそこそとヘリオポリスに立ち入っていればいずれはZAFTにバレかねない。

 

 それは下手を打てば死ぬ。

 

 深夜になってしまってマリュー・ラミアスが酔い痴れて眠り続ける、そんな彼女を優しく自室のベッドへと寝かせると服を脱がせて、上半身に着けているのは胸を支えるブラジャーのみ。

 

 肉体的な温度が上がっているからか汗を掻いてしまっているマリュー・ラミアス、そんな彼女の肢体を適温な濡れタオルで拭いてやってワイシャツを着せると、下半身のズボンも脱がしてショーツのみにして矢張り拭いてやるユート。

 

 本人の許可は流石に取っていないが、男の前で抑えもしないで酒を呑んで酔っ払って眠る時点で肢体を赦したのと変わらないし、目を覚ましたら男の乾いた体液塗れに成っていて下半身に違和感を感じ、自分の体液とは違うモノが流れ出ていた痕跡が有っても文句を言える立場では無い。

 

 まぁ、訴えれば女性側が勝訴しそうな案件ではあるのだけれども、別にユートは前後不覚な女性に意味も無く手出しをしたりはしないのだが……

 

 手元不如意という訳でも無いから賠償をしろとマリュー・ラミアスから言われたら払えるけど、そんな場合にはユートも彼女とは道を違えてしまうのは間違いなかった。

 

 ユートとしては原典の開始くらいには合流しておきたいし、何ならアークエンジェルに乗り込めれば主人公であるキラ・ヤマトを護り易い。

 

 未だ軍人は於ろかガレッジに通う年齢ですら無いキラ・ヤマトや友人達、彼らが一応ではあるが軍人と成るのは防げないしそんな心算も無いが、せめて心と体くらいは護っても良かろうものだ。

 

 尤も年齢は兎も角として、キラ・ヤマトは既にC.E.69の9月1日にはへリオポリス工科ガレッジに入学をしているのだけど。

 

 折角、マリュー・ラミアスともこの程度には仲好く成れたのだから、フェードアウトをするのはちょっと勿体無いであろうというのもあった。

 

「う~ん……」

 

 呻き声に身動ぎ。

 

「起きたか?」

 

「ユート」

 

 マリュー・ラミアスは何処かホッとした様子でユートを見詰める。

 

「どうやら私は貴方にお持ち帰りをされてしまったみたいね?」

 

「態とだろうに。僕が相手でも二度とやらないで貰いたいね」

 

「御免なさい、軍部でも色々とあってストレスが溜まってしまったのよ。自棄っぱちになったのは悪かったわ」

 

 悪いとは思っていたらしく、ユートの腕に絡み付きながらも謝罪を口にする。

 

 原典ではこんな莫迦はしなかったのだろうが、マリュー・ラミアスはユートを可成り信用していたからこそで、恐らくは好感度も相当に上がっているからか犯されてもストレス解消で良いくらいに思ったのかも知れない。

 

 勿論、恋人が生きていたり処女だったりしたら自重をしたのだろうけど、今のマリュー・ラミアスは慰めてくれる恋人は既に亡くなっているし、成人年齢で恋人が居たのだから関係も恋人のソレだったのが当然というもの。

 

「手、出しても良かったのよ」

 

「僕は前後不覚な女性に無体を働く程に餓えている心算は無いよ」

 

 マリュー・ラミアスが既に処女では無い様に、ユートだって別に童貞では無いのだから。

 

「まだ朝には早い時間よね」

 

「そうだな、深夜の二時だから既に夏場だとはいえ明るくなるには早過ぎる時間だろうな」

 

 薄く微笑むマリュー・ラミアスの顔が少しだけユート側に寄り、対するユートもちょっとだけだが顔をマリュー・ラミアスに寄せる。

 

 後は言葉など不要とばかりに、目を閉じて待つ彼女の唇に自身の唇を軽く重ね合わせて再び少し離れると、二度三度と軽い口付けを交わし合って四度目には互いに小さく口を開いて口付けをし、抱き締め合いながらどちらからとも無く舌を絡ませてユートはベッドに彼女を押し倒す。

 

 暫くは互いを確かめ合うかの如く唇を離さず、只管にキスにて求め合う二人は夏場でクーラーも付けてないからか、既にマリュー・ラミアスから溢れて肢体を濡らす汗でグッショリしていた。

 

 尚、四大精霊神との契約者故に暑いとすら感じていないユートは、マリュー・ラミアスとは違って全く汗を掻いていないので、汗に塗れてはいても彼女の汗が移っているに過ぎない。

 

 ややもあってユートの手がマリュー・ラミアスから服を剥ぎ取り、先程の眠っていた時には外さなかったブラジャーも片手間に外してベッドの上に放ると、その大きな胸を堪能するかの様に揉み拉くと頬を染めた彼女が嬌声を上げる。

 

 それから約数時間後、再び眠りに就いたマリュー・ラミアスと共に腕枕をしながらユートも浅い眠りに就いて、二時間くらいしたら互いに起きて彼女の作った食事で朝餉を摂った。

 

 ユートは現状だと暇だし、マリュー・ラミアスもこの日は休みだからこその、だらしない昨夜と今朝を送った訳だが、昼に食事を摂れば御互いに別の道を歩む為に別れなければならない。

 

 理解している。

 

 ユートには自分と似た立場の女性がそれなりに居ると、自分は正しく行きずりに気が合ったから関係を持っただけに過ぎない事を。

 

 当然ながらユートも理解していた、原典を鑑みればマリュー・ラミアスは必ずへリオポリスにて行われる“G”計画に参加せねばならず、開発される五機の“G”と運用艦であるアークエンジェルの竣工を急がねばならない事も。

 

 だから御互いに止めない、今生の別れでは無いのだから笑顔で見送れば良いのである。

 

 昼間では簡単なデートを愉しんだユート達は、昼を摂った後に予定通り笑顔で別れた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「もしもし」

 

〔此方はレニー・サァラ、貴方しか連絡をしてくるのは居ない訳ですし……ユートですね〕

 

「まぁね」

 

 レニー・サァラは偽名……というよりは生まれ変わった心算で改名をしたもので、彼女の本来名乗るべき名前はレノア・ザラ。

 

 プラント評議会の一人にして後の議長となったパトリック・ザラの妻、そしてZAFTのレッドであるアスラン・ザラの母親な訳ではあったのだが、今年の二月一四日に地球連合軍がレノア・ザラの居たコロニーたるユニウスセブンに核攻撃を行った結果、ユニウスセブンは崩壊をして本来の世界線では当然死亡をしている……筈だった。

 

 ユニウスセブンに核を撃たれるのだと識っているユートが、事前にユニウスセブンからレノア・ザラを含んだ全員を離脱させて木星圏に存在している星帝ユニクロンへと誘ったのだ。

 

 彼女とユニウスセブンの者達をプラントに返還をすれば或いは、パトリック・ザラが地球連合との戦争の激化を望まないならばそうするべきなのか否や、然しながら戦争の激化をパトリック・ザラが望んだのは確かに妻の死を悼み哀しみ、地球連合への憤怒を募らせ憎悪を滾らせたからこそではあるであろうが、結局それは一要因に過ぎないので戦争は激化の一途を辿ったろう。

 

 戦争激化を望むのはラウ・ル・クルーゼだって居たし、地球連合側にはブルーコスモスを名乗るコーディネーター憎しの組織も在るのだから。

 

 タイミングは変わるにしても、それは犠牲者が移り変わるだけでしかない可能性も高かったし、何よりユートの識らないタイミングで戦争が加速化されたら堪ったものでは無い。

 

 結局、原典通りに進めながら少しずつ変化をさせるのがBetterであり、抑々にして戦争を起こさせずナチュラルとコーディネーターで仲良くするのがBestというやつである。

 

 結論は不可能。

 

 そんな夢物語が出来るなら初めからC.E.世界は戦争になど突入してはいないし、もっと云うならばジョージ・グレン暗殺も無かっただろう。

 

 ユートがC.E.に於ける全ての責任など負える訳も無かったし、それをするのならばそれは最早、冥王ハーデスが掲げた人類の絶滅こそが至上であると云うに等しい。

 

 嘗てそれを否定しながら今は都合が良いからと肯定をするなど、それは恥知らずな思考であると考えるが故にそれは流石にやらない。

 

「予てから言っていた通り、へリオポリスに彼女が――マリュー・ラミアスが向かう」

 

〔判りました、対処しますね〕

 

 レニー・サァラは心得ていると云わんばかりに頷くのであった。

 

 

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