ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】   作:月乃杜

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第2話:シルバーフレーム

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 転移をしたのは良いが、此処は何処だろう? 宇宙空間に顕れる事に成ったのは意外だ。

 

 空気が無いから喋っても空気伝導で音を伝えないから、本来なら声を出すのも不可能だったりする現状だったけど、ユートは【ドラゴンボール】の世界で『フリーザの身体的な特徴を今の肉体の侭に付与して欲しい』と、ドラゴンボールを集めて神龍に頼んだから宇宙空間でも生きられるし、実は何故か空腹や渇きなどに強く成っていた。

 

 勿論、要らない訳では無い。

 

 ユートは人間が存在しそうな場所を気配察知のアクティブで捜し、転移――正真正銘の空間転移である“異界次元(アナザーディメンション)”で移動をした。

 

 異界次元は敵を異空間へと追放をするだけでは無くて、自分自身や仲間などを異空間へと容れて別の場所にゲートとして繋ぐ事も可能だ。

 

 その後の探索の結果、ユートが異界次元にて出た先がへリオポリスであると知り、この世界が即ち【機動戦士ガンダムSEED】の世界だと判明。

 

 へリオポリスだったからオーブ連合首長国にて戸籍を取得、二月一四日に合わせてユニウスセブンへ向かったユートは曲がり形にも代表に近かったレノア・ザラと面談し、何とか説得をしようとしたけど上手くはいかなかった。

 

 仕方がないから当日、地球連合というかロゴスの手の者がユニウスセブンに核を撃ち込む暴挙を見せた上で、異界次元により全員をユートの艦船“【機動光覇艦】アウローラ”に移動をさせる。

 

 更に木星圏へ相転移をしてユニクロン内に展開された小宇宙の惑星へ降り立ち、未だに名前の無かったこの地で彼らは暮らす事となった。

 

 プラントも流石に二〇万以上の人間を一気に受け入れなど出来ない、レノア・ザラみたいな研究の為に一時的な住まいとしていたのでは無くて、ユニウスセブンに骨を埋める心算で生きていたのだから、他のプラントのコロニーに受け入れるには人数が膨大に過ぎたのだ。

 

 これが地球ならあちこちから掻き集めれば済む話だろうが、コロニーでは食糧や水にも可成りの制限が付くのは寧ろ当たり前。

 

 【機動戦士ガンダム】のU.C.世界でもそうで、木星にコロニーを建造して住まうというだけでも労力は凄まじく、ユートが支援をしていなかったら間違いなくクラックス・ドゥガチは地球に対する怨恨を拗らせていたであろう。

 

 コロニーでは食糧は於ろか、水や空気にだって金が必要となるのは当然の事であり、それを余り考えないで済むのが地球上。

 

 当然だけど砂漠など一部地域では食糧や水など足りない場所は在るが、それでも大国が支援をしていれば何とかなるのが実情の中で、コロニーはそれすらも簡単では無いのだからユニウスセブンを破壊されたのは痛かろう。

 

 そんな苦境に立たされた状況下で惑星へ移住が出来るチャンスが到来、しかも二〇万人を越えるユニウスセブンの人間全ての移住だ。

 

 食糧も水も空気さえも気を遣わずに済む最っ高の生活環境、それが欲しくないコロニストが居ない筈も無いのである。

 

 但し、その代価はレノア・ザラがユートの愛人として侍る事だった。

 

 三七歳で四十路間近な女を、しかも既婚者にして一児の母でもあった中年女たる自分をだ。

 

 まぁ、言われた通りでユニウスセブンが破壊をされた時点でレノア・ザラは戸籍に於いて死亡、確かに世間一般からしたら有り得ない状態だとはいえど浮気や不倫などの不貞な行為には為らないのかも知れない……訳も無いんだが。

 

 仮面夫婦では無かったから夫のパトリック・ザラとの仲は良好、息子のアスラン・ザラとだって上手くやれていたから少し後ろ髪を引かれる。

 

 それでも躊躇いこそ有れ、こんな機会を逃がす事は有り得ないのだと自分奮起させて答えた。

 

『宜しくお願い致します』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 初夜? は速やかに恙無く行われ、レノア・ザラは夫以外の男のモノを受け容れてしまったし、吐き出された欲望の塊が子宮を燃やす様な熱なんてエロゲや漫画に出てくる状態、パトリックの時にも感じなかったそれを強く感じさせられた。

 

 しかも圧迫するかの如く子胤を嫌でも感じさせられた為、夢にまで出てくる程にユートを気に掛ける事になるレノア・ザラは少しずつだったが、然しながら確実に己れの想いを侵食されていってそれは好意へと擦り換わっていく。

 

 無関心からは何も生まれないが、良きにしろ悪しきにしろ強い関心を持ったからにはいずれにも偏る可能性はあるのだ、早い話がどれだけ好感度が天元突破していても『可愛さ余って憎さ百倍』に成る事だって有り得るのだから。

 

 その逆もまた然り、まるで蛇蝎の如く嫌いながらも相手にされなくなれば寂しくて……何て事が無きにしも非ずだったりするからである。

 

 兎にも角にもレノア・ザラはユートの導きにより木星の位相が違う空間、謂わば裏木星へと存在している星帝ユニクロンの内部小宇宙に浮かんだ惑星の一つたる無銘――改め惑星ユニウスセブンの領主に近い立場に据え置かれた。

 

 理由としては元より評議会議員のパトリックの妻として似た立場だったし、何より星帝ユニクロン盟主たるユートの愛人であるからには相応となる立場が与えられて然るべき。

 

 とはいえ、元の場所ではレノア・ザラを知っている人間も多数居るだろうから、姿を一六歳にまで若返らせて髪の毛も腰まで伸ばしポニーテールに結わい付け、名前もレニィ・サーラと本名を捩った感じに付け直した。

 

 それらを全て行い、元ユニウスセブンの住民に周知をしたその夜には閨にて、肉体の時間を巻き戻して学生時代の若さに成ったレニィ・サーラの二度目の処女(セカンド・バージン)を『戴きます』したのである。

 

 しかも、最初は三七歳の侭で夫たるパトリック・ザラの色彩を丸ごと自分の色で塗り潰すかの如く、執拗な迄に責め続けて絶頂に導いてぐったりとしている処へ貫き、何度も何度も繰り返して今度はユートのユートによって絶頂させてやり、パトリックのパトリックを忘れてしまうくらいに何度でも射精してやった。

 

 その上で肉体的な生理年齢を一六歳の頃にまで若返らせて、二度目の破爪の痛みをレノア・ザラに……否やレニィ・サーラの中に射精と共に確りと刻み込んでやる。

 

 レノア・ザラは死んだ、もう居ない……今此処に居るのはユートに初めてを捧げたレニィ・サーラである……と解らせてやるのであった。

 

 そんなレニィ・サーラの仕事は基本的な処ではユートの閨の相手と秘書、ユニウスセブンに於ける領主としての監督官、食糧品の輸出の管理官や試作型MSのパイロットといった処であろうか。

 

 仕事が多いけど流石はコーディネーターというべきか、それらを難無く熟していく辺りその方面にある程度を特化して学んだのかも知れない。

 

 今回、レニィ・サーラが任されていた御仕事は単純明快であり、いずれ破壊されるへリオポリスに存在しながら取り残される二機のアストレイ、それを手に入れるべく道筋を立てる事。

 

 へリオポリスでオーブはサハク家の意向を強く受けてか、モルゲンレーテ社がデュエイン・ハルバートンが提唱した“G兵器”の開発、運用艦となるアークエンジェル級艦船の建造などに協力を行っていた訳だが、地球のオーブ本国もサハク家の暴走にも等しい動きを黙認していた。

 

 プラントがMSジンを開発し、更に地球連合軍も対抗をして新たにMSを開発しようとしている中に在って、中立国としての国是を確実に守る為にはオーブにもMSが必要となる。

 

 当然ながら、オーブ連合首長国の国家元首であるウズミ・ナラ・アスハもサハク家の行動を知らない筈も無く、御膝元となる本国ではモルゲンレーテ社に於いてアカツキやM1アストレイの開発が進められていた。

 

 へリオポリスでは“五機のG”の開発をしている中で、盗用――とはいえ連合とは技術流出は仕方無しで合意しているだろうが――された技術を以てM1アストレイの大元たるプロト・アストレイが同時進行で開発されている。

 

 ZAFTが五機中の四機を奪取、それに失敗をしたストライクを連合側のアークエンジェルが手にした中、崩壊したへリオポリスコロニーの中には五機のアストレイが残されていた。

 

 MBFーP01を本国からの処分命令を無視したロンド・ギナ・サハクが手に入れる事に成功したが、他の機体はへリオポリスの崩壊により手に入れる事は叶わず、二機のアストレイをジャンク屋であるロウ・ギュールが発見して、その内の一機であるMBFーP03は傭兵サーペントテールの叢雲 劾に譲渡され、MBFーP02はロウ・ギュール本人の愛機として活用されていく事になる。

 

 元々、組み立てられていたのはこの三機のみで残り二機はパーツ状に解体されていた。

 

 ロウ・ギュールも見付けられていなかったから行方知れずだった物だが、内の一機は発見されてロウ・ギュールに組み立てられグリーンフレームとして使用される。

 

 最後のMBFーP05はライブラリアンにより発見されており、紫色に塗り直したミラージュフレームとして活用をされる事に成った訳だけど、ユートはこの五号機を掠め取る心算であった。

 

「流石はレニィ、良い仕事だ」

 

 へリオポリスコロニーにモルゲンレーテ社が、大西洋連邦の為に貸与をした場所と詳細な地図のデータ、レニィ・サーラはそれをちょっと特別製だとはいえパソコンを叩いていたかと思ったら、パッと入手してしまったのだから畏れ入る。

 

 ユートは確かに、前々世の時にはアニメにより【機動戦士ガンダムSEED】を観ていた訳なのだけれど、それだけで“G兵器”が何処で造られていてアークエンジェルが何処に鎮座しているかなど判る筈も無い、なので一からそれらの全てを調べねばならなかった。

 

 既にレニィ・サーラはユートとの【閃姫】契約に同意を示している為、契約に基づいて彼女の持つ能力は凄まじいまでの大幅に上がっていた。

 

 一部の能力に関してはスーパーコーディネーターであるキラ・ヤマトに勝るとも劣らないもの、云ってみれば彼女の専門とする事柄やキラ・ヤマトが鍛えていない事柄は確実に勝てる。

 

 恐らくはストライクガンダムのOSを改良するのも、キラ・ヤマトと然して変わらないスピードで熟してしまえるのだろう。

 

 ユートはレニィ・サーラに示されたマップを見ながら、へリオポリスコロニーの地下へ向かって降りていく道すがらで彼女の若返り、初めての堅さがある中に有って明らかにこなれた柔らかさが同居した肢体を思い出す。

 

 所謂、半勃ち状態に成ってしまって動きに少しだけ支障を来したけど、取り敢えずは誰が居るでもない区画まで動いてから明鏡止水の境地というのを体現して、()()()()()()()を見事に鎮めてから再び動き出していた。

 

 レニィ・サーラがくれたマップを見ながらだと早い早い、僅かな時間で遂にガンダムアストレイが立ち並んだ格納庫にまで辿り着く。

 

「金と赤と青、ゴールドフレームにレッドフレームにブルーフレーム……か。矢っ張り残り二機の機体はパーツ状にバラされているんだな」

 

 そのデータも有る。

 

 ユートはコンテナが置かれている区画に入り、鎮座するコンテナの中身が何なのかを確かめてから亜空間ポケットに仕舞い、更にはどうせ崩壊するへリオポリスと共に消える宿命(さだめ)だからと武装の試作品なども頂戴しておいた。

 

 大した物も無かったけど。

 

「さて、戻ってレニィの肢体をたっぷりと貪らせて貰おうかね」

 

 そう言うと異界次元(アナザーディメンション)を開いて地上へと戻った。

 

 座標を知らないと開くのは困難だが、帰るだけならそれで済む。

 

 そして静かに宣言をしていた通りに、レニィ・サーラを閨に呼んで若い肢体を大いに貪らせて貰ったが、若返った影響なのか彼女の性欲も増していて寧ろ搾り尽くさんとしてきたものだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 熱い一夜を越えて、ユートは室内に亜空間ポケットからコンテナを出す。

 

「うん、見事にバラバラ。とはいえブロック毎に分かれているだけだから機材さえ有れば合着させて組み立て可能か。要するにプラモデルで腹部や胸部や肩に手脚や頭部だけを組んで、それぞれのパーツをくっ付けていない状態な訳だよな」

 

 それは云い得て妙で、実際にブツはきちんとした腕や脚の形をしていて装甲板も付いている程、それこそプラモデルをジョイントに填め込むだけの簡単な御仕事だと云えた。

 

「フレームの色は灰色か、グレーフレームなんてのは地味過ぎるな。というよりまともに塗ってないだけか? レッドやブルーのパーツ用にって。だったら四号機も実は似たり寄ったりかね?」

 

 ユートが識るのはグリーンフレームというのが飽く迄、ロウ・ギュールの組み立て有りきだったという事だからフレーム色は塗り直したかも? といった程度でしかない。

 

「そうだな、グレーじゃ流石に地味だからな……銀色とか悪くないよな? ゴールドフレーム何て有るくらいなんだしさ。良し、今日からお前の名はガンダムアストレイ・シルバーフレームだ!」

 

 ユートは言いながらイメージを形に換えていく能力にて、ガンダムアストレイ五号機のグレーなフレームを照り映える銀色へと塗り直した。

 

 白い装甲板は他の機体と同様に発泡金属という軽さがウリの代物、そして発泡スチロールやアルミニウムを視てもそうだけど、軽いが=柔いなんて公式が成り立ちそうなくらいには脆い。

 

 別にスカスカな金属では無い、普通に単純な鉄や鋼よりは硬いのも確かなのだろう、然しながらガンダリウム合金やガンダニュウムなどを識る身としては、SEEDな世界なのだから重たいのは捨て置いてもPS装甲が欲しいし、せめて熱に強い筈であるアークエンジェルに採用されたラミネート装甲みたいなのくらいは欲しかった。

 

 或いはガンダニュウムを使って装甲板を造るのも有りだろう、あれは装甲として使っているだけでも可成り有用な金属であり、しかも採用をされたガンダムの軽い事といったなくて確かウイングガンダムで七.一t程度だったくらいだ。

 

 ビーム兵器を水中でも扱えるし。

 

 ユートはガンダニュウム合金の組成を識っているから、自身の【創成】で創り出してアストレイに使う事は可能と云えば可能と成っている。

 

「ま、ガンダニュウム合金をSEED世界で使うのはちょっと違うのかも知れないな?」

 

 折角だからPS装甲の方が良い。

 

 上手くマリュー・ラミアスを騙くらかして……とはちょっと言い方が悪いが、彼女からPS装甲の実物を出来ればせしめたいのが実情だ。

 

 ストライクガンダムのPS装甲をユートの魔眼である【叡智の瞳】で視れば、確かに分子組成などを理解する事が出来るとは思うが、チームでとはいえ造った彼女の許可の許に採用をしたかった。

 

 苦笑いを浮かべながらユートは念動力によって重たいパーツを全て浮かべ、それらを一つの形へと合着させてボルトだナットだワッシャーだと、器具も使わずに纏めていきアストレイ・シルバーフレームを完成させる。

 

 これも【錬成】の一種、イメージさえ確りとしていればこういう作業も難なく熟せるし、ユートはプラモデルやガレージキットを造るのが前々世で好きだった事もあり、元より破壊するより造る喜びの方が好む傾向にあった。

 

 ユートの元々生まれ持っていた緒方の者としての能力分布は半々であり戦闘者としては五〇%、芸術家としても五〇%だったから割と特化型だった芸術家が九〇%を越える父の優也、戦闘者として九〇%を越えた妹の白亜にはボロ負けをする。

 

 まぁ、その分だけ緒方優也はユートに比べると刀舞士としては駄目駄目だったし、白亜も芸術家としては駄目でプラモデルを普通の者より多少なり早く組める程度、オリジナルなスクラッチモデルを造れと云われても造れない。

 

 時間さえ掛ければそれなりに造れるだろうが、緒方優也ならば鼻歌混じりにやってのける事だ。

 

 ともあれ、緒方としての能力に加えてユートが持つのは妄想力とも呼べるナニか、創造性に欠けながら妄想力が補完をして想像による創造を確かなモノとしている。

 

「さて、ノーマルなシルバーフレームは完成だ。装備はビームサーベルにビームライフルにイーゲルシュテルン、それと対ビームシールドだよな。どノーマルだから改良もしていかないといけないんだよね。ストライクガンダムのシステムとかも参考にしてみるか」

 

 それは銀の“王道から外れた存在”が進むべき路無き道を飛翔する竜神、“ドラゴンアストレイ”へと臨む進化をする為の極小さな……然し確かなる一歩であったのだと云う。

 

 

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