ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】 作:月乃杜
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〔ストライクじゃないが銀……否、シルバーフレームとか云ったか?〕
ビームライフルを放つイージスガンダムだったけど、それがどうしたと云わんばかりに躱しながらユートは【
「そうそう、名前が有るんだからきちんと呼んで欲しいね! 銀色だの足付きだのじゃなくさ!」
ユートが言葉を切る毎に放たれる【龍式吐息】を、舌打ちしながら躱すアスラン・ザラの乗ったイージスガンダムという構図である。
イージスガンダムなどにデータが有ったストライクガンダムは兎も角、母艦となるアークエンジェルに況んやデータの無いシルバーフレームは、向こうとしても暫定的な仮初めのコードネームで呼ぶしか無い。
尤も、アークエンジェルの名前はZAFT側にも伝わっているけど。
〔くっ! チィッ!〕
イージスガンダムを巧みに動かして射線を躱していくが、無理繰りにビームライフルを撃ってみたもののそれは簡単に躱されていた。
傭兵団【スプリングフィールド】が戦場に現れてから、地球連合軍の軍事的な被害は随分と減っているのだけれど、ユートがシルバーフレーム・龍式で出てからはその傾向が更に強まる。
大気圏突入シークエンスが始まって艦内放送が流されると、流石にルブリスのコックピット内から出てきたムウ・ラ・フラガ大尉が叫ぶ。
其処へ現れたキラ・ヤマト。
どうやら、フレイ・アルスターとのイベントは熟したらしくて、心なしか科白が弾んでいた。
本当に何故だろうか? ユートが知れば只々、首を傾げたろう。
「
〔クソがっ!〕
まるで雷光の如くギザギザな軌跡を描きながら宇宙を這う黄金の鎖、その正体に気付いたらしくイザーク・ジュールがデュエルガンダムASに回避行動をさせるけど、他のジンが数機ばかりチェーンに貫かれ墜とされたのが悔しく口汚く罵る。
ジンは急所とも云えるコックピットが貫かれた為、
ユートからしたら名も知らぬ某、然しイザーク・ジュールからすれば矢張り仲間なのだろう。
まぁ、ユートにとってはどうでも良い事だ。
〔矢張り……強いですね〕
〔グゥゥレイトォォ! やっぱ無茶苦茶だぜ!〕
ブリッツガンダムのニコル・アマルフィもそうだが、バスターガンダムのディアッカ・エルスマンもユートの闘い方に物言いたいらしい。
それはアスラン・ザラとイザーク・ジュールも同様だったし、指揮官として艦橋に居るラウ・ル・クルーゼも舌打ちをしていた。
〔アークエンジェルが降下準備に入っている?〕
〔クソッ! 奴だけは逃してなるものかぁっ!〕
ニコル・アマルフィが気付いて、イザーク・ジュールはそれに激昂をしながら攻撃を仕掛ける。
「やらせはせん、やらせはせんぞぉぉぉぉっ!」
何故か嘗て
戦争をしているからにはどんなに巧く遣った処で犠牲者は出る、それは一兵卒から将校まで幅広く容赦など無いように死ぬのである。
原典でも第八艦隊は全滅の憂き目に遭いながら何とか、アークエンジェルを地球へと降下させる事こそ出来たものの、代わりに本来なら護るべき一般人を死なせてしまった。
それに、艦載機たるストライクガンダムとメビウス・ゼロも出撃をせねばならず、色々とギリギリに成ってしまった事も否めない。
降りたと思ったキラ・ヤマトがストライクガンダムに乗り、それを幸運と視たナタル・バジルール少尉が命令を下したのは、マリュー・ラミアスにとってストレスになる。
この世界線では傭兵団【スプリングフィールド】が出ている上、ユートまでもが出陣をしていて流石に二人の出る幕などは全く無い。
犠牲者は今尚も出ているが、アークエンジェルを地球へ降下させる以上の事は有り得なかった。
ガンダム・ルブリスはガンダム・エアリアルと同じ武装を持ち、ビーム兵器も盾を展開して防いでしまっているからか、可成りアスラン・ザラ達から警戒をされている。
勿論、対ビームシールドならストライクガンダムなども装備はしているが、効果がそれらに比べても半端じゃ無く高いのが原因だろう。
それにビットステイヴは、ガンバレルが存在しているとはいえアレは飽く迄も有線式だった為、自由度という意味では遥かに優秀だ。
この世界には無線式のドラグーン・システムは開発こそされているが、ドレッドノートガンダムのシステムは未完成の侭だったから、公式に戦場に出されたのはプロヴィデンスガンダムが初。
「とはいえ、ローラシア級のガモフだったか? アレが突出する事自体は規定路線みたいだな」
仕方が無い……と、ユートはライディーンガンダムに通信を繋げる。
「アキラ、突出したローラシア級が見えるな?」
〔は、はい!〕
「討て」
〔……判りました〕
優しい性格は余り闘いに向かない、だけど元の世界でも闘いは充分に過ぎるくらい経験をした。
〔ゴッドバード・チェンジ!〕
あれから時間も経過しているし、何なら以前の世界でも戦果ならば充分に挙げていた。
〔ゴッドバードアタァァァァァァァァックッ!〕
簡易的に鳥型へ変形をしたライディーンガンダムが、ローラシア級のガモフに向けて体当たりを仕掛ける形で叩き落とす事に成功する。
然しながら、デュエイン・ハルバートン提督が先走る形で避難民のシャトルを射出してしまう。
闘いは佳境に入り、ローラシア級を墜としてくれたライディーンガンダムに怒り心頭なイザーク・ジュールがビームライフルを放つ。
其処へメネラオスから離脱をしたシャトルが。
「そうならなければ良かったのにな、残念だよ」
矢張り全体を指揮する訳では無いからだろう、どうしても世界というのはどうしようも無い。
〔よくも邪魔を! 逃げ出した腰抜け兵がぁぁぁぁぁぁぁあああっ!〕
放たれたビームライフル。
〔なにぃ!?〕
其処に姿を顕したのはガンダム・エアリアル。
「そんな事を、しちゃ……ダメッ……ですっ!」
ガンダム・ルブリスと同じく盾に集束をされたビットステイヴ、それがデュエルガンダムが放ったビームライフルを弾いてしまう。
〔まだ居たのか!〕
「往くよ、みんな!」
まぁ、
〔ぐおおおおっ!?〕
必然的デュエルガンダムの盾も、ストライクガンダムと同じく対ビームシールドではあるけど、この世界のビームは粒子の収束が甘くソレを基準に造られていた為、二発も受ければあっさりと風穴を空けられてしまい本体にまで届く。
そしてMSのPS装甲ではビームを受け止めるに足らず、エスカッシャンによって吹き飛ばされてしまったデュエルガンダムASはズタボロ。
アサルドシュラウドはPS装甲では無いにせよ、デュエルガンダムの防御力を確かに上げていたにも拘わらず、まるで紙装甲であると云わんばかりに撃ち抜かれていた。
一応、パーツも揃えているから多少の時間を掛けて修復は行えるが、現状では既に戦闘が出来る程に武装も腕も脚も残されてはいない。
〔イザークッ!〕
ディアッカ・エルスマンが、何とか重力に引かれるデュエルガンダムを引き戻して撤退をした。
「ふん、レッドコスモスが!」
そんなユートの呟きはイザーク・ジュールにも聴こえていた。
〔レッド……コスモス……だとぉ? それはいったい?〕
意味が解らないと思いながら気絶してしまう。
「チッ、結局はアークエンジェルも砂漠の虎の所へ降りてしまうか」
其処ら辺は原典と同じだから嘆く理由には成らないのだが、世間知らずのお嬢ちゃんやゲリラ共の相手をするのは正直に云って面倒臭い。
とはいえ……
「まぁ、自分のモノには出来ないけどアイシャは可成りの美女だからな。折角なんだし御近づきくらいには成りたいってもんだよね~」
“砂漠の虎”の異名を持ったアンドリュー・バルトフェルドの恋人か、或いは内縁の妻という立場なのかは窺い知れないが目の保養には成る。
欲を云えば欲しいが、アンドリュー・バルトフェルドを怒らせる意味など無いから手出しはしないけれど、折角ならば死なせたく無いというのがユートの想いでもあった。
それに彼は稀に見る有能な指揮官でもあるのだから、仲良くしておくに越した事は無いと考えているし、彼もまた原典では種族の垣根を越えられるだけの器を示している。
ユートが真っ先に切り捨てたパトリック・ザラやムルタ・アズラエル、それに【機動戦士ガンダムSEED Destiny】のロード・ジブリールなんかは最早、論外と云うしかない愚者であったと云う。
(まぁ、パトリック・ザラが論外だったからこそレノア・ザラを返そうって気には成らなかった)
レノア・ザラの命を救ったのは、彼女も矢張り相応の器を示していたからに外ならなかった。
器とは即ち、ナチュラルだのコーディネイターだのを超越が出来るであろう精神的な資質の事。
キラ・ヤマトは第一世代のコーディネイター、両親はナチュラルだとはっきり示されている。
育ての親だが、ハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの夫妻は矢張りナチュラルなので、家族ぐるみの付き合いが出来た時点で合格だった。
とはいえ、パトリック・ザラの盲目的なナチュラル憎しは妻を喪った事が原因なのだろうが……
いずれにせよ、彼らが互いを
現在ヤマト夫妻はオーブに居る。
ヘリオポリス崩壊から離脱で、アークエンジェルより先に地球へと向かう事に成ったからだ。
「さて、第八艦隊を完全に助けてから降下だな」
ユートはオープンチャンネルで、連合とZAFT両軍に聴こえる様にすると口を開く。
「地球連合軍第八艦隊及びZAFTに告ぐ! 僕の名はユート・オガタ・スプリングフィールドだ! 身分は木星圏統一連邦国家・傭兵団【スプリングフィールド】の団長。故あってヘリオポリスに居た処をZAFTの襲撃によりアークエンジェルへと身を寄せていた。その為、こうして我が身を守る事もありMSに乗って戦闘をしているし、傭兵団【スプリングフィールド】を動かしてもいる」
オープンチャンネルで響くユートからの言葉、それを聴いていて思わず動きを止める両軍。
「はっきり言うが、僕はナチュラルだのコーディネイターだの二元論に興味は無い。故に僕は別にコーディネイター憎しでお前らを攻撃している訳では無い。だが然し、降り掛かる火の粉は払うのが必定だろうよ。お前達コーディネイターが攻撃をしてくるからには斃す。此方はナチュラルに味方をする意味を持たない。木星圏統一連邦国家には元来だとコーディネイターは居ない。だけどそれが=コーディネイターと敵対する事に成らない。先にも言ったけど、ヘリオポリス崩壊で僕は仕方がなくアークエンジェル、お前らが“足付き”と呼ぶ戦艦に乗っている。その後も執拗にアークエンジェルを攻撃してきたからこそ、僕は艦長と相談をして彼女に個人的な雇用契約を交わした。理解をしたか?」
その意味は即ち退かねば討つという事なのだ。
「退けば見逃す、だが退かぬのなら覚悟を決めろ!」
ユートにとって、コーディネイターは文字通り敵では無い。
敵視をしていないのだから。
まぁ、事実上でも敵では無いけどそれを言うのは煽りである。
〔ふ、ざ、け、る、なぁぁぁぁぁぁぁぁっっ! ナチュラル風情がいい気になりやがってぇっ!〕
一般的なジンに乗った緑服なコーディネイターの誰かしら、名前が判らぬ以上はそうとしか言い様が無い者が怒り狂いながら突撃を。
「
「うおっ!?」
黄金に煌めく鎖が、シルバーフレーム・龍式の右腕から飛び出してジンを捕縛するとギシギシ、ギリギリ、グッグッグ! と絞める。
「降り掛かる火の粉は払うのだと、僕は確かにそう言った筈だぞ?」
〔莫迦な!? 全く身動ぎすら出来ないだと?〕
「死ぬが良い。
星雲鎖が回転を始めてジンを徐々に削り往く。
〔うわ、ウワァァァァァァァァァァァァァッ!〕
装甲を削られ、フレームを削られ、そして中身であるパイロットをも削り確実に抹殺をした。
〔ビ、ビクタァァァァーッ!〕
友人か誰かか? 他のジンが恐らく削り殺された緑服のパイロットの名前を叫んで涙を流した。
「ふむ、ビクター・エクランドか? 確かユニウスセブンに両親が働いていたのだったかな?」
〔なッ!?〕
アスラン・ザラが驚愕する。
「因みに、アスラン・ザラ。お前の場合はレノア・ザラだったな」
〔っ!? どうして?〕
「知っているとも。ユニウスセブンの二〇万人を僕は看取ったからな」
〔は?〕
こう見えてユートは、ユニウスセブンで働いていた者の名前をきちんと覚えていたから、彼らにも予め身内と闘って闘って殺す可能性を言ってあったので、若し可能なら死なせた者の中に彼らの身内が居たら報告をすると約束してあった。
尚、看取った……とは既に彼らはこの世に居ないものとして扱われているからに外成らない。
〔フム、君はコーディネイターを何とも思わないと言いたい様だが、ナチュラルであるとしている君が果たして本当にそうなのかな?〕
「ラウ・ル・クルーゼか。確かに遺伝子を弄っていない僕はナチュラル。然し僕は抑々の話が別の種族との交流がある。エルフにドワーフに獣人に翼人や魔族、天使や堕天使や悪魔に果てには神。それを鑑みれば高々、遺伝子を弄くっている程度の人間の優劣にどんな意味が有るんだろうな?」
他にも竜人なんて種族も居るし、何なら人化をしたドラゴンそのものとの交流だってあった。
〔意味の解らぬ事を言う〕
「お前らの一般的な常識ならばそうだろうとも」
こればかりは、異世界にまで行くユートと齟齬が起きるのも当然だ。
「なら、現実的な話をしようか」
〔ほう、ならば聴かせて貰おう〕
「な~に、簡単な話だよ。ラウ・ル・クルーゼ、コロニー・メンデルにユーレン・ヒビキ、それにテロメア……解り易い検索ワードだろう?」
〔ほう……〕
先程とは違い、その声色には険が宿っている。
地球の本棚にアクセスをすれば、きっと簡単にラウ・ル・クルーゼへと辿り着ける検索ワード。
彼は自身の身の上も過程も末路も理解をしているが故にこそ、ユートの言った科白はちょっと聞き逃せるものでは無かったのであろう。
「まぁ、それを此処で暴露った処で信用などされないだろうがな」
〔厄介な奴だよ、君は!〕
「その科白を吐く相手は僕じゃ無かろうに!」
どうでも良い話だが、テロメアの長さが必ずしも寿命と直結しているというのは間違いだ。
確かに細胞分裂の度に短くなる、そしてとある一定の長さに成れば細胞分裂が停止して老化が進むのも間違いないが、寿命そのものは様々な要因が折り重なって決まっていくものだから。
「さて、どうする? 先にも言ったが退けば見逃すが……戦闘を継続するなら覚悟を決めろよ? 確実に、この場のZAFT軍を殲滅してやる」
〔出来るとでも?〕
「我が傭兵団を舐めてくれるなよ。今の倍の数が居た処で結果は変わらないと言っておこうか」
その言葉はハッタリなどでは無いという事を、ラウ・ル・クルーゼはまざまざと見せられた。
〔良かろう、今回は退いてやろうではないか〕
〔た、隊長!?〕
ラウ・ル・クルーゼの決断には、驚愕を隠せないアスラン・ザラ。
〔既に最大の目標は居ない。ならば余計な犠牲を払う必要もあるまい? 全軍、撤退をするぞ!〕
ジンが艦に戻り、艦隊もプラントへ帰還した。
因みに、副長が『傭兵を使って追うべきだ』とか愚かな事を叫んでいたらしいが、当然の事ながらデュエイン・ハルバートン提督が却下。
雇用をしているのはマリュー・ラミアス個人であり、抑々が自分達に命令権その物が存在していない上、下手な対応をすれば寧ろ敵対までされてもおかしくはないのをきちんと理解していたからだ。
同じナチュラルだのどうのもナンセンスでしかない、傭兵は飽く迄も精神的にフラットだからこそ成り立っている職業だと云えるのだ。
どちらかに片寄るなら、片寄った方の軍隊へと入隊すれば良い。
ユートは多分に私情を優先させるきらいはあるだろう、例えばマリュー・ラミアスの抹殺だとか暗殺なんかを依頼されても受けないのは間違いない訳だし、仮に其処へ正当性をぶち込まれたとしても結論は変わらないのである。
第八艦隊は月に帰り、ユートは苦労を掛けてしまった傭兵団の皆を火星付近のアステロイドベルトに在る秘密基地で、たっぷりと可愛がって喘がせて報酬を支払ってやった。
勿論、個性豊かな【閃姫】達はそれぞれの個性に従ってユートを愉しませてくれていた訳だし、ユートとしてもミオリネ達を悦ばせてやるのが謂わば、自分の持っている義務で権利で資格と考えている。
ユートが地球に降下する事から数時間しか時間が取れない事が初めから解り切っており、たっぷりユートも含め全員が満足をする為に簡易ダイオラマ魔法球を使用、数日分の時間を使って爛れた日々を過ごした。
簡易型というのは広大な土地が在る訳で無く、魔法球内には館だけが存在していて館の内部へと転移する仕組みで、それ以外では内部時間が一日で外部では一時間しか経過はしない通常と同じ仕様と成っている。
然し、使われてる素材が圧倒的に少ないのだ。
詰まりは安価で造れると云う。
メイド姿のミッテルトに、
彼女も数日間をあれだけの爛れた性活で
全ての支度を終えてシルバーフレーム・龍式に乗り込んだユートは、再び戦場と成った宙域にまでやって来てビーコンを見遣る。
「矢っ張り原典通りか」
既に確認はしていたけど嘆息。
「TAROS起動、“ラムダ・ドライバ”を発動!」
そして龍式による地球へダイブ、アークエンジェルの在るポイントへと向かって流星と成った。
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