ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】   作:月乃杜

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 遅くなったな~。





第24話:ハルバートン提督

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 デュエイン・ハルバートン提督達、御偉方が立っている前でマリュー・ラミアス艦長を前方中央に据えて立ち並び、その少し後ろにはユートを含む外様組やキラ・ヤマト達も並ぶ。

 

 因みに、デュエイン・ハルバートン提督は准将という情報だった筈が、彼の階級章を視てみれば其処には少将の物が付けられていた。

 

(階級が上がったのか?)

 

 有り得なくは無い、彼がG兵器の計画を立ち上げたからこそ地球では今頃、ストライクダガーの量産化が始まっているのだろうから。

 

 地球連合ではストライクダガー、オーブの方ではM1アストレイの量産化が成されていった。

 

 どうでも良いが、木星圏連邦国家では最初期のMSは作業用の機体としても使われている。

 

 リーオーやバタラやハイングラやザクやガザBといったMSの事、とはいえこれらはちゃんとした現役のMSでもあるから作業用との差違は武装と動力源、作業用だから武装なんてのはドリルとかスコップだし、動力源はバッテリー式だったからか出力も当然ながら低い。

 

 動力源と武装の交換で現役機と遜色無くなり、抑々にして中身のアップデートは成されている。

 

 外側の見た目が旧型に見えるが、中身は最新というのは割りと有る。

 

 それにリーオーの場合であると、可成り大掛かりなアップデートが何度も成されているから既に量産機ながら、単純な機能だけなら最初期ではあるがウイングガンダムゼロ並に成っていた。

 

 とはいえ、【新機動戦記ガンダムW】の世界は一番最初に行った世界だった為、単なるリーオーが主役のガンダムの後継機並にまでアップデートをしているのである。

 

 SP化したみたいなものだから、機体性能が追い付いただけとも云えるのだが、武装も何気に性能が良くなって威力や命中も上がっていた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

(ハルバートン提督、彼の視線は弟子だとも云えるマリューにばかり行って、彼女の副官に当たるバジルール少尉には全く以て向かないな)

 

 その笑顔の中に下心などは一切合切が無くて、純粋に喜びに満ち足りた満面の笑みだった。

 

 教え子が自身の計画を上手く遣ってくれたのが嬉しいのもあるが、ZAFTにG兵器の四機を奪取されたのは可成りの失点であった筈。

 

 それをアークエンジェルとストライクガンダムの一機だけでも持ち帰り、その運用データは正しく価千金と成ってもおかしくはない代物。

 

 嬉しくない訳が無い。

 

 況してや、デュエイン・ハルバートン提督の事は詳しく無いから想像だが、恐らく立場も相当に揺れていた可能性が高いのである。

 

「まったく、へリオポリス崩壊の報せを受けた時には最早これまでかと覚悟していたものだぞ」

 

 何と云うか父親目線?

 

「それがこうして君達と無事に会えるとはな!」

 

「有難う御座います、お久し振りです閣下!」

 

 マリュー・ラミアスも嬉しさが一入らしい。

 

「先も戦闘中だと報告を受けて、気を揉んだよ。大丈夫だったか?」

 

 少し前に出るナタル・バジルール少尉と、ムウ・ラ・フラガ大尉。

 

「ナタル・バジルールであります」

 

「第七機動艦隊ムウ・ラ・フラガであります!」

 

「おお! 艦に君が居てくれて幸いだったな!」

 

 デュエイン・ハルバートン提督は、サッとムウ・ラ・フラガ大尉の前に立って握手をする。

 

「いえ、然して役に立ちませんで」

 

 そう言って謙遜した。

 

 然しながらナタル・バジルール少尉に対して、彼女もムウ・ラ・フラガ大尉と同様に挨拶をしたというのに、彼は全く目も向けていない。

 

(依怙贔屓というより、好いていない感じだな)

 

 寧ろ嫌っていそうだ。

 

 事前にマリュー・ラミアスから聴いていたが、デュエイン・ハルバートン提督は自身の副官やらナタル・バジルール少尉みたいなタイプを好んではおらず、軍人色に染まらない部下やムウ・ラ・フラガ大尉みたいな人間を好むらしい。

 

 まぁ、デュエイン・ハルバートン提督も人間だから好む好まないは有るだろうし、それで贔屓をしてしまうのも人間らしい反応であろう。

 

「おお、そして彼らが!」

 

「はい、官を手伝ってくれましたへリオポリスの学生達と、木星圏連邦国家の主席の方です」

 

 ナタル・バジルール少尉を半ば押し退ける形になりつつ、デュエイン・ハルバートン提督が今度はユートやキラ・ヤマト達の方へ動く。

 

 然しながら、デュエイン・ハルバートン提督は褒めるべきは褒め称えるタイプ、上司とするにはきっと理想的な大人だとも云える筈だ。

 

 勿論、好き嫌いもはっきりしているから嫌われている――ナタル・バジルール少尉みたいな人間からすれば宜しくないが、少なくともマリュー・ラミアスやムウ・ラ・フラガ大尉からしたなら、一番働き易い上司として立てる人物。

 

 嫌われてさえいなければ、ユートとしても割かし理想的な上司か?

 

「君達の御家族の消息も確認をしてきたぞ! 皆さん御無事だ!」

 

 全員の表情が明るくなる。

 

「然し、木星圏とは。火星圏にマーシアンと名乗る者達が開拓をしているのは既知であったがな」

 

「現状、木星圏が最も遠い人類圏と成るだろう。火星圏のマーシアンは全員が過酷な生活をする為にコーディネイターとしているらしいけど、僕を含めて木星圏連邦国家には基本的にナチュラルしか居ない」

 

「何と!?」

 

 流石に驚いたらしい。

 

 まぁ、コーディネイターが居ない代わりと言っては何だけど、ニュータイプみたいな特殊能力者や強化人間の類いは存在している。

 

 ユートが引き取ったプルシリーズであったり、ムラサメ研究所のドゥー・ムラサメやフォウ・ムラサメは元より、ゼロ・ムラサメやアマリ・ガーフィールドも助け出せたので暮らしていた。

 

 サード・ムラサメは残念ながらだったが……

 

 アマリ・ガーフィールドは自身の仲間に倣ってなのか、自らの姓をムラサメとした上で名前の方もセイと改名、セイ・ムラサメと名乗る。

 

 五番目に成る予定の者は死んだらしいのだが、それは本来の五番目では無かったみたいだ。

 

 一番と三番と五番が欠番、零番と二番と四番と六番の四名がムラサメ研から救出をされた。

 

 尚、同じく【機動戦士Zガンダム】に於いての強化人間――ロザミア・バダムは、カミーユ・ビダンと妹兼嫁として仲好くしているとか。

 

 当然生き残っているけど【閃姫】でも無くて、カミーユ・ビダンと一緒に成ったから付いて来たりはしていない、ゼロ・ムラサメは男だったけれどムラサメ研究所の強化人間の一人として、友情枠での生き残りを推奨された。

 

 強化人間とはいえ、精神は復調させているから情緒不安定では無く、普通にサイコミュへの適性をも示したニュータイプにも近い存在だ。

 

 ドゥー・ムラサメとフォウ・ムラサメとセイ・ムラサメの三人だと、ユートの【閃姫】枠として【機動戦士ガンダムSEED】世界への移動。

 

 基本的に情緒不安定だった強化人間であるが、ゼロ・ムラサメは強化前に肉体をリセットする事で安定、後に改めてニュータイプの養殖によりニュータイプ化を果たしている。

 

 ドゥー・ムラサメとフォウ・ムラサメとセイ・ムラサメの三人は、普通に【閃姫】契約をしているから薬の影響は無くなった上で、追加の薬を入れなくても良くなっているし、強化された肉体こそが常態化されたので強化人間の侭だ。

 

 それでも一級品のニュータイプと同レベルで、その気になればガンダム主人公のニュータイプ達と同等くらいにはサイコミュを扱え、フルサイコフレームという阿呆みたいなMSでも操縦可能に。

 

 ユートと閨ると基本的にパワーアップするからだろう、ゲームなんかでは一応ニュータイプという者とも致したけれど、普通にニュータイプ適性があからさまに上がっていた。

 

 実際に、某・主人公の幼馴染みもそうである。

 

 それは兎も角、ユートは基本的に種族差別自体はやらない性質だ。

 

 ハルケギニアでも、エルフや翼人や吸血種とも仲良く――主に女性と――していたくらいだし、別世界に跳ばされても人間以外と仲良くする事に――主に女性と――余念は無かったくらいなのだから当然か。

 

 尚、本拠地のセイバートロン星にはナチュラルしか居ないが、裏木星の方にはコーディネイターが約二〇万人以上の規模で住んでいる。

 

 だから基本的に……だ。

 

「閣下、そろそろ」

 

「うむ」

 

 副官に言われて頷く。

 

「機会が有れば君らともまた話してみたいな」

 

 デュエイン・ハルバートン提督は嫌味の無い、暑苦しいまでの笑顔を浮かべながら言った。

 

(地球連合軍での良心回路みたいなオッサンだな)

 

 上手く交渉をすれば或いはとも思える人物だ。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 ZAFTの側でもあれやこれやと遣っている中、連合側でもキラ・ヤマトの扱いなど論争中。

 

 原典通りならZAFTが仕掛けてくる筈だから油断は絶対成らないし、万が一の為にもユートは艦へと連絡を入れておく事にした。

 

 【機動光覇艦アウローラ】にはユートの仲間、即ち【閃姫】達の何人かが常駐をしている。

 

 現在では【機動戦士ガンダム 水星の魔女】の世界から数人、スレッタ・マーキュリーを戦力の筆頭にしつつも、組織的運用をミオリネ・レンブランが行う中で戦闘要員がチュアチュリー・パンランチだったり、メカニックがニカ・ナナウラだったりと中々に層は厚い。

 

 他にも何人か居るのだけれど物の見事に偶数だったりするのは、【閃姫】の二人がユートを併せて3Pで盛り上がるのが常だからだ。

 

 一番多い組み合わせがスレッタ・マーキュリー&ミオリネ・レンブラン、チュアチュリー・パンランチ&ニカ・ナナウラと他の二組。

 

 とはいえ、ニカ・ナナウラは木星圏に戻っているから現状では居ない為、チュアチュリー・パンランチとの3Pは出来なかったりする。

 

「ああ、頼んだ。恐らくビームだからエアリアルかルブリスでな」

 

〔了解よ〕

 

 相手はミオリネ・レンブランで、政治的に視れば本拠に居る義母であり【閃姫】なプロスペラ・マーキュリーがやっており、経済的にも彼女の方が強いのだがミオリネ・レンブランは彼女から色々と習っていた。

 

 彼女は胸部装甲こそ少し物足りない――絶壁では無い――が、ユートは足りる足りないいずれでも愉しめるタイプだから、夜の御楽しみも充分に過ぎるくらいである。

 

 シン・セー公国が大活躍中。

 

「じゃあ、後でな」

 

〔うん、スレッタ達も待っているからさ〕

 

「了解した」

 

 二人のそれはまるで恋人の様な会話をしている訳だが、【閃姫】であるのだから当然ながら前の宇宙世紀世界の更に前の世界ではスレッタ・マーキュリーと共に出逢ってから、ぶつかり合ってもいたけれど逆に惹かれるものが有ったらしい。

 

 いつの間にか()()()閨に。

 

 そう、三人で……だ。

 

 ユートは元々、其処までロマンチシズムは持ち合わせてはいないのだけれど、初めての相手とは基本的に一対一で閨事に及んでいた。

 

 処が極度の恥ずかしがり屋なスレッタ・マーキュリーと、意地っ張りなミオリネ・レンブランの二人が変な化学反応を示してしまったらしくて、照れて真っ赤に成りながら俯くスレッタ・マーキュリー、プリプリとツンデレっぽく赤い顔を見せまいとそっぽを向くミオリネ・レンブランとか、何故か二人が一緒に閨に待っていたから驚く。

 

 それは扨置き、頼み事をミオリネ・レンブランにしたユートはスマホを仕舞って目的地へと。

 

 即ち、自室で準備を終えてから【機動光覇艦アウローラ】のブリッジへっ向かうのであった。

 

「待ったわよ」

 

「五分も経っていないだろうに」

 

 真っ赤なミオリネ・レンブランが、丸っきりガンバスターの如く腕組みをしながら立っている。

 

 スレッタ・マーキュリーは大粒の汗を流しつつも苦笑いを浮かべ、然しユートを視認した途端にモジモジし始めチラチラ視詰めて来た。

 

「A.S.の世界で約一〇〇年、宇宙世紀の世界でも約一〇〇年を共に過ごしたって云うのに、一向に変わらんね君らは。まぁ、若さが変わらないから老成しないからだけどな」

 

 ツンデレと照れ屋、出逢って間もない頃からの二人が示した性格は老成がされないからだろう、今も全く変わらないから新鮮な侭だ。

 

「んっ!」

 

 ミオリネ・レンブランに口付け。

 

「んんっ!」

 

 次にスレッタ・マーキュリー。

 

 この順番を間違えると、ミオリネ・レンブランは酷く面倒な性格に早変わりしてしまうのだが、間違えずキスをすればデレッデレに成る。

 

 ブリッジにはダイオラマ魔法球が据え置きされており、真っ赤なミオリネ・レンブランが早く早くと魔法陣へとユートを引っ張って行く。

 

 ツンデレがデレッデレに成り、暫く相手をしていなかった反動も有ってだろうか? ミオリネ・レンブランはエロエロな気分に成った。

 

 勿論、スレッタ・マーキュリーも同じくである。

 

 彼女の様子は最早、快楽堕ちをして目がハートにでも成っていそうなくらいに蕩けてしまう。

 

 約二〇〇年の刻、然しユートの加護の内に在るからには二人に成長は促しても、老いによる衰えは肉体的にも精神的にも訪れないのだ。

 

 他の【閃姫】達も同様に。

 

 出逢った頃の侭に、若く可憐で在りながら技術は研かれて来たから二人が“マブ”を組めば向かう所敵無し、宇宙世紀の世界の木星圏統一政権(仮)の頃から行われていた宇宙一戦闘大会やクランバトル、そのクランバトルは二人一組のマブによる、謂わばコンビネーションを試されるこの大会でニュータイプや名の有るパイロット相手であるなら未しも、それ以外が相手だったなら間違いなく勝利を収めて来たものだった。

 

 因みに、クランバトルとは狼摩白夜が前世に於いて視聴した【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】なる作品にて、主人公のアマテ・ユズリハがジオンから奪ったジークアクスなるMSで出場をしていたサイド6での闇バトルだと聴く。

 

 ユートは作品内の登場人物、アマテ・ユズリハやニャアン、タマキ・ユズリハ、コモリ・ハーコートや、ドゥー・ムラサメ、シイコ・スガイなど聞き覚えのある名前にユートは驚愕をしたものだ。

 

 シイコは姓が違ったけど、それは彼女と出逢ったのが一年戦争の頃だったから旧姓だったらしい。

 

 一年戦争終了後に連邦軍を退役、割かし直ぐに結婚したから戦争から五年後の物語だったとか、【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】の頃には既にスガイという苗字に変わっていたのだと云う。

 

 勿論だけど、ユートと出逢ったのは未婚で旧姓の頃だったからこそ、恋人や婚約者が居た訳でも無かった彼女を『戴きます』をしていた。

 

「さて、行こうか」

 

「ええ」

 

「はい!」

 

 約一時間後、すっかり艶々した二人とスッキリしたユートの姿がダイオラマ魔法球前に在った。

 

 射精()せるだけ射精()したユートに、そしてイカされるだけイッたミオリネ・レンブランとスレッタ・マーキュリー、随分と愉しい思いをしてきたからこその顔である。

 

「それじゃ、僕はアークエンジェルに戻るから。スレッタかミオリネがエアリアルかルブリスで、どちらでも良いから出陣()てくれるか?」

 

「「了解!」」

 

 二人の内のどちらか、流石に一人でも動かせる艦とはいえ誰も居ないのは拙いから、現状で二人しか居ない為にどちらかしか出陣()せない。

 

 まぁ、艦には人格も有るから艦内に誰も居なくても動けるのだけど、矢張りマスターであるユートとサブマスター扱いの【閃姫】達が居ると居ないとでは全く違う。

 

 この艦は遺失宇宙船、精神力をエネルギーとして使うのがアウローラの本領発揮なのだから。

 

『ユート、アークエンジェルに転移で送るわよ』

 

「頼んだ、シェーラ」

 

 嘗ての覇王将軍(ジェネラル)シェーラ、“赤の竜神(スィーフィード)”の世界の出身であり、覇王(ダイナスト)グラウ・シェラーにより生み出された高位魔族であった存在だが、謂わば捨てられてしまったのが彼女だ。

 

 その後、ユートにより使い魔召喚をされて契約を交わした訳だが、再転生をユートが果たした後にとある理由から眠りに就く事に。

 

 結果、ユートはシェーラの魔族としての特性を用いる為にと、先ずはアウローラに括っておいてから負の精神エナジーを獲得していく。

 

 その流れで、戦闘封印艦ヴォルフィードの管制人格だったキャナル・ヴォルフィードと同様に、今現在も【機動光覇艦アウローラ】にして【神魔因子保有艦シャブラニグドゥ】の管制人格の役割を充分過ぎるくらいには果たしていた。

 

 尚、今の彼女は討魔将軍シェーラと新たに名付けられており、ユートの魔導書たる“ナコト写本ラテン語意訳”の精霊の那古人を討魔神官としての、新しい将軍と神官として働いている。

 

「さて、また来るんだよな連中」

 

 きっと壊れた四機のGを完璧に修復した上で、ラウ・ル・クルーゼを戦闘隊長として万全に。

 

 その結果がどうなるのか、それを識るからこそユートは目を細め怒りを露わにするのだった。

 

 

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