ガンダムシリーズ【魔を滅する転生頑ーSEEDー】 作:月乃杜
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ユートはガンダムアストレイ・シルバーフレームのコックピット内で食事中、腹が減っては戦は出来ぬという言葉も有る通り食べられる時に食べるのは必須であろうから。
とはいえ、豪華な御馳走など食っている場合では無いのだからフードカートリッジから生成した食事を、まるで新幹線などで食べる駅弁みたいに軽く食べている。
「御馳走様でした」
食べ終わった器は亜空間ポケットへと戻してしまうと、次は水筒を取り出して中身の栄養補給液というか喉を鳴らしながらスポーツドリンクを飲み干してしまい、腹も膨れて喉も潤した実感と共にモニターを見詰める。
「燃え上がれガンダムとか茶化したら不謹慎が過ぎるだろうな」
遂に目の前のヘリオポリスが崩壊をしていき、アークエンジェルとストライクガンダムが吐き出される様に現れ、シェルターは脱出挺の代わりと成ってヘリオポリスから切り離されていく。
「矢っ張りソードストライクか」
ストライクガンダムは専用のストライカーを背面から装備する事により、ノーマルな空戦型であるエールストライクガンダムや剣戟主体なソードストライクガンダムや砲撃主体なランチャーストライクガンダムに換装が出来る。
一度はランチャーストライカーを装備したが、アークエンジェル内でソードストライカーに換装をした筈で、それが故に現在のソードストライクガンダムという訳だ。
「一応、ストライカーパックは使えるけどな~。既にバッテリー式じゃないからエネルギーの無駄になるんだよね」
三種のストライカーパックは武装とバッテリーパックを纏めた物で、ストライカーパックを交換したなら武装の変化と共にストライクガンダムのバッテリーもチャージされる。
仮にフェイズシフトダウンをしてしまっても、一瞬にして再びPS装甲が色付くのだから。
「まぁ、現状ではPS装甲でも無いから使わんな」
いずれはPS装甲に換えてしまいたいとは思う、実際に【スーパーロボット大戦α】の世界で都合にして四度目――【第三次スーパーロボット大戦α】の時期に、【機動戦士ガンダムSEED】は参戦をしていたからこの世界のマリュー・ラミアスとは異なる世界線のマリュー・ラミアスと知り合いだし、何ならPS装甲もストライクガンダムなどの五機の“G兵器”は於ろか、フリーダムガンダムやジャスティスガンダムだって見知っている。
「さて、行くか」
不完全ながら魔改造されたシルバーフレーム、既に何機かのジンをこの宙域で片付けたくらいに扱いは易く、多少の軽さは気になるけどユートはすぐに馴れて使い熟していた。
関節にはRXー78ー2ガンダム宜しく、マグネットコーティングをしたりと出来る限り運動性を上げるなどをしたし、初期のスパロボみたいな限界の数値を上げ機能を落とさない措置も行っている。
何しろ、戦闘用MSのジンが開発されて大した時間は経っていないから、技術的な熟成が未だに為されていない処へ開発元のプラントでは無く、地球連合が開発の舵取りをしてオーブのモルゲンレーテ社が技術力を提供した形で造られた“G”の技術を盗用――但しサハク家と大西洋連邦で合意は得ている――をしたガンダムアストレイな訳で、モルゲンレーテ社も怖々と造ったのだろう。
正確にはプロト・アストレイ、モルゲンレーテのオーブ本社で既に造られているM1アストレイの礎と成った機体、取り分け本社のM1アストレイの色からレッドフレームが大元。
扨置き、アークエンジェルへの手土産代わりにジンを狩れたのは僥倖と云えるのかも知れない。
「さぁ、金色の御許へ還るが良い」
それは妙法村正では無くて正宗、とはいっても妙法村正みたいなガチな物を固定化+巨大化した物では無く、ユートが鍛った正宗とされている刀の特徴を模したレプリカに過ぎないから正確に云えば偽・正宗……魔装機神ザムジードが使っている大太刀を五郎入道正宗と呼ぶに等しい。
それはそう、ユートの妙法村正は真刀を巨大化した物な訳だけど、そうでも無ければ機動兵器が使うレベルの大きさな日本刀は無いのだから。
レッドフレームの
「戦闘は……すぐには起こらんか。吐き出されたばかりだからな、アスラン・ザラのイージスガンダムだけで動くに動けんか?」
確かジンは全滅していた筈で、アスラン・ザラのみが生き残りだったと記憶している。
「アークエンジェルに行くか」
シルバーフレームを動かしてユートはピキィンとまるでニユータイプの如く感性を発露すると、アークエンジェルの位置とストライクガンダムの位置、更にZAFTの艦やイージスガンダムの位置も確かめてストライクガンダムとの合流をするべく移動をし始めた。
「地球連合軍のXー105ストライクガンダム、此方は傭兵団【スプリングフィールド】の団長であるユート・O・スプリングフィールドというが……応答を願う」
〔ガガッ……え? ガンダムって言ったの?〕
僅かなノイズと共に明らかな声変わりさえ未だであろう子供の声。
その手にはヘリオポリスの救命挺が抱えられているが、恐らくはあの中にフレイ・アルスターが居るのであろう――キラ・ヤマトはそれが判っていて助けた訳では無いけど。
〔なにぃっ!? ヘリオポリスの脱出をした民間救命挺だと? しかも傭兵を連れて来たとは?〕
この可成りドギツい言葉回しは恐らくだけれどナタル・バジルール少尉、本来の艦長は佐官が就くものだが現在のアークエンジェルの最高位は、マリュー・ラミアス技術士官大尉とムウ・ラ・フラガ戦闘士官大尉で、先任はムウ・ラ・フラガだがアークエンジェルに関してはマリュー・ラミアスの方が詳しいからと辞退、ナタル・バジルール少尉は副官の立場であった筈だ。
彼女のすぐ上が二人の大尉で、下には下士官が居るのみだったし同格も今や居ない。
副官に成れるのはナタル・バジルール少尉しか居なかったのである。
がなるナタル・バジルール少尉にキラ・ヤマトもユートは兎も角、ヘリオポリスから脱出をした救命挺だけは彼としてはどうにかしたいのだと食い下がった。
何故なら救命挺は他人事では無い、罷り間違っていたら自身が同じ立場だったかも知れないし、何よりこの救命挺は故障をしているらしく宇宙を漂うデブリにも等しかったのだ。
(う~ん、確か原典ではもう少しすんなりいかなかったっけか?)
ナタル・バジルール少尉が滅茶苦茶ウザい事をギャーギャーと喚いている。
(あ! そうか、アストレイの存在が有るから向こうとしても着艦させられないのかも知れない)
〔受け容れられないって何です? 救命挺の推進部は故障しているんですよ! それなのにこの侭放り出せとでも云うんですか!? 避難した人達が乗ってるんですよ!〕
〔すぐにも救援艦が来る、抑々アークエンジェルは現在、戦闘中なんだぞ! 避難民の受け容れなど許可出来る訳があるまい! それに隣のGに似たMSはいったい何なんだ!?〕
〔そ、それは……〕
この辺りでマリュー・ラミアスが折れていた筈だったが、図らずもナタル・バジルール少尉が言ってくれたから理解をした。
「隣のGに似たMSってのは僕のアストレイを言っているのかな?」
〔なっ! 貴様は何者だ! 速やかに所属及びに官姓名を名乗れ!〕
突然の横槍に驚いたナタル・バジルール少尉、同じくそれにムウ・ラ・フラガも驚いたが……
(え、この声は?)
マリュー・ラミアスとしては別の事に驚きを隠せないでいる。
「
〔〔〔〔肩書き多っ!〕〕〕〕
キラ・ヤマト、マリュー・ラミアス、ナタル・バジルール、ムウ・ラ・フラガの四人が代表したかの如くツッコミを入れてきた。
ユートの肩書きは嘘八百を並べ立てたものでは決して無く、木星圏には間違いなく木星帝国の礎たる星帝ユニクロンが木星の位相が異なる空間に裏木星として在るし、それを首星としている衛生も幾つかがユニクロンの周囲を軌道上に回っている訳で、木星帝国での実質的なトップはユートだけど女皇であるテテニスが君臨し、娘として産まれたのがベルナデッド――正史に於いてテテニスが偽名として名乗っていたもの――皇女が居る。
尚、ユートは【機動戦士クロスボーン・ガンダム】は既知だったし、【機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト】も存在だけは識っていたが、後者に関してはタイトルだけは判っていても内容に関しては識らない。
その為に、正史? のクロスボーン・ガンダムでテテニス・ドゥガチが
〔木星だと? ちょいと吹かすにしても、随分と壮大な話だぁな?〕
「ほう、“エンデュミオンの鷹”さんは信じられないとでも?」
〔情報に詳しいじゃないの〕
ムウ・ラ・フラガ――エンデュミオンの鷹とも呼ばれる彼は、少しばかり苦々しい表情に成りながらもふてぶてしい言い方で返してくる。
抑々、ムウ・ラ・フラガはこの異名を好んではいなかったから苦々しい表情なのは当たり前で、あれはエンデュミオンクレーターに於けるジンとの戦闘をメビウス・ゼロで、キルレシオはジンが1に対してメビウスが5という数値を覆す大戦果を挙げた事への賞賛的な異名だが、実際には敗色が濃厚だった地球連合が“サイクロプス”で友軍をも巻き込む自爆による勝利、それを唯一の生還者たるムウ・ラ・フラガに“エンデュミオンの鷹”なんて異名を与えて祭り上げた挙げ句、事実の隠蔽と戦意高揚を狙ってのプロパガンタに利用をした。
厚顔無恥にも程がある。
まさか、本当の事を言う訳にもいかないからであろう“エンデュミオンの鷹”を否定はしないが、本人としては“不可能を可能にする男”を自ら標榜して此方に移行したいとかの野望を持っていた。
「傭兵が情報に未通とか有り得ないと思うがね」
〔そうかい〕
そして絶賛、混乱中なマリュー・ラミアスはと云えばモニターが『Sound only』な状態だったから素顔が見えず、声は知ってるは顔も何と無くだが想像が付くはで顔が真っ赤っか。
それはそう、或いは最後かも知れない逢瀬だからと肢体を許して肌を重ねた男が、ひょっとしたら二番目に好きに成ったのかもと思ったからこそ前も後ろも上も豊かな双丘も肢体の全て使って、前のMA乗りの恋人であった男にもシた事が無いプレイまでした相手が若しかしたら目の前に居る、それは或る意味に於いては正しく羞恥プレイにも等しかったのだから。
〔えっと、ユート?〕
「その声は……葛城ミサト、或いは月野うさぎ、或いは菅生あすか、或いはトニヤ・マーム、或いは水無怜奈、或いは平家いぶき、或いは紫紋、或いは
〔それは何処の誰様よ!? しかもピンポイントで私の名前は挙げないし、更には最後の妖精って何な訳? 最早、人間ですら無くなったわよ!〕
「いや、まぁ……ジョーク。It’a Jupiter enpire joke……ってね」
〔飽く迄も、ジュピター・エンパイアなんて言う心算なのね〕
「知ってるだろ? 僕は愚にも付かない様な詰まらない嘘は吐かない。無意味に誰かしら傷付ける嘘は寧ろ嫌悪すらしている……と」
〔それは……〕
故にこそ惹かれた、もうMA乗りだけは好きに成らないと考えてたマリュー・ラミアスとしては、
「若し信じてくれないのならば、僕を信じられないと云うのなら……僕は木星に帰ろう。少なくとも僕はマリューに嘘を吐いた事は無かったよ」
〔それは……って待ってよ? じゃあ、さっき挙げた女性や妖精? の名前は何なのよ?〕
「君に似た声の誰かしら」
〔意味が解らないわ〕
頭を抱えるマリュー・ラミアス、それは中の人的な意味なのだからそんな事情など解るまいと、ユートは苦笑いを浮かべながらそんな事を思う。
〔その、艦長の知り合いですか? 木星帝国だとか訳の解らない戯れ言を宣っていますが……〕
〔地球の勤務だった時に知り合った飲み友達……かしらね? 偶々憂さ晴らしに酒場へ飲みに出掛けた際に出逢って、愚痴を聴いて貰った挙げ句の果てに奢って貰ったのが切っ掛けでね〕
〔は、はぁ……〕
頭痛が痛いと云わんばかりのマリュー・ラミアスに対して、ナタル・バジルール少尉は気の無い言葉を返すしか無かったのだと云う。
〔良いわ、ユートからもその機体に関しては少し話を訊きたいし、何より人道的な見地から拾った救命挺を捨てるのは良くありませんからね。着艦を許可するので急いでアークエンジェルに!〕
「了解した」
今は未だZAFTとの戦闘の只中、詰まりはナタル・バジルール少尉の言っていた通りだった。
ナタル・バジルール少尉は文句を言いたかったのだろうが、自身が言った『ZAFTとの戦闘中』という事実を鑑みてしまっては、矢張り押し黙るしか無かったのである。
ユートはシルバーフレームを操作して、ストライクガンダムが持っている救命挺を共に支えながらアークエンジェルに着艦、格納庫に当たる場所で整備士らしき男からの指示に従ってゆっくりと救命挺を下ろしてやった。
ユートの知識からしてマードック軍曹であろうと思われる。
「おい坊主、その兄ちゃんをブリッジに案内してやんな」
「判りました」
マードック軍曹の言葉に頷くと同時に開かれた救命挺、其処から出てきたのは赤毛の少女でありキラ・ヤマトの知り合いでもあった。
《トリィッ!》
「え?」
振り返った少女の近くを、キラ・ヤマトがアスラン・ザラより譲られたトリィが飛翔する。
トリィを追って落ちるキラ・ヤマトを見付け、一応は知り合いだったから少女は喜色を露わに。
「貴方、サイの友達の!」
重力が弱いから飛び上がったら一気にキラ・ヤマトに近付いて抱き付く。
「フレイ? 本当にフレイ・アルスター? この
頬が紅いのは異性に抱き付かれたから……というより、キラ・ヤマトがフレイ・アルスターへと好意を寄せていたから。
「ねぇ、どうしたのヘリオポリス? どうしちゃったの? いったい何が有ったの?」
「うっ!」
「私、私……っ! フローランスの御店でジェシカとミーシャとはぐれて、一人でシェルターに逃げて……そしたら! これって、ZAFTの船なんでしょ? 私達はどうなるの? 貴方は何でこんな所に居るの?」
「これは地球軍の艦だよ」
「嘘、だってあれは?」
「あれも地球軍の機体なんだ」
そういえばこんなシーンがアニメの方でもも確かに有ったな……と、冷めた目でキラ・ヤマトとフレイ・アルスターの遣り取りを見詰めている。
精神的に高揚をしていないのは、ユートが余りフレイ・アルスターを好ましく思っていないからであろう、U.C.世界だけで云えばガンダムの三大悪女とか呼ばれていたのはニナ・パープルトンとクェス・パラヤとカテジナ・ルース、とはいえどニナ・パープルトンは状況だけで悪女呼ばわりされていたのが判ったし、クェス・パラヤは父性を欲するが故の行動が年齢も相俟って子供染みてしまった挙げ句だったから良しとした。
カテジナ・ルース? 綺麗なカテジナさん何て存在は居なかったよ。
そしてU.C.世界に限らなければ、フレイ・アルスターも悪女の一人に数えられていたりする。
先に挙がったニナ・パープルトン、クェス・パラヤ、カテジナ・ルースというのも初代三大悪女という事であり、この三人も一応な新情報や元からの状況などから見直しが成されてもいた。
尤も、実際に宇宙世紀を駆け抜けたユートからしたなら曲がり形にも『戴きます』をした上に、ニナ・パープルトンはアナハイム・エレクトロニクスに入社前、クェス・パラヤは抑々にして年齢が年齢だったから処女を喰っちゃった事もあり、心情的にも実質的な意味合いでもユートは悪女とは思っていないのだ。
くどいが『綺麗なカテジナさん』なんて云う、ユートも二次創作にも居るか居ないか判らない様な存在は全く以て識らない、一応は戦時中に撃墜をした後に敵対者だったから無理矢理にヤったのだけど、ザンスカール帝国に所属後の顔芸が達者でウッソ・エヴィンを嗤いながら嘲けて罵っているだけに膜などは最早無かったし、御綺麗な面と御立派な肢体で気分を盛り上げて一発ヤるだけ。
後は原典通りに視力も何もかもを喪失してしまって、カテジナ・ルースの搾り滓残り滓でしかないソレともう一発だけヤったら、未だ彼女の心配をしていたウッソ・エヴィンに任せてやった。
ウッソ・エヴィンも劣情に任せてすぐにカテジナ・ルースの搾り滓とヤったら気付いたろうが、流石にユートみたいな性欲に塗れた悪党では無かった彼は、何も無い彼女を手厚く看護をしてやって少なからず信頼を勝ち得て笑顔を薄く浮かべられる程度には心が近付き、本人が『何も無い私が貴方に上げられる唯一のモノ』と言ってあやふやな知識から夜這いを仕掛けて来るまで、彼自身の童貞を捨てる行為など一切合切ヤらかさない。
ユートはそれを感心しながら視ていたものの、正史と事なり生き残っていたシュラク隊の御姉さん方は元より、幼馴染みとして信用をしたかった彼女も流石に顔を背けるしか無かった。
取り敢えず、フレイ・アルスターがカテジナ・ルースな√を辿るのか否かは、彼女の父親の死を防げるかで変わってくるのではなかろうか?
サイ・アーガイルとどうなるか、キラ・ヤマトとどうなるかはそれ次第で変化をするであろう、とはいえユートが手を出したりはしないと誓って云えるのも間違いでは無かったのだと云う。
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