ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】   作:月乃杜

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第10話:青と銀

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 ユートがロウ・ギュールの率いるジャンク屋の拠点――“ホーム”に来てから二日、ユートの愛機と成っているガンダムアストレイ・シルバーフレームはメンテナンスも含めて完全修復が完了し、本来ならいつでも飛び出てしまえる機体コンディションではあるが、アークエンジェルは彼の悪名高き“傘のアルテミス”へ向かってしまったから、合流をするならZAFT――ヴェサリウスの“G”に襲われて、アークエンジェルがアルテミスから脱け出すのが大前提と成っている。

 

 よって、暇を持て余したユートはシルバーフレームの将来的な展望を考えてコンソールを叩いていたり、大人な女性であるプロフェッサーと一夜の交わりを得ていたりと好き放題をしていた。

 

「この私を気絶させるなんて、アンタも中々ヤる方じゃない」

 

 一度は絶頂にまで導かれて意識を手放していたプロフェッサーだけど、今は確りと目を覚まして煙草を(くゆ)らせユートの性技を褒め称える。

 

 ユート自身は煙草を吸わないが、毒耐性MAXな為に副流煙を吸っても将来は肺癌に成ったりしないし、個人的に好かないだけだからプロフェッサーが吸う分には別に文句を言わない。

 

 煙草の臭い自体が好きでは無いから吸った直後のプロフェッサーとのキスは遠慮したいものの、煙草を消して唇を求められれば折角の機会だからと普通に応じてしまう。

 

 臭いや味が好みでは無いだけで、ユートにとっては何ら害も無いからだ。

 

 そして再び豊満な肢体に抱き付き、性欲を解消する為の性行為は続けられて御互いに肉欲の侭、貪るかの如く愛し合っ……てはいないけど性交は更に三時間くらいヤり続けていたと云う。

 

 勿論だが、爛れた性活ばかりでは無くて互いの技術交換も主にロウ・ギュールと行っていた。

 

「へぇ、ビームサーベルじゃなく実体剣はZAFTのジンも使ってるけどよ、あれは謂わば叩っ斬る形の西洋剣だったのに対してシルバーフレームのは日本刀かよ。ビームサーベルより切れ味が良さそうに見えるから不思議だぜ」

 

「実際に普通の装甲相手ならビームサーベル以上だけどな、流石に物理攻撃を無力化してしまうPS装甲を相手にはちょっと分が悪いな」

 

 とはいえ、“ラムダ・ドライバ”で強化を施せば普通に斬れるだろう。

 

「あの、ユートさん」

 

「どうした、リーアム?」

 

「この慣性中和チップとは?」

 

「読んで字の如く、慣性を中和してくれる装置を機動兵器のレベルで小型化したチップだよ」

 

 モニタに映されたデータを視たリーアム・ガーフィールドが、データだけではちょっと想像が出来なかったらしくて疑問をぶつける。

 

「元々、今は喪われた先史文明が造り出した戦艦の中でも“機動駆逐艦”と称された、一八〇m級の躯躰に装備されていた五個で一つのシステムだ。通常なら高速航行をしていた艦が真っ直ぐから、左右のどちらかに避けようとしたら慣性の法則が働いて大きく動く。然し慣性中和チップを装備していれば、それこそパッとこんな具合に横へ逸れる事も可能となる」

 

 映された画像の動きを視たリーアム・ガーフィールドは、その有り得ない軌道を取るのに目を見開いて叫ぶしか無い。

 

「あ、有り得ません! 正しく物理法則に真っ向から喧嘩を売っているではありませんかっ!」

 

 だけど実際にユートのシルバーフレームなら、変則的な……というか変態的な機動が出来る。

 

 文句を言われても困るのだ。

 

「いったい貴方は何を目指しているのですか?」

 

 リーアム・ガーフィールドの科白には多分に呆れが含まれていた。

 

 総じて“ホーム”での生活は短いながらも愉しい日々で、山吹樹里ととも友人付き合い程度であればそれなりに仲良くやれていたもの。

 

 だけど、“傘のアルテミス”がZAFTの襲撃を受けてアークエンジェルも脱出をしたと報告が入り、ユートは彼方に合流をするべくシルバーフレームに乗る前に別れを惜しんでいた。

 

「また機会ってか、アストレイの改良案が出たらお邪魔をするから割とすぐに会うかも知れんよ」

 

「そいつぁ、良いぜ。俺もレッドフレームに刀が欲しくなったしな」

 

 其処へプロフェッサーがやって来てアルテミスに関して伝えてくる。

 

「アルテミスに海賊達が集まって来ていたみたいだけど、何だか救難信号が随分と出てる辺り殆んどが撃墜されているみたいね?」

 

「それはおかしいですね、アルテミスにそんなに戦闘力は無い筈ですが……」

 

「そ、それは大変! ユートも出るのを後回しにして近付かない方が良いよ! 絶対に、うん!」

 

 アルテミスの脅威は“光波防御帯(アルミューレ・リュミエール)”であり既存の兵器では破れない程に硬い、ユートのシルバーフレームに使われている“アルビオン・ドライブ”に使われている技術も同じモノだ。

 

 とはいえ、今は未だ“傘のアルテミス”みたいな巨大施設に使うしかないくらいに巨大だけれど、ユートは“ミノフスキードライブ”に併せる形ではあるにせよ、MSサイズに搭載が可能なくらいには小さくしている事になる。

 

 尚、いずれにしても暫く後にハイペリオンガンダムへ搭載されるだろう。

 

 このアルミューレ・リュミエールの技術は実にビームサーベルやビームシールドにも使用され、今は技術的に不可能なビームサーベル同士の切り結びが、同じ様な技術が拡散をした結果としてになるけどサードステージのMSから可能と成る。

 

「アルテミスで何か起きているなら出発は後回しににして、ホームの護衛代わりくらいなら務めるけどプロフェッサーはどう考えてる?」

 

「アンタは傭兵なんだから料金が発生するわね」

 

「今回は特別サービス、乗っけて貰う代わりだから可成り割り引こう」

 

「無料にはならないんだね」

 

 飽く迄も料金は取るスタンスたるユートに対し、山吹樹里が苦笑いを浮かべながら呟いた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 アルテミスの近郊まで移動する。

 

「あちこちに破壊された艦が散らばっているな、しかも一撃の許に恐らくは命を奪わずにとはね。相当に腕が立つMS乗りが傭兵として付いたか? だとしたら噂のサーペントテール、叢雲 劾の仕業と見て良さそうだな」

 

「劾だって?」

 

「ロウも識ってるんだな」

 

「遂最近、会ったからな。へリオポリスでは俺のブルーフレームを持って行かれたぜ」

 

「ブルーフレームがロウの?」

 

「最初に見付けたのは俺さ! まぁ、ホームを護って貰ったからくれてやったんだけどな」

 

「成程」

 

 ロウ・ギュールからしたらケジメみたいなものだったのだろうが、高性能なアストレイ・ブルーフレームは単純に叢雲 劾としても助かるだろう、それにブルーフレームの中には兵装のデータも入っているから、叢雲 劾はそれを造って装備させる事だって出来るのである。

 

「ロウ」

 

「どうしたよ?」

 

「本当に叢雲 劾ならお前、MSで真っ正面から闘って勝てるか?」

 

「無理だな、俺はジャンク屋であって傭兵じゃねーんだぜ?」

 

「だろうな。だからお前さんはバッテリーを落として艦影に隠れていろ」

 

「あん?」

 

 モニタの向こう側でロウ・ギュールが訝しげな表情と成っており、今のユートが放った科白に対して納得をしている様子が見られない。

 

「若し、ブルーフレームが襲い掛かって来るとしたら恐らくアルテミスに近付く者に対してだろうけど、アルテミスの司令であるジェラート・ガルシア少将がガンダムを見逃しはしないだろうし、叢雲 劾の仲間を人質にしてでも奪う様に命令をしてくる筈だ。だからお前さんは隠し玉、そうなった場合にアルテミスの司令部を襲撃して叢雲 劾の仲間を解放させれば、傭兵が裏切った雇い主を裏切るのはアリだからな。間違いなく此方に付く」

 

「けどよ……」

 

「ロウが叢雲 劾に勝てる、乃至は抑えられるってんなら役割を代わっても構わないんだが?」

 

「うぐっ!」

 

 そう言われてはぐうの音しか出てこなかった。

 

「ハァ、判ったよ」

 

 ロウ・ギュールは不承不承ながらもユートの話に納得をすると、言われた通りにレッドフレームを動かすと戦艦の影へと隠れる。

 

 ユート自身はシルバーフレームを動かして前へと進ませていくと、ガンダムアストレイ・ブルーフレームが宇宙の向こう側から現れた。

 

〔お前、その銀の機体は……〕

 

「そのシールドのエンブレム、サーペントテールの者だな?」

 

〔お前は【スプリングフィールド】か?〕

 

「正解だ」

 

 ユートの傭兵団もそれなりには名前が聴こえる程度には活躍中、大した時間は未だ経っていないけどエンブレムを見慣れるくらいだ。

 

 前回のU.C.――宇宙世紀と呼ばれた世界からの引き続きで、木星圏に覇を唱えた女帝が治めている帝国と彼女が雇う夫――皇配の戦力たる傭兵、このコズミック・イラの世界にその侭の設定で持ってきていた。

 

 故に木星圏には、木星の裏側にはユートの一大拠点の星帝ユニクロンが鎮座しているし、木星の軌道上にはセイバートロン星が新たな衛生として周回をしている。

 

 だから傭兵団の人間も特に入れ替わりが無く、その能力を如何無く発揮をしているという訳だ。

 

「それにしても無反動砲に加えて両脚に三連装短距離誘導弾発射筒、左肩には八連装短距離誘導弾発射筒とはね? 随分と重武装をしているものじゃないか……サーペントテールの叢雲 劾」

 

 フルウェポンなブルーフレーム、云ってみればガンダムアストレイ・ブルーフレームが最初の改造を受けた姿が、内蔵されていたデータから造ったのであろうこれらの武装を装備した姿。

 

「少なくとも、歓迎会の準備には見えないな」

 

〔それはお前次第だ、【スプリングフィールド】のユート・オガタ・スプリングフィールド〕

 

 仕事中だから取り付く島も無い。

 

 ASRSを使った飛行型の機体が今にもブルーフレームを撃ちたそうな雰囲気を醸し出してるが、流石にそれは彼女の性格的に有り得ないから少し神経が過敏になっているのかも知れない。

 

 尚、ASRSとは対感知装置球状フィールドの事であり、ECMの一種でこれにレーダー波が接触をしたとしても球面を迂回して直進を続ける為に、レーダー受信側は反射波を受け取る事が出来なくなるので謂わばレーダーに映らなくなる装置。

 

 同時に姿も或る意味では消えるから、使う側がASRSを起動すると一切見えなく成ってしまう。

 

 前回、ユートのシルバーフレームが自壊をする形にて中破をしてしまった事から、その情報を聴いたユーキが過剰に反応してしまった。

 

 その為にいざという時の護衛が付けられてしまった訳で、その護衛は付かず離れずASRSによって姿を消しつつストーキングをしている。

 

 見た目はガンダム、その実態は別の世界で勇者とされた古代人のアーティファクト的な機体を、前の宇宙世紀な世界でU.C.0060~0079までの期間にユーキが造り上げてパイロットに与えた。

 

 乗機はライデンガンダムである。

 

 宇宙世紀の世界では百年以上を過ごしながら、ライデンガンダムが型落ちする事は無かった。

 

 それは扨置き、ユートが護衛を気にしながらも慎重に叢雲 劾と会話を続行。

 

〔警告する、直ちにこの宙域から離れろ。警告を無視する場合は敵対行動と見なして攻撃する!〕

 

「残念ながらそれは無理だな」

 

〔ほう?〕

 

「僕はこの先に行った筈の艦に追い付かないといけなくてさ、宙族だか何だかは知った事でも無いけど此方には此方の事情が有る」

 

〔何故、と訊いても?〕

 

「機体が中破して一度は修理の為に艦を離れはしたが、僕は傭兵としてあの艦の艦長に雇われている身だからな。叢雲 劾、同じ傭兵のアンタになら理解も出来るだろう? 已むを得なかったとはいえ護衛対象から離れ、若しその間に護衛対象に某かがあったら? 悔やんでも悔やみ切れまいよ」

 

〔むう、それは……〕

 

 恐ろしいまでに理解する。

 

〔だが、それならお前も理解してるのだろう?〕

 

「勿論だとも」

 

 ユートは同一規格故に出来る通信で互いが顔を視れる様にモニタを使う、それによって顔出しをしていた叢雲 劾の顔がばっちり見えた。

 

「両者、向顔ってね。勝敗はモビルスーツの性能のみで決まらず」

 

 ユートの口上と同時にモニタへ文字が流れる。

 

〔操縦者の技術のみで決まらず〕

 

 興が乗ったのか、叢雲 劾はそんなお遊びにも等しい口上を述べた。

 

「〔唯、結果のみが真実」〕

 

 それはユートが以前に降り立った世界でMS同士による決闘をする際の口上、学生同士がトラブルを抱えた場合にトラブルシュートをするべく賭け決闘をして、その勝利者は如何なる事でも一度だけ敗北者へと命じる事が可能。

 

 勿論、生命の遣り取りは禁止。

 

決心、解放(フィックス・リリース)

 

 二機のアストレイは、そんな口上が終わるのと同時に互いが動き出しており、先ずは第一射だとばかりにビームライフルの引き金を引く。

 

 アルテミスから飛んできた、余りにも無粋が過ぎる幾つかのミサイルを着弾前に撃墜する為。

 

〔ガルシア、これはいったいどういう心算だ?〕

 

〔未来の危険を取り除いただけの事だ。奴らを生かしておいては、またいつ襲撃してくるか判らないからな。保険みたいなもんだよ〕

 

〔此処での戦闘は俺に一任されている筈だ。勝手な事をするなら契約は破棄させて貰うぞ〕

 

 叢雲 劾が当然の事を言うもジェラート・ガルシア少将は余裕綽々な表情、それもその筈で叢雲 劾の仲間であるイライジャ・キールがアルテミスにて人質とされていたのだ。

 

 ユートは叢雲 劾とジェラート・ガルシア少将が会話をしている間に、ロウ・ギュールへと作戦を通達する連絡を入れておく。

 

〔悪いが事情が変わった〕

 

「そいつが雇い主の意向とあらば仕方が無いさ」

 

 再び戦闘は開始されるが、先程までの御互いを強者と視ての心踊る舞いの如くモノでは無い。

 

 ブルーフレームから放たれたビームライフルによるビームを、ユートのシルバーフレームが対ビームシールドにより防ぐのと同時に飛翔をして、腰から佩刀たる妙法村正を抜刀の勢いに任せて斬り上げるが、ブルーフレームも矢張り対ビームシールドで妙法村正の刃を受け止めていた。

 

〔今だ!〕

 

 肩から放たれた八連装弾、位置的に最早躱すも防ぐも間に合わないジャストタイミング。

 

〔なにぃ!?〕

 

 然しながらいつの間にかシルバーフレームは姿を消しており、少し離れた場所に居た事から気付かぬ間に離れたのは間違いない。

 

〔だが無駄だ!〕

 

 ロックオンをしているのだから、ある程度ではあったが誘導される。

 

 だけど弾頭がシルバーフレームに当たる事は無くて、何故か直前の位置で勝手に爆発をしてしまった上に爆風でダメージを受けた様子も無い為、明らかに何らかの手段で防いだのが判った。

 

 それは高速回転する鎖。

 

星雲鎖(ネビュラチェーン)回転防御(ローリングディフェンス)ッ!」

 

〔莫迦な!〕

 

 驚愕する叢雲 劾、それは遂最近にジャンク屋のホームでシルバーフレームに実装された新装備、魔砲システムが失敗だったのを受けてユートが新たに実装を決めたのが、聖闘士として闘う以外でも割と使っている――自身のでは無いが星雲鎖という名前の通り鎖で武器という訳では無い。

 

 流石に本物では無いのだが、限り無く本物に近い物として造られた機動兵器用の星雲鎖だ。

 

 何処までも伸びるし、何なら空間を越えて銀河を越えても敵に迫る事だって叶うだろうし、鉄壁の防御体勢を敷く事も出来る訳である。

 

〔む?〕

 

 叢雲 劾が気付かない内に左腕へ鎖が巻き付いており、それを振り解どこうと試みようとしていたらユートの声が聴こえてきた。

 

「叢雲 劾、聴こえるな?」

 

「接触回線か?」

 

「似た様なもんだ。手早く説明をするが今現在、ジャンク屋のロウをアルテミスへと向かわせた」

 

「ロウ・ギュールを?」

 

「そうだ。お前の仲間が奴らの人質から解放される切っ掛けを作る」

 

「それは有り難いが……」

 

「その為にも気付かれない様に此方は此方で、奴らの目を惹く程度には接戦を演じたい」

 

「フッ、了解した」

 

 物解りが良い男――否、漢だ。

 

「なら改めて……決心、解放(フィックス・リリース)!」

 

 それは確かに目を惹いた戦闘、MS同士の闘いをまともに観る機会など抑々がMSが存在しなかった時代が長いジェラート・ガルシア少将に取ってみれば、目の前のモニタで観られる戦闘などはそれこそSFでしか無かったろうから。

 

 三機の隠れているガンダムは動かない、飽く迄も【閃姫】としてユートの自由意思を尊重する事を考えているから、ライデンガンダムもガンダムエアリアルもガンダムルブリスも(けん)に徹しているのである。

 

 尚、ガンダムエアリアルもガンダムルブリスもオリジナルでは無くて、データ上から拾い上げてユーキが新たに再建造をしたMS、当たり前だけどデータストーム云々は関係無い機体であり、普通のMSと変わらない運用が成されていた。

 

 放たれるは、ブルーフレームの脚部に装備されているM68パルデュス三連装短距離誘導弾発射筒

のミサイル、然しそれを矢張り星雲鎖の円鎖による防御によって防ぎ切り、アルビオン・ドライブで得た超加速と慣性制御チップで得た特殊機動、これにより叢雲 劾の意識外へと一時的に外れると妙法村正を右手に、ビームサーベルを左手に持った二刀流――【緒方逸真流八雲派双刀術】という技術を以て襲撃を行う。

 

 だが叢雲 劾も然るもので、意識外だったというのに傭兵としての直感的な某かでピキィィンして躱し、返す刀でビームサーベルを揮うとユートのシルバーフレームへと反撃をしてきた。

 

「チィッ!」

 

 この世界のビームサーベルは打ち合えない為、此方は躱しながらも如何に相手へと当てるかだ。

 

 デッドウェイトとなるだろう武装を惜し気も無くパージ、軽くなった分は多少なりとも速度や取り回しが良くなったと云えなくもない。

 

 イーゲルシュテルンで互いに牽制、ブルーフレームが無反動砲を放って来たのをシルバーフレームが躱しつつ右腕に装着をされている角鎖を雷の軌跡の如く音速で飛ばす。

 

雷撃乃波(サンダーウェーブ)!」

 

〔させん!〕

 

 それをブルーフレームが上手い事躱していた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 それはそれとして、ロウ・ギュールがレッドフレームで司令室と思しき場所の発見に成功する。

 

「へっ、随分とお得な方法も有ったもんだぜ!」

 

 司令室へと突き立てられたビームサーベルに、驚きを隠せないジェラート・ガルシア少将。

 

「な、何だ!?」

 

「其処までだガルシア!」

 

 イライジャ・キールが護衛の三人を逆立ちに成りながら蹴り上げ、懐内の拳銃を素早く取り出してジェラート・ガルシア少将へ向ける。

 

「貴様ら如きにっ!」

 

 ジェラート・ガルシア少将が拳銃を逸早く撃ってきたが、身体能力が足りないとはいえコーディネイターなイライジャ・キールはそれを避けて、背後から首を左腕でがっちりホールドして拳銃を顔へと突き付けてやった。

 

「……ヒッ、頼む……命ばかりは」

 

「大人しくしていればな」

 

 みっともなく命乞いをしてくる奴に口角を吊り上げて言ってやる。

 

「劾、片付いたぞ。ロウのお陰で割と最高のタイミングが取れた」

 

 これによりアルテミスで起きた出来事も終息を見たし、イライジャ・キールからの連絡を受けて戦闘を停止したユートと叢雲 劾はアストレイ同士を向き合わせ、互いに笑みを浮かべるのだった。

 

 

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